Ange Vierge 青蘭に咲く乙女たち   作:楠富 つかさ

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第六話 和やかな朝

「おはよ」

「おはよ~」

「おはようございます」

翌日、いつも通りの朝を過ごした私が教室に入ると、アウロラとフロウが話していた。あいさつもそこそこに自分の席に鞄を置く。

「おはよう、千歳ちゃん。赤の世界の人とも仲良しなんだね」

右隣に座る沙織ちゃんが本から顔を上げて挨拶してくれた。

「おはよう、沙織ちゃん。何を読んでるの?」

「父にもらった青蘭島のパンフレットです。いろいろなお店があって、どこから行こうか悩んでしまいます」

「この島には本土へ帰る必要がないくらいに施設が充実しているもんね」

「チトセ、この島には何でもあるの?」

私が沙織ちゃんと話していると、アウロラとフロウがこっちにやってきた。沙織ちゃんとちょっとした自己紹介を済ませ、

「この島は青の世界の縮図のようなものなんです」

「ほへぇ……。ねぇサオリ、この島には花畑はないの?」

「え、お花畑ですか? えっと、島の北側、小高い丘に草原地帯ならあります。お花が咲いているかは……すみません、分からないです」

「大丈夫よ、草原さえあれば私がお花畑にしてあげるわ」

フロウがアウロラにウインクをする。どうやらフロウの異能があればお花を咲かせられるらしい。妖精さんの面目躍如だね。

「そっかぁ~。ありがとうね、フローリア。学校が終わったら行きましょう」

笑顔を見せながらアウロラは席へ戻っていった。

「沙織ちゃんは青蘭島博士になれそうだね」

「青蘭島博士? あ! いえいえ、パンフレットだけでは分からないことも多いです。あ、昨日も青蘭島を歩き回っていたんです。そしたら、隣のクラスの女の子と仲良くなって。お昼休みに紹介しますね」

「へぇ。私もね、昨日は妹の友達と友達になったんだぁ」

「あら、千歳ちゃんはお姉さんだったのね」

「そだよ。千尋っていうんだけど、私よりしっかり者なんだぁ」

「ふふふ、自慢の妹なのね」

笑みを浮かべる沙織ちゃんの目はとても綺麗だ。優しくて温かい。でも、好奇心にも満ちている。

「妹も、今度紹介するね」

「ありがとう、千歳ちゃん。友達の環が広がるのって、凄く嬉しいわ」

「えへへ、そうだよね!」

そんな感じで私が沙織ちゃんと話していると、

「おはよう、北条さん、岸部さん」

「おはよう、二人とも」

「あ、結橋君とクルス君。なんで二人で?」

「同じ男子寮だったのかしら?」

結橋君とクルス君は自分の荷物を机の横にかけると、

「偶然、昇降口で会ったんだ」

と答えた。

「黒の世界の住人である私には、朝というのは辛い時間ですな。寮の自室は暗くしてますけど」

「まぁ頑張って授業受けよう。ほら、そろそろ時間だよ」

今日からは授業が始まる。世界のこと、もっと学ばなきゃ!




いよいよ美海とソフィーナに出番を……。おっと、セニアも忘れずに。
あと、本作のフローリアは性格が違いますね、本来ならもっと無邪気な感じなのに、こちらでは、どこぞのイストワールさんみたくなってますね。すみません。
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