龍の目を持つ悪魔 (2年生編)   作:アニ督

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お待たせ致しました。第5話です。どうぞ。


第5話 取り戻した日常

2094年5月1日 

午後4時37分 防衛医学大学病院

タッタッタッタッ

裕翔「姉さん。」

と裕翔は病院に着くと直ぐに雪がいる階に行き、姉の咲の元に駆け寄る。

咲「裕翔。」

裕翔「雪の状態は。」

咲「さっき、先生が診察をしてくれたんだけど、特に体に問題はないわ。でも、記憶が・・・・・。」

と話していると、

真由美「葉山君、咲さん。」

と裕翔と共に病院に来た真由美も咲の元に合流する。

咲「真由美ちゃん。来てくれたの。」

真由美「はい。さっきまで裕翔君と街で遊んでたので。」

咲「そう。それは良かったわ。」

と話していると、

雪「お兄・・・・様・・・・・。」

裕翔「・・・・・!?」

と裕翔が振り返ると、そこには車椅子に乗って笑顔で裕翔の方を見つめる雪姿があった。そんな姿雪の姿を見た裕翔は、

バッ

裕翔「・・・・・良かった。本当に・・・・良かった。」

と雪を抱きしめる。そして、その抱きしめる裕翔の目には涙が一粒、静かに流れ落ちる。

雪「お兄様・・・・少し大きくなりましたね。」

裕翔「そうだな。少し大きくなったかもな。」

と言っていると、

雪「お姉様、お隣にいる女性はどちら様ですか。」

と咲に聞くと、

咲「こちらは、七草真由美さん、裕翔と同じ学校の友人で、裕翔の将来のお嫁さんになる人よ。」

真由美「ちょ・・・・咲さん!?」

裕翔「何、変な事を雪に吹き込んでんだよ。姉さん!?」

と2人は慌てるが、

雪「そう、お兄様には婚約者が出来たのですね。」

裕翔「いいか、雪。真由美とはただのクラスメイトで、別に恋愛関係でもないし、婚約者でもないんだ。そうだろ。真由美。」

と振り返ると、

真由美「そうね、私はただのクラスメイトですよ。」

と何か不満そうな真由美の顔が目に入る。

裕翔「何で、キレてるんだよ。」

真由美「別になんでもありません。」

と話していると、

?「葉山君、咲さん。少しお話いいですか。」

裕翔「倉田先生。」

と裕翔や雪の担当医である倉田が声かてくる。そして、

 

午後4時45分

裕翔は雪を真由美に任せ、咲と共に雪の状態について説明を受けていた。

倉田「雪さんの体に関しては特に異常は見られず、明日からはリハビリを3日程行えば、普通に歩けるようになると思います。ですが、1つ問題があります。」

裕翔「なんですか。」

倉田「雪さんは、この6年間眠っていた事に関しては分かっているみたいですが、6年前の事件に関しては全く覚えていないんです。そのため、この事件の記憶が戻ったら、大きなショックを与える事になると思います。これは、雪さんの精神的な面次第ですが、事の次第では再び意識を失う可能性があります。治療次第ではそれらの面も緩和は可能ですが・・・・。」

裕翔「先生。・・・・色々とありがとうございます。ですが、雪にあの事件のことは思い返して欲しくないんです。先生も知っている通り、あの事件で雪は多くの友人を失っています。もし、それを知ったら責任感の強い雪はきっと壊れてしまうと思います。だから、事件のことは黙っておいて下さい。お願いします。」

と頭を下げる。

咲「裕翔。・・・・倉田先生、私からもお願いします。」

と咲も頭を下げる。すると、

倉田「分かりました。雪さんには黙っておきます。退院は5日もすれば可能だと思います。ただし、定期的な診察は必要になるのでそこのところはお願いします。」

裕翔「ありがとうございます。」

と言い裕翔は再び頭を下げるのであった。

 

午後5時

そして、先生から説明を受けた裕翔と咲は病室へ戻る中、

咲「裕翔、こんな事、今言うべき事じゃないけど雪が目覚めた以上、きっと今年中に京都の実家から呼び出しがあると思う。もし、そこで雪が当主になる事が決まったら裕翔は・・・・。」

裕翔「姉さん。もし俺が一族から追い出されるようになってもそれは家の決定事項だ。拒むことできない。それにどんな理由があったとしても俺の罪が変わることはない。俺を追い出す事が決まりなら俺は従うよ。」

咲「裕翔・・・・・ごめんね。お姉ちゃん、力になってあげられなくて。」

裕翔「・・・・・やめてくれ。姉さんらしくもない。姉さんはちゃんと夢を目指してたら、それで良いんだよ、俺は。それより、早く雪の元には戻ろう。真由美が変な事を吹き込んでないか心配だ。」

咲「うん。そうなって、真由美ちゃんのことをそんな風に言わないの。いつも、どれほどお世話になってると。」

裕翔「別に世話になんてなってないよ。むしろ、こっちが世話してる方だよ。」

と話していると、

裕翔「・・・・・うん?」

目の前の雪の病室から複数の声が聞こえてくる。

裕翔「誰だよ。勝手に病室ではしゃいでいるのは。」

と病室に入ると、

裕翔「なっ!?」

キリト「よっ。先生からの説明終わったか。」

そこにはキリト、アスナ、克人、摩利にリーシャや椿など1時間前まで一緒にいたメンバーが雪のベットを囲って話していた。

裕翔「なんで、お前らがここに居るんだよ。」

真由美「私が読んだのよ。」

裕翔「余計な事を。」

と言うと、

咲「何を失礼な事を言ってるの。裕翔がドイツに行ってる間、真由美ちゃんや摩利ちゃん達は定期的に雪の元に来てくれていたのよ。」

裕翔「は!?」

咲「皆んな、裕翔の代わりにって見舞いに来てくれていたのよ。雪が目覚めたからには来るのは当たり前じゃない。」

アスナ「まぁまぁ。今は皆んなせっかく集まったのですから、そんなに怒らなくても。」

と話していると、

雪「お兄様、私、退院したらお兄様と同じ第一高校に通いたいです。」

裕翔「えっ!?」

と裕翔は驚くが、

真由美「良いわね。雪さんなら私は歓迎するわ。」

摩利「確かに、それは名案だな。葉山の妹となると教員達も納得するだろう。」

と話が進んでいく。そして、その後も雪は真由美達と合流を行い、

 

午後6時

真由美「そろそろ、皆んな家に戻らないと行けないわね。」

摩利「そうだな。明日は学校もあるからな。葉山はどうするだ。」

と裕翔に聞くと、

裕翔「俺はもう少しいるよ。

リーシャ「そうか。なら、アイリ達は私が家に送ろう。」

裕翔「悪い。頼む。アイリ、帰りは少し遅くなると思う。ノクトと夜架と一緒に先に寝ててくれ。飯は外食とか、なんでも好きにしてもいいから。」

キリト「マジで。葉山、気が効くわ。」

裕翔「お前にじゃねぇよ。クソボケ。」

キリト「まぁ、そういうなよ。今度、奢るから。」

裕翔「なら、銀座の高級焼肉店奢ってくれるなら、アイリ達と一緒に食事してもいいぞ。」

キリト「無理に決まってるだろ!!」

裕翔「だったら、帰れ。疫病神。」

とそんな友人達と話す裕翔の姿を見て、雪は

雪「お兄様は本当に大切なご友人を見つけられたのですね。」

と呟くのであった。

 

午後6時10分

ガラガラ

裕翔「戻ったぞ。」

と裕翔が病室入ってくる。

咲「真由美ちゃん達は?」

裕翔「タクシーで帰ったよ。」

と裕翔は椅子に座ると、

雪「お兄様。」

裕翔「どうした。」

雪「今日、真由美さん達が色々とお兄様の学校での様子を話してくれました。」

裕翔「あぁ、そうか。」

雪「聞いていて、とても第一高校に通うのが楽しみになりました。」

と笑顔で話す。すると、

咲「裕翔、今日はもう帰りなさい。明日、学校でしょ。私はもう少し雪の様子を見て行くから。」

裕翔「でも、姉さんも仕事が・・・・。」

咲「私は明日、休むから気にしなくていいわ。後、雪が本当に第一高校に通うつもりなら手続きも必要だから。」

裕翔「分かった。明日、帰りにまた寄るよ。」

咲「分かったわ。」

と決まると、

裕翔「雪、俺は先に家に帰るよ。明日、また夕方来るから。」

雪「分かりました。では、また明日。お兄様。」

と雪が言うと、裕翔は病室を後にして、家に帰るのであった。

 

翌日、

午前12時21分

第一高校 生徒会室

雪が目を覚ましてから一夜明け、裕翔はいつも通り学校に登校し、昼休みをむかえ、昼食をとっていた。

中条「じゃあ、葉山先輩の妹さんがクラスメイトになるかもしれないんですね。」

裕翔「あぁ。もし、クラスメイトになったら悪いが助けてやってくれ。」

服部「でも、以外でしたあの学園爆破テロで数少ない生き残りだったなんて。あのテロに巻き込まれた学生の多くが亡くなったとききましたが。」

裕翔「まぁな。」

服部「でも、そのテロ組織の首謀者を殺した男って今もわかってないんですよね。」

裕翔「あぁ。まぁ、あんな事をしてたら誰から恨まれてもおかしくはないが。(まぁ、殺したのは俺だが。)」

と思いつつも、裕翔はなんとか誤魔化しつつ答える。すると、

摩利「それで、妹さんはうちに入学するつもりなのかい。」

裕翔「あぁ。姉さんも俺と一緒の方が良いと言ってるし、雪もそれを望んでるから転入という形で入れて貰おうと思ってる。」

真由美「なら、成績次第では生徒会か風紀委員に・・・・・。」

裕翔「真由美、それは雪が決める事だ。強制するような事はやめてくれ。」

真由美「そ、そうね。ごめんなさい。」

と真由美が謝ると、

裕翔「別に謝らなくてもいいよ。それより、今日の夕方、また病院に行く予定だが、来るか。」

真由美「えっ?いいの。」

裕翔「俺がドイツに行ってる間、通ってたんだろ。何を今更、許可を得る必要があるんだ。ただ、今日行くなら病院まで車で送ってやるって言ってるんだよ。」

真由美「じゃあ、お言葉に甘えて。」

裕翔「分かった。一度、家に車を取りに行くから学校の正門て待っててくれ。車のは真由美と摩利だけか。」

中条「私も行っていいですか。」

服部「自分も同行させて下さい。」

裕翔「分かった。他にはいないか。」

と裕翔が聞くと、

アスナ「なら、私も行くわ。でも、キリト君とバイクで行くと思うから。迎えは大丈夫よ。」

裕翔「分かった。じゃあ、今日5時くらいに正門で。」

と話を終え、昼休みも終わり、

 

午後4時56分

中条「早く、書類の整理が終わってよかったですね。」

真由美「そうね。それより、もうそろそろ葉山君、来てもいいと思うけど。」

と話していると、

ブーン

摩利「何だ?」

ゆっくりと黒色のランエボⅩが正門前に止まる。

そして、

ダンッ

裕翔「お待たせ。」

と裕翔が降りてくる。

服部「葉山先輩!?」

中条「すごい、こんなスポーツカーをお持ちなんですね。」

真由美「そういえば、葉山君、車好きだったわね。」

と言っていると、

裕翔「後ろは少し狭くなるが3人まではいけるぞ。助手席には誰が乗る?」

服部「なら、自分が。会長達は女性同士、後ろに乗った方が良いかと。」

摩利「そうか。なら、そうさせてもらうか。」

真由美「そ、そうね。」

と言うと、4人は乗り込み、

裕翔「乗り込んだな。じゃあ、出すぞ。」

と確認すると、

ブーン

とエンジンを始動させ、

ガチッ

ガチャ

サイドブレーキとシフトレバーを変え、

ブーーーン

車を発進させる。

 

午後5時25分

コンコン

裕翔「雪、来たぞ。」

雪「お兄様、学校お疲れ様です。お姉さまは近くのコンビニに。」

裕翔「そうか。今日も客人が居るんだが。」

と裕翔が入ると、

真由美「雪ちゃん。」

摩利「今日も元気か。」

と摩利と真由美が病室に入る。

雪「真由美さんに、摩利さん。今日も来てくれたのですね。・・・・そちらの2人は。」

と真由美の後ろで摩利と一緒にいた中条と服部について聞いてくる。

真由美「女の子の方は今年、主席で入学した中条あずさ、通常あーちゃんと同様に次席入学した服部半蔵君よ。」

と紹介する。すると、

中条「中条です。一高に入学したら、きっと同級生になるのでその時はよろしくお願いします。」

服部「自分は服部です。急な訪問申し訳ありません。」

雪「いえ、同い年の一高の方々と会えて嬉しいです。できたら、一高について教えて頂けませんか。」

と雪は裕翔と真由美達の前で楽しそうに話し始める。すると、

ブーーー、

とスマホが鳴る。

裕翔「誰だ?」

とスマホをポケットから取り出し、確認すると、

裕翔「・・・・・。」

とその連絡先に気付くと

裕翔「真由美、すまないが少し雪を頼む。姉さんも直ぐに戻ると思うが、頼んでもいいか。」

真由美「分かったわ。」

裕翔「悪い。」

と真由美に雪を預け、一度病室を後にする。

 

午後5時

付近の地下駐車場

裕翔「ここか。」

と裕翔は地下駐車場に着くと、

?「来たか。裕翔。」

と目の前の柱から1人の男性が現れる。その正体は

裕翔「やはり、アンタか。葉山忠教。」

裕翔の実の祖父であり、十支族の1つである、四葉家当主、四葉真夜の執事を務める葉山忠教だ。

裕翔「このタイミングで来たって事は、雪の事で来たんだろ。」

忠教「それもあるが、此度は真夜様からの伝言でも伝えに来た。裕翔、分かっていると思っているが、お前は今年中、事の次第では葉山家を追われる身になる。だが、分かっていると思うが雪では一族を率いる事は不可能だ。それはお前も分かっている。だから、お前が葉山家当主となれ。」

裕翔「・・・・・!!」

忠教「もし出来なければ、その時、四葉家は全力で葉山家を潰す。これが、真夜様からの伝言だ。」

裕翔「・・・・・本気で言ってるのか。」

忠教「本気だ。」

裕翔「その時、雪や姉さんはどうなる。」

忠教「潰すと言っても、ただ潰すつもりはない。従うなら、もちろん葉山家は四葉家の傘下として迎えるつもりだ。もちろん、2人の事だけでなくお前のことも保証する。」

裕翔「アンタは何とも思わないのか。自分の息子の一家を潰す事に。」

忠教「・・・・・思わない。」

裕翔「・・・・ッ!!」

忠教「息子といってもアイツは出来損ないだった。四葉家の戦力にもならない存在だ。だから、こうなるのも仕方のない事だと思う。この世界は弱肉強食、裕翔、お前なら分かっているはずだ。アイツは、弱かった、だから自分の妻も・・・・・。」

裕翔「もういい。黙れ。」

忠教「自分の家も・・・・。」

裕翔「黙れ。」

忠教「そして、自分の命さえも・・・・・。」

裕翔「黙れと言ってるだろう!!」

シャ

と裕翔はブレイブ・ソードを抜き、忠教に斬りかかる。しかし、

裕翔「・・・・・!!」

バッ

何かを察知し、後方に下がる。

忠教「・・・・気づいたか。」

そして、

裕翔「・・・・・。」

ガチャ

パスッ

パスッ

パスッ

直ぐに腰のホルスターからサプレッサーを装備したグロック17を取り出し、右側の柱に向かって発砲する。すると、

?「まさか、私の存在に気づくとは。予想外でしたよ。」

と黒いコートと帽子をかぶった男性が姿を見せる。

忠教「ご協力感謝致します。」

?「貴方は真夜様や四葉家にとって重要な人です。ここで、死なせるわけにはいかないのですよ。ですが・・・・裕翔殿。久しぶり、いやはじめましてかな。」

と男は帽子を取り、顔を見せる。そして、

貢「私の名は・・・・。」

裕翔「アンタのことは知ってる。四葉家の分家で主に裏方を担当している黒葉家当主、黒葉貢。アンタが発動しようとした毒蜂が何よりの証拠だ。」

貢「フッ、いやはやまさかそこまで知られていたとは、忠教殿の孫は想像以上の情報網を持っているようだ。」

と帽子をかぶる。

裕翔「まさか、護衛を連れてるとは思ってたが、まさか黒葉家の当主が出てくるとは誤算だったよ。 」

忠教「裕翔、真夜様はお前の力を強く買っておられる。だから、来い。そうすれば、あんな出来損ないの父親の家など気にしなくても済む。家族だって・・・・・。」

裕翔「たとえ、アンタらが出来損ないと親父を言ったとしても俺にとって親父は憧れだ。そんな、親父が残してくれたものを潰すというなら、俺は容赦はしない。四葉真夜に伝えろ、アンタが何と言おうとも俺の意志が変わることはない。」

シャ

とブレイブ・ソードを鞘に戻し、

裕翔「もし、それでも俺や葉山家を潰したいというなら、俺もその時は例え血の繋がりもつ者でも容赦はしない。」

と去って行く。

そして、残った2人は、

忠教「どうでしたかな。裕翔と出会って。」

貢「単刀直入に言えば、彼は四葉家にとって危険な存在です。あの動きは忠教殿から、聞いた以上だった。アレは、下手をすれば、我々の悪魔よりも怪物、脅威となり得る存在だと私は感じた。あの憎しみと怒り。それ以外に何も感じなかった。」

忠教「そうですな。私も今、思えばもっと手懐けておくべきだったと思いましたよ。だが、いずれあの子も我々の配下となるでしょう。」

貢「なぜ、そう言い切れるのです。」

忠教「そうですな。それはいつか時が来たら忠教様にも話しましょう。」

貢「ですが、もし我々の脅威となるなら私は彼をどんな手段を使ってでも排除します。」

と貢は姿を消すのてあった。

 

午後5時20分

ガラガラ

裕翔「悪い。今、戻った。」

キリト「お疲れ。」

アスナ「お邪魔してます。」

と裕翔が病室に入ると、キリト、アスナも居るが、その中には

古田「やぁ、随分と長かったね。」

何故か、病室に中条や服部達共に仲良く談笑する古田の姿があった。そして、それを見た裕翔は

裕翔(ンーーーーー!?)

と驚き、焦るも

裕翔「なんで、貴方がここに。」

古田「いや〜、偶然、用があってね。」

裕翔「なるほど、では少し・・・・・一緒に来てもらえますか。」

古田「うむ。分かった。」

裕翔「悪い、また出てくる。」

と笑顔で肩を掴み、2人は一緒に病室を去るが、

真由美「ハァ〜、きっと古田さん。葉山君に怒られるわね。」

中条「えっ、どうしてですか。葉山先輩もすごく笑顔でしたけど。」

真由美「偶に、感情と心が矛盾してる時が葉山君にもあるのよね。」

雪「そうですね。私もお兄様は怒ってるように見えました。」

と2人は話している中、

 

病院の中庭

裕翔「どうして、俺に連絡もなく来てるんですか。古田将官。」

裕翔は古田に問いただしていた。

古田「いや、別に理由はないよ。偶然だよ。偶然。」

と笑顔で答えるが、

裕翔「・・・・・そんな誤魔化しは、良いのでさっさと答えてください。」

と裕翔は怒りのオーラを放ちつと、

古田「分かった。話すよ。先程、君の祖父がここを訪ねてきただろ。」

裕翔「もう、会って追い返しましたよ。」

古田「君らしいな。分かっていると思うが先のテロリストとの交戦で君の力の強さが再び十支族に露見した。特に四葉、七草、十文字、一条、九島の5つの一家がこれに気づいている。おそらく、葉山君の力が強くなっている事に警戒しているのだと私は思う。理解しておいてくれ、君はもう既にただの魔法師ではないと。」

裕翔「分かりました。」

古田「では、私は失礼するよ。早く、雪君の元に行ってあげなさい。」

裕翔「わざわざ来てくださり、有難うございます。」

と一礼すると、裕翔な病室へと戻る。

 

午後5時30分

ガラガラ

裕翔「悪い、今戻った。」

雪「お帰りなさい。お兄様。古田さんは?」

裕翔「仕事で帰ったよ。」

と話すと、

中条「葉山先輩、古田さんとはどういった関係なんですか。見たところ、軍の関係者に見えましたが。」

裕翔「あー・・・・・あの人は昔、親父の先輩だった人で、小さい頃から世話になってるんだ。」

中条「そうなんですね。」

服部「葉山先輩のお父上は今も軍に。」

裕翔「いや、もう居ないよ。」

服部「では、どこで働いて・・・・・。」

裕翔「死んだよ。」

服部「えっ!?」

裕翔「俺の親父は、俺が10歳の時に任務で殉職したよ。」

服部「そうですか。知らなかったとはいえ、失礼な事を。」

裕翔「気にするな。」

と話していると、

咲「ごめんなさい。遅くなって。あら、新しいお友達。」

姉の咲が戻ってくる。

裕翔「あぁ、紹介するよ。後輩の中条と服部だ。」

咲「葉山咲です。弟がお世話になってます。」

と挨拶すると、

中条・服部「えっーー!?」

2人は驚きの表情を見せる。

中条「葉山先輩、なんであの有名な咲さんがここにいるんですか。」

裕翔「なんでって、俺と雪の姉だから。」

服部「そう言う問題ではないす。なんで、お姉さんがあの今、話題のアイドルだと教えてくれなかったんですか。」

裕翔「そんなに有名なのか。」

服部「有名ですよ。なんでそんな事を知らないんですか。」

裕翔「いやー、暇さえあれば基本はCADのカスタムしてるから。アスナ、本当に有名なのか。」

と聞くと、

アスナ「ハァ、自分のお姉さんのこと何にも知らないの。コレ。」

とアスナはスマホである記事を見せる。

裕翔「うん、『1ヶ月後ライブチケットの抽選に約3億近い人から応募。今話題の最強のアイドル、葉山咲。』」

の記事を見て、

裕翔「マジか。姉さん、今そんなに凄いのか。」

咲「まぁ、最近は忙しいわね。雪が学校に通い始めたら仕事に集中するつもり。それより、雪。はい、コレ。頼んでおいた物よ。」

と咲は雪に渡す。そして、渡した物は

裕翔「コレって一高のパンフレットか。」

雪「はい。やっぱりここに入りたいので。」

中条「じゃあ、もう一高に入るのは確定なんですね。」

摩利「でも、ウチの中途試験は難しいぞ。」

裕翔「雪なら問題ないさ。」

摩利「随分と妹には甘いんだな。私達に対してはいつも厳しいのに。」

裕翔「事実を言っただけさ。」

と話していると、

「すいません。そろそろ、面会時間を過ぎるのですが。」

と看護師が伝えに来ると、

咲「分かりました。裕翔。皆んなを送ってあげて。後は私が見ておくから。」

裕翔「分かった。」

と言うと、

裕翔「じゃあ、また明日。来るよ。」

雪「はい。兄様もお気をつけて。皆様も。」

中条「はい。一高に来るのを待ってますね。」

服部「自分も葉山さんと魔法について学べる事を楽しみにしています。」

雪「はい。では、お気をつけて。」

裕翔「おやすみ。」

と裕翔は皆を連れて病室を去っていく。

 

午後6時

ブーン

裕翔は行きと同様に4人を乗せて東京へと向かっていた。

真由美「あーちゃん。疲れて寝ちゃったわね。」

摩利「かなり興奮してたからな。」

後部座席では真由美達が楽しそうに話している一方、

裕翔「服部、今日はありがとな。」

と裕翔は隣に座る服部に礼を言う。

服部「いえ、礼を言われるようなことは。」

裕翔「ああして、雪が同い年の子と話せるのはきっと励ましになったと思う。多分、あの感じだとお前達とはクラスメイトになるだろうな。」

服部「随分と雪さんのことを期待しているですね。」

裕翔「ああ見えて雪は、入院前までは国内の小学生の中で魔法の実技のナンバー5に入ってた事があったんですか。」

服部「本当ですか。自分も実技は得意ですが、そんな情報があれば自分も知っていると思うのですが。」

裕翔「まぁ、ナンバー5に入ったことがあるのは1回だけでおそらく運が良かったんだろう。でも、実力は間違いなく本物だ。」

服部「それは楽しみですね。」

と2人は楽しそうに話しながら帰ったのであった。

 

3日後、

午前10時

この日、雪は予定通り退院となり、休みを得た裕翔と咲が家に迎えに来ていた。

「雪さん、長い入院生活、お疲れ様でした。これからは入院してた分、学生生活を楽しんでくださいね。」

雪「はい。本当に色々とありがとうございました。」

と担当医からの労いの言葉を得ると

咲「先生。本当に妹がお世話になりました。ありがとうございました。」

裕翔「ありがとうございました。」

と裕翔と咲も礼を言う。

「いえ、私もこうして雪さんが日常に戻れた事が嬉しいです。では、私は仕事に戻るので。」

裕翔「本当にありがとうございました。」

と裕翔は一礼をすると、担当医は病院へと戻っていた。

 

午後4時

あの後、裕翔は雪を連れて家へと戻り、家での雪の生活に向けて、2階で物を整理していた。そして、夕方になると

アイリ「只今、戻りました。」

と1階から声が聞こえてくる。

裕翔「おかえり。」

雪「お帰りなさい。」

咲「おかえり。3人とも。」

と雪と裕翔、咲は1階に降りると、

アイリ・ノクト・夜架「雪ちゃん、退院おめでとう。」

と3人から花束を渡される。

雪「あ、ありがとうございます。こんな綺麗な花を。」

アイリ「帰りに皆んなで1種類ずつ花を選んできたんですよ。」

咲「そう。良かったわね雪。」

雪「はい。」

こうして、雪は退院し日常生活に戻る事ができたのであった。そして、

 

5日後

午前7時

第一高校

「あれが例の中途試験で入学してきた子。」

「綺麗。」

「おい。お前、声をかけろよ。」

雪が初登校から、1日が経ち一高内では注目の的となっていた。しかし、彼女に誰も簡単には声を掛けることが出来なかった、その理由は

「無理に決まってるだろ。あの子、葉山裕翔の妹だろ。昨日、彼女の悪口を言った奴等がボロボロにされて見つかったんだぞ。」

と既に噂が広がっていた。

 

それは先日のこと、

午後4時

「なぁ、例のあの子、凄いよな。最難関試験って言われるウチの中途試験に受かったんだから。」

ある1年、4名が学内のある場所で雪について話していた。しかし、

「ふん、でもアイツって葉山裕翔の妹なんだろ。葉山裕翔は生徒会長とも仲良いから、裏の手を使って試験に合格させてもらったんだろ。」

「それもそうか。俺、葉山のこと嫌いだからな。だけど、アイツの妹なら俺の女にしてやっても・・・・・。」

裕翔「ほぅ、それは興味深いな。」

「なっ!?」

途中で裕翔が現れ、

裕翔「聞かせてくれよ。誰をお前の女にするって。更に先輩に対して呼び捨てに加え、俺の妹に対して良からぬ事を勝手に話すとは・・・・・せっかくだ。この際、お前達の為に今から立派な魔法師に近づけるスペシャルレッスンを用意してやる。」

「いや、あの・・・・そんなつもりは。俺達、課題もあるんで。」

裕翔「安心しろ。この時期の課題なんて1時間もあれば終わる。さぁ、覚悟出来てるか。可愛い後輩共。」

「「「「イーーヤァーーーー!!」

3時間後、偶然家に帰ろうとしていた中条と服部がボロボロになった4人の1年生を見つけ、翌日の朝には裕翔の妹には手を出すなという新たな暗黙の了解ができたのであった。

 

5月10日

午前12時

生徒会室

摩利「それで、葉山。お前が昨日、1年共をボコボコにしたというは本当か。」

裕翔は生徒会室に来るや否や、摩利から質問を受ける。

裕翔「随分と誤解があるが、ボコボコにしたのではなくただ特別な訓練を受けさせてやっただけだ。」

摩利「訓練内容は。」

裕翔「腕立て伏せ100回、スクワット200。魔法回避訓練、2時間続けてやっただけだ。」

摩利「志願制か。」

裕翔「いや、強制。」

摩利「ったく・・・・・葉山、お前は今、かなり後輩達から憧れの存在でもあるが、同時に恐れられてるということを理解しているのか。」

と摩利は言うが、注意を受けていると、

コンコン

ガチャ

アイリ「只今、戻りました。」

雪「失礼します。」

ノクト「失礼します。」

夜架「失礼しますわ。」

と4人が入ってくる。

裕翔「どうした。4人揃って。」

真由美「4人には私と摩利から話があって呼んだの。それに今回は葉山君にも聞いてもらった方がいいと思って。」

と真由美は言うと、

真由美「私は雪さん、アイリさんには生徒会に。」

摩利「残りの2人には私から風紀委員に推薦したいと思ってる。」

雪「えっ!?」

裕翔「・・・・・なるほど。」

と裕翔は呟くと

真由美「貴方達は現在の1年でもかなり成績には問題ないわ。特にアイリさんは、色々と今まで手伝ってくれてたからこの際に私から推薦しようと思って。そして、雪さんは・・・・その様子だとなんで自分なのかって顔ね。」

雪「・・・・はい。」

真由美「雪さん、貴方の中途試験での成績、今回拝見させて貰ったわ。特に実技の結果は0.148、これは4月から入学した服部君やあーちゃんとほぼ同じ結果なの。つまり、試験だけの結果見れば貴方はトップ3には入っているの。だから、この際に貴方もお誘いしたの。」

雪「そ、そうですか。でも、私はまだこの学園に来て。1日しか経っていません。」

真由美「そこは私や皆んなでサポートするわ。」

雪「・・・・・お兄様はどう思いますか。」

と雪は裕翔に聞くと、

裕翔「雪。これはお前の話だ。俺が別に止める理由もない。俺もお前の試験結果を見てたからな。この話がきても不思議ではないと思う。それに俺は嬉しいよ。妹が早くも生徒会長に認められたんだから。嫌なら断ってもいいし、お前の好きなようにすればいいと俺は思ってる。」

雪「・・・・お兄様。七草生徒会長、このお話お受けします。」

アイリ「私もお受けします。」

2人は答えを決め、真由美に伝える。すると、

真由美「分かりました。では、推薦の件は私から進めておくわ。まぁ、すぐにOKが出ると思うわ。決まったらまた連絡します。2人とも、よろしくね。」

雪・アイリ「「はい。」」

摩利「では、残りの2人については私から・・・・・。」

その後、ノクト、夜架は摩利から風紀委員の推薦について詳しく聞かされ、2人もまた雪とアイリと同様にこれを承諾した。こうして4人の学内での役職もほぼ確定したのであった。

 

午後5時

生徒会室

真由美「うぅ〜ん。」

昼での雪達の推薦から、数時間後、真由美は教員に推薦の件を報告し、1人生徒会室に戻り、背伸びしていた。すると、

コンコン

真由美「はーい。」

ガチャ

裕翔「俺だ。」

と裕翔が生徒会室に入ってくる。

真由美「何、葉山君が用もないのに自分から来るなんて珍しいわね。」

裕翔「別に暇だったから来ただけだ。」

真由美「ふぅ〜ん。雪ちゃん達と帰らなくてもよかったの。」

裕翔「雪はアイリ達や同じクラスメイト達とお茶してくるとよ。そんな中に俺が居たら気まずいだろ。」

真由美「確かに。葉山君は、怖いからね。」

裕翔「ふん、かもな。・・・・・なんで、急に推薦なんか考えたんだ。風紀委員も生徒会も4月の入学以降、人手は足りてるだろ。」

真由美「確かにそうね。人手は足りてるわ。でも、既に3年の先輩達の多くは大学や九校戦に向けてで大半が忙しいし、だからといってその分をあーちゃんや服部君達に押し付ける訳にはいかないわ。2人もまだ入学したばかりだし。でも、人手増やすといってもそんな適当には決められない。成績や1人1人の意志もしっかりと見分けないといけない。だけどそんな中でも葉山君が最も信頼してるあの4人なら問題ないと判断したの。葉山君が普通に養子やホームステイに新たな家臣として適当に受け入れるとは思えないもの。特にアイリちゃん、ノクトさん、夜架さんに関しては。どう、私の推測は。」

裕翔「・・・・まぁ、正解だな。・・・・・真由美、これはお前を信頼してるから話す事だ。まだ、誰にも言わないでくれ。」

真由美「分かったわ。」

裕翔「ありがとう。今年の夏の九校戦後、俺は京都の実家に戻る。そして、その実家では真の葉山家次期当主が決まる。そこで俺は偽りから真の葉山家当主になる。」

真由美「えっ!?それってどういう。」

真由美は驚くが、この時の裕翔の覚悟は決まっていた。しかし、裕翔は知らなかった。この決心によって、世界もを揺るがす事件につながる事を、彼は知らなかった。

続く

 

 

 

 

 

 




ご愛読ありがとうございます。今後は創設編と並行で投稿していこうと考えています。しかし、自分も仕事などがあるため投稿が遅くなることもあるかもしれませんが、可能な限り早めに投稿していくつもりですので、何卒よろしくお願いします。では、次回も楽しみに。
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