零くんを
しかも今回は私の過失。
あの時、零くんを1人にしていなければ···。
“100点メニュー”で“再生”出来たからと言って、私は私を一生赦さない。
この罪は私の人生を全て捧げて償う。
◆◆
大阪の戦いを終えた数日後、私たちはイタリア·ローマにいた。
ここはZガンやハードスーツを持つ猛者たちが、瞬く間に死体へ変貌する魔境。
主戦場となっているのは噴水のある広場で、そこでは彫刻に扮した星人たちが多国籍チームを蹂躙している。
だけどガンツの強制召集はこれで最後。
カタストロフィを除けばラストミッションだ。
「今回の敵は刀が通用しないけど大丈夫?」
「うん、平気。···それより私は零くんの方が心配。勝手に1人で行動しないでね?」
「···レイカには言われたくないけど、まあ単独行動は避けるよ」
いつもスタンドプレーをしている私が言えた事じゃ無かったね···と苦笑しながら、それでも周りへの警戒は解かない。
私を除く東京チームは建物の上に陣取り、狙撃のプロである東郷さんを中心とした陣形を組んだ。
彫刻群は危なげなく処理出来ているようで安心。
ちなみに大阪チームは高所の有利を取らずに、敵陣のど真ん中に斬り込んでいる。
それでいて負傷する気配も無いのだから、これは本当に凄いなあと思う。
同じ武器でゴリ押すのは悪癖だと思うけど。
「うん、このあたりの敵は全部殺したかな」
「
「
そういえば外国の人たちもそうだ。
Zガンは確かに強力だけど、敵味方が入り乱れている状況で使う武器じゃない。
この星人の防御力は低いから、Xガンでも十分間に合う···なんならロックオン機能を使えば一網打尽に出来る。
「まあいいか。早くボスのところに行こう」
丁度、2つ先の通りに巨大なダヴィデ像がいる。
私は地面を砕いて駆け出し、建物の外壁を足場に素早く屋根の上へ。
直接上へ飛ぶよりもこっちの方が速い。
そしてよく分からない衝撃波を発動される前にXガンを───撃とうと思ったら逃げられた。
「は?」
そして手頃な建物を叩き壊し、その破片を私に向けて投げつけてきた。
凄まじい球威でこちらに向かう石片を半身で避けながら考える。
遠距離からの投擲による攻撃···前には無かった行動パターンだ。
というか星人から距離を取られるのも初めて。
しかも回避しきれなかった人が一撃で死んでいるのを見るに、あの礫にも防御無視の力が備わっている。
「···少しキツイなあ」
向かって来る敵は倒しやすいけど、逃げに徹されると面倒くさい。
追いかけながら攻撃するのは案外難易度が高いのだ。
それでもこの程度なら問題無い。
大阪でぬらりひょんと戦った時の感覚がまだ残っている。
まずは飛礫と衝撃波を避けつつ、足を撃って機動力を削いでジワジワとダメージを──
「レイカ、離れろッ!!」
零くんの声に従って飛び退いた瞬間、破壊音が2度響いて呆気なくダヴィデは血の池と化した。
建物の上を見ると、Zガンを持った零くんがこちらを見ている。
···カッコ悪い所を見せちゃったな。
いやZガンって大きいから少し使いにくいし···Xガンだけでもまあイケるかと思ったんだけど、無駄にグダついてしまった。
「
「
「
「
「
多国籍チームの人たちが歓声をあげ、私たちの転送も始まった。···カタストロフィではもっと冷静に行動したい。
巨人族の地球侵攻までは残り2日と10時間。
それまでにやれることは全てやる。
前世の経験をフルに活用して、零くんが生き残れるように。
···でも、玉男さんの事だけは零くんに任せる。
全裸の男の人は星人とは違う意味で怖いからね。
意外と親切なのは知ってるけど、それとこれとは別問題だから···早く服を着て下さい。