ゴジラVSポケットモンスター「ポケモンでゴジラパーティー 」 作:GMKゴジラ
両者ともシリーズで最も好きな怪獣です。
セキエイ大会 准決勝戦
広大なスタジアムに鳴りやまない歓声がこだまする。
リングの中央、俺とシゲルが向かい合っている。背後に迫る夕暮れの空は、まるでこの決戦の激戦を暗示するかのように、赤く染まっていた。
シゲルは余裕たっぷりの笑みを浮かべ、強い光を宿した目で俺を見据えてくる。その自信に満ちた姿に、観客たちからも「頑張れ、シゲル!」「行けー!」と声援が飛ぶ。
しかし、俺は冷静を保つ。拳を軽く握りしめながら、その拳を胸のあたりにあてて深呼吸をした。
「そう簡単にいくと思うか? お前が “ゴジラ” 達や、そのゴジラが戦ってきた“怪獣”たちに勝てると思ってるのか?」
その言葉に、シゲルが眉をしかめる。
「お前はポケモンを“怪獣”と呼んでいるがポケモンと何が違うんだ?」
「強さか?」
「それとも、物理無効のベトベトンのことか?」
「特殊技の連続攻撃に、ベトベトンは無力だ、サザンドラもボスゴドラもただ強いだけだ。お前は一体何を思って“怪獣”と読んでいるんだ?」
俺はニヤリと笑い、ボールを掲げる。
「まだわからなくてもいい。だが、このリング上で、その違いを思い知ることになる。“怪獣”とは何か、ポケモンと怪獣の“絶対的な差”というものをな」
シゲルは一回戦のゴジラの戦いを見ていなかったため、完全に理解しきれていない様子だったが、それでも勝負に集中し、ボールを投げる。
「まぁいいさ。お前の謎かけに付き合ってやる! 行け、ピジョット!」
ビオランテ(フシギバナ) vs ピジョット
「行け、ピジョット!」
シゲルのピジョットが軽快な動きで舞い降りる。翼を広げ、鋭い目つきでこちらを見据えるその姿に、スタジアムの観客たちから歓声が上がる。俺は躊躇せず、最初のポケモンを繰り出す。
「出てこい、ビオランテ!」
フィールドに立つフシギバナの巨体が、地面にずっしりと足をつけ、背中の大きな花を広げて風に揺らす。そしてフシギバナが現れると共にフィールドに無数のつるのムチが生えてくる。
観客たちにどよめきが起こる中、つるのムチの先端には鋭い牙が並んだハエトリソウのような口が付いており、怪獣のような鳴き声を上げる。
フシギバナ本体にはより大きなツタ、4本の触手が生えているようだった。
シゲルだけでなく観客を驚かせたのはその体躯、ゴジラより、メカゴジラより大きく、その姿はゴジラの1.5倍もの高さ、体のボリュームは4倍以上の巨体。
「なんだその大きさは?」
「ツルの数も普通のフシギバナじゃない!」
「その異形がお前の言う“ポケモンと怪獣の違い”なのか?」
審判の拡声マイクが会場中に響き渡る。
「ビオランテが、進化している!」
観客たちはどよめきながらたまらず、声を出す。
「これからどうなるというんだ?」
「勝ったほうが我々の敵になるだけです」
「敵?」
「二人は兄弟みたいなものです」
「文字通りの分身だ、両者は同じ存在だ、同じ細胞で一方は動物、一方は植物」
「ピジョットは同じじゃないだろ」
などと観客席もゴジラシリーズにより深く侵食されているかのような雰囲気だった。
俺はこの世界がゴジラと同一になりつつあることに一層の嬉しさを覚えた。
「ピジョット、そらをとぶ!」
ピジョットが高く舞い上がり、ビオランテを上空から見下ろすように旋回する。
「ビオランテ、触手攻撃(つるのムチ)だ!」
ビオランテのつるのムチの先端が鋭く伸び、ピジョットの動きを捉えようとするが、相手の素早さに翻弄される。
「望み通り教えてやるよ、お前の怪獣は特殊技の連続攻撃の前に沈むことを!」
「ピジョット、エアスラッシュだ!」
「ひるませ続けろ」
ピジョットが急降下し、エアスラッシュの連続攻撃をビオランテに叩き込む。
何本かのツルが切断されていく。
ビオランテにも空気の刃が突き刺さり続ける。
効果抜群の攻撃にもビオランテはひるまない。
ビオランテは再び蔓を繰り出した。
「今度は逃がさない。樹液攻撃(ようかいえき)だ!」
強酸性の(ようかいえき)がフィールドを覆うすべてのツタの先から発射される。
その黄色い液体を浴びたピジョットはよろよろとしか飛べなくなり、ついにピジョットを捉えた蔓が相手を地面に叩きつける。その衝撃にピジョットが動かなくなり、審判が声を上げる。
「ピジョット、戦闘不能!」
審判は腕を上げながら静かに呟く。
ビオランテ(フシギバナ) vs フーディン
「行け、フーディン!」
フィールドに現れたフーディンが、二本のスプーンを構えて静かに立っている。その目は鋭く、観客席からも緊張が走る。
「フーディン、サイコキネシスだ!」
ピジョットとは比べ物にならないほど強烈な特殊攻撃がビオランテを襲う。ビオランテの巨体がぐらつき、ツタの根元からきしむ音が響く。
「ビオランテ、負けるな! 強酸性の放射樹液(ハードプラント)で反撃だ!」
ビオランテが口を開き、黄色く輝く放射樹液を放つ。フーディンはサイコキネシスでそれを撥ね退けようとするが、一部がかすめてダメージを受け、思わず後ずさる。
「フーディン、シャドーボール!」
暗黒のエネルギー弾がビオランテに向かって飛び、直撃する。ビオランテの体が大きく揺らぎ、口から苦しげな唸り声が聞こえた。
「ビオランテ、攻撃を続けろ…!」
ビオランテのツタが一気にうねり、四方からフーディンを狙いすましたかのように伸びる。フーディンも冷静にサイコキネシスで食い止めるが、ビオランテの強酸性樹液の放射(ようかいえき)がまたしても襲いかかった。
ジュッ──という嫌な音が響き、フーディンの体が徐々に崩れかける。しかし、その一瞬、フーディンの目が光りを放ち、最後の“サイコキネシス”を強烈に増幅させる。
「……っ!」
ビオランテは口の中から後頭部までもが吹き飛ばされるようなダメージを受けるが、それでもツタが離れずフーディンを捕らえて離さない。酸による焦げたような煙が立ち、次の瞬間、両者は同時に倒れ込んだ。
ドサッ……!
あまりにも激しい衝撃で生まれた砂煙が収まった時、そこには動かなくなったビオランテとフーディンの姿があった。
審判は驚きの表情を浮かべ、急いで両者を確認する。
「ビオランテ、戦闘不能……! フーディンも……戦闘不能!」
相打ち──ダブルノックアウトが宣言され、観客席が激しいどよめきと拍手に包まれる。
俺は静かにビオランテをモンスターボールへと戻す。
「ありがとう、ビオランテ……よくやったな」
シゲルもまた、フーディンを回収しつつ、苦い表情を浮かべている。シゲルは二匹を消耗し、シゲルは“最強の切り札”を繰り出すのは明らかだ。
最終戦:ゴジラ(バンギラス) vs リザードン
シゲルは最後のボールを握りしめ、その口元にわずかな決意と焦りをにじませる。
「……勝負はこれで決まる。行け、リザードン!」
リザードンが翼を広げ、大きく咆哮をあげながらフィールドに降り立った。尾の炎が揺らめくたび、周囲の温度が上昇するほどの熱気を放っている。
一方、俺もボールを構える。
「行け、ゴジラ!“怪獣王”の強さを見せてやれ!」
リング上に放たれた光が収束すると同時に、通常個体の2倍の体躯を持った巨体のバンギラスが姿を現す。その背中には黒いオーラが渦巻き、目は白目をむいたまま。ゴジラが深く息をつくたびに、憎悪の波動が周囲を包み、スタジアム全体に重苦しい圧迫感をもたらす。
「そいつも立派に育ったものだ、いつぞやのお返しをさせてもらうぜ!」
リザードンの高い咆哮に奮い立たされるように、闘志を燃やす。
「リザードン、全力で行け! かえんほうしゃだ!」
リザードンが吐き出す炎は今までと桁違いの火力を帯び、あまりの熱量にリングの床が焦げ上がる。観客席から悲鳴混じりの歓声がわき上がる。
しかし、ゴジラは一歩も動かない。白目の奥底でメラメラと憎悪が燃え上がり、背びれが赤と青が混じった閃光をちらつかせる。
「ゴジラ、憎しみ全部を力に変えるんだ……放射熱線(かえんほうしゃ)!!」
ゴジラが口を大きく開くと、人魂のような青い熱線をリザードンへ叩きつける。リザードンもかえんほうしゃで迎え撃つが、その衝撃波がフィールドを裂き、爆煙を巻き起こした。
両者の炎が交差して大気を焼き、光線がどちらの体をも焦がしていく。まさに“全力のぶつかり合い”の様相を呈していた。
「リザードン、ブラストバーンだ!!」
シゲルの絶叫のような指示と共に、リザードンは全身に燃え上がる火炎を一点に凝縮し、炸裂させるように放つ。地響きを伴う火焔の奔流がゴジラを呑み込み、リングを砕かんばかりの衝撃波が走った。
しかし、火炎を受けるゴジラの背びれはさらに光を増し、周囲の黒いオーラが高密度に変わっていく。その白目がいっそう深い憎しみの色を帯び、凄絶な咆哮を上げる。
「ゴジラ!憎しみを炎に転化しろ!」
俺がそう叫ぶとリザードンのブラストバーンの「エネルギーの一部」がゴジラの背びれに集まり始めた。
一見、ゴジラが棒立ちで攻撃を受け続けているように見えるが、GMKでキングギドラの光線を吸収したように炎を吸収しているのだ。
「お前の "怪獣" はここまでだ、リザードン、ブラストバーン最大火力!」
ゴジラは一歩も動かない。白目の奥底でメラメラと憎悪が燃え上がり、背びれが赤色の閃光をちらつかせる。
リザードンの炎が強まる、火炎がゴジラの周りを渦巻くほどに強くなり、エネルギー吸収で背びれが赤く光る。
「今こそ見せてやるよ、これが俺の怪獣、"怪獣王ゴジラ"の力だ!」
ゴジラの背びれがさらに渦巻くように明るく光り始める。まるで憎悪の感情が燃え盛る炎を取り込み、エネルギーへと変換するかのように。
「な、なんだと……!?」
シゲルが驚愕する中、リザードンの炎は勢いを増してゴジラに吸い込まれていく。
ゴジラが口を大きく開き、背びれの光が極限まで達した瞬間、赤と青が混じった超高熱の熱線を放つ。
「最大火力のバーンスパイラル熱線(はかいこうせん)を見せてやれ!」
ゴジラの "バーンスパイラル熱線(はかいこうせん)" がブラストバーンのエネルギーを放射状に取り込むように吸収し続け、そのままリザードンの体を包み込む。
リザードンは抵抗するが、圧倒的なエネルギーの前に膝をつき、ついに地面に倒れ込む。
ズシン……と重々しい音が響き渡り、スタジアム内が静まり返る。
「リ、リザードン……戦闘不能……完全に沈黙!」
審判が震える声で宣告し、次の瞬間、観客席は爆発的な歓声と悲鳴の嵐に包まれた。
ゴジラはその白目を向いたまま、息を荒げている。黒い残留思念のオーラがまだ渦巻いている。
相手が沈黙しても、憎しみのオーラは濃さを増すばかりだった。
「勝者はレッド選手のゴジラ!!」
審判の旗が高々と上がり、会場中から轟音のような拍手喝采が巻き起こる。シゲルは悔しそうにリザードンを抱きかかえながら、それでも笑みを浮かべて俺に言った。
「完敗だよ……お前のポケモン、いや“怪獣”、ゴジラとビオランテには到底及ばなかった。普通のポケモンとは違うそのオーラ、フシギバナの巨体と牙の生えたツタ、さらに、リザードンのブラストバーンにダメージすら受けず逆に吸収して撃ち返す力、それがお前の言う“怪獣”とポケモンの絶対敵な差なのか?」
俺はゴジラを見上げながら、拳を握りしめる。
「そうだ、これがポケモンを圧倒する“怪獣”の本当の力だ」
灼熱の炎と破壊光線が交わりあったこの激闘は、まさに“全力のぶつかり合い”だった。まるでゴジラとビオランテがポケモンの存在の限界を押し上げたかのように感じる。この力こそ“怪獣”の証だった。
黒いオーラと憎しみの白目を秘めたままのゴジラが、わずかにこちらを振り返る。その姿には威圧感しか感じないはずなのに、何か“同士”のような誇らしさを覚えるのは不思議な感覚だった。
スタジアムの観客たちは、“怪獣”という存在を目の当たりにし、恐れながらも興奮に打ち震えている。解説者や審判からも「これは史上最強のポケモンバトルだ!」「“怪獣”、なんて奴だ……!」などの声が上がる。
同じ頃、サトシが原作とは異なり準決勝に勝利したことが知らされる。
「次はサトシを怪獣達が蹂躙する番だ!」
俺の心から出たその言葉に、ゴジラがまた低く唸り声を返した。
憎しみと怒りを宿す黒いオーラでさえ、今は心強い力の象徴に思える。きっと、俺たちはこれから先も“怪獣”という名の運命を背負って歩んでいくだろう。
俺は決勝戦への挑戦権を獲得した。
「待っていろサトシ、俺の怪獣達は最強なんだ!」
そして、この圧倒的な勝利をもって、次なる決戦へと進む覚悟を新たにしたのだった。
フシギバナ
NN ビオランテ
体高はゴジラの1.5倍、体格はゴジラの4倍以上
フィールド中を覆い尽くすほど多い触手(つるのムチ)、口から吐き出す強酸性樹液(ハードプラント)を攻撃手段として用いる
過去、ディアルガやパルキアを触手で締め落とした
バンギラス
NN ゴジラ
今回の戦いでは炎を吸収する能力を見せた
全てを憎む憎しみのパワーが力の源である
シゲルに勝利した主人公レッド。
次はアニポケ主人公のサトシとの戦いです。
原作アニメとは違い途中敗退せず決勝戦まで勝ち上がってきているのです。
ここで“怪獣王”を目指すレッドが勝つのか、ポケモンマスターを目指すサトシが勝つのか、結果は目に見えてますが力を入れて書いていきます。