Ange Vierge 青蘭に咲く乙女たち 作:楠富 つかさ
お姉ちゃんと別れて中学の体育館へ向かう私、北条千尋。桜の木が植えられた小道を通って向かっていると……。
「うわぁ……夢にまで見た青蘭学園に、私、今日から……」
空色の髪をした小柄な女の子が、体育館を見上げながら何か言っている。
「君もプロフレスなの?」
「え、あ! はい! さくら、高峰さくらです!! 今日から一年生です!」
「よかったぁ。同じだね。私、北条千尋。千尋でいいよ」
「よろしくね、千尋。私も、さくらでいいよ」
体育館に入ってから、どのクラスなのかとさくらに尋ねると、私と同じ4組であると返答がきた。クラスに話せる人ができてよかった。お姉ちゃんは大丈夫だろうか。入学式の席順すら適当で、並べられたパイプ椅子に詰めて座る。
「私ね、ずっと魔法少女になりたかったんだ」
「魔法……少女?」
アニメとかに出てくる女の子のことだろう。お姉ちゃんが見てニヤニヤしていた気がする。
「そう、魔法を使って世界を救う女の子。私のエクシードは、どんなものでも魔法のアイテムにできるの」
凄い……と思う。どんな力かピンとこなかったけど、私の光を操る力より解釈に幅がありそう。そんなことを考えているうちに入学式が始まり、中等科を担当する先生たちや、新入生代表の挨拶が執り行われた。途中うとうとしてしまったせいで記憶が曖昧だが、入学式は無事に終わり教室への移動になった。
「千歳、寝てたでしょ?」
「はは、ついね」
広大な敷地を持つ青蘭学園は中等科と高等科の校舎、共有スペースで構成されており、プールや体育館は別個に作られている。共有スペースは食堂や図書館、保健室や部室が置かれている。そんな感じで中等科の教室に入ると、窓の外の景色が目に飛び込んできた。やっぱり青蘭学園からの眺めは最高だ。
「すごいよね、この景色」
「うん」
黒板に張られた席順を見て、思わず笑顔。さくらと隣同士だ。
「さくらは、どの寮に住んでるの?」
「陽光寮だよ。中学生が多い寮でね、二人部屋のパートナーは違うクラスなんだぁ」
「私は葉果寮、寮母さんがいない寮でね、高校二年の先輩が料理を作ってくれるんだ。寮にはお姉ちゃんと二人で住んでるの」
「そぉなんだ。葉果寮なら、道の向かいだと思うから、今度遊びに行くね」
「今度なんて言わずに今日おいでよ」
そうして学校初日から友達ができ、しかも部屋への招待をしていると……。
「北条と高峰! ホームルーム始めるぞ!」
「「は、はい!!」」
いつの間にか来ていた先生にしかられてしまった……。まぁ、いいか。
寮の名前は適当。ただし、さくらの住む陽光寮はひだまり荘を意識。百江なぎさネタを使いたかったけど、多分無理。だって、さくら中学生だし。
中学生は誰を出そうかなぁ……。