岸本ルートは書けないと言ったな?
アレは嘘になった。
※ただしレイカは原作通り、玄野に惚れます。
前世持ちのバーサーカーではありません。
修羅場を期待していた方には申し訳ありませんが、私は三角関係のドロドロがあまり得意じゃないので、このような形になりました。
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俺の名前は黒川零。
どこにでもいる普通の高校生(inGANTZワールド)。“黒い球の部屋”へ行かずに生存ルート突入を目指していた(過去形)。
そう、過去形である。
部活疲れでヘロヘロになりながらの帰り道、その途中で鉄骨に潰されて死んでしまい、ガンツの部屋に招かれてしまったのだ。
だけど玄野や加藤をはじめとした、ねぎ星人編メンバーたちがいるタイミングだったのは不幸中の幸いだった。
不本意とはいえ、俺の原作知識が通じるので内心ガッツポーズである。
「と、とりあえず、自己紹介しましょうか?名前と職業···、どーやって死んだか」
メガネで冴えない男性教員主導の気まずい自己紹介が終わると、“裸の”女性が転送されてきた。
フルカラーの断面がグロい。
「計ちゃんッ!!なんだッそれッ!!」
「女か?もしかして」
「また来た!」
「ウゲェッ、気持ち悪りぃ」
「あれ?なんだ···コレ···なんだろ···はっ···あっ···ハァ、ハァ」
おっぱいでっか。
スタイルも良いし、うわあ···これはヤクザに襲われても仕方のないレベルだ。
彼女は自殺直後(結局未遂だったけど)の精神状態で、まだ事態を把握出来ていないんだろう。
マシュマロメロンを揺らしながら寝転がって呆けている。据え膳やんけ。
「きゃあああ!!」
案の定、廊下でヤクザの1人に襲われてそうになっている。残念だけど当然。
すると加藤が果敢にもヤクザに殴りかかり、レイプを阻止した。そして「俺も襲っちゃいそうだから、着とけよ」と言って学ランを渡し、颯爽とその場から離れる。
加藤、お前···(尊敬)
少しすると黒玉が開いたので、SF的な短銃とスーツケースを2つずつ持って岸本の方へ戻った。
「えーっと、名前はなんて言うの?」
「···岸本
「じゃあ岸本さんって呼ぶか。···岸本さん、この黒スーツも着たほうがいい。コスプレっぽいけど、全裸に学ランよりはマシでしょ。あとこの銃も置いとくから」
「あ、ありがとう」
原作だとガンツに痴女判定されてて少し可哀想だったからな。ちょっとしたお節介である。
俺もとっととガンツスーツに着替えよう。
◆◆
その後は玄野と共同でねぎ星人を殴り殺し、ガンツによる“採点”が始まった。
黒玉の表面にチープなイラストとフォントがバラバラな文字列が表示される。
『巨乳。0てん。ちちでかすぎ。えろすぎ』
「あたしィ!?」
「ハハ···ちちでかすぎ···」
「なにこれ、も〜っ···しかも0点だし!どーでもいいけどなんかムカツク」
「···ぶふっ」
“ぱんツはかづにうろつきすぎ”よりは多少マシ、という感じだな。
痴女判定からは逃げられなかったらしい。
堪えきれずに吹き出してしまい、岸本に睨まれた。ごめんなさい。
『くろかわ。0てん。巨乳みてちんこたちすぎ』
「······ごめん」
「···きもい」
泣きそう。
『くろの。3てん。おまえも巨乳みてちんこたちすぎ』
「はアッ!?」
「玄野···同士よ···ッ!」
「きもい」
うるせえ!
こちとら思春期の高校生なんだよ!
◆◆
原作通りに西くんと加藤たちが軽く揉めた後、家に帰ることになった。
そういや原作の岸本は、大柄な加藤の学ラン1枚しか羽織っていなかったから、そのままマンションの外に出たらガチ痴女になっていた。
だから岸本と体格が近い玄野が学ランを貸してあげて、それをキッカケに玄野と岸本の同居が始まったんだよな。
しかし玄野が少しばかり片想いを拗らせてしまったために破綻し、岸本は千手観音に殺され···2人の関係はそれきり途絶えた。
初めて読んだ時は凄くショックだったのをよく覚えている。
原作に思いを馳せつつ外に出て、タクシーを拾ってしばらく走る。
そしてタクシー内でも原作の事を考えていると、俺のドブ色の脳細胞が閃いた。
あれ、岸本の居場所無くね?
玄野の学ランにあった生徒手帳が無いと、岸本は玄野のアパートへ辿り着けない。
このままでは岸本が家なき子になってしまう。
無い知恵を絞って解決策を考えていると、いつの間にか岸本の家に着いていた。
「ちょっと待ってて、服着替えて返すから」
「···あ、俺もここで降りるわ。家近いから」
考えて、考えて···再び閃いた。
“ワンチャン俺が岸本と同棲できんじゃね?”と。
ちなみに咄嗟に出た“家が近い”と言う言葉は真っ赤な嘘である。
ここからだと徒歩で30分は掛かる。
俺は前世含めてずっとDTだった。
“本番”どころか異性の胸を揉んだ事さえ無い、筋金入りである。
そんな俺に射し込んだ一筋の光──岸本恵。
彼女を逃したら最後、俺が胸を揉む機会は金輪際無いだろう。
だから今日から俺の目標は“岸本の胸を揉むこと”だ。たった今決めた。
どうせ二度目(というか三度目)の人生だし、胸を揉めたら死んでもいいや、くらいの気持ちで頑張ろう。
玄野にはたえちゃんがいるし···赦してくれ。
◆◆
《Side岸本》
私は自分で言うのもなんだけど、優等生だった。
だからこそ親の期待が重くて···耐えきれなくなって、私はお風呂場で自殺した。
私は死んだ。死んだはずだった。
『大丈夫よ···生きてる···さっき意識が戻ったの···』
「···うそ」
『本当よ、すぐ退院できるって』
母親と電話越しに話しながら、あの部屋で会った中学生の言葉を思い出した。
“この部屋にいる人間はFAXから出てきた書類”。
つまり私はコピー人間···偽物だ。
泣きながら自分の部屋に戻り着替えだけを済ませて、妹を無視して玄関を飛び出した。
「岸本さん」
軒先から出た瞬間、ついさっき知り合ったばかりの男の子に声を掛けられた。
彼の印象は強くて、だけど怖くてスケベ。
名前は確か───
「···黒川くん?」
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玄野の住所を岸本に教えることも出来たが、今回は黒川が本編(レイカルート)よりもさらに
玄野の同棲ライフを奪ってしまうことへの葛藤はあったが、私欲を優先した。クズ。
なお、ヘタレなのは変わらない模様。