遊戯王世界で遊戯王するわけないだろ!! 作:アステリアス
ウィッチクラフトの仲間たちと過ごす日常には、思いもよらない楽しみが転がっている。そして今日、その一つが幕を開けた。
「よーし、今日はみんなで映画鑑賞だ!」
増田の掛け声で始まった映画の夜。スクリーンには、衝撃的なタイトルが浮かび上がる。
『シャークトルネード』
ヴェールが眉をひそめつつも興味深げに尋ねる。「タイトルからして怪しいわね」と肩をすくめた。
「いいじゃないですか! こういうのって逆にクセになるんですよ!」
ジェニーが眼鏡を押し上げながら笑う。その横でポトリーとピットレはすでにポップコーンを手にわくわくしていた。
映画が始まると、画面には突然トルネードに巻き上げられるサメが登場。CG丸出しの映像に全員が一瞬固まった。
その後、何の脈絡もなく登場キャラクターたちが次々とサメに襲われていく。
「えっ、今の人、なんでサメに襲われたの? 」
「なんかよくわかんないわね」
ヴェールが頭を抱え、ジェニーが「いやいや、それがB級映画の魅力なんですよ!」と得意げに解説し、さらに前のめりで画面に集中する。
「それにしても、さっきの人、あんな動きで死ぬわけないでしょ!」
シュミッタが冷静に突っ込むと、ピットレが笑いながら言った。
「でも、面白かったからいいじゃん!」
エーデルも声を上げる。「そうそう! あのカメラワーク、逆に天才かも!」
「これ……すごい。これ、映画じゃなくて、もはや災害レベル……」
ハイネが目を細めて呟くと、ヴェールが吹き出した。
「まさかサメが空を飛ぶなんてね!」
「しかも、この主人公、なんでチェーンソー持ってるの?」
シュミッタが首をかしげながらも、どこか楽しそうに画面を見つめる。するとジェニーが解説を始めた。
「このチェーンソー、サメと戦うための秘密兵器ですよ! ほら、これからが見どころです!」とジェニーは興奮気味に声を上げ、まるで映画の解説者のように熱弁を振るう。
その瞬間、画面の中で主人公が飛びかかるサメを真っ二つにする。
「本当に使った!」
アルルが静かに頷きながら、チェーンソーを握る主人公の動きを真似するように手を動かした。その動きに気づいたポトリーが笑い出す。「アルル、チェーンソーの真似してる!」
ポトリーとピットレが声を合わせて叫び、笑い声が部屋中に響く。
映画が終わり、エンドロールが流れる中、全員が思い思いに感想を語り始めた。
「アルル、映画どうだった?」とヴェールが尋ねる。
「……トルネードは奇妙。でも、楽しい」
短い答えに一同が驚きつつも笑い合う。「アルルが楽しいって言うの、珍しいね!」とポトリーが言うと、アルルは小さく頷いて再び静かに座った。
「いやー、あのサメたちの登場シーン、唐突すぎて腹筋が崩壊したよ! つーか何で飛ぶんだよ!」
増田が腹を抱えて笑うと、ヴェールが腕を組みながら真剣に頷く。
「ある意味斬新だったわね。普通はもっと前振りをするはずなのに、いきなりサメが降ってきて意味わかんなかったわ」
「私は、あの主人公の顔が全然緊迫してないのが気になりました」
ハイネがため息をつきながら言う。それに対してジェニーがすかさず反応した。
「あれが最高なんですよ! 平然とした顔が、この荒唐無稽な展開をむしろ盛り上げてるんです! 勢いで見るんですよ!」
ジェニーは真剣な表情で力説し、完全に映画の虜になっている様子だった。
「あと、最後の爆発シーン! あれ、なぜかトルネードに効いてたけど、爆薬がどうやって空中に届いたのか謎すぎるよ」
シュミッタが冷静に指摘すると、ポトリーが目を輝かせて言い返す。
「爆発は派手でかっこよかったから、そんなの気にしないよ!」
「いやー、ここまで突き抜けてると清々しいな! あんなに笑ったの、いつ以来だろう?」
増田が腹を抱えて笑うと、ヴェールが真剣な顔で語り始める。
「でもさ、あのトルネードに巻き上げられるシーン、もっとリアルに作れたんじゃない?」
「そこを求める映画じゃない」
ジェニーが呆れたように答えると、ポトリーが続けた。
「あのチェーンソーがすごかった! あれ、ウィッチクラフトで作れないかな?」
「やめて。それはさすがに危ないから」
シュミッタが冷静に突っ込む中、ポトリーが興奮気味に声を上げた。
「次は何を見るの? もっとサメが出るのがいい!」
「いやいや、サメ映画はもうお腹いっぱいでしょ……」
こうして、ウィッチクラフトの賑やかな映画鑑賞の夜は幕を閉じた。B級映画の楽しみ方を改めて知った彼女たちと俺は、また次の笑いを探しに行くのだった。