Ange Vierge 青蘭に咲く乙女たち 作:楠富 つかさ
学校一日目ということで、簡単な自己紹介やプリントの配布だけで解散となった。沙織ちゃんや結橋君、クルス君と別れて葉果寮の自室へと帰る。男子には男子寮があるので一緒に帰れないのは当然だとして、沙織ちゃんはどうやら両親と共にこっちへ引っ越してきたらしい。東京都庁の青蘭島支部で支部長をしているらしい。お嬢様は上級国家公務員の娘さんらしい。他にも、自営業者で娘がプログレスという人は店ごとこっちに来ているらしい。街には個人経営の食堂や理容室が軒を連ねている。どうやら、土地の税金がかなり安いらしい。どうやら、プログレスの少女たちが不便な思いをしないように、あれこれ優遇してくれているらしい。洋上学園都市青蘭島はある種の経済特区なのかもしれない。そんなことを思いながら、オートロックをカードキーで開錠する。
「ただいまー。って、お?」
玄関には靴が二足。どうやら来客中らしい。靴、小さいなぁ。
「お帰り、お姉ちゃん。さくら、姉の北条千歳。お姉ちゃん、こちら高峰さくらちゃん。友達になったの」
「お、よかったねぇ。でも、お姉ちゃんは五人も友達できたんだよ!」
ちょっと自慢げに言ってみる。千尋はどうも私がコミュ障だと思っている節があるからなぁ。違うって言ってるのに。
「良かったぁ。不安だったんだよ」
「えっと、改めましてはじめまして。お邪魔しています。高峰さくらです!」
それから一時間くらい、私と千尋とさくらちゃんで話しをしていた。さくらちゃんの「異能」も見せてもらった。魔法少女と聞いて興奮気味になった私のために魔法少女姿を見せてくれたのだ。ピンクを基調としたドレスはフリフリですごく可愛かった。せっかくということで、夕食も一緒に葉果寮で食べていくことになった。
「「「いただきます」」」
三人一緒に手を合わせて、食べ始める。天井先輩が一人で切り盛りしているので、メニューこそ固定だが、それでもやはり美味しいのだから問題ない。嫌いだったナスとか舞茸も克服できた。美味しいご飯で、会話はさらに盛り上がる。
「私とさくらが話していたら、担任の先生がいつの間にか来てて、怒られちゃったの」
「千尋が怒られるなんて珍しいね。あ、先生って地球の人?」
「うん。日本人だったよ」
「こっちは赤の世界の大天使様だったよ。ガブリエラ先生っていって、クラスのレミエルちゃんって天使のお師匠様だったんだって」
「て、天使が担任って……流石は青蘭ですよね」
青蘭学園の教師は多くが日本人であり、英語科に数人の欧米人がいる程度だ。異世界からの教員なんてガブリエラ先生だけだろう。ガブリエラ先生も、青蘭への入学を決めたレミエルを見に来ているようなものだし。
「にしても、いつになったらブルーミングバトルが出来るんだろう……」
「とりあえず、今週中は無理そうですね」
「新学期早々、やること多いからね」
身体検査や各種手続き、それ以外にも、高校生で行うべき授業の前に、もっと異世界について知るための授業がある。青蘭における普通科は全く普通じゃない。
「ま。せっかくの高校生活、楽しまなきゃ、ね?」
そんな感じで食事も終え、さくらちゃんを見送り自室へ戻り、いつもどおりに過ごす。そうして、私と千尋の学校初日は幕を閉じたのだった。
美海の出番が……まだです。
レミエル可愛いですよね。担任をガブリエラにしたのはなんとなくです。赤の世界キャラが多い気が……。黒要素をはやく出さないと。ブルーミングバトルはまだまだ先になりそうです。