遊戯王世界で遊戯王するわけないだろ!! 作:アステリアス
異世界に飛ばされた俺、増田。
この奇妙な世界での日常もだいぶ慣れてきた。ウィッチクラフトの仲間たちと過ごす毎日は賑やかだが、今日は少し落ち着いた時間を過ごしている。
俺はテーブルに向かい、細かい文字が書き込まれた紙を前に唸っていた。
「ふむ……この支出は……いや、ここで節約できるのか?」
そう、俺は家計簿をつけている。この異世界生活でも予算管理は大事だ。ウィッチクラフトの仲間たちと暮らす中で、細かい経費の管理が俺の役割になりつつあった。
「マスター、そんな難しい顔してどうしたんですか?」
ふいに聞こえた声に振り向くと、ジェニーがにこやかにこちらを見ていた。彼女の眼鏡越しの優しい瞳と柔らかい笑顔が、俺の緊張を和らげる。
「ああ、ジェニーか。ちょっと家計簿を整理してるんだけど、どうにも計算が合わなくてさ」
「まあまあ、そんなことで困ってるなんて、可愛いところありますね! よかったら私が手伝いますよ」
「えっ、本当か? 助かる!」
ジェニーは椅子を引いて俺の隣に座った。その動きでふわりと香る甘い香りに、俺は思わずドキリとした。さらに距離が近く、彼女の柔らかな声が耳元に届く。
「ここですね。ふむ……マスター、これ、収入欄に書いてあるこの数字、ちょっとおかしくないですか?」
「え、どれどれ……あっ、本当だ!」
ジェニーが身を寄せて紙を指差す。その瞬間、彼女の胸が俺の腕に触れた気がして、心臓が一気に跳ね上がった。『これ、絶対に偶然だよな……?』と必死に自分に言い聞かせながらも、距離の近さに頭が真っ白になる。
「どうしました? そんなに固まって。もしかして……私とこんなに近いの、緊張してます?」
「な、なんでもない! そんなわけないだろ!」
俺が慌てて言い訳をすると、ジェニーはクスクスと笑いながらさらに体を近づけてきた。
そう言いながら、彼女はわざと肩を軽く俺に押し付けるような仕草を見せる。俺はドキドキしながらも、「これ、わざとか!?」と思わず心の中で叫んだ。
「ふふ、マスターって本当にわかりやすいですね。でも、ちょっと嬉しいかも。」
「嬉しいって、何が……!」
「内緒です♪」
ジェニーはイタズラっぽく微笑みながら、紙にさらさらと書き込みを始めた。その軽快な手つきに見とれつつ、俺は心の中で妙な感情と格闘していた。
『いやいや、冷静になれ、増田……。隣にいるのはジェニーなんだから、こんなことで動揺するなんて……でも、近い、近いって!』
一方のジェニーは、そんな俺の心中を見透かしているかのように、クスッと笑みを浮かべると、わざと近づきながら囁くように言った。
「マスター、こんなにじっと見つめられると、ちょっと恥ずかしいかもですよ?」
「み、見てない! ちゃんと家計簿を見てるだけだ!」
「ふふ、本当に?」
ジェニーは目を細めて微笑むと、わざとテーブルの紙に顔を近づけ、さらに俺の方に体を寄せてきた。
「ほら、ここも怪しいですね。マスター、もっと細かく見ないとダメですよ?」
「え、あ、そ、そうだな!」
俺はジェニーの柔らかい声と近すぎる距離にドキドキしながらも、必死で目線を紙に戻した。しかし、彼女の髪から漂う甘い香りがどうしても気になってしまう。
ジェニーは軽くおっぱいを俺に触れたまま作業を続ける。そのたびに心臓が跳ねる音が自分でも聞こえそうなほどだ。
『これ、絶対にわざとだよな!?』
しかし、彼女の手つきは実に的確で、あっという間に計算を修正していく。
「はい、これで合いましたよ。さすが私、完璧ですね♪」
「お、おお、ありがとう! 助かったよ!」
「どういたしまして♪ それにしても、マスターがおかしくてちょっと面白かったですよ」
「ちょっ、そんなことないだろ!」
ジェニーはクスクス笑いながら椅子を立ち、机を片付け始めた。その余裕たっぷりな態度に、俺はなんとも言えない敗北感を味わった。
「また困ったら声をかけてくださいね。私、こういうの得意なので」
「……頼りにしてるよ。」
俺は心の中で、『またからかわれたか……』と呟きながら、次はもっと平静を保てるように頑張ろうと密かに誓った。