レイカは玄野の1つ上という情報をネットで見かけましたが、この世界ではレイカと玄野たちは同学年ということでよろしくお願いします。
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対恐竜戦の翌日から早速訓練が始まった。
各々が学校や仕事を終えた後、今回は玄野くんの住むアパートに待ち合わせる。
訓練とはいえ内容はとても単純。
スーツを着た上でビルからビルへ飛び回るだけ。
ガンツスーツの力を使いこなすために不要な恐怖を捨て去るのが第一目標だ。
「あの···本当にこれ飛ぶんですか?」
「え、はい。レイカさんなら平気ですよね?」
向かいのビルへの距離は推定15m。
飛び移れなければ(スーツ無しなら)死ぬ。
前世の私はこの高所に怯え、見かねた零くんにおんぶして飛んでもらっていた。
今回もおんぶされたい。
「ごめんなさい、この高さは怖いので無理です」
「え?···でも前回は
「······そうでしたっけ?」
「そうですよ。あの時のレイカさんの動き、途中から追えませんでした」
流石に通用しなかったか。
それに明らかに警戒されてるなあ···いっそ、既成事実を作った方が簡単かもしれない。
善は急げ。うかうかしていると逃げられる。
そう考え、スケジュールを切り詰めて時間を作り、翌日には零くんの家へお邪魔した。
口実は前世と同じく夕食作りだけど、私は料理が苦手だから結局は零くんに手伝ってもらった。
ここまでは計画通り。
「ごちそうさまでした。···もう遅いし、そろそろ帰ります?途中まで送っていきますよ」
「ううん、まだ1時間くらいなら平気」
時期が早すぎるからか、それとも私を不審に思っているからか···零くんはまだ敬語だ。
制限時間は1時間。
多少強引にでも“既成事実”を構築し、心身の壁を取り払ってみせる。
「零くん、少しの間ベッドで横になってくれる?」
「え、なんd」
「お願い」
「あっはい」
零くんは押しに弱いから、有無を言わせぬ口調で追い込めばある程度はコントロールできる。
その後は思考の暇を与えずに快楽漬けにしてしまえば攻略完了だ。
「天井を見て。シミの数でも数えて待ってて。横を見たらダメだよ?」
「ここ新築?シミが1つも見当たらないんだけど。それにこの“音”は何?衣擦れみたいな···」
「あ、横を見たらダメって言ったじゃん。何で見たの?」
「そっちこそ何で
「何でって···零くんをブチ犯す為だけど」
「正気か?」
·········♡
はい、攻略完了。
弱点は知り尽くしていたから簡単だった。
“既成事実”を構築し、零くんとの交際を
零くんとの時間をもっと増やすために、前世では叶わなかったとある“計画”を実行した。
···零くんがどんな反応をするのか、愉しみだ。
◆◆
「転校生入ってくるらしいぞ」
「転校生?」
「男か?女かな」
「センセー達めっちゃザワついてるけど、なんか関係あんのかね」
朝のホームルーム前、クラス中が転校生の話で持ち切りになっている。
原作だと
単に漫画内で描写されなかっただけなのか?
気になるので、男子たちの話に聞き耳を立てて情報を集める。
「絶対女だ!たぶんチョー美人で···Fカップある!」
「いいなーおい、どこの席座るんだろーな」
「あ···」
グループの視線が俺と俺の隣にある空席に向いた。
···転校生は俺の隣の席らしい。
「あー···男だな」
「ああ男だ。俺もそんな気がしてきた」
「お前ら酷くね?」
まあ正直言うと男でも女でもどっちでもいい。
今の俺には死ぬほど可愛い彼女がいるし、むしろ気安く話せる男子が隣に来てくれたら有り難い。
Fカップの超絶美人なんて、俺の知る限りだと···それこそレイカくらいしか···ん?
いやまさか···まさか“それ”は無いよな。
「みんな席に付いて。転校生を紹介します」
「下平玲花です。よろしくお願いします」
おばちゃん先生の言葉に、クラス中が発狂した。
俺は放心した。
「えーっと、彼の隣に座ってね。···黒川くん、教科書見せてあげて。それと休み時間になったら学校を案内してあげて」
「あっはい」
自惚れかもしれないけど偶然とは考えられない。
しかも同じクラスで隣の席。
どんな手を使ったのかは知らないけど、明らかに作為的だった。
「
「あっ、うん、初めまして」
終わったな、俺の平穏な高校生活。
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・クラスメイト
前世でどんな徳を積んだんだお前は。
羨ましすぎる。おいそこ代われ。
・黒川零
クラスメートの視線が鋭すぎて穴が空きそう。
ヤンデレヒロインっていいよね(思考停止)
・下平玲花(レイカ)
関係各所に無茶を言って、一部脅迫も交えて今回の転校を実現した。
私の青春()はここから始まるのだ。