ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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Vorbereitung Phase①

※玉男のセリフに「ッ」が多用されていますが、これはわざとです。原作の表現です。

 

※“Vorbereitung Phase”はドイツ語で“準備段階”という意味らしいです。

グーグル先生に聞きました。

“Vorbereitung”は女性が使う言葉らしいですが、細かいことは気にしないで下さい。

 

※誤字報告感謝!

 

──────────────────────

 

ち・り・ん・ん・ん······

 

全員が無事に部屋へ転送されたあと、いつものミッションとは違う音を合図に採点が始まった。

しかし文字化けが余りに酷く、誰が何点獲ったのかも分からない。

とりあえず和泉と東郷が100点に到達したのは分かるけど、いつ機能停止してもおかしくない。

 

「おわりって書いてあるぞ···」

「始まるのか···とうとう」

 

黒玉に表示されている『おわり』の3文字を見た後も、みんなの表情は固い。

俺がカタストロフィの存在を明かしたからだ。

これは地獄からの解放ではなく···地球滅亡の刻が近いのだと察してしまっている。

 

「···分かってると思うけど、これで本当に終わったワケじゃない。むしろ今までのは前哨戦で、これからが本番だと思う」

 

巨人族の地球侵攻までは残り2日と10時間。

それまでに、やれることは全てやる。

原作知識をフルに活用して、ここに居る全員が生き残れるように。

 

 

 

「······ガンツ。()()()()()()()()?」

 

少しの沈黙を経て、黒玉の中から裸の男が顔を出した。玉男の暴挙にメンバー全員が仰天する。

 

凄いね。なんで分かッたの?

「ミッションが終わったってことは、アンタも解放されるんじゃないかなって思っただけだよ。···でも、アンタにはこれからやって欲しいことが沢山あるんだ、ごめん」

大丈夫···出来ることは何でもやるよ。何をして欲しい?

 

黒玉を操作していた人間とは思えないくらい親切だけど···まあ玉男は命令通りに動いてただけらしいしな。

 

「まず、俺たちの頭の中の爆弾···は、もしかしたら既に取り除かれてるか」

···うん、もう除去してるよ

「よし。じゃあ次は、俺たちが勝手にあちこち転送されないようにしてくれ」

分かった···“運営”のコンピューターには“東京部屋は全滅した”って表示されるように偽装するよ

 

驚いたことに、目の前の全裸男はブラックボールの運営にも干渉出来るらしい。

 

「じゃあその調子で、アンタ自身のプロテクトって出来るか?」

···やッてみる。プログラムを構築してるから···ちょッと待ってて···

 

 

 

3分後(地味に長え)。

待ってる間、メンバーからの視線が痛かった。

俺が玉男を受け入れるのが不自然に早すぎたか。

 

とりあえず完成したよ。どこまで抵抗できるかは分かんないけど

「ん。俺たちの転送は自由に出来る?」

言ってくれれば何処からでもできるよ

「おっけ。次、兵器の量産ってイケるか?」

量産···は無理かな。このブラックボールのエネルギーが尽きるから

 

さすがに武器の無制限供給は難しいらしい。

 

「俺たちが今着てる、このスーツだけでもどうにかならないか?」

いくつ欲しいの?

「あー···それはこれから聞いてみる」

 

 

 

「というわけで。みんなはスーツの替え、欲しい?」

「ちょっと待て、理解が追いつかねえよ」

 

玄野たちからすれば玉男が動いた時点でも驚きなのに、玉男はやたら親切だし、俺も当たり前のようにこき使ってるし。

うん、最早ちょっとしたホラーだな。

 

「まあ···そのうち慣れるって。で、みんなスーツは欲しいよね?」

「数着あれば万全だろう。スーツの防御を無視する相手には無駄かもしれんが」

「まあ東郷さんの言う通りっすね。ホント嫌になっちゃいますよ···それからえーと···玉男さんって呼んでもいい?」

 

そういや玉男の名前知らんな俺。

 

いいよ。僕に個体名は付与されてないし

「ありがとう。それじゃあ玉男さん、()()()()()()スーツって用意できる?」

この部屋に連れてきて、僕がスキャンすれば出来るよ。何人分欲しい?

「うん、それもこれから聞いてみる」

 

 

 

「はい。というわけでみんな、誰かスーツを着せたい人はいる?スーツを着せればかなり生存率は上がると思うよ」

「もういいよ···俺は突っ込まねえ」

 

あ、玄野が死んだ目になってる。

俺は悪くねえ、最適解を選んでるだけだぞ。

 

「それなら涼子のスーツを頼む」

「和泉お前、彼女のこと大好きかよ」

「ああそうだが、問題あるか」

 

お、おう···(引) 照れも怒りもせず、まさか真顔で言われるとは思わなかった。

コイツ本当に和泉か?

実は生き別れた双子の弟だったりしない?

 

「じゃあまず1着は確定で。玄野、たえちゃんとアキラの分も要るだろ?」

「え、ああ···うん」

「俺のお袋のスーツも頼む」

「東郷さんのお母さんか···どんな人なんです?」

「一言で表すなら···“暴力”だな」

「はい?」

「心身ともに強靭なのだ、俺のお袋は。おそらく全盛期ならばスーツ無しでもガンツミッションに参加出来ただろう」

「本当に人間ですか?」

 

筋肉らいだーみたいな人って日本には複数居るのかな···頼もしいけど怖すぎる。

 

「俺の両親にも着せたい」

「JJさんのご両親はどんな方なんです?」

「本当かどうかは眉唾だが···若かりし頃、シベリアトラを2人で討ち倒したそうだ」

「実は星人だったりしません?」

「いや、さすがにジョークだろう。俺の知る2人はただのおしどり夫婦だよ。今は山梨の山奥で呑気に暮らしているさ」

 

その後はレイカの両親や加藤の弟に着せることが決まった。

できれば親戚やクラスメートにも着せたいけど、ブラックボールのエネルギーは温存しておきたいからここまでにしよう。

 

 

 

今言ッた人のスーツは用意できるよ

「じゃあその人たちは、明日ここに連れてきてスーツを配給するってことで。それとシェルターも一応用意したから、誰か連れて来たい人は俺に言ってね。数百人とか大人数は無理だけど」

「お前···人生何周目だよ···」

 

今日も玄野の勘が冴え渡っているな。

俺は人生2周目+原作知識持ちの一般人である。

 

「そんなに大層なものじゃない。ちょうどいい感じの崖を掘りまくって、防空壕みたいなのを作っただけだから」

 

ガンツウェポンって本当にすごい。

たった1日でそれなりに広い洞窟ができた。

崩落しないようにいくつかセーフティーは設けているし、安全性はそこそこあると思う。

それに洞窟内にはホームセンターやアウトドアショップで買い占めた防災セットを置いたから、数十人来ても1週間程度なら持つハズ。

 

「ふう···それじゃあこれで最後にしよう。···玉男さん、西丈一郎が今何処に居るか、調べられるか?」

 

 

──────────────────────

 

次回、西くん再登場です。

 

西くんのイメージ

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