【Fate×呪術】もしも虎杖悠二と東堂葵がカルデアのマスターになったら...   作:矛盾ピエロ

6 / 7
性質上、会話メインになりがちですね。楽しいですけど地の分増やすために後々推敲します


呪術ブラザーズ 誤魔化す

『シーキュー、シーキュー。もしもーし!聞こえるかい?!』

 

「こちらマシュ・キリエライト。音声問題ありません」

 

『よし、通信は戻ったね!三人ともご苦労様、これでいつでも通信が出来るようになったし補給物資も――「やっぱりレフはいないのね」――どぅえぇぇ!?しょ、所長?!なんでそこに!お、お化け...!』

 

「なんでそんなに驚いてるのよ...」

 

『いや、だって!所長はカルデア(こっち)で意識不明の重体で眠ってるんですよ?!』

 

「――は?」

 

 ドクターの言葉に場の空気が凍る中、所長と合流する前の通信の際のドクターの発言が脳裏をよぎった。

 

(『...正直に言おう。他のマスター候補者はかなり危険な状態にある。何とか一命を取り留めてはいるが、重軽傷問わず未だに誰一人として意識が戻っていない。“所長を含めた”スタッフのほとんども同じ状況だ』)

 

「偽物...?いえ、でも...」

 

「ちょ、冗談でしょ...?だって私は...」

 

 場に混乱がもたらされようとした次の瞬間――

 

「落ち着け」

 

 静かで、それでいて力強い東堂の声が全員の意識を鎮静化させる。そこに呪術的・魔術的な効力はない。そんなものは無くとも堂々とした佇まいと歴戦の猛者を思わせる雰囲気が東堂の言葉に力を持たせる。

 

「ここにいるミス・オルガマリーは本人で間違いない。俺が保証しよう。そしてその根拠について今から話す」

 

『...分かった』

 

「皆もそれでいいな?」

 

 各々が同意したのを確認して東堂は語り始めた。

 

「まず、大前提として伝えなくてはならないことが一つ。俺とブラザーは単なる一般人ではない」

 

『えぇっ!?でも、キミたちはマスター候補最後の二人だ。応募要項は一般人枠のはずだろう?』

 

「...カルデアの事前調査に漏れがあったということね。ロマニは知らないかもしれないけどこの二人はマシュに並ぶ戦闘力をそれぞれ保有しているわ。むしろ一般人であった方が問題よ」

 

『うぇ!ちょ、ちょっと待ってくださいよ所長!そんないきなり何を...いや、でも...』

 

「そちらにも心当たりがあるの?ロマニ」

 

『...爆発の直後、ボクとイタドリくんは中央管制室に向かったんだ。当然、扉は締まっていて爆発の影響で電力の供給も断たれていた。一度予備電源に切り替えるために地下の発電所に向かおうとしたんだけど...イタドリくんが扉を強引に突破したんだ』

 

「は!?嘘でしょ...中央管制室周りは機密保持の観点から特殊合金を含んだ最高強度を誇る合金なんだけど!?それを?壊した?」

 

『一発で、殴り破ってた』

 

「......」

 

 絶句、そうとしか言いようのない表情の所長とマシュを見て少し得意げに鼻をかく。

 

「へへ...」

 

「ン゛ンッ...話を続けよう。俺とブラザーは――呪術師だ」

 

『呪術...?日本やアジア特有の魔術形態の一種だね。つまり、キミたちは魔術師だったと?』

 

「いや、ここでいう呪術とは魔術の一派生としてのものを指すのではなく、日本国内でも秘匿されたものを指す。一般人枠で俺たちがカルデアに来れたのは秘匿性が高すぎて事前調査では分からなかったからだろう」

 

「あなたたちの事前の身辺調査についてはもういいわ。それより...つまりあなたの言う呪術とは秘匿された魔術、ということでしょう?」

 

「そうではない。魔術師が幾星霜も紡いできた体系化されたそれらとは切り離されていると考えてくれ。分かりやすい相違点を出すなら俺とブラザーの呪術には“根源”がない」

 

『!?』

 

 なにがなにやら、置いてけぼりの虎杖だったが口を挟んでボロを出すのはマズいと思い、黙って東堂を見守ることにした。

 

「呪術についてこの場で深く語るのは時間が足りない。ゆえに詳細については帰ってからだ...話を戻そう。俺とブラザーは呪術師。ここまではいいな?ではなぜ、呪術師である俺たちがカルデアへとやってきたのか...それは俺が持つ術式に関係している」

 

『術式...?それは一体...』

 

「術式とは呪力...魔術で言う所の魔力と同様のエネルギーによって発動させることができる魔術式のようなものだ。強化、投影etc...そしてこれらは一人につき原則として一つ。ただ...俺はこれを二つ所持している」

 

「ン...?」

 

 話の内容に違和感を感じ、疑惑の眼差しを東堂に向ける。東堂もこちらを見ていてアイコンタクトでこう伝えていた。

 

(話を合わせてくれ、ブラザー)

 

 無言で頷き、静観を再開する虎杖。

 

「そのうちの一つが断片的かつランダムな未来予知だ。俺はこの能力でカルデアや人類史に迫る危機を察知してブラザーと二人、カルデアに乗り込んだのさ」

 

「なるほど...でもあなたの言い方を聞く限りその未来予知は万能ではなさそうね」

 

「あぁ、未来予知自体がいつどこで起こるのかすら察知する術はない。カルデア関連について知ることができたのも完全に運だ。ただし、特定の行動に依らないランダム性を孕んだことによってこの未来予知の効力は底上げされている。それがミス・オルガマリーが本人であるという確証にもつながっている」

 

『あえてデメリットを背負うことで効力を上げているのか...そこで君は所長が精神のみの状態で特異点Fに巻き込まれているのを確認していたから所長が偽物ではないと確心を持っているんだね?』

 

「いや少し違うな」

 

『えっ!...結構自信あったんだけどな...』

 

「ドクター...こんな時でもドクターはドクターらしいですね」

 

「もうっ!あなたたちの茶番に付き合ってる暇はないわよ!...じゃあどうしてあなたは私がオルガマリー本人だと確証を持って言えるの?」

 

「俺が事前に予知した未来では中央管制室の床下に仕掛けられていた爆弾の爆発により、俺とブラザーを除くマスター候補とその場にいたスタッフ、そしてミス・オルガマリーとレフ教授は全員死亡あるいは瀕死の状態にあった」

 

『そんな...いや、ちょっと待ってくれ。中央管制室には天井に爆破跡があった。今の君の予知と噛み合わなくなる』

 

「そこで俺のもう一つの術式がキーになってくるのさ。俺のもう一つの術式は不義遊戯(ブギウギ)。指定した二つの位置を入れ替えるものだ」

 

「それによって被害を最小限に抑えたというわけね...そもそもいったい誰が爆弾なんて...」

 

『トウドウくん未来予知で本件の犯人は見えなかったのかい?』

 

「あぁ、俺が見た予知には出てこなかった」

 

『そうか...犯人捜しは一度置いておこうカルデアのスタッフに関してはボクの方で注意しておく。もし犯人の目的が特異点Fにあるのなら何らかの手段でそちらに潜んでいるかもしれない。そちらも十分に気を付けてくれ』

 

「話を戻そうか。とにもかくにも、爆破事件の被害を最小限に抑えたことでミス・オルガマリーが特異点Fに介入する余地は無くなった、と俺は推測していたわけだが...」

 

『当ては外れてしまったと...』

 

 いい加減、話についていけなさ過ぎてヤバいので一番気になる部分についてみんなの考えを聞かせてもらいたい。

 

「はい!ちょっといいか?所長は今、幽体離脱みたいな状態ってことだよな?元には戻れるのか?」

 

『幽体離脱...良いセンスしてるねイタドリくん!それはともかく、所長は...どうなんだ?』

 

「ちょっと!戻れないと困るわよ!ずっと特異点にいられるわけでもないのだから、なんとかして元に戻る方法を探さないと...」

 

「俺たちが特異点Fへとレイシフトを実行した際、近くには所長もいた。イレギュラーによって精神だけがレイシフトしたとしても理論上問題はないだろう。なにか、そうだな...重大な精神的ストレスを受けでもしない限りは」

 

「ちょ、ちょっと...!不穏なことを言うのはやめなさい。問題はないわ...あなたたちについてはある程度の事情は分かりました。ここからは今後の方針とカルデアの運営について話をしましょう。まずはロマニ、カルデアの現状について説明を」

 

『了解です。まず、現状で動員可能なスタッフはボクを含め二十人程度。動ける中で最も階級の高いボクが作戦指揮を任されることになり、こうして通信を担当しています』

 

「...はぁ、そちらも想像以上に逼迫した状況ね。現場にいたマスター候補やスタッフ、コフィンはどうなったの?」

 

『コフィンに関しては一部機能に支障が出てはいますが、大きな問題はなく作動自体は可能です。スタッフやマスター候補に関してはトウドウくんのおかげで全員一命は取り留めています。

 状態は安定しているし、スタッフのうち数名は意識を取り戻しました。ただ...どういう訳か、マスター候補者は誰一人として意識不明のまま。原因も不明です。

 医療器具も先の爆発で十分な数がありません。外部との通信が取れないため補給もできないし、このままの状態が続くと...助けられない命が出てくることになる』

 

「そんな...」

 

「......やむを得ないわ。意識不明のマスター候補者たちはコフィンに移動して凍結保存に移行して」

 

「しかし所長、本人の許諾なく凍結保存を行うのは犯罪行為です。いくら人命を優先するためとはいえ...」

 

「そんな悠長な判断をしている場合じゃないでしょう...!死んでさえいなければ後でいくらでも言い訳は聞くの!...大体、私に46人分の命なんて背負えるわけない...!あぁ、もぅっ...なんでこんなことに...」

 

『...分かりました。現状維持が長く続かないのは事実。非常事態という事でマスター候補者たちをコフィン内での凍結保存に切り替えます。

 それと現在カルデアはその機能の8割近くを失っています。残されたスタッフで出来る事には限りがある。ですから、こちらの判断で現在はレイシフトの修理、カルデアス・シバの現状維持に人員を割り振っています』

 

「えぇ、それで結構よ。外部との通信が回復し次第、補給を要請してカルデアの立て直しに取り掛かってちょうだい...癪だけど、私が戻るまでの間はカルデアはあなたに任せるわ、ロマニ。レイシフトの修理を最優先で行いなさい。私たちは...特異点Fの調査を続行します」

 

「いっ!?ちょ、所長!?その覚悟は立派ですけど無理しない方がいいですって...!チキンなんですから!」

 

「(イラッ)...っとに一言多いわね貴方。私だってこんな爆心地みたいな現場今すぐ帰りたいわよ!でも、次回のレイシフトまでどれぐらい時間が必要になるか...横やりを減らすためにも手ぶらじゃ帰れないわ」

 

「...不幸中の幸い、周辺にいるのは低級な怪物がほとんどだ。現状ならデミ・サーヴァントのマシュだけでも対応可能な範疇。そこに俺とブラザーが加わるんだ。問題はない」

 

「とはいえ、私も先輩方もレイシフト経験は初のずぶの素人であることには変わりません。今回はあくまでも原因の発見に留め、原因の究明・排除は第二陣で十分な準備を整えてからにした方が...」

 

「心配せずとも分かっているわ。本件の原因がどれほどの脅威か次第ではあるけれど、それぐらいの情報が手に入ればカルデアへのちょっかいを減らすことぐらいはできる...はず」

 

「...自信はないんだな」

 

「うるさいわね。しょうがないでしょ!...あなたたちには悪いと思うけれど、強引にでも手伝ってもらうわよ。この狂った歴史の原因を見つけるのを」

 

「ぶっちゃけよく分からんけど...無問題(モーマンタイ)!気張っていこーぜ!」

 

「はい!」「フッ、大船に乗ったつもりでいればいい」

 

『うんうん、チームワークは問題なさそうだね!...所長を除いて。コホン!ともかく!これからは短時間なら通信も可能だ。緊急事態や追加の物資の要請がしたければ遠慮せずに連絡を!』

 

「...フン」

 

 




今回の東堂の説明、呪術の原作を知る方ならお気づきかと思いますがめっちゃ嘘ついてます。その辺の詳しい説明は...序章が終わった後にでも、出来たら...いいな?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。