Drei DetonatioN ~鋼の咆哮~   作:日下部慎

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第5話「ハート・プロブレム」

 クワトロが発した光によって、ザガートとエメロードの悲劇を全員が目の当たりにした。

 しかしカムイが見たのはそれだけではなかった。

 それは自身の末路。

 元の世界に戻った自分が、これから体験する未来だ。

 

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 アークチームは遥か未来の宇宙戦争を垣間見た。

 そこではゲッターエンペラーとその配下のゲッター軍団が、全宇宙の生命を根絶やしにしようとしていた。

 

 この最悪の未来を回避するべく、元の時代に帰ったカムイは行動を開始した。

 まずアンドロメダ流国により地球に送り込まれた最終兵器『バグ』を探し出し、未完のそれを、恐竜帝国の科学力をもって秘密裏に完成させる。

 それと並行して帝国内の根回しを進め、機が熟すとクーデターを決行。

 カムイは帝王ゴール三世を傀儡(かいらい)にして自らが恐竜帝国の実権を握る。

 ……この時の騒動で、カムイの母は命を失ってしまう。

 しかし悲嘆に暮れている暇はカムイにはなかった。

 人類殲滅のために動き始めた時から、彼はすべてのハチュウ人類の命と希望を背負っているのだ。

 すでに立ち止まることはできない。

 カムイは地球人類に対して宣戦を布告した。

 完成したバグは、その環境操作能力により地球を灼熱の大地に変貌させる。

 そんなカムイの前に立ちはだかったのは、拓馬が乗るゲッターアーク。

 だが一人乗りのアークではバグには勝てない。

 カムイは圧倒的な力で拓馬に引導を渡そうとする。

 その時、早乙女研究所の地下に眠っていたゲッタードラゴンが姿を現した。

 地下深くで進化を続けていたゲッタードラゴンは想像を超えた力でバグを圧倒し、カムイは敗れた。

 

 その結果は恐竜帝国の滅亡を意味する。

 しかしバグにより環境を破壊された地球もまた、まともに人類が生きられる惑星ではなくなってしまった。

 多くの人類は地球で生きることを諦め、火星への移住を選択した。

 そうして虜囚(りょしゅう)となって生き永らえていたカムイも、火星の監獄に送られることとなった――

 

////////////////////////////////////////

 

 カムイはザガートの攻撃を回避しながら、この未来の記憶を思い出していた。

 記憶の最後は、光の差さない極寒の地下牢。

 獄中の彼の中には後悔しかなかった。

 他の何よりも大切な母を失い――

 祖国を滅ぼし、

 民の期待に応えられず、

 友と恩師を裏切り、

 人類を滅ぼし全宇宙の生命を守るという目的も果たせなかった。

 すべてを失い、そして何ひとつ得られなかった。

 何かひとつでも残っていれば慰めにもなっただろう。

 だが何もない。

 ただただ、後悔だけがあった。

 

 それに対して……ザガートはどうか。

 こうしてザガートと相対して、その強大な心の力を前にして、カムイは思う。

 

(ザガートは後悔しないだろう……たとえ何もかもを失っても。

 それが俺と、この男との差だ)

 

 これから自らが辿る結末を垣間見たことで、カムイは痛感した。

 自分では彼に勝てるわけがない、と。

 

 そうして、ギリアムから最後の通信が来る。

 

「すまん、カムイ……もう未来は()えない。あとは……自分を信じて……」

 

 それはカムイにとって死刑宣告に等しい。

 

「――わかった。礼を言う」

 

 カムイは短く答えた。

 機体の限界を超えた操舵の連続で、すでにゲッターD2の駆動系やフレームは悲鳴をあげている。

 眼前には剣を掲げて魔法を唱えんとする黒い魔神(マシン)

 逃れられぬ最期が迫る中で、カムイは――

 

(あのまま檻の中で屍のように生き続けるくらいなら……)

 

 一瞬、そんな考えが脳裏をよぎる。

 しかし、その時。

 

「リープ・スラッシャー!」

 

 横あいから飛来した2つのリングがザガートの魔神(マシン)を切り裂く!

 エッジのヒュッケバイン30thが放った攻撃だ。

 その行動にカムイは驚いた。

 

「エッジ……!?

 何故だ、戦闘への介入はミツバに禁止されているはず……」

 

 カムイの認識では、ミツバに最も忠実な男がエッジだった。

 その彼がミツバの命令を無視して戦闘に割り込んできたことが、信じられない。

 そんなカムイの疑問にエッジが答える。

 

「ああ。お互い、らしくない事しちまったな」

 

「らしくないだと? 俺が?」

 

 カムイとエッジは出会ったばかりで、ろくに話したこともない。

 らしくない、などと言われるような間柄ではないはずだった。

 

「そうだな。カムイ、お前のことはよく知らねえ。

 だがよ……この世で一番諦めが悪いのが、ゲッターチームだろ!」

 

「……!」

 

 その言葉は強くカムイの胸を打った。

 そしてカムイは自分が誤解していたことに気が付いた。

 エッジ・セインクラウスという男は、いつも眠たい目をして、やる気のないようなそぶりをしているが……その胸の内には熱い心を隠していたのだと。

 エッジのヒュッケバイン30thは背負っていたキャノンを両手で前方に持ち替え、ザガートに向ける。

 

「悪かったな……悪党扱いしてよ。

 だが守りたいものがあるのは、こっちだって同じなんだよ!」

 

 さらにヒュッケバイン30thは両肩の砲身も前方へ展開。

 それを見たザガートは察する。

 

「あれは……!」

 

 ザガートは思い出す。

 それは彼の腹心である精獣イノーバを葬った一撃だった。

 いかにザガートでも、受ければただでは済まない。

 

「ならば迎え撃つまで……!」

 

「ブラックホールキャノン、セット!」

 

 ザガートとエッジ。

 二人は同時に攻撃の準備を終えて、放つ。

 

闇衝招撃(レクサス)!!」

 

「フル・インパクト!!」

 

 魔神(マシン)の剣と、ヒュッケバイン30thの砲身。

 その両方から黒い弾が射出された。

 まっすぐに直進した両者は、真正面から衝突。

 その瞬間、地鳴りのような響きをあげて、周囲の景色が歪んでいく。

 マイクロブラックホールが闇の波動を空間ごと呑み込もうとしているのだ。

 ――だが、そうはならなかった。

 深奥の闇は重力の特異点すら呑み込み、無へと帰す。

 

「何っ!?」

 

 ヒュッケバイン30thを襲う黒い衝撃波。

 

「うっ……ぐあぁぁっ!!」

 

 闇が吹き抜け、まるで紙のように剥ぎ取られていく装甲。

 そうして魔法の威力が収まった後……そこには甚大な損傷を受けて、全身から煙を噴き出すヒュッケバイン30thの姿があった。

 ザガートはそこへ追撃しようと迫るが――

 

「全速前進! 本艦をヒュッケバインの盾にします!」

 

 突如、ザガートの目の前に巨大な戦艦が進み出た。

 カムイはその予想外の出来事に驚きの声をあげる。

 

「ミツバ艦長!? まさか、正気なのか……!?」

 

 全長2kmの巨大戦艦による割り込みは、もはや体当たりに等しい。

 さしものザガートも下がらざるを得なかった。

 

「母艦が搭載機の盾になるだと……?」

 

 前代未聞の事態にザガートも戸惑いの声を漏らす。

 しかし母艦が前に出てきたのなら、一気に沈めるチャンスだ。

 ザガートはヒュッケバインからドライストレーガーに狙いを切り替える。

 

「ここで終わらせよう、異世界の守護者よ……!」

 

 ザガートの周囲を蛇のような黒色のエネルギーがぐるぐると巡る。

 大技を放とうとしている気配を感じ取ったカムイは、ザガートの魔神(マシン)に向けて飛び出した。

 

 そして彼は考える。

 何故、と。

 

 ミツバの命令に背いたエッジ。

 母艦を盾として運用したミツバ。

 これらを単なる「気の迷い」や「判断ミス」と捉えるのは違う……と、カムイは感じていた。

 カムイはエッジに言われた言葉を思い出す。

 

『できることを精一杯』

 

 きっと、その言葉の通り。

 彼らは今の自分にできることを全力で行っているのだ。

 これはエッジやミツバだけではない。ドライクロイツにいる全員がそうだ。

 

(では、俺は――)

 

 繰り返し自分に向けてきたその問いは、ついにひとつの答えを得る。

 

(俺は――全力でやっていない!!)

 

 今の戦いだけではない。

 あの光の中で見た未来の自分――元の世界に戻った自分は、できることを全部やったのか?

 やっていない。

 まず共存の道に関しては、探ろうともしていなかった。

 そして人類を滅ぼすにしても、自身の立場を利用すれば、他にいくらでもやりようがあった。

 拓馬のアークとは戦う必要がない。整備中に内部から吹き飛ばせばいい。

 さらに神隼人(じんはやと)を含めた研究所職員を暗殺し、早乙女研究所を手中にすれば、ゲッタードラゴンが眠る地獄の釜の蓋を開けられることもない。

 宣戦布告してから戦いを始めるなど愚の骨頂だ。

 もっと他にできることはいくらでも思いつく。

 しかし、やらなかった。

 地球人類殲滅という目的に向けて全力を尽くしていなかった。

 まるで地球寒冷化作戦の成功を第一に考えられなかったシャア・アズナブルのように。

 全力を尽くさず敗れたのなら……それは悔いが残るのは当然のことだ。

 

(まずは自分の全力を尽くす! そして……)

 

 カムイはザガートの魔神(マシン)に向けてまっすぐに突っ込む。

 そのゲッターD2を見たザガートは魔法の使用を中断すると、剣を振るって迎え撃つ。

 一刀のもとに数多(あまた)のロボットを(ほふ)ってきたザガートの黒剣。

 それはゲッターD2を操縦席のカムイごと両断する……はずだった。

 弾ける金属音。

 D2は頭の上でクロスした両腕で、ザガートの剣を止めていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「なに? 防いだ……だと?」

 

 正確には両腕ではなく、両腕から飛び出た回転ノコギリだ。

 両腕の回転ノコギリ――スピンカッターは潰れて使いものにならなくなったものの、カムイは正面からザガートの攻撃を受け止めてみせた。

 今までとは様子が違う。

 そう感じ取ったザガートは、初めてカムイのD2に警戒の目を向け、距離を取る。

 その間にドライストレーガーもヒュッケバイン30thの回収に成功。戦線を離れた。

 そしてカムイは自分の心に向けて最後の確認を行う。

 

(全力でやる……それだけでは駄目だ。

 自分にやれること全てをやって、それで失敗して……

 それで恐竜帝国が滅びたとすれば、やはり俺は後悔するだろう)

 

 では何が必要か?

 その答えはクワトロ・バジーナとの対話で既に出ている。

 

(ケジメをつける。

 できることを精一杯やった上で……

 それでも失敗したなら、その時は全ての責任を俺がとる)

 

 それはカムイの出自からすれば当然の考えだった。

 正しい事をしたなら失敗してもいい、などとは思えない。

 カムイは恐竜帝国にいい思い出はひとつもないが……それでも自覚している。

 自分は、偉大なる帝王ゴールの血を継いでいるのだと。

 人の上に立つ者として、失敗したら責任をとるのは当然のこと。

 だからケジメをつけなければならない。

 では、カムイにとってのケジメとは何か?

 

(決まっている。方法は、ひとつだけだ)

 

 カムイはオープン回線で通話を繋げる。

 

「拓馬、獏、聞こえているか」

 

 彼は自分の仲間に告げる。

 自らの決意を。

 内に秘めた想いを。

 

「元の世界に戻ったら、俺は恐竜帝国と人類の共存のために全力を尽くす。

 ……だが、俺が生きているうちに成し遂げられないのであれば……」

 

 突然のオープン回線での語り。

 彼が何を言おうとしているのか、アークチーム以外の者たちも、戸惑いつつも固唾を呑んで見守る。

 そんな中でカムイは告げる。

 自らがケジメをつける方法を。

 

「その時は俺がこの手で地球人類を滅ぼす!

 いいな、拓馬! 獏!」

 

 そう、きっぱりとカムイは宣言した。

 予想だにしない発言に騒然とするドライクロイツの面々。

 そんな中で二人の男たちが、どこか嬉しそうに口端をつり上げて答えた。

 

「いいじゃねえか。お前の好きにやれよ、カムイ!」

 

「獏……」

 

 まず答えたのはクジラの中にいる獏。

 そして――

 

「へっ……前から言ってんだろうが。

 過去も未来も知ったことじゃねえ!

 俺たちの未来は俺たちの手で作り出すってな!」

 

 真ゲッタードラゴンと対峙している拓馬が答えた。

 二人の返答を聞いて、カムイはふっと笑った。

 

「そうか。分かっていなかったのは俺だけか」

 

 そしてカムイは再びザガートと対峙する。

 ここまでの間、ザガートもただ見ていたわけではなかった。

 見極めていたのだ。目の前の敵から感じる違和感の正体を。

 

(この『心』の力……まるで別人のようだ)

 

 つい先程までは道端の小さなトカゲと変わらぬ気配をしていた相手が、今は巨大な竜のごときプレッシャーを発している。

 これはもう軽んじていられる相手ではない。

 そう判断し、ザガートは強く拳を握ると、油断なく構えた。

 ザガートは自分の心を引き締めるために()く。

 

「名前を、聞いていなかったな。異世界の戦士よ」

 

 カムイはそれに答える。

 

「俺はカムイ。

 恐竜帝国の――そしてアークチームのカムイ・ショウだ!」

 

「私は神官(ソル)ザガート。

 セフィーロの『柱』を……エメロードを守ると『心』に誓った者だ!

 お前の力、見せてみるがいい! カムイ・ショウ!!」

 

「ああ、今度は見せよう……この俺と、D2の本当の力を!」

 

 言うと同時にゲッターD2の両肩からトマホークの柄が飛び出す。

 カムイはそれを素早く引き抜くと、両手に掴んだ2本を同時に投げた。

 さらに続けて取り出したのはマシンガン。

 引き金を引き、銃弾の雨あられをザガートに浴びせる。

 機関銃の連射とは思えぬ精密な射撃。

 それをザガートは避けた。

 ……と思った時、横と上から弧を描いて飛んできた2本のトマホークが、ザガートの魔神(マシン)を切り裂いた!

 

「むうっ! こちらの動きを予測……いや、誘導したか……!」

 

 トマホークの威力は見た目以上に大きく、魔神(マシン)の左手が千切れかけている。

 ザガートの背筋に緊張が走った。

 

「後手に回るのは危険か。――氷槍投射(アライル)!」

 

 ザガートの周囲にいくつもの氷の塊が出現。

 それらは槍のように先を尖らせ、ゲッターD2に向かって飛んでいく。

 カムイは下がるどころか逆に氷の槍へと直進し――

 

「オープンゲット!」

 

 分離することで回避。

 そこから別れた3機はザガートの前で集合し、瞬く間に合体する。

 合体して現れたのはゲッターポセイドンだ。

 

「くらえ、ストロングミサイル!」

 

 カムイはポセイドンの背面にある2基のミサイルを発射。

 ミサイルは魔神(マシン)の両肩に命中し、大きな爆炎をあげる。

 そんな目まぐるしい展開にもザガートは怯まず、慌てず、冷静に対処する。

 眼前にまで迫った敵へ横薙ぎに剣を振るうザガート。

 しかしそれもカムイは分離して(かわ)した。

 

 あまりにも速い分離・合体の手際(てぎわ)

 D2の自動操縦の癖すらも把握している、カムイならではの動きだった。

 カムイはゲッターD2が持つ全ての機能を駆使してザガートを翻弄する。

 ……しかし、そう容易く事は運ばない。

 再び合体して、敵機から離れた場所に現れるD2のライガー形態。

 その胴部が大きく切り裂かれていた。

 剣を構えたザガートが口を開く。

 

「剣士ではないと(あなど)ったか? 目の前で何度も見せられてはな」

 

「くっ……」

 

 手痛い反撃を受けたD2だが、対するザガート側の損傷も大きい。

 迷いを断ち切ったカムイは、ザガートと伯仲した戦闘を繰り広げていた。

 だが互角の戦いはザガートにとっては大問題だ。

 まだ倒さねばならない相手がいくつも残っているのだから。

 そこでザガートは勝負に出た。

 

「行くぞ! 雷衝撃射(クロノス)!!」

 

 魔法の言葉とともに、ザガートの背後から無数の光の柱が伸びる。

 それらは一つひとつが超高圧の雷光。

 稲妻たちは上空で軌道を変えると、カムイに向けて雨のように降りそそぐ。

 

(サンダーボンバーに似ている……だが数が多い! 全ては避けられん!)

 

 オープンゲットによる回避も不可能だった。

 あまりに雷光の数が多く、これでは自動操縦の機体が撃ち落とされてしまう。

 

「逃げ場はない……なら行くだけだ!」

 

 その瞬間、ゲッターD2は弾丸のごとく飛び出した。

 ライガー形態のD2は、(いかずち)の雨の中をザガートに向けて一直線に翔ける。

 足が、脇腹が、頭が、次々と降りそそぐ光に貫かれていく。

 全身が穴だらけになりつつも、D2はその速度を緩めない。

 

「行ける……!」

 

 光の雨を抜けきる――その直前。

 待ち受けたのは希望を断つ魔の力。

 

「――銀爆殺襲(ディアブロ)

 

 ザガートの魔神(マシン)の周囲、あらゆる方向に向けて放たれる銀色の衝撃波。

 やはりこれもオープンゲットでは避けられない。

 D2が衝撃波の範囲から逃れるには急停止から反転するしかないが……

 

「行け――」

 

 カムイはさらに速度を上げた。

 もっと速く、一瞬でも早く目標へ到達するため、カムイはD2の封印された機能を解放する。

 

「行け……マッハスペシャル!!」

 

 その瞬間、操縦席の中から音が消えた。

 音もなく、雑念もなく、誰もついて来られない孤高の世界。

 ゲッターライガーの世界に、カムイは到達した。

 

 ザガートは声もなく目を見開いた。

 銀の衝撃波を突き抜け、眼前に迫るゲッターD2の姿を見て。

 

「おおおおおおおおおぉぉぉっ!!!」

 

殻円防(クレス)――」

 

 咄嗟に唱えたのは防御の魔法。

 だが間に合わない。

 D2のドリルアームは真っ直ぐにザガートへと突き出され――

 

 ……だが、そのドリルはもう回っていなかった。

 魔神(マシン)に触れたドリルはその黒い甲冑を貫くことなく、D2の体躯は慣性のまま魔神(マシン)に激突すると、壊れた玩具のように宙を舞った。

 

 セフィーロは心が全てを決める世界である。

 しかしながら現在のセフィーロは地球と融合しており、全てが心で決まるわけではない。

 ザガートへ届く前に、D2はその機能を停止していた。

 ロボットとしての機能が失われてしまえば、もう動かない。

 

 ……自由落下していくゲッターD2。

 その中で、落ちゆくこちらを見下ろすザガートを見ながら、カムイは静かに口を開く。

 

「ザガート……やはりお前は強い。だが……」

 

 カムイはザガートではなく、その先を見据えて告げた。

 

「俺たちの勝ちだ」

 

 ザガートはその言葉が耳に入ると同時に、ひとつの異変に気がついた。

 そして急いで振り返る。

 彼の視線の先にあるのは、空に浮かんでいる、水晶のような結界により閉ざされた城。

 ザガートは呟いた。

 これまでに誰も見たことのない、明確に狼狽(うろた)え、取り乱した表情で。

 

「エメロード……!」

 

 エメロード姫が、城の中から消えていた。

 

 

***

 

 

「ここは……」

 

 高貴な雰囲気を(まと)った見目麗しい少女――エメロード姫は、目を開けると周りを見渡した。

 そこは外壁に複雑な幾何学模様が刻まれているだけの、何もない部屋だった。

 エメロードはその空間に、どこか荘厳な空気を感じ取る。

 彼女の知り得ることではないが、その外壁に刻まれた模様は電子基板によく似ていた。

 そこでエメロードに声をかける者がひとり。

 

「ようこそ、エメロード姫」

 

「あなたは……?」

 

 彼は自らの名を名乗る。

 

「私の名はグリッドマン。そしてここはコンピュータの中に作られた仮想世界。

 ジャンクはメモリが少ないので、このような狭い部屋しか用意できなかった。申し訳ない」

 

 そのグリッドマンの話した語句をエメロードは完全には理解できなかったが、特に混乱したりはしなかった。

 彼女はここに来るより前から現状をおおむね把握できている。

 

「あなたがこの世界の(あるじ)なのですね」

 

「正確には違うが……今はその理解で問題ない。

 それではエメロード姫、すでに現実世界で軽く話は聞いているようだが、改めて説明しよう」

 

 エメロードがこくりと頷いたのを確認すると、グリッドマンは彼女をこの仮想世界に招き入れた理由を語った。

 

「セフィーロの『柱』は辞任も自害もできない。

 だが『柱』がいなくなれば、新たな『柱』を選ばなくてはならない」

 

「ええ、その通りです」

 

 エメロードの返しに今度はグリッドマンが頷くと、話を続ける。

 

「では『柱』である貴女(あなた)をセフィーロ以外の世界に移せば――セフィーロは『柱』が不在の状況となり、もしかしたら貴女が生きたまま代替わりを果たせるかもしれない。

 ……というのが、山岸獏が提示したアイデアだ」

 

「そう聞きました。それならたしかに、私が『柱』でなくなる可能性もあるのかもしれません。ですが……ここはほんとうに、『別の世界』なのでしょうか」

 

 それは当然の疑問だ。

 なぜなら今のセフィーロは地球と融合してしまっている。

 地球に移動したところで、セフィーロから『柱』がいなくなったことにはならないのでは……と考えるのは自然なこと。

 だがこの疑問に対して、グリッドマンは迷いなく答える。

 

「その心配はいらない。ここは地球に存在するコンピュータ上に作られた仮想世界だが……Virtual Worldは『仮の世界』ではなく、『本質を持つ世界』を意味している。その精巧さ、規模の大小にかかわらず、ひとつの独立した()()()()()()として創られる」

 

 そのグリッドマンの説明にエメロード姫は小首をかしげる。

 

「ええと……? ばあちゃわー……なんでしょうか?」

 

「……申し訳ない。結論を言うと、貴女が今いるこの場所は地球でもセフィーロでもなく、紛れもない『別の世界』だ。つまり――」

 

 

***

 

 

「――つまり今、セフィーロには『柱』が不在ってことね」

 

 地面に着陸したクジラの中。

 ロボットの格納整備場に集まり、セニアは艦内にいる仲間たちに説明した。

 龍咲海(りゅうざきうみ)は心底感心したように溜め息を吐く。

 

「まさかこんなことを考えつくなんてね……」

 

 鳳凰寺風(ほうおうじふう)もそれに同意する。

 

「ええ、盲点でしたわ」

 

 頷き合う二人。

 そこで状況を整理するために質問するのは、グリッドマンの依代(よりしろ)となる少年、響裕太(ひびきゆうた)だ。

 

「えっと、確認なんだけど……『柱』がセフィーロの平和を祈り続けないと世界が崩壊する……っていうわけじゃないんだよね?」

 

 その疑問に答えるために、口を開く者がいた。

 獏、(うみ)(ふう)、裕太、セニアの5人に加えて、このクジラの中にいる最後の一人。

 幼い少年のような外見をしながら威厳のある佇まいをしている男。

 セフィーロ最高の魔導師(グル)、クレフだ。

 

「いや……そんなことはない。『柱』の不在が続けばセフィーロは消滅するが……『柱』が世界の安定を祈らなくてもセフィーロは存続する」

 

 椅子に腰かけるクレフの顔色は優れず、ひどく憔悴(しょうすい)した様子だ。

 それもそのはず。彼はザガートにかけられた石化魔法に長く抗い続けていたために、心の力が枯渇しているのだ。

 裕太はクレフの言葉に食い下がる。

 

「だったら……!」

 

「しかし『柱』の祈りがなければ魔物や外敵の脅威が日常となる、平和とは程遠い世界となってしまう……」

 

「それは……」

 

 裕太は口ごもる。

 ツツジ台で暮らしていた時ならともかく、絶え間なく侵略者に襲われている地球の現状を目にした今となっては、裕太も平和の脆さと大切さを強く実感しているが……

 

「それでも俺は……全部を一人だけに任せるのは……よくないと、思う」

 

 そんな振り絞るような裕太の言葉をクレフは目を閉じて聞き入り、そして答えを返す。

 

「……そうだな。今となっては、私もそう思う。たとえセフィーロが滅びようとも、『柱』だけに背負わせるべきではなかったのだ。だが……私が生まれる前から、700年以上も前から歴代の『柱』はセフィーロの平和だけを祈り続けてきた。これは我々にとっては当たり前の事で……それを疑い、行動を起こしたのはザガートだけだった」

 

 常識を疑うことは難しい。それが自分たちの親の代より古くから続くものともなれば、なおさらだ。

 自責を込めて吐露するクレフ。

 深く悔やむ彼の表情に、周囲の者も神妙な顔を浮かべる。

 裕太も視線を落とす……が、彼はひとつ妙なことに気がついた。

 

「……700年前?

 え、えっと……そんな年上だったん……ですか……?」

 

 裕太の反応を見て、(うみ)がうんうんと頷く。

 

「分かるわよ、その気持ち。

 年齢と見た目が一致するのが、私たちの世界では常識だもの」

 

 などと話がそれたところで、セニアが流れを戻す。

 

「……で、今回の問題はそもそもの始まりが……エメロードがザガートを愛してしまったために、セフィーロの安定だけを願えなくなった……っていうことだけど」

 

 それに(ふう)が相槌を打つ。

 

「ええ。ですがこれは当人の心の問題ですから、わたくしたちが何を言っても解決しようがありませんわ」

 

 そう言いながら、愛する人の幸せを願うことのできないエメロードの悲しみを思って、(ふう)は目を伏せる。

 (ふう)の言葉をセニアは肯定して、話を続ける。

 

「そう、だから獏は前提から覆すことにしたのね。解決できない問題だったら、解決しようがしまいが関係ない状況にすればいい……ってこと。あたしみたいな技術者には出にくい発想ね」

 

 そうして出された答えが、『柱』を交代させるという奇策だ。

 そうなればエメロードは『柱』の責務から解放されて、彼女を守るために戦っているザガートもドライクロイツと敵対する理由がなくなる。

 これに対して裕太が疑問を投げる。

 

「でも、どうやって新しい『柱』を決めるの?」

 

「それは……」

 

 クレフが答えようとした時。

 ずうん、ずうん、という地鳴りが格納庫に響き渡る。

 それはまるでゾウがクジラの艦内を歩いているようで、一歩、一歩と近付いてくる。

 その正体はすぐに彼らの前に姿を現した。

 獏だ。

 山岸獏が、()()()()()()()()()()()格納庫に入ってきた。

 

「え、ええ……!?」

 

 その出現には誰もが呆気にとられた。

 ゲッター炉心は重量にして1トン近くはある。

 人間が持ち歩けるような代物ではない……はずなのだ。

 獏がゲッター炉心を床に置くと、周囲がズシンと大きく揺れた。

 

「ふぅ。よしセニア、こいつをデュカキスに繋いでくれ」

 

「いいけど……どうするつもりなのよ」

 

 セニアがテキパキと作業する傍で、獏はこれからやろうとしていることを皆に向けて語る。

 

「『柱』がいなくなると『道』が開かれる。

 そこで試練を受けて新たな『柱』が決まる……そういう仕組みになってる。

 だが今、『道』が開かれる条件は揃ってない。

 (ひかる)はまだ心の整理がついてないだろう。オートザムのイーグルもいねえ。

 だからここは……ちょいと無理を言って、開けさせようと思う」

 

「開けさせる……?」

 

 獏の言っていることが他の者にはいまいち理解できない。

 まず前提知識が違うのだ。

 彼らはクワトロが放った光で未来の映像を見たが、それはザガートとエメロードが最期を迎えるまで。

 獏はそこから先も知っている。

 

「準備できたけど……はい、これ」

 

 セニアは以前の実験で使ったヘルメット型の脳波測定器を獏に渡す。

 が、獏は首を横に振った。

 

「これじゃ“気”の流れがセーブされちまうから無理だ。直接繋げる」

 

 そう言うと獏は何を思ったか、右手にデュカキスⅡから伸びるコードを、左手にゲッター炉心から伸びるコードを掴んで、それらを自分の頭の横へと持ち上げる。

 

「直接って……え? いや、嘘でしょ。まさか――」

 

「繋がってる間にサイバスターへのハッキングを頼むぜ、セニア」

 

 そうして彼は信じられない暴挙に出た。

 自らの両耳へと、2本のコードを突き立てたのである。

 プラグが刺さり血しぶきが飛ぶ。

 次の瞬間、炉心から膨大な量のゲッター線が流れ込み、獏の体が緑色に発光する。

 

「ア――ぐ、ぎぎ……ガア――ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛―――――!!!」

 

 絶叫。

 そして目、耳、鼻……全身の穴という穴から血を噴き出す獏。

 

「ちょっ……何やってんのよ獏!? やめなさい!!」

 

 気を違えたとしか思えない獏の行動を止めようとセニアは叫ぶが、かといって今の獏に近付くこともできない。

 常人が触れれば致死量となるゲッター線が、獏の全身を駆け巡っているのだ。

 

 そこで動いたのは、(ふう)だった。

 (ふう)の魔法なら直接触れることなく獏を動かせるが――

 彼女が唱えた魔法は違った。

 

「癒しの風!」

 

 たとえ瀕死の重傷であっても瞬く間に治してしまう(ふう)の治癒魔法。

 確かに獏の壊れた肉体は修復された。

 しかし次の瞬間には再び破壊され、次々と血が噴き出し続ける。

 

「アガガガガガガ……グ――オオッ……!!」

 

 これでは終わらない破壊と再生による拷問だ。

 

「ちょっと(ふう)、何やって……」

 

「わたくしの心の力はあとわずか……長くはもちませんわ。

 セニアさん、今のうちに早く……」

 

 その苦しげな横顔には揺るぎない意志があった。

 それでセニアは理解した。

 獏と(ふう)。二人はとっくに覚悟を決めているのだと。

 

「っ……ああもう、やればいいんでしょ!」

 

 セニアはデュカキスⅡに飛びつくと、とても目では追えない速度でキーボードに指を走らせた。

 

 

***

 

 

 サイバスターが格納庫で補給を受ける、その最中の出来事だった。

 コクピットの中でシロが叫ぶ。

 

「マサキ! どこかからハッキングされてるニャ!」

 

「どういう事だ? いや、この気配は……」

 

 マサキは何らかの意思がサイバスターの中に入ってきたのを感じる。

 そんなマサキの耳元に声が届いた。

 

「悪いなマサキ、少し借りるぜ」

 

「獏……?」

 

 突然の事にわけが分からず声をあげるマサキ。

 

「おい! 何しようとしてる、獏!?」

 

 それに答えたのは獏ではなく、使い魔のクロだった。

 

「ラプラスデモンコンピュータが起動されてるニャ!

 すごい魔力が……ううん、これは……ゲッター線?」

 

 困惑するクロ。

 その大きく見開かれた目には、メーターを振り切った計器が映っている。

 計測不能なほどの膨大な量のゲッター線が、サイバスターの回路に流れ込んでいた。

 

 

***

 

 

 おれは、すべてを見ていた。

 

「すばらしい……そうか、そうだったのか……」

 

 流れゆく景色と概念、

 巡る虹色の宇宙、

 肉体と機械、

 そして命。

 

 ――理解しましたか、獏。

 

「わかるぞ……ああ、わかる。そうか、兄貴はこれを知って……」

 

 ――ええ。知っていたから、私はずっとワクワクしていましたよ。

 

「そうか……そいつはよかった」

 

 安心した。

 実のところ心配していた。

 兄は……メシア・タイールは、使命感から犠牲になったのではないかと。

 誰かのために、俺たちのために、命を投げ出したんじゃないかと……

 だが、そうではなかった。

 仲間とともに楽しみながら旅立ったのだ。

 

 ――あなたも来ますか、獏。

 

「ああ……」

 

 俺は直感的に理解していた。

 この先には“全部”がある。

 ほんの少し手を伸ばせば届くことも。

 それはいわゆる“真理”などと呼ばれるものであり……

 それを自分も知るために俺は手を伸ばして、それで――

 

 

『いけない』

 

 

 その声で、ハッと自分を取り戻した。

 ……そうだ、俺は何もかもを知りたいわけじゃない。

 兄貴とは違う。

 俺には俺の仲間がいて、

 ひとりは俺がどうにかするのを信じて戦っていて、

 ひとりはようやく胸の内を語ってくれた。

 ここから面白くなるんだ。だから――

 

 ……もう兄貴の気を感じない。

 

「早く戻ってやらんとな。……しかし……」

 

 あの声は誰だったのか。

 知らない男の声だった。

 男にしては高く、どこか中性的で……そして優しい声色。

 ……それくらいしか分からん。今は忘れよう。

 だが戻るにしても、俺は今どこにいて、どこに行けば――

 

「このままだ。山岸獏、君はこのまま進めばいい」

 

 ……大尉?

 いや、大尉だけじゃない。

 カミーユ、ヨナ少尉……みんなが呼んでる。

 俺を……導いてくれる。

 ありがてえ。

 こりゃ気合が入るぜ。

 

 そうして俺は迷路のような時を超えて――戻ってきた。

 

 ここはサイバスターの中。

 機体に搭載されてるラプラスデモンコンピュータに、ありったけのゲッターエネルギーを込めて走らせる。

 目的は、探しものだ。

 ラプラスデモンコンピュータは理論上、この世のあらゆる事象を計算して予測できる。

 その使用には膨大な魔力を必要とするが、今回はそれをゲッター線で強引に(まかな)っている。

 いける。

 手応えがある。

 今、無限に近いゲッター線がここにはある。

 これなら、この世界に存在するのであれば……いや、別の世界であろうとも。

 たとえどこにいても、どうやって隠れていようが、探し出せるはず……

 今度は躊躇(ためら)わずに、思いきり手を伸ばす。

 見つかる。

 見つけてみせる。

 絶対に、見つける――

 

 

 

「見つけたぜ」

 

「ぷぅ?」




【知らなくてもいいけど知るともっと面白いかもしれない話】
・ゴール三世は初登場時には帝王と呼ばれていたが、それ以降は皇帝と呼ばれる。恐竜帝国の民は、あまり王の呼び方にこだわりがないのだと考えられる。

・闇衝招撃(レクサス)は漫画版でのみ使用されている魔法。

・ゲッターD2はゲッタードラゴンのダウングレード版とのことだが、原作でほとんど描写がないので詳細は不明。

・氷槍投射(アライル)はアルシオーネが使用した魔法。人間離れした光の運動神経で全て避けられた。

・雷衝撃射(クロノス)は漫画版ではザガートは使用しておらず、弟のランティスが使用していた。ランティスが使った漫画版とザガートが使ったアニメ版とでは見た目がだいぶ違う。アニメ版での読み方は「らいしょうげきしゃ」。

・銀爆殺襲(ディアブロ)は漫画版でのみザガートが使用した魔法。

・殻円防除(クレスタ)はセフィーロの多くの者が使う防御魔法。

・グリッドマンは「ジャンク」と呼ばれる中古のパソコンの中にいる。中古なだけに性能は低めのようで、アニメの作中では仲間全員と同時に出撃しようとするとフリーズしてしまっていた。

・柱が祈りをやめるとセフィーロ自体が消滅するかどうかは、原作では明言されていない。柱が不在となった後、「すぐにでも新しい柱を見つけないと世界が消滅する」とクレフは語っている。

・クレフはアニメ版では物語開始早々にザガートの襲撃を受けて石化されてしまうが、漫画版ではそういうこともないので、魔法騎士の少女たちが頑張っている間にどこで何をしていたのかは不明。

・クレフは745歳。エメロードも見た目通りの年齢ではないが、クレフはエメロードよりも長生きしている。

・次の柱を選ぶ方法は漫画版とアニメ版で異なっている。アニメ版では城の隠し部屋に王冠があり、それを被った者が柱になれるが、資格のない者は触れることができない。漫画版では、資格を持つ者が揃うと世界の創造主が道を開いて、選定と試練が開始される。漫画版・アニメ版いずれの場合も、セフィーロとは違う世界となる「オートザム」の代表者イーグル・ビジョンが、最も有力な対抗馬として柱の候補になる。

【挿絵について】
使用している挿絵は、ほいみん氏(https://x.com/frosted_hoim_in)に描いて頂きました。
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