ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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OSAKA⑥

走り出す前に感じていた強烈な痛みが、今はなぜか和らいでいる。

スーツも壊れているのに、なぜか俺の両足はいつになく良く動いた。

潜在能力の解放と言えば格好いいけど···実際は死ぬ間際の悪あがきでしかない。

どうしようも無く追い詰められたときに、たった一度だけ使われる“予備電力”の様なモノ。

それが尽きた時、多分俺は今度こそ本当に死ぬ。

千手観音と戦ったようにはいくまい。

 

「いやァッ!あああああ!!」

 

どうせ死ぬならその前に、せめてこの人だけは救おう。

山咲杏──この人にはまだ小さな子供がいる。

俺だって死にたくないけど···山咲さんと俺の夢(おっぱい)なら、前者のほうが大事に決まってる。

 

こういうのは柄じゃないけど、俺がドジったせいで被害が拡大したんだ。

せめて囮役を引き受けるくらいはしないとな。

 

山咲さんを追い抜いてソードを抜き放ち、ぬらりひょんに飛び掛かる。

ぬらりの目が赤く光り光線が照射される直前、執拗な狙撃でズタボロになっていたぬらりの胴体を、すんでの所で切り裂いた。

 

でも一度じゃ足りない。

ぬらりはまだ加藤を視認している。

あと一太刀浴びせる必要があるけど···俺にそんな戦闘スキルは備わっていない。

もう次の光線は回避できない。

 

それなら逆に考えるんだ。

()()()()()()()()()()()と考えるんだ。

 

「────!!!」

 

ぬらりの頭部を()()()()()、視界を俺だけで埋め尽くす。これなら嫌でも俺を見るしか無いだろ。

 

 

 

 

 

 

あっ 熱ッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

···げげ〜、なんだよ気持ち悪ィ〜···。

 

 

 

 

最期に見るのが俺の身体かよ···しかも()()()()()って···

 

 

 

 

どうせだったらもっとイイモン見てから···

 

 

 

 

······レイカとかさ···

 

 

 

 

多分···俺に気ぃあったよな···

 

 

 

 

家に来たときとか···ワンチャンあったよな···

 

 

 

 

どうせ死ぬなら···カタストロフィを待たないで告白しとけば良かったかもな···

 

 

 

 

···············

 

 

 

 

でもまあ···いいか···

 

 

 

 

こんな俺が···人助けて死ねるんなプツンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

100点めにゅ~。

 

1 記憶をけされて解放される

 

2 より強力な武器を与えられる

 

3 MEMORYの中から人間を再生でちる

 

 

◆◆

 

 

 

······ん?

 

「黒川···どこまで覚えてる?」

「え···っと。確かぬらりに突っ込んで···胴体を吹っ飛ばされたよな?」

「···ああ。その後は加藤がZガンでぬらりを倒して···3番で黒川を再生したんだ」

「そっか···ありがとうな、加藤。みんなも···ドジしちゃってごめん」

 

ぬらりは無事に加藤が潰しきってくれたらしい。

しかも100てんめにゅ〜で俺の“再生”を選択してくれた。

ガンツによる“再生”は、死者の復活ではなく死者を基にした複製体の“生成”だけど···これはぶっちゃけどうでもいい。

“俺”から“俺”へ、身体や記憶も全てが引き継がれているのなら、死者蘇生と同義だろ。

 

だから複製体でも“生き返れた”のは嬉しいんだけど···なんだろう、「(えっまだ戦わないとダメなの?)」っていう気持ちがちょっぴりある。

俺はあの場で死ぬつもりだったし、そして実際死んだからな。

燃え尽き症候群ってやつか?

 

というか、さっきからずっとレイカの視線が怖すぎる。目力だけでまた風穴が開きそう。

 

 

 

「ねえ、零くん···なんであそこに来たの?」

 

······何のことですかね。

 

「怪我したから大人しくしてるんじゃ無かったの?」

 

いやそれは···そうでも言わないと狙撃しに行ってくれなさそうだったし···。

 

「もっと私たちを頼ってよ······零くんが死んじゃって···すごく···辛かったんだから」

「···ごめん」

「もし次があったらその時は···私も死ぬから

 

重ッ。

 

「はは···それじゃあもう死ねないな」

「うん···もう絶対···ダメだよ···」

 

 

 

──────────────────────

 

 

《採点》

『かとう。131てん。

TOTAL210てん。*1

 

『くろのくん。50てん。

TOtAL128てん。*2

 

『和泉くん。48てん。

TOTAL90てん。あと10てんでおわり。』

 

『レイカ。40てん。

TOTAL100てん。*3

 

『JJ。25てん。

TOtAL25てん。あと75てんでおわり。』

 

『とうごう。52てん。

TOtAL73てん。あと27てんでおわり。』

 

『くろかわ。0てん。

TOTAL0てん。あと100てんでおわり。』

 

 

 

 

《黒川のチート能力》

原作知識チートの他にもう1つある。

その名もズバリ『平常心』。

正確に言えばチートでは無く、転生時の副作用みたいなモノ。

世界線の捻れが変な形で魂に作用した結果、あらゆる状況下でも平時と然程変わらない、極めて特異な思考回路に変質した。

ただし普通に感情は残っているので、今回の戦いは割とガチでトラウマ。

SAN値チェック案件。

 

 

《黒川のメンタル》

アキラ討伐ミッション

→和泉とスーツが壊れるくらい激しく戦う

→アキラが死ぬ

→アキラが純粋な人間として“再生”される

→やったぜ、と思っていたら

→本来あり得ないタイミングでの連続ミッション

→しかも行き先が大阪

→自分のミスでぬらりがZガンで死ななかった

→自責の念に駆られてぬらりに特攻して死んだ

→死んだと思ったら“再生”された

 

余りにも多くの“予想外”が発生してしまい、黒川のメンタルはもうボロボロ。

現在は記憶力・思考力・判断力などの各種ステータスが大幅低下中。

メンタルがこのまま回復しなかった場合、イタリアミッションで死ぬ。

 

 

《レイカのメンタル》

怒りと心配と安堵でぐちゃぐちゃ。

とりあえず黒川は絶対に許さない。

 

 

 

*1
※黒川再生+Zガン取得。

*2
※パソコン取得。

*3
※Zガン取得。

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  • 和泉
  • レイカ
  • JJ
  • 東郷
  • 黒川
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