神様たちおまちどおさま、やっと僕の個性が登場するよ!さぁ、予想とあっていたか答合わせしてみてくれよな
1Pヴィランのアームが僕向かって飛んでくる。駆動音と金属の擦れる音が木霊した。
ッ避け──
「っ!?いったいなぁ……!」
僕はそれを躱せるはずもなく、後ろ向きに倒れてしまう。
背中を強打して結構痛いな。でも流石の雄英といったところかな?死傷者を出さないようにっていう配慮か、一撃が軽い。
もちろん1Pヴィランは倒れ伏した僕を待つはずもなく、追撃をしようともう片方のアームを伸ばす。
「あーもう、悔しい……なっ!」
それに無駄に怯まず、僕はぐらりと立ち上がる。そして半身に構えて何とかギリギリ躱し、伸びてきたアームのその装甲に触れる。
「これならいけるかな……っと!」
バキッ、と僕の触れた装甲がひび割れた。もちろん、僕の力が強くて、とかじゃないよ?これは僕の個性のお陰だ。
──
ちょっとした物を砕くことができる。硬すぎたり柔らかすぎたり、大きすぎたり小さすぎたりすると砕けないぞ!不便だ!
だけど、あくまで装甲がひび割れただけだ。決して使えなくなったわけでもないし、弱体化したわけでもない。
反撃が来ないうちにバックステップで距離を取る。
さてさて、僕の個性でダメージを与えられるって分かったから、ヒットアンドアウェイの戦法でチクチクと嬲り勝とう。あの装甲なら何とかギリギリ砕けるからね。
卑怯?卑劣?そんなの言われすぎて心に響きもしないね。いくらでも言えばいいさ。
『逃ガサナイッ!』
どうやら距離を取ることを許さないらしく、1Pヴィランは迫ってくる。というより、突っ込んできた。
「逃がしてくれよ。僕はか弱く儚い蚊のような存在なんだぜ?」
1Pヴィランは砕けたアームを振り回し、僕を目指して薙いでくる。その軌道はたしかに僕に逃げ場のないことを告げてきた。
それを僕は避けれるわけもなく──
「──ぐッ!!?………おいおい、なんだいそのへなちょこな攻撃は?蚊でも止まってたのかい?そんなんじゃあ僕程度しか殺せないぜ……!」
今回はさっきより痛かった。いやー、本当に腕の骨にひびでも入ったんじゃないかな?僕が負け犬上手じゃなきゃ危なかったよ。
「あー痛かった、本当に対戦相手が僕でよかったね。そうでなきゃ今頃死人が出てたよ。まぁ、僕でなきゃ一体でこんなに怪我が出るほど戦闘が長ったらしく引き延ばされない、なんて言われたら弱るけど。ところで1Pヴィラン──」
『死ネッ!』
またまた1Pヴィランが砕けていない方のアームで殴りかかってくる。
「僕が最初に持っていた杭、どこにあると思う?」
あ、僕が杭を持ってたか憶えてないって神様はちょっと遡って見てきてくれよ?その描写は捉えてないかもしれないけど、持っていたのは確認できるはずだぜ。
振りかぶっていた1Pヴィランの攻撃は見事必中。僕はあえなく吹き飛ばされ、ビルの壁へと叩き付けられる。
「あー痛いなぁ!苦しいなぁ!辛すぎて涙が出ちゃうな!流石ヴィラン、弱者を甚振るのに微塵も躊躇がねーぜ。……おい、お前らにいってるんだぜ?せんせー。まさか教師であれば罵倒されないと思った?黒幕ぶってば罵倒されないと思った?別室で監視していたら罵倒されないと思った?甘ぇよ」
僕はヘラヘラと嗤いながら、見ているであろう教師陣営に向かって煽り倒す。
『殺ス!』
1Pヴィランが変わらず僕目がけて突っ込んでくる。だけど遅い。だから遅い。そんな速度じゃあ瞬間的に発動するタイプの能力に無力過ぎるぜ。
改良の余地ありってね!
「【
瞬間、1Pヴィランの接近速度が恐ろしく速くなる。そもそもあまり離れていなかった距離だったため、一瞬で距離は縮った。
──が、
『殺ス、ブッ………殺、ス……』
1Pヴィランの装甲がボロボロと崩れ去っていく。装甲が自らの速度に耐えられなかったからだ。いや、それだけじゃない。よく見れば、接続部分が緩くなってる。
なぜならば、そういう風に改悪されたから。
もうこの1Pヴィランは何もできない。だってアームすら崩れ落ちてるんだ、できるとするならせいぜいが体当たり。そんなの脅威ですらない。
僕は壁際に座り込んだまま一息をつく。
「うんうん、絶景かなこの景色。意外にこんな僕なんかでも上手くいくことがあるんだね!いい証明になったぜ」
満足げに頷く僕。
さて、それじゃあさっさと壊して次のヴィランロボを探しに行くとしようか。
そうしてこのヴィランロボに手を掛けようとしたとき──
『終了~~!!!』
……………………あー、マジかよ。
あーもう、なんでこうなるかな僕は。結局0Pで終わっちゃったよ。この試験の肝であるレスキューPも合格点までは望めないし、というかそもそも助けに当たる行動なんて微塵もしてないし。
「あーあ、また失敗だ。何をやっても上手くいかないや」
まぁでも、これが僕だ。
ヒーロー科に入れないなら、もう全部が僕以外になるまで引きずり下ろそう。そして僕自身は何もできないまま見下してやるんだ。
『あーあ、お前、何にもできねーな』ってね!
うんうん、そう思うとテンション上がってきたね。
あ、神様のみんな!ここから先は、『ヒーロー科を目指した哀れな
「『ヒーロー科に破れ敗れた哀れな
雄英を去る去り際、僕はそう独り言ちた。
別に僕は個性のメイン回とも、個性で決着を付けるとも言ってないぜ?
また同じように神様たちが勘違いしただけさ。同じミスをするなんて、神様も案外大したことないんだね。『自分は上位の存在だ』、『どうせこいつらは創作世界からは飛び出しやしない』、『こいつの物語よりあっちの物語の方が面白い』、なんて上から目線で見下すくせに、結局のところ君たちは評論家気取りの閲覧者なくせに、こんな簡単なことに引っかかる。君たち、もしかして物語を読む才能なんてないんじゃないかい?ただの閲覧者なのに評論家ですらないなんて、それって存在価値ある?普段君たちが侮蔑していた、半端な物語を綴ってる半端な創造者やってる神様のほうがよっぽど人の役に立ってるぜ
……おっと、言い過ぎたや、ごめんね神様たち
あーあ、また失敗だ。何をやっても上手くいかないや