連邦生徒会副会長として、先生の成り損ないとして、変な口調で喋るせいで勘違いされながらも頑張る話です。


 「私に出来て、彼に出来ない筈が無い」

訳「やってみせろよ先生!何とでもなる筈だ!!」

大体こんな感じです。

1 / 1


勘違いものって難しいね




先生の成り損ないです!!

 

 

「‥‥‥‥‥」

 

燃え盛る炎の中で、何もせずに佇む。

 

「‥‥‥‥‥終わりか」

 

崩れた数々の建物

壊れて光らなくなった照明

絶えない銃声

何処かの泣き叫ぶ声

動かなくなった誰か

 

かつては透き通るような世界だった。

しかし今は、地獄のような、見るに堪えない光景になっている。

 

「私では先生になるのは無理だったか‥‥‥」

 

「なぁ、会長。やっぱり私は、君の理想になるのは無理だ」

 

「私は成り損ないだよ」

 

徐々に、炎が近づいてくる。

 

「‥‥‥流石に、疲れたな」

 

その炎は、目の前にまで来て、私の体を包み込んで‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

ピピピピッ ピピピピッ

 

「‥‥‥チッ、またあの夢か」

 

時刻は午前5時、目を開いた瞬間に入る光に一瞬怯んだが、気合で立ち上がる。

 

「あの夢を見るのも、これで丁度十回目か」

 

朝食の準備をしながら、見た夢について考える。

確か、あの夢を見始めたのは数ヶ月程前からだったっけ?

 

燃え盛る炎の中、何もせずに立ち尽くす夢、最初に見たときはひどい寝汗で起きた記憶がある。

ハッキリ言って気持ち悪かった。汗も夢自体も。

 

 

 

「夢のままでいてほしいのだがね‥‥‥‥」

 

正直、こんな悪夢を十回も見るとなると、いつか現実になるのではないかと毎回ヒヤヒヤしている。病院に行って診察してもらうのも一度考えたが、こういうのは説明しても理解してくれないだろうと思ってやめた。

 

「さて、悪夢を見た日は決まって面倒なことが起きる。早めに行くとしよう」

 

朝食を食べ終え、連邦生徒会の制服を着ながら、持って行く物のチェックをする。

こういうときに確認しないと必ず何か忘れるんだよなぁ‥‥

 

「おっと、アレを忘れるところだった」

 

やはり俺は大事なものを忘れていた。急いで棚からあるものを取り出す。

それは帽子だ。白く、所々に装飾があり、連邦生徒会の刻印があるマリン帽子。

 

「よし、帽子も見つかったことだし、向かうか」

 

できるだけ自分の顔を晒さないために、帽子を深く被る。そして玄関の鍵を締めて、連邦生徒会へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

「調子はどうかね?リン行政官」

 

「セイ副会長‥‥‥」

 

うっわすっげぇひっでぇ目の隈。やっぱ俺だけ帰るのはだめだったか。

今日は普段と比べて、かなり酷そうだから休ませておこう。

 

「残りの業務はすべて私がやろう。君は休んでおいてくれ」

 

「良いのですか‥‥?」

 

「元々は、私が休みを取ったのがいけなかったのだろう?ならばそのツケは私が支払わなければならない。何より、今君が倒れては困るのだよ」

 

かわいいリンちゃんがこんなになった原因が多分俺だからね!

俺がやらなきゃ気がすまないのさ!!

 

「そうですか‥‥分かりました。少し休ませていただきます」

 

「了解した、ゆっくり休んでくれよ」

 

リンちゃんはゆっくりと休憩室へ行った。

あんなに足取り重いリンちゃん初めて見たや。

 

「‥‥‥‥さて」

 

改めて、積みに積まれた書類を見る。

 

(1mくらいはありそうだな‥)

 

「まぁ、二時間あれば終わるだろう」

 

今日は厄日なんだ、こんなことで止まってられるかぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

「‥‥終わったか、案外呆気ないものだな。時間は‥‥八時か」

 

二時間ほどかけて書類を済ませ、最後の確認をする。

後で休憩しよっと。

 

コンコン

 

「ん?入りたまえ」

 

「失礼します、書類は‥‥‥」

 

「行政官か、書類なら全て終わった。それで、ゆっくり休めたか?」

 

何やら急いだ様子でリンちゃんが入ってきた。

ファーHAHAHA!!残念だが、書類はすべて終わっているよ!!

 

「はい、お陰様で‥‥」

 

「どうやら急いでいるようだが、何かあったのかね?」

 

書類は終わったというのに、リンちゃんはソワソワしていた。

何かあったのか?もしかしてまだ書類あったりする!?

 

 

「いえ、もう少しすると、先生が来るので」

 

 

「ッ!?」

 

ウェ!?先生がもうすぐ来るだと!?そういやそうだった!?

失念していた、まさかこんなに早く来るとは!?

 

「行政官、先生の対応を頼む、私は後で行かせてもらう」

 

「分かりました、では」

 

リンちゃんが先生のもとへと行く。

 

「ふう‥‥どうするべきだ?」

 

連邦生徒会長が失踪して数日、いつか来ると()()()()()()日。

それがこんなにも早くに来るとは予想できなかった。

 

(もし私が夢の通り、成り損ないであるならば‥‥)

 

「いや、そんなことを考えても意味はない。行くか」

 

一度服装を整え、部屋をあとにする。

 

「先生か‥‥」

 

ふと、鏡で自分の目を見る。

濁りに濁った、光などない、この世界に来たときから持っている目。

 

「‥‥‥‥チッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

暫くして、恐らく先生やリンちゃんがいるレセプションルームへたどり着く。

少し壁越しから話を聞いてみると、馴染のある声が聞こえてきた。

 

「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」

 

(ユウカか、こんなに声を張り上げているということは、元気そうだな)

 

「結論から言うと、サンクトゥムタワーの最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です」

 

リンちゃんがユウカをなだめるように言う。

まぁ実際こう言うしかないからな。

 

(さて、聞くだけじゃ物足りないし、実際に会うとしようか)

 

ガチャ

 

「何やら揉めているようだが、大丈夫かね?行政官」

 

「副会長‥‥‥‥」

 

”えっ‥‥副会長?”

 

「‥‥‥ほう?貴方が先生か」

 

先生に近づいて顔を確認する。

ふむ、先生は男か、顔は私に限りなく似ているが、目だけは違う。

透き通るような色しているいい目だ。

 

 

「私は連邦生徒会副会長、鴈先セイだ。よろしく頼むよ?先生」

 

 

”‥‥‥‥あー、えーと‥うん。よろしくね”

 

俺が挨拶すると、先生は若干不審がるような顔をしながら言った。

他の人からも、何か嫌な顔をされる。

 

(‥‥‥ん?あれあれ??これって??)

 

ただ挨拶をしただけなのにこの反応、もしかして俺‥‥

 

 

(勘違いされてるう!?)





オリ主紹介

鴈先セイ

男でありヘイローも持っている。

連邦生徒会所属の三年生で役職は連邦生徒会副会長。
転生しているということは分かっているが何故転生したかなどは分かっていない。

金髪で特注のマリン帽子を深く被り、他人には自分の目が見えないようにしているのが特徴。

転生した弊害?で変な口調でしか喋れなく、そのせいで色々勘違いされがち。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。