TOUGH要素ほぼ0の最終回。すまぬ。
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東京チームは東京へ。大阪チームは大阪へ。地方住みの人はそれぞれの場所へ転送されていった。
落ち着いたらまた会おうと約束して。
で、東京に転送されてまず思ったのが“復興どうすんだろ”だった。
高層建築物は軒並みズタズタで、道路には瓦礫の山と機能停止した巨人軍のロボットが沢山。
死体がゴロゴロ転がっているのはもう今更か。
「···自衛隊って来るのかな」
「···まだ時間掛かるよな」
「······」
「······」
玄野と顔を見合わせる。
沈黙の末に、玄野が口火を切った。
「もう一仕事するか」
「おー···」
さすがに疲れたから休ませて、なんて言ってられる状況じゃない。
目下の脅威は去ったんだし、これはぶっ倒れるまで救助活動だな。
「玄野くんの右前方200m先に、微弱だけど生命反応を探知したよ。あと黒川くんの左斜め後ろ300m先、瓦礫に足が挟まって動けなくなってる人がいるよ」
「玉男さんってそんな機能あったんですか?」
「ううん。今までは“スキャン”していない人間の反応は追えなかったよ。でも西くんが僕の機能を拡張してくれたんだ」
「マジかよ」
西くん大活躍である。
どこでそんな技術を手に入れたんだ。
実は神星人が西くんに化けてましたー、とか言われてもギリ納得できるぞ。
「あと日本のブラックボールの運営が崩壊してたから、エネルギーもパクリ放題だよ。1週間は補給無しでフル稼働できるよ。生きているなら“再生”も使い放題だよ」
「わあぁ」
哀れ玉男さん、ブラックボールから解放されたのに全く休めてない。
一通り終わったら休んでください。
カタストロフィ終結から丸2日。
コンビニやスーパーの残骸から食糧をかっぱらいながら、不眠で動き続けた。
「自衛隊も動き始めたし、僕らはそろそろお役御免かな。みんなお疲れ様」
「ッス···ミ···ミンナモアリガトウゴザイマシタ···」
「うわ、零くんがしおれてる」
なんでみんなは元気なの?
俺だって相当鍛えてるのに···なんだこの差は。
「ふーッ···終わりか」
「玉男さん、俺たちを“シェルター”に転送してくれ」
玄野や加藤たちは大切な人を“シェルター”に置いて来ているからな。
一刻も早く会いたいんだろう。
「あれ···ダメだ···ブラックボールの存在を感知できなくなってるよ」
「え!?」
「申し訳ないけど、そこまでは徒歩で向かってもらうことになるね」
徒歩···徒歩って···。
シェルターまでは数十kmはあるのに───。
俺は今、体力はとっくに使い果たして、気力も絞り尽くした状態なわけで。
残り滓すらも残っていなくって。
あー···もう···むり···───
「れ、零くーん!?」
めのまえがまっくらになった。
◆◆
◆◆
◆◆
「あの時は本当にビックリしたよ。いきなり倒れちゃうんだから」
「うん···徒歩で行けって言われて、限界が一気に来たんだろうな···」
カタストロフィ終結から1年。
ずっとドタバタだったけど、ようやく過去を振り返るだけの余裕が出来た。
まずは国際情勢の変化について。
巨人族侵攻による死者は判明しているだけでも億を越え、行方不明者を合わせると世界人口の1割に届いた。
なお与党議員のほとんどは頑丈なシェルターに籠もっていたため、無事だったらしい。
政治的混乱が起こるよりはマシだけどさ···。
アメリカや中国といった大国は重点的に攻撃されたため、崩壊そして分裂した。
米国という後ろ盾を喪失した日本は、憲法を改正して正式な軍隊を保持し始めた。
もっとも、国家予算のうち復興費の占める割合が大きすぎて、本格的な戦力増強の目処は立っていないらしい。
ブラックボールは一切の例外無く機能停止した。
黒玉の中に入っていた人間たちは解放され、全世界で裸で街を闊歩する男女が見られた。
黒玉の人って女の人もいたのか···ふーん···。
しかもガンツウェポンは一切の攻撃性能を喪っており、今となってはただの
まあこんなオーバーテクノロジーが野放しにされたら、今度こそ人類は滅んでいただろうし、これはむしろ有り難い。
それから東京チームのその後について。
東郷さんは異例の昇進を果たした。
なんと2階級どころか3階級特進である。
なんでも、自衛隊(今は国防軍)の上層部にガンツの存在を知る人がいたらしい。
JJさんはメアリー経由で
現在は灘神影流の道場を開いている。
俺が訓練の合間にジョークで話したことが、まさか現実になるとは思わなかった。
掛け声はもちろん『しゃあっ』。
JJさんから電話で話を聞いたところ、風はタケシやメアリーと同じアパートで暮らし始め、まるで実の親子のような関係になっているとか。
加藤は大阪へ移り住み、山咲さんとの約束を守った。山咲さんとその子供、加藤とその弟の4人暮らしだ。凄まじい行動力である。
しかもこの漢、なんと新しく子供までこさえていた。現在妊娠5ヶ月。
まだ加藤は学生なのに···!
和泉は相変わらず彼女を溺愛している。
ガンツに全てを捧げるサイコパスだったのが嘘のような変貌ぶりだ。
現在は東京ディ◯ニーランド復興のボランティア活動を精力的に行っている。
復興したら年パスを買って、彼女と通いまくるつもりらしい。
西くんはなんと自衛隊員になった(!?)
カタストロフィでの大活躍が一部の界隈で知れ渡った結果である。
現在では日本サイバー軍の若きエースだ。
西くんが未成年(中3)なのはご愛嬌。
玄野はガンツチームのリーダーとして、学校中から持て囃されている。
険悪な関係だった両親(なんか生きてたらしい)も手のひらを返していると聞く。
散々“昼行灯”と馬鹿にしてきた連中からも一目置かれて、今の玄野はどこに行ってもヒーロー的な存在──まあ実際そうなんだけど──だ。
最後にレイカについて。
彼女はガンツチームの一員だという事が完全にバレて、多方面からの質問攻めに遭った。
これに対してレイカは『愛する人と世界を救っていました』という爆弾発言をしてしまい、俺を含む日本全土が阿鼻叫喚と化した。
某バラエティー番組で某大御所MCに向けて断言した時は、ネットが荒れに荒れた。
掲示板も地獄の様相だった。
クラスメイトの視線で穴が空くかと思った。
ビクビクしている俺とは対照的にレイカは堂々としていて、格の違いを見せつけられた気分。
え?俺?
俺は専業主夫(仮)です。
レイカと同居してます。
高校を卒業したらすぐに結婚するってよ。
どうしてこうなった。
···明らかに早すぎるとは思ったけど、外堀も完全に埋まってたし、俺に拒否権は無かった。
俺だって満更でもなかったし。
「今日のご飯はなに?」
「カレー。じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、豚肉が入ったいつものヤツ」
「私も手伝おうか?」
「怪我するからいいよ」
「·········」
「ごめんて。···はい、あーん」
「あーん···おいしい」
「ん。よかった」
この世界に転生したと気付いたときは、どうなるかと思ったけど···。
「···?どうしたの?」
「いや、別に···幸せだなって」
「どうしたの急に」
この日常が、ずっと続きますように。
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なんやかんや一ヶ月以上続いた『ROM専GANTZ』はこれにて完結です。
端折り癖のある私が本編だけで10万字も書けたのは、間違いなく読者の皆様のお陰です。
日間·週間·月間·四半期ランキング入りを達成したのも、評価バーが満タンになったのも、この作品が初めてです。
重ね重ね、有難うございました。
いつかまたどこかでお会いしましょう。
P.S.誰かGANTZの二次創作書いてくれ。
自家発電には限界がある。
岸本救済も見たいし、氷川と和泉のコンビも見たいんじゃ!!
《オマケ》
《Sideレイカ》
「これ、どういう事?」
テーブルの上に置かれたヤングジャンプ。
表紙には最近になって有名になり始めた、池上季美子*1のグラビアが載っている。
まあ別に?コレが家にある事は大した問題じゃ無い。多少は嫉妬するけど、きっちり“わからせ”れば済む話だから。
「なんで
「それは······」
目の前で見せないように、という配慮なんだろうけど、ベッド下に隠すのはちょっと違うよね。
というか隠し場所ベタすぎない?
「キン◯ダムの連載追ってるから···」
「そうじゃなくて。隠した理由を聞いてるの」
「···グラビアが表紙の本買った日は、いつも···激しすぎるから···腰が······」
「···ふーん。嫌なんだ」
「嫌ではない。断じて。でも回数と強度が···」
···そういうことだったんだ。
「それなら···いいよ。赦してあげる」
「ッ!ありがとう!」
「ただし今夜は寝かせないよ」
「!?」
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