ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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カタストロフィ①

“The unknown craft 25.3miles 1800knots closure.”*1

 

『Can you check it with your eyes?*2

『Unbelievable! Too fast!*3

『I have them Inbound bogey heading 350at 8 miles···*4

『Stand guard!!*5

『Air miss!!*6

『What a horrible velocity that has!!*7

 

精強を誇るアメリカ軍は今回の異常事態を受け直ちに出撃。しかし未知の戦力と接敵した合衆国海空軍は───通信を行う猶予すらも与えられずに壊滅した。

精鋭のパイロットは尽く撃墜の憂き目に遭い、米国の虎の子であった原子力潜水艦も轟沈。

 

この未曾有の大事件は日本国内でも報じられ···しかし大きな騒動には発展しなかった。

平和ボケしきった一般市民は、この段階に至ってなお迫りくる危機を実感していなかったのだ。

インターネット上では呑気なテキストが飛び交い、学生や社会人が休まず通学・通勤している。

 

「異常気象か?」

「太陽どこだよ」

「なんか“終わっちゃう”感じ」

「うんうん、なんか“終わっちゃう”感じする」

 

しかし異星の侵略者はすぐに日本にも襲来し、主要都市はやはり瞬く間に恐慌に陥った。

しかも絶望する人類へのダメ押しに、ギガ・ストラクチャー(超巨大構造物)が降下してきた。

通常兵器は歯が立たず、闘争未満の虐殺劇が繰り広げられる。

 

 

 

「···なんとか避難は間に合ったか」

 

東京郊外に造った急ごしらえのシェルターに、ガンツスーツを着た10人の男女が避難した。

彼らは皆東京チームの家族、あるいはそれに類する者たちである。

 

「無理しないでね···西くん」

「ちッ···俺は直接戦うつもりは無えっつの。だから要らねえ心配すんな」

 

「十三···アンタが何やってんのかは知らない。だけど闘るからには負けんじゃないよ」

「ああ···全員で勝ってくる」

 

「泣き虫だったのに頑張ってるねェ」

「死ぬなよ、JJ」

「Thankyou···頑張るよ」

 

「和泉くん···また遊園地行こうね」

「ああ、絶対だ。約束する」

 

「兄ちゃん···泣きすぎだって」

「絶対···生きて帰ってくるからな···」

 

「君がレイカの想い人か···」

「ウチの子をどうか、守ってやって下さい···!」

「勿論、()()()()守りますよ」

「零くん、どういう意味?」

「ごめん」

 

「アキラ、ここを頼んだぞ」

「ああ···任せてくれ」

「ケイちゃん、この人達って何かの組織なの?」

「みんな···1回死んでるんだ。俺も、もともと地下鉄に轢かれて、そっからずっと拘束されて···なんか説明しにくいけど。もともと死んだ人の命だからって、一緒に戦ってた人たちも、使い捨てみたいな感じで死んでいった···」

「······そんなの───」

「でも俺は今ちゃんと生きてるし···ずっとタエちゃんと一緒だから」

 

大切な人達と短い間でも語り合い、励まし合い──ここに戦士たちの覚悟は完了した。

 

「ガンツ、俺たちを“部屋”に転送してくれ」

 

 

◆◆

 

 

おかえり

「ただいま···ってここは俺たちの家じゃ無いけどな。じゃあ玉男さん、早速だけど“通信”お願いします」

分かッた

 

世界中に設置されたブラックボールには独自のネットワークが存在している。

それを活用することで他のガンツチームに蜂起を呼びかけ、戦力増強を図るわけだ。

 

「えーと···もう映ってます?」

映ってるよ

「おっけ。───俺たちは東京のチームだ。今、日本全国のチームに呼び掛けてる。東京の人間はほとんど囚われて、あのバカデカい宇宙船の中にいる。だからコレを見ているチームの人たちは、人間を助ける為にも俺達と一緒に()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう···主目標は宇宙船に囚われた人間を救出するのではなく、宇宙船を陥落させること。

もちろん道中にいる人間は助けるけど、侵攻速度を優先したい。

兵士の質も物量も人類側が劣っている現状、恐らく唯一のアドバンテージは“情報”(原作知識)だ。

相手がコチラの脅威を察する前に大打撃を与えて、そのまま撃退しなければジリ貧だ。

 

「黒川···こんなんじゃ誰も来ねえだろ。もっと別の方法を探るべきじゃねえか?」

 

ぐぬぬ···西くんの言う通りだ。

リスクとリターンが釣り合っていない。

なら仕方ない、切り札を使おう。

 

「レイカ、頼む」

「うん。···お願いします、どうか協力して下さい。私たちにしか出来ないことなんです」

あ、反応が···あ、また来た

 

やはり美少女は強かった···しかし玄野はなんとなくビミョーな顔をしている。

レイカにホイホイ釣られる奴らが戦力になるのか不安なんだろう。

 

はい···出すよ

 

するとZガンを手に持った長髪のイケメンが転送されてきた。

どうでもいいが、和泉と見比べるとキャラが完全に被っている。

 

「武田彪馬。神奈川のチームから俺1人で来た。よろしく」

「こちらこそよろしく」

すげ···本物だ。···てか、お前まさか」

「は?」

「れ···レイカさんと付き合ってんじゃねーだろうな」

「付き合ってねーよッ」

 

レイカ目当てでこの部屋に来て、しかも俺じゃなくて加藤に詰め寄るのがいかにも“残念なイケメン”という感じがする。

ちゃんと優秀なのに、勿体ない。

いやまあ、初見で“誰と付き合ってると思う?”って聞かれたら誰も正解できないだろうし、残念だが当然ってヤツだな。

 

 

──────────────────────

 

《ガンツこそこそ裏話》

本ッ当にどうでもいい話ですが、黒川の容姿は連載初期に比べるとかなり良くなっています。

本人は無自覚ですが、タエちゃんとか西くんみたいな感じで絵柄がガラッと変わってます。

 

 

《ガンツこそこそ裏話2》

原作303話『破滅のデイライト』にて

・空が血の色に染まる

・カタストロフィ編開始

 

原作327話『駕籠の中の純情』にて

・東京チームがガンツ部屋に集結

・桜井覚醒

 

実は今回の話だけで単行本4冊ぐらい進んで(スキップして)ます。

強制転送パートやタエちゃん救出パートが消えると、こんなに短くなるのか···と驚きました。

 

 

2025/02/26追記

今更ながらアンケートの誤字に気付きましたが、もう既に数百人の方々が投票されてるので、削除・修正は行いません。

ご了承ください。

 

なんだよ「仏像成人」って···。

 

 

*1
正体不明の飛行物体は現在、地上から25.3マイルを1800ノットで航行中。

*2
お前らアレ見えてるか?

*3
信じられねえ! 速すぎる!

*4
正体不明の飛行物体は、針路350・8マイル先に···

*5
見張ってろ!!

*6
接近します!!

*7
コイツら恐ろしく速いぞッ!!

どれが好き?

  • ねぎ星人編
  • 田中星人編
  • 仏像成人編
  • チビ星人編
  • 恐竜編
  • 小島多恵編
  • オニ星人編
  • 吸血鬼編
  • 大阪編
  • イタリア編
  • カタストロフィ編
  • 存在しないエピローグ
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