さすがにこれだけ超重力を叩き込めば、ぬらりと言えども死んだだろう。ステルスを解除してみんなのいる対岸まで跳躍する。
「黒川···お前まさか最初から···!?」
さすがに玄野は鋭い。
その通り、これこそが俺の作戦。
名付けて、“他人を利用して自分は苦労せずにぬらりを潰すチキン戦法”である。
またの名を“西くん戦法”。
手段の卑怯さはともかく···ぬらりは死んだ。
他の星人も全滅してるはずだから、後は転送を待つだけである。
おかしい。
もう10分は経っているのに転送が始まらない。
数分前にもレーダーを確認したけど、星人の反応は全く無かった。
何が起こって────
「────は?」
空から
俺の思考がフリーズしているのに構わず、
皮は無く、筋肉や血管が剥き出しになった肉体。両肘からは大鎌を生やし、背中には無数の鋭利な骨が突き刺さっている。
ぬらりひょん最終形態。
それがなぜここに居る?
「ふーッ、ふーッ···さっきのはお前か···ずっと···潜んでいたのか···?」
落ち着いて考えろ。
コイツが死んでない理由はなんだ?
不意討ちは成功した。
Zガンを浴びせたのも一度や二度じゃない。
連射したから威力は多少弱かっただろうけど、肉片や細胞を破壊するには十分だったはず。
「お前の存在は···しかと認識した。その手はもう···通じない」
原作と違った事はなんだ?
俺は原作の加藤と違って、“最強の初撃”で大部分を潰してからZガンを連射した。
そしたら
「あ···まさか······」
···水がZガンの衝撃を緩和したからか?
そういえば物理の授業で習った気がする···水の密度は空気と比べて数百倍もあって、水中での動作は陸上動作の数十倍の抵抗を受けるとか。
それに加えて超特大の水飛沫。
もし俺が潰した範囲の外にも水が飛び散っていたなら···もしその中に、ぬらりの肉片ないし生きた細胞が混じっていたなら···ソレを起点に再生してもおかしくない。
「クソッ······逃げろみんな!!」
もしこの考えが正しいなら、やはりぬらりに不意討ちは有効なはず。
場所が悪かっただけ···俺がミスをしただけだ。
この不始末は俺が処理する。
だからまずはぬらりの意識外まで走って───
「ぱんっ」
───俺の脇腹に球状のナニカが貫通し、激痛が走った。
これは···レーザーではないな。
もしそうならとっくに死んでる。
じゃあ多分アレだ···“パチンコ玉”だ。
原作で東京メンバーのスーツをオシャカにしたヤツだろう。
一発に凝縮したからか、明らかに威力が強くなってるけど。
「そんな···零くん···零くんッ!!」
「早く逃げろ···レイカ」
「嫌だよ···零くんを置いて逃げるなんて」
「大丈夫···俺は平気だから」
「そんなわけ···!」
さすがに痩せ我慢が過ぎたか。
どう見たって今の俺は死に体だもんな。
多分腸をブチ抜かれたし、さっきからずっと血が止まらない。
「脆いな···他愛もない···。ここにいろ···お前たちは後で相手してやる」
玄野たちには一瞥もくれず、ぬらりは地を砕いて何処かへ跳び去ってしまった。
あー···最悪だな。
ここで岡が死ぬのは余りにも痛い。
「させるかよォッ!!」
──と思っていたら玄野がぬらりを追いかけ始めた!それに続いて和泉とJJさんも駆け出す。
東郷さんは1人だけ別方向へと走って···おそらくは狙撃を狙っているんだろう。
「レイカ···どっかのビルから、アイツを狙撃してくれ。さっきは場所が悪かっただけで···不意討ちは効くハズだから」
「それなら零くんも一緒に···!」
「いや俺は···今の俺がいたら足手まといになるから、ココに残ってるよ。──加藤!山咲さん!
「······分かった。俺たちが勝つから···なんとか生きていてくれ」
「カワイイ彼女さんがおるんやから、死んだら絶対にアカンよ」
「いや付き合ってないし···これくらいじゃ死なないから。3人とも行った行った!」
······みんな行ってくれたか。
「痛ッ···それじゃあ俺も···一仕事するか」
狙撃して隙を生み出し、Zガンで完膚なきまでに叩き潰す。
JJさんも珍しくXショットガンを持っていたし、
···そう信じて、激痛を抱えながら俺はゆっくりと走り始めた。
◆◆
《Sideレイカ》
真っ先に玄野くんと和泉くん、そして
だけど無限に再生するぬらりひょんに押されていき、殴られ、蹴り飛ばされて動かなくなった。
次に3人が稼いでくれた時間で位置に着いた私たちが、それぞれ別の場所から狙撃を開始。
命中する度にぬらりの身体が弾け飛び、しかも明らかに再生が遅くなっている。
そして最後の仕上げに加藤くんが
「いやァッ!あああああ!!」
絶叫し、Xショットガンを撃ちながらぬらりひょんへと駆け寄る山咲さんを───後ろから、
誰が一番好き?
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加藤
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玄野
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和泉
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レイカ
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JJ
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東郷
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黒川