ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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OSAKA②

大阪チームはやっぱりイカれてた。

これから星人たちと殺し合いをするというのに、薬物をキメたり音楽を聴いたりしている。

まるでゲームをやっているかのような雰囲気だ。

 

···なんだろう、すごく嫌だけど俺と似たナニカを感じる。

俺も“原作”というフィルターを掛けてこの世界を見ている節があるからな。

そうでもしないと生き残れない···おそらく精神を壊してしまう。

全うな善性を維持したまま戦える人って本当に凄い。

 

「一般人が殺されてるぞォッ! お前等何やってんだッ! 早く行けッ、人がッ、人が死んでるッ! ホラッ!」

「なんやねんお前。おかしーんか、どっか」

 

大量の星人が街に出て一般人を殺し回っている現状を見ても、そして加藤の絶叫を聞いても尚大阪チームは動かない。

さすがに気分が悪いので、しれっとXガンで星人たちをロックオンした。

 

「おまえッ何しとんねん!」

 

黒人スキンヘッド···島木譲二(3回クリア)の制止を無視して、トリガーを引く。

独特な発射音の少し後、一般人を襲っていた星人たちの頭が弾け飛んだ。

 

()()()()危険な状況にあると判断したので手出ししただけです」

「クソガキ···屁理屈捏ねよって···!」

「それが嫌なら、せめて進路上の一般人くらいは助けてください。見てて気分が悪いです」

 

言い換えると一般人が死んでも“気分が悪い”()()で済むんだけどな。

俺が大阪チームに反抗したのは···多分同族嫌悪みたいなモノだろう。

 

 

 

大阪チームとの共闘(?)を始めてしばらくすると、海老の様な身体に蟹のハサミに似た手を持つ妖怪──網切に化けた星人が現れた。

数十メートル離れた所からZガンを構えるが、島木に止められた。

 

「お前コイツ(Zガン)使ったこと無いんか?」

「ええ、前に100点獲ったばかりなので」

「そうかい···んなら教えたるわ。コイツは“押し潰す”銃や。射程距離は精々10mくらい。ターゲットに近いほど威力が上がる。それと連射も出来るが“溜めて”撃った方が威力が上がる*1

 

な、なんかめっちゃ親切に教えてくれるな。

クソ生意気な態度とったのに。

 

「手本を見せたるから···よッく見とけ」

 

そういうと島木が網切の方へ駆け出した。

さっさと撃てばいいのに、網切の間合いに入って攻撃を避けまくっている。

網切の刃がスーツの耐久を無視すると知った上での行動···阿呆としか思えないけど、動きは滑らかでまだまだ余裕がありそうだ。

 

「3···2···1···」

 

 

 

ドンッ

 

 

 

···たった一発で網切が潰れ、臓物の浮かぶ血の池が出現した。

 

「見たか、このデカい銃はこーやって使うんや」

「いや無理無理無理」

 

絶対連射した方が強いでしょ。

 

 

◆◆

 

 

《Side加藤》

俺と計ちゃんは大阪チームから離れて、一般人の救助にあたっていた。

 

「あんたら···命の恩人やわ。あんたらがおらんかったら、ウチの家族死んどったわ」

「バイバ〜イ、ライダー」

 

見知らぬ家族に手を振って、別の一般人の方へ行こうとして──

 

「キミたち東京のチーム?」

 

──女に声を掛けられた。

黒髪でショートヘアな美人。

ガンツスーツを着ているから、おそらくは大阪チームの一員か。

 

「ああ···」

「ふ〜ん···うち、山咲杏。あんたらは?」

「加藤勝···」

「俺は···玄野計」

「歳いくつ?うち23歳」

「俺と計ちゃんは同い年で···17」

「まだ高校生か。全然年下や〜ん」

 

なんだこの女は···。

 

「ずっとさっきから見とってんけど···ずっと考えてたわけ。何やっとんのかな〜って」

「え?」

「は?」

「いやまさか···まさかな。あの家族を助けたように見えてんけど」

「ずっと見てたんなら何で助けなかったんだよ」

「はァ〜?冗談やないわ、なんで知らん人のために命賭けなあかんねん」

 

計ちゃんに非難されても本人はどこ吹く風だ。

 

「···加藤、もう行こうぜ」

「あ、ああ···」 

「どしたん、どこ行くの?」

「一般人を助けに行くんだよッ」

「マジで!?あははははっ!ギゼンシャ全開っ、ギゼンシャ星人やなっ!」

「なんで付いてくんだよッ」

「だって変な奴観察するの好きなんやも〜ん」

 

 

 

結局着いてきた女性──山咲杏は放っておいて、他のみんながカバーしきれない範囲を、小走りしながら索敵する。

 

「あ!そういえばウチのチーム、スーツ着てない老人と子供がいててんけど···まだあそこ隠れてんのかな···」

「どこだッ、場所は!?」

「ええ、うっそやろ?マジで?」

「案内してくれッ早く!」

「あっはっはっは、エエかっこしぃや〜っ。こっちやで〜···あははっ」

 

小馬鹿にするけど案内はしてくれるのか。

よく分からない人だ。

 

 

 

「あっ、あそこっ!建物の中!」

「まだ生きてるぞ!」

「クソッ、あのデカい星人が邪魔だッ」

 

先に戦っていた3人のうち1人が瞬く間に背中に取り込まれ、他の2人は見限って逃げ出してしまった。だけどあの尻尾···かなり速いけど、当たっても即死はしないんだな。

 

「計ちゃんッ俺が尻尾をどうにかするから!」

「ああ、俺が足を斬る!」

 

まずは建物の中に入って、子供を絡みとっていた小さな星人をXガンで始末する。

 

「出来るだけ奥の方へ行ってください!」

「ありがとうございます!」

「ほら行くでッ、奥の方にッ」

 

おじいさんたちを逃がした後、すぐに尻尾が襲いかかってきた。建物に当たる度に地面や天井が砕けて破片が飛び散る。

でもコンクリを一息にぶった斬る程の威力ではないらしく、建物に動きを邪魔されている。

 

ぐガァアァァァッ

「行けッ加藤!」

 

計ちゃんに足を斬られ、星人が絶叫する。

尻尾が計ちゃんの方に向かい、こちらへの攻撃が無くなった。

 

「──ッ!!」

 

その隙にソードを伸ばして首に目掛けて振り抜き、断ち斬り、星人は断面から血を噴き出して動かなくなった。

 

「よしッやったな加藤!」

「ああ!早く背中に取り込まれてる人たちを助けるぞ!」

 

 

 

背中に取り込まれている人たちの救出が完了した。残念ながら身体を溶かされて死んでしまっている人が多かったけど、それでも十数人は生きていた。

取り込まれた大阪チームの1人も、スーツの耐久を使い切る前に助けられた。

何の礼も言わずに走り去っていったのには少しムッとしたけど。

 

キミは···キミたちは、なんでそないに···

「ん、何か言ったか?」

「べ、別に?何でもあらへんよ?」

 

 

*1
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