―――――試合が終わった後
ピットに戻り、ユイとライドオンシステムを切った俺を待っていたものは
山田先生とのほほんさんと
怒れる姉、織斑千冬
の説明であった。
「さあ、どう言うことか説明してもらおうか?
その少女は?お前の白式はどうした?あいつのISは何だ?
納得がいく説明でなければ、ぶった斬るぞ」
姉さんは、全身に怒気を漲らせており
そのオーラは山田先生やのほほんさんも離れた場所で見ていた。
「ねえさ・・・・いや、織斑千冬さん」
突然、俺は姉さんの名前をフルネームで呼びだした。
「な・・・なんだい「聞いて欲しい事があるんです。俺とユイに関する事です」聞こう」
千冬は雰囲気から、重大な事だと察したらしい。
「あ・・・あのーーー、私達は外しましょうか?」
山田先生は、この空気には耐えられなかったようで、席をはずすことを提案する。
「いや、そのままで。どうしても聞いて欲しいですから。俺のね・・・・」
そういって、語り始める。
この世界とは、違う日本の世界を語り始めた。
宇宙人襲来や戦争などという特別な事は起きなかった。
ただ一つ違ったのは、神姫が生まれたかどうかだった。
神姫が生まれた事により、一大社会現象となった。
武装神姫は新たな娯楽が生まれると同時に、新たな社会問題も生み出した。
けれど、世界は彼女たちの誕生を認めた。
俺は、その世界に生まれ、青年になってから神姫バトルを始めるために神姫ショップ
で運命の出会いを果たした。
それが、彼女アーンヴァルMk-2のユイだ。
神姫との付き合いやバトルも何もかもが初めてで。彼女と二人三脚をしたものだ。
最初のバトルは負け続きだったが、初めて勝った時は、人目に憚ることなく喜んだものだ。
Fバトル、神姫爆発事件、ミミック事件などと様々な事もあった。
挫けそうになった事も、諦めたくなる事もあった。
それでもその度に助けてくれたのがユイだ。
彼女と共に笑い・悲しみ・楽しみ・時には俺の為に怒ってくれた事もあった。
他の神姫も増えだし、他の神姫を使ったバトルも多かったが、一番多く使ったのがユイだ。
彼女は、一時記憶を失いそうになりながらも絆によって守ることができた。
やがて、神姫バトル最高峰のF0バトルを制し、神姫マスターと呼ばれる立場となった。
それでも、慢心することなく、バトルを続ける日々だった。
だが、ある日、バトルを終えた帰り道を歩いていると、子供が歩道から道路に出て
車が迫って来たんだよ。
俺は、それをみて体が動いたね。子供は押し出す事によって助かったが
俺はそのままはねられて死んだよ。
で、意識が無くなった俺が気がついたら、織斑一夏の赤ん坊になってたよ・・・・・・
「これが、俺の秘密です。だから、俺は本当の一夏ではないんです。
本当の一夏は俺が殺してしまったんです。だから、ごめんなさい」
そういって頭を下げる。
部屋に沈黙が落ちる・・・・・
山田先生はオロオロ、のほほんはおー、ユイは心配そうに見つめる。
やがて、千冬の口が開かれる。
「色々と聞きたい事はあるが、まず、一つだけ言っておこう」
そういって、一旦切ると再び言う。
「お前は、私の弟だ」
「!」
その言葉に驚いた俺は、顔を上げた。
そこにあった、姉さんは優しい目をしていた。
「確かに、お前は一夏とは違うかもしれない。武人であったのか、明るい性格だったのかもしれん。
だが、私は他の一夏とは知らん。私が知っている一夏は、生まれたときからのお前だ。
だから、お前は私の大事な弟だ」
その言葉に、目を大きく見開いてしまう
「あ・・・・あ・・あ・・・・ああ・・・・・」
何か言おうとしても、つっかえて言葉にならない
「あ・・・ち・・ちふ・・・ね・・・姉さん・・・・」
「お・・・俺は・・・織斑一夏でいいんですか・・・?」
「姉さんの・・・お・・・・弟でいいんですか・・・?」
俺は、戸惑いながらも喋る。
それを聞いた、姉さんは何を馬鹿なという顔をして
「ああ、いいぞ」
「う・・・うわあああああああああーーーーーーー!!!!」
その言葉に、堰を切られたかのように、姉さんの胸の中で泣く。
「俺は・・・・怖かったんだ・・・・姉さんから・・・・嫌われるのが・・・・」
「罵られるのが・・・・怖かったんだ・・・・だから・・・今まで言えなかったんだ」
「ごめんなさい・・・・今すぐ言えなくて・・・ごめんなさい・・・」
俺は泣きながら、そう言っている間は、姉さんは穏やかな笑みを浮かべながら
頭を撫でてくれた。
山田先生は「ええ話や」と呟きながら号泣していた。
のほほんもダバーと涙を流しながら「感動したよー」と言っていた。
ユイも「良かったですね。マスター」と言っていた。
こうして、俺は本当の意味で家族になる事が出来た。
どうですか?もし、あなたが何かしら秘密を持っていた時、家族に打ち明けれる勇気はありますか?
自分は無理でしょうね。
外伝には、武装神姫の世界での思い出話が書くかもしれません。
しかし、パーティも書くといいながら書けませんでした。すいません
ユイの扱いについては、次回に述べたいと思います。
それでは、一言感想・意見をよろしくおねがします。