ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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大阪編(前)

最後の吸血鬼を消滅させても、今宵の戦いは終わらない。

ミッション開始を告げるラジオ体操の歌が響く。

 

 

『てめえ達は今からこの方をヤッつけに行って下ちい。

 ぬらりひょん。

 特徴 つおい。頭がいい。わるい。

 好きなもの タバコ お茶。

 口ぐせ ぬらーりひょーん ぬらーりひょーん。』

 

 

同じ日にミッションが2回というイレギュラーに皆が戸惑い、零くんの顔も険しい。

···私にとっては既知の展開だけど、零くんも何となく気づいてるのかな?

「(ああ、今回のミッションはキツいぞ)」と察しているように見える。

 

今回の転送先はとある商店街。

こちらに向かってきたお歯黒べったりを、まずはJJさんが撲殺した。

問題はこの先の星人たちだ。

初心者を除く全員がまとまって歩き、商店街を抜けると···“道頓堀”と書かれた看板が。

 

今までに首都圏外でのミッションは無かった。

場所は毎回変わっているけど、全て東京近郊でまとまっていた。

私たちがここにいるのは明らかな異常。

場の空気が更なる緊張感に包まれる。

 

 

「何やこいつら笑えるわー」

「コスプレ?」

「あはははははは」

「見てみいホラ!」

「あいつら何やねん?」

 

 

···そうだ。大阪のミッション以降、私たちの姿は一般人にも丸見えなんだった。

見られてもペナルティ等は無かったハズだし、放っておけばいい···目障りだけど。

 

 

「おー見てみろや!ホラ!」

「すっげレイカやん!」

「えッうそ!?」

「マジで!?うわッすっげ」

「撮影なん?テレビなん?」

 

「···零くん、もう行こ?」

 

 

零くんの手を引いて走り出し、私たちの後ろに続いて他のメンバーもその場から離れていく。

 

 

「おいッ、なんや逃げるんか!」

「誰やねんその男!」

 

 

うるさいな、私に絡むくらいなら早く避難すればいいのに。

心の中で軽く愚痴を吐きつつ、星人が大量にいる川の方へ向かう。

そこに行けば大阪チームと合流出来るはずだ。

 

 

 

 

 

「ちょッ、レイカおるやん!?」

「レイカ!?」

「ホレ、レイカやん!」

「うっわめっちゃファンなんやけど」

「テレビ出とるあのレイカ?」

「あ、あの···握手して下さい」

 

 

お前ら(大阪チーム)もかよ。

見せるのは仕事だからまだしも、触れるのは嫌だな···と思っていたら、零くんがさり気なく私を背中に隠してくれた。

更に、そのまま大阪チームと対話して共闘宣言を済ませてしまった。

こういう事をさらりと出来る所も好きだな。

 

 

「ありがとう零くん。···もう一つお願いがあるんだけど、Zガンを持って待機してて欲しいの。私がボスの注意を引き付けるから、トドメを刺して」

「···何で“攻略法”を知ってるのかはもう突っ込まないけど、レイカの負担が大き過ぎない?」

 

「大丈夫。“敵”の動きは前にも見た事あるから」

「ええ···もう確定じゃん」

 

 

さて。ここから先は私の出番だ。

一般人の被害を無視して呑気に構える大阪チームを尻目に、Zガンとソードを併用して敵を蹴散らし点数を荒稼ぎする。

大阪のリーダー格3人が苦戦していた、天狗と犬神も不意を突いて斬殺。

 

···確かにZガンの超重力に対する耐性があるのは稀有だけど、Xガンやガンツソードは通用する。

なぜそれに直ぐ気付けないのか。

なぜ他の武器を試そうとしないのか。

“あなた達本当に周回クリア者なんですか?”という言葉が喉元まで出かかった。

 

 

「ふーッ、これで終わったか?」

「い、いや!まだ!···100の奴の首が!」

 

 

大阪チームのメガネくんが叫んだ。

100点の奴···ぬらりひょんは不意討ちをしなければ無軌道に再生する。

私は科学を識らないけど、なんとも出鱈目で理不尽な生物だ。

 

 

「100の奴ゥ?」

「アイツか···天狗と犬の間におった···」

「俺等3()()でどうにかなるか?」

 

 

···何かおかしい。

妖怪の首魁であるあの星人(ぬらりひょん)にとって、天狗と犬神は側近に近しい立場だった。

だから前世ではこの2体を倒したタイミングでぬらりひょんが来たのだ。

なのにどうして、ここに来ない?

 

こちらの狙いに()()()()()

もしそうだとしたら────零くんが危ない。

 

 

 

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