【Fate×呪術】もしも虎杖悠二と東堂葵がカルデアのマスターになったら...   作:矛盾ピエロ

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自分はグラブルやってないのですが、本作を執筆した経緯と同じ感じでグラブル×呪術コラボの東堂に関するユーザーの反応を見て...

『高田ちゃんがやってるからFGOにめっちゃ詳しい東堂』は簡単にイメージできました。これが、存在しない記憶...!


呪術ブラザーズ 後輩ができる

 

「フォウ...?キュウ...キュー?フォウ!フー、フォーウ!」

 

「んぁ?」

 

 湿り気のある何かで頬を擦られるような感覚に途切れていた意識を覚ます。バッと体を起こすとそこは見慣れない機械チックで無機質な廊下だった。

 

「起きたか、ブラザー」

 

「おぉ、東堂...と誰?」

 

 聞き覚えのある声を掛けられ、顔を向けた先厳つい学ラン姿の見慣れた男と薄紫の髪の見慣れない少女の姿があった。

 

「えっと...マシュ・キリエライトです。おはようございます、先輩」

 

「先輩ぃ...?うーん...まぁいいか。おはよう」

 

 見知らぬ少女からの突然の先輩呼び。ちょっとだけ気にはなったけど、そういえば初対面でブラザー認定を受けたり、殺し合いの後で兄弟(ブラザー)判定を下されたりした事もある身、別に不都合なことも無いかと考え取り敢えず返事を返す。後で時間があった時にでも聞けばいいや。

 

「ところでここは...?」

 

「ここは人類保障機関カルデアの廊下だな。来る時に軽く説明を受けただろう?」

 

 そちらに目を向ければ話を合わせろとアイコンタクトで伝えてくる東堂。ここに来る前の出来事については他言無用ということだろう。

 

「あー...そうだっけ。悪ぃ、まだ寝起きで寝ぼけてたみたいだ。そっちのマシュ、だっけ?起こしてくれてありがとな」

 

「いえ、こちらこそ印象的な自己紹介ができなくてすいません。なにぶん、あまり口にする機会が無かったものですから」

 

「それそんな気にする?」

 

 字面の割に深すぎる反省の表情に思わず突っ込んでしまう。そんな気に病まなくても...

 

「...コホン。どうあれ、質問よろしいでしょうか、先輩。冷たい廊下の床でお休みのようでしたが、通路で睡眠をとる理由が今一つ理解できず...硬い床じゃないと眠れない質なのですか?」

 

「いや、まぁ寝れないことは全然ないけど。どうせ寝るならふかふかのベッドが良いな」

 

 どう言い訳をしようかと考えていると、東堂が上手い具合に渡り舟を出してくれた。

 

「入館時のシミュレータに霊子(りょうし)ダイブがあっただろう、俺もブラザーも不慣れなそれに少し疲れたのさ」

 

「あぁなるほど、たしかに霊子ダイブは慣れていないと体調を崩す方も多いですね。教科書(テキスト)に載せたいほどの熟睡の原因はそれでしたか」

 

「あー、うんうん、そうね、漁師ダイブ漁師ダイブ。いやーしんどかったなー」

 

 そんな風に話していると、モコモコの白い毛玉が肩に乗りかかって存在を主張してくる。

 

「フォウ!キュー、キャーウ!」

 

「すいません、失念していました。あなたの紹介がまだでしたね、フォウさん。そちらの、先輩の肩で堂々と占有権を主張しているリスっぽい生き物はフォウ。カルデア内を自由に散歩する特権生物です。

 私はフォウさんに誘導されて先輩たちの熟睡現場を発見したのです」

 

「そっか、お前も見つけてくれてサンキュー」

 

「フォウ。ンキュ、フォーウ!」

 

 小さな額を人差指で優しく撫でるとこちらの感謝が伝わったのか、マシュからの自己紹介に満足したのかは分からないがフォウは満足げな表情で廊下の先へと駆けて行ってしまった。

 

「またどこかへ行ってしまいましたね...あのように、特に法則性もなく散歩しています。私以外にはあまり近寄らないのですが、先輩は気に入られたようですね。東堂先輩はそこまでのようですが」

 

「不思議生物にまで懐かれるとは...フッ、流石だなブラザー」

 

「...たしかに変なのに絡まれるのはいつもの事だけどな」

 

 ジト目で東堂の方を見ながら同意したが、こちらの意図に気づいているかは怪しいところだ。

 

「おめでとうございます。カルデア二人目のフォウさんのお世話係の誕生です」

 

「? えーと、ありがとう?」

 

 そんな風に雑談を続けていると、一人の男がこちらに近づいてきた。深緑を基調とした装いはシックに纏まっていて立ち振る舞いにも警戒するようなものはないはず...なのだが、どうにも――――「...ブラザー」(ボソッ

 

 二人に見えない位置から人差指を口元に持って行く東堂の姿が見えたので、余計なことはせず今は静観を貫こう。

 

「あぁ、そこにいたのかマシュ。だめだぞ、断りもなしで移動してはいけないと...おっと、先客がいたんだな。キミたちは...あぁ、今日から配属された新人さんだね」

 

「うす。えーっと、あなたは?」

 

「私はレフ・ライノール。ここで働かせてもらっている技師の一人さ。ようこそカルデアへ。歓迎するよ。見たところ、一般公募のようだけれど、訓練期間はどれぐらいかな?一年?半年?それとも最短の3か月とか」

 

「えーっと――「公募を受けてすぐにこちらに来た。訓練期間はゼロ。ずぶの素人さ」

 

 再び話を合わせてくれというアイコンタクトを受け取り、この場は東堂へと任せる。

 

「ほぅ?そういえば、数合わせに採用した一般枠があったが...君たちはその枠だったか。いや、すまない。配慮に欠けた質問だったね。けれども悲観することはない。今回のミッションには君たち全員の力が必要だからね」

 

「他の候補者はどれくらいだ?」

 

「魔術の名門から38人、才能ある一般人から君たちを含め10人...なんとか48人のマスター候補者をかき集められたところさ。人数自体に目を向ければ少なく感じるかもしれないが、これは非常に喜ばしいことだ。この2015年において霊子ダイブが可能な適性者を全てカルデアに集められたのだから」

 

「...」

 

「ふむ、まだこちらに来たばかりで色々と不便や分からないこともあるだろう。そういう時は私やマシュに遠慮なく声をかけてくれ...そういえば彼らと何を話していたんだい、マシュ?らしくないように思うが、以前から面識があったとか?」

 

「いえ、先輩方とは初対面です。カルデア入館時の初霊子ダイブの影響でこの区画で熟睡していらしたので、つい」

 

「あぁ、慣れていない人間にはたしかに霊子ダイブは脳にくるからね。表層意識が覚醒しないまま、ゲートから解放されてここまで歩いて来たのだろうね。一種の夢遊状態というやつだ」

 

「あぁ、今もまだ少し眠気が残っている感じはあるな」

 

「ふむ...見たところ異常はなさそうだが、万が一もあり得る医務室まで連れて行ってあげたいところなんだがね...」

 

「なんか用事があるの?」

 

 濁された言葉の通気が気になり、つい口を挟んでしまう。

 

「じきに所長の説明会が始まるのさ。すまないが、もう少し我慢してくれ。キミたちも出席しないといけないからね」

 

「所長...?」

 

 どんな人物なのかの予想がつかず、呟いた言葉に東堂がフォローを入れてくれる。

 

「ここカルデアの責任者だな。俺たちが集められた特務作戦(ミッション)の司令官でもある。ブラザーはパンフレットを流し読みしただけだから知らなくとも無理はない」

 

「たしかに、所長のプロフィールは一般公開はされていませんからね。先輩と所長に接点はありません。アニムスフィアの名に敬意を表すのは百年以上続く魔術師の家系の者だけです」

 

「そうだね。しかし、君たちが今後平穏な職場を望むのなら所長には目を付けられない方が良いだろう。五分後に中央管制室で説明会だ。キミたち新人(ニューエイジ)への、ちょっとしたパフォーマンスがある」

 

「レフ教授、私も説明会へ参加しても良いでしょうか?」

 

「うん?まぁ、隅で立っているぐらいなら大目に見てもらえると思うが...何故だい?」

 

「先輩たちを管制室まで案内した方が良いと思ったのです。途中でまた熟睡される可能性がありますから」

 

「...君を一人にすると私まで叱られてしまうからなぁ。仕方ない、マシュがそうしたいなら好きにしなさい。君たちもそれでいいかい?」

 

「あぁ、むしろこちらからも頼む」

 

「それでは行こうか」

 

 先頭を歩き出したレフさんに少し遅れてついていく中で、先程気になったことについてマシュに尋ねる。

 

「そういえばさ、マシュはなんで俺と東堂のことを先輩って呼ぶんだ?」

 

「そうですね...なんというか、お二人は私が今まで出会って来た人たちの中で一番人間らしいと感じたからでしょうか」

 

「人間らしい...?えーっと、つまり?」

 

「安心できる、といいますか敵対する可能性が著しく低いと考えました」

 

 こちらの会話に興味を持ったのか、レフさんが会話に参加しだした。

 

「なるほど、それは重要だね。カルデアで働いている人間は皆、一癖も二癖もある者ばかりだ。そういう意味であれば私もマシュと同意見だ。キミたちとはいい関係が築けそうだね」

 

「安心、できるかなぁ」

 

 ちらりと東堂の方を見やればレフさんの方を警戒している。悟らせないよう行動は最低限だが、意識は会話よりも隣を歩いているレフさんに向けているように見えた。

 

「レフ教授が気に入るという事は、所長が一番に嫌うタイプの人間という事になりますね...あの、このままトイレにでも籠って説明会をボイコットしませんか?」

 

「それでは状況は悪化するばかりさ。ここは運を天に任せて出たとこ勝負といこう。虎口に飛び込む準備はいいかな?虎杖君、東堂君。なに、慣れてしまえば愛嬌のある人だよ」

 

「そういうのって慣れるまでが大変なんじゃないの?」

 

 思わず出た疑問に対する答えを聞く前に説明会が行われる中央管制室の扉が開いた。

 

 

#####

 

 

「ここが中央管制室ですね。先輩の番号ですと...良かったですね、最後尾の空いてる席にどうぞ」

 

「連れてきてくれてありがとなマシュ。レフさんも」

 

「気にしないでくれ。それと急いで席に着いた方が良さそうだよ。これ、もう始まっているようだからね」

 

 東堂と並んで空いている最後尾の席に座る壇上では長い白髪の女性がこちらを睨みながら話を再開した。

 

「時間通りとはいきませんでしたが、全員揃ったようですね。コホン、特務機関カルデアにようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです。あなたたちは各国から――」

 

「...ブラザー」

 

「なんだよ?東堂」

 

 所長なる女性の話を遮らないよう小声で話しかけてくる東堂に視線はそのまま不自然に注目を集めないような姿勢で聞く。

 

「今は詳細を伏せるが、俺たちはこの直後に行われるファーストミッションから外れなくてはならない」

 

「...なんか事情があるんだな。分かった。俺はどうすればいい?」

 

「フッ話が早くて助かるぞ。俺は一つ仕込みをしなくてはならんからこのまま会場に残る。ブラザーにはここから追い出される時に扉の内と外にそれぞれ“これ”を仕込んでくれ」

 

 そう言って渡されたのはメモ帳の端をちぎった紙きれだった。しかし、ただの紙切れではなく、僅かな血痕と大量の呪力が込められていた。

 

「簡易的な呪符だ。俺の術式対象として申し分ないように念入りに俺の呪力を込めてある」

 

「分かった。でもどうやって追い出されればいい?」

 

「なに、簡単なことさ。Ms.オルガマリーは今精神的に余裕がない。どんな些細なことでも反感を買える状態だ」

 

「つまり...?」

 

「居眠りだ」

 

「...」

 

 色々ツッコミたい所はあったが、言っても仕方がないと切り替える。少しだけ意図的に反感を買うことに躊躇しながらも腕を組んでガッツリ寝始める。読経のように内容が半分も理解できない話だったため、子守歌には最適だったのがせめてもの救いか。

 

 

 

 

 

――パンッ

 

 という小気味良い音と共に頬に若干の衝撃が走り意識が覚醒する。

 

「んぁ...?」

 

 寝ぼけ眼に目の前に壇上でチンプンカンプンな話をしていた所長が立っていることに気づく。なんだか色々捲し立てているが、キンキンという甲高い声だという事しか頭に入ってこない。

 

 上手いこと東堂の読み通り追い出されることになり、話の流れでマシュが個室に案内してくれることになった。大きな欠伸をかましながら背筋を伸ばして体をほぐす。途中、手のひらから親指の爪ほどの紙切れが床に落ちても気にするほど心に余裕のある者はその場にはいなかった。

 

「大丈夫ですか先輩?」

 

「ふぁ~あ...あーうん、我慢できなかったわ。何度もごめんな?付き合わせちゃって」

 

 自然な動きでマシュの視界に入らないようにもう一枚の紙切れを扉付近に落とす...よし、これで仕込みは完了だ。東堂がなにをするつもりかは知らないが、なんだかんだで頼りになる奴だからと納得してマシュについて個室へ向かった。

 

「いえ、気にしないでください。それにしても先程までの様子からある程度想像できていましたが、割とレム睡眠寄りだったようですね...まぁ、所長の平手打ちで完全に覚醒したようですが。」

 

「寝ぼけてたけど中々いいの貰った気がする。そういえば、東堂から聞いたけどこの後早速任務があるんだって?」

 

「そうですね。先輩はファーストミッションから外されてしまったので個室に案内していますが、先輩を案内し終わったら私も急いで戻らなくては――きゃっ!?」

 

「フォウ!」

 

「おっ!フォウさん...とマシュは大丈夫か?」

 

「は、はい。いつもの事なので、問題ありません。フォウさんは私の顔に奇襲をかけ、そのまま背後に回り込み、最終的に肩へ落ち着きたいらしいです」

 

「ルーティーン化されとる...」

 

「フォウさんがカルデアに住み着いてから一年ほど経ちますから」

 

「フォウ。クー、フォーウ!フォウ!」

 

 足を止めてフォウさんと戯れるマシュにほっこりする。

 

「...ふむふむ。どうやらフォウさんは先輩を同類として迎え入れたようですね...人間をライバル視するリス的生物というのはアリなんでしょうか?」

 

「...いや、俺に聞かれても困るけど。ライバル視されてるの?」

 

「まぁ、フォウさんの事ですから明日には忘れているでしょう。それはそれとして、です。実はもう目的地に着いています。こちらが先輩の個室です。隣の部屋は東堂先輩のものとなります」

 

「そっか。案内してくれてありがとな」

 

「なんのこれしき、先輩の頼み事なら昼食(ランチ)を奢るぐらいまでなら承りますよ」

 

「キュー...キュ!」

 

 フォウさんがマシュの肩からこちらへと飛び移ってくる。今ならピカチュウを肩に乗せていたサトシの気持ちが分かるかも...なんて考えていると、マシュも戻らなくちゃいけない時間だ。

 

「フォウさんが先輩を見ていてくれるなら安心ですね。それでは、私はこれで。運が良ければまたお会いできると思います」

 

「おう!初任務頑張れよ!」

 

「フォウ!」

 

「...はい!」

 

 




前書きの続きになってしまいますが、たぶん東堂はいつ高田ちゃんが借りてもいいようにフレンド貸出用鯖は流行の鬼強い奴かめっちゃ便利なサポート系を設定してそう。

具体例は出せません...!(バックアップ取らずにデータ消したバカ)
当時だと、マーリンとかになるんでしょうか?

あと、虎杖は東名高速のアスファルトの上でも余裕で寝れるらしいですが、東堂は睡眠が繊細だったりするんでしょうか?それとも身だしなみに気を使うタイプのゴリラ(悪口ジャナイヨ)なので、めっちゃ規則正しい生活してたり...?
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