Drei DetonatioN ~鋼の咆哮~   作:日下部慎

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第8話「Drei Geist ~ 異なる尊き魂」

 異世界『セフィーロ』での戦いから2日後。

 

 カムイは艦長室へと呼び出され、艦長と副長の二人から査問を受けていた。

 問題となっているのは戦闘中にカムイが発した言葉。

 すなわち、この発言について。

 

 ――その時は俺がこの手で地球人類を滅ぼす!

 

 艦長室でミツバはカムイに確認する。

 

「これは、あなたの本心からの発言と見て間違いありませんか?」

 

 ミツバの問いに対し、カムイは明朗に答える。

 

「間違いありません。無論、この世界を滅ぼそうなどとは考えていません。しかし元の世界に戻った後、共存の道が(ひら)けなかった時には……自分は地球人類を滅ぼします」

 

 あまりに堂々とした回答ぶりに、副長のレイノルドも唖然としてしまう。

 ミツバは慎重に言葉を選ぶようにしてカムイに言う。

 

「あなた方の世界の事情は聞いています。あなたの発言には、恐竜帝国の者としての正当性があるとも、私は思っています」

 

 カムイがそうしなければ、恐竜帝国は人類に滅ぼされる。

 それどころか、いずれ人類を除いた全宇宙の生命体が絶滅することになる。

 ゆえに、これはやむを得ない事情と言える。

 そうミツバは理解を示すが……その上で彼女は告げる。

 

「ですが若い乗組員(クルー)の中には、あなたの発言に動揺している者もいます」

 

「それは……」

 

 これにはカムイも言葉に詰まる。

 確かに無関係の者にも聞こえるように言ってしまったのは短慮であったと反省し、カムイは頭を下げて謝罪する。

 

「……申し訳ありません」

 

「今後はあまり公言しないようにお願いできますか?」

 

「了解です、艦長」

 

 ……と、艦長から一言だけ釘を差された形で、カムイは解放された。

 艦長室を退出したカムイ。

 カムイはいつものようにフードを目深に被って顔を隠すと、自室に向けて通路を歩き出す。

 が、しばらく進んだところで彼は足を止めた。

 先ほど艦長に言われたことが頭をよぎったのだ。

 

「こっちは人の通りが多いか……」

 

 自分の存在が艦内に不安をもたらしているのであれば、今後はあまり人のいる区画に行くべきではないのだろう……とカムイは考える。

 いたずらに人を怖がらせるのは、彼としても本意ではない。

 そうして(きびす)を返そうとした、その時だった。

 

「あ! いたいたー!」

 

 ドライストレーガーのオペレーター、ミユウ・インカムスの声が通路に響く。

 ミユウと一緒に数名の若者たちが、カムイのもとに駆け寄ってくる。

 

「なんだ……? 俺に何か?」

 

 困惑しながら問うカムイに、その場の全員を代表するようにミユウが答える。

 

「アークチームの歓迎会を開こうと思って!

 いきなりだけど、今日の夜で大丈夫かな?」

 

「いや、俺は……」

 

 ミユウの距離感の近さと奔放な明るさにあてられ、穏便に断るための言葉が浮かばず返事に窮するカムイ。

 そんなカムイの様子を察して、ミユウの後ろから柔和な印象の少年が歩み出る。

 チームラビッツのリーダー、イズルだ。

 

「やっぱり、この前のことで僕たちに遠慮してるんじゃないかな……。

 でも遠慮しないでください、カムイさん。

 地球を滅ぼすって言われたことには驚いたけど、裕太やカミーユから聞いて、誤解だって分かりましたから」

 

「なに、あの二人が……」

 

「そうそう、だから来てほしいな。

 それに……じゃーん! プレゼントも用意してあるんだ」

 

 ミユウが取り出したのは丈夫そうな厚手のジャケットだった。

 

「どうかな? 似合うと思うんだけど」

 

「それは有り難いが、しかし……」

 

 広げられたジャケットにはフードがついていなかった。

 これでは顔を隠すことができない。

 そんなカムイの顔を、イズルと同じチームラビッツの一員であるタマキが下から覗き込む。

 

「よく見たらイケメンなのら~!

 そんな顔を隠してたらもったいないよ!」

 

「ちょ、ちょっとタマキ……カムイさん、気にしてるみたいだから……」

 

 イズルがタマキの不躾(ぶしつけ)な言動をフォローしようとする。

 ミユウはそこで、別の方向からのアプローチを閃いた。

 

「そうだ! カムイが嫌じゃなかったら、お化粧してあげるよ!

 私、そういうの得意なんだ」

 

 そんな女性陣の距離の詰め方に、傍で見ているイズルの方が焦ってしまう。

 

「えぇっ!? 化粧ってそんな、ミユウさん……」

 

「……くっ」

 

 そこでカムイの口から笑い声が漏れる。

 全員がカムイを見上げた。

 そこには彼にしては珍しい、(かげ)のないさっぱりとした笑顔があった。

 

「化粧か、考えたことがなかった。それもいいかもしれないな」

 

 そう言うと、カムイは自分の頭に被せていたフードを、皆の前で脱ぎ去った。

 

 

***

 

 

 ドライストレーガーの第二格納庫。

 そこでは獏がヨナと一緒にサイバスターの整備をしていた。

 ヨナは隣にいる獏に声をかける。

 

「もう大丈夫なのか?」

 

「問題ないっす、体だけは丈夫なもんで。

 ……なんて、実際は(ふう)の魔法のおかげなんすけどね」

 

「それもあるが……他の二人は艦長室に呼ばれてただろう。お前はいいのか?」

 

「へへ、そいつは日頃の行いかと。あの問題児たちと一緒にされちゃ困るっすよ」

 

 なんてことを言う獏に、サイバスターの中からマサキの怒声が飛ぶ。

 

「おい、獏! 何が日頃の行いだ!?

 お前のせいでサイバスターがおかしくなったんだぞ!?」

 

 マサキがいるのはコクピットの中だ。

 先日の戦いの後、サイバスターの様子がおかしくなっていた。

 出力が急に上がる時があって安定しない。

 搭乗中のマサキが耳鳴りを覚える。

 外装に細かい変化がある……等々。

 特にディスカッターが分厚くいびつな形になっているところに大きな違いがあった。

 ヨナが(いぶか)しげに呟く。

 

「ゲッター線で進化したっていうのか……?」

 

 ヨナの言うように、おそらく大量のゲッター線を注がれたことに起因すると考えられるが、それ以上のことはセニアにすら何も分からなかった。

 それでこうして原因と思われる獏にサイバスターの内部を触らせているが……

 

「ウーン、何も分からんな!

 まあ悪い“気”は感じないから大丈夫だろ!」

 

「くそっ、お前な……他人事だと思いやがって」

 

 マサキは頭を抱える。

 実際にマサキの感覚からしても悪い感じはしていない。

 セニアが見たところでも「機体としておかしなところは何もないわ」とのことだったので、マサキもあまり心配はしていない。

 しかしマサキは、あることが気にかかっていた。

 

 サイバスターには単独で地底世界と地上を繋ぐ『ゲート』を開く機能がある。

 獏に大量のゲッター線を流し込まれた時、マサキはそのゲートを開いた時と同じような感覚を覚えたのだ。

 

「何もないといいが……」

 

 マサキはそう呟くと、調査の終了を下の二人に告げた。

 開いていた装甲板をひとつずつ閉じていきながら、ヨナは隣にいる獏に声をかける。

 

「……ああ、そういえば……獏」

 

「なんすか少尉?」

 

「ヨナでいい。お前たちに階級は意味がないし、歳もそう変わらないだろう」

 

 獏は少し驚いた顔をして横のヨナを見る。

 ヨナは作業を終えても、獏の方に顔を向けない。

 こうしたやり取りにヨナは慣れていないのだろう。その少し固い横顔からは、若干の気まずさが見てとれた。

 そこへマサキがコクピットから出てくる。

 

「なんだヨナ、もう終わったんだろ?

 獏も二人して、なんで固まってんだ?」

 

 獏とヨナは顔を合わせると、同時に苦笑した。

 

「アイツにはこういう繊細な機微はなさそうだ」

 

「……だな」

 

「おい、何の話をしてるんだよ?」

 

 二人が何に笑っているのか分からず、マサキは不可解に首をひねるのだった。

 

 

***

 

 

 再び、艦長室にて。

 今度はカムイに代わって拓馬が呼び出されていた。

 待機命令を無視しての出撃、クワトロらと一緒に精神感応で戦場に混乱を招いた事、ドライクロイツの所有であるD2やクジラの作戦外での運用……

 ミツバとレイノルドから、それらの問題行為を指摘される拓馬。

 これに対して拓馬は、背筋を伸ばして直立不動で答えた。

 

「申し訳ありません艦長どの!」

 

「では、反省しているのですね?」

 

「モチロンであります!」

 

「わかりました。それでは、また同じような事があったら勝手な行動はとらない。そういうことで間違いありませんか?」

 

「モチロンであります!」

 

「……私の言ったことを守る気がありませんね?」

 

「モチロンであります!」

 

 まるでコントのようなやり取り。

 ミツバは難しい顔をして自身の頭を押さえる。

 そうして大きく息を吐いてから、彼女は口を開いた。

 

「……まあ、いいでしょう。

 今日は隊として一応の示しをつけるために呼んだだけですから」

 

 普通なら部隊員には言わない、建前を省いた話をし始めたミツバに、副長のレイノルドは当惑する。

 

「艦長、それは……」

 

「いいんです、彼も分かっています」

 

 と言ってミツバは、じっと拓馬の顔を見て言う。

 

「分かっているから、こうやってふざけているんです。そうでしょう?」

 

「うっ」

 

 拓馬のこめかみにタラリと冷や汗が流れる。

 まるで母親にイタズラを見つかった時のようなバツの悪さを、拓馬は感じていた。

 ミツバは副長に向けて告げる。

 

「アークチームは彼らにできることを精一杯やっただけですから、批難するつもりはありません。そもそも彼らは今回、時間がないにもかかわらず、行動を起こす前にブリッジまで相談しに来てくれていました」

 

「それは確かに……」

 

「そういうわけで流拓馬(ながれたくま)さん、今後も何かあったら相談しに来てくれますね?」

 

 柔らかく問うミツバに、拓馬も普段通りの態度に戻って返答する。

 

「ああ、任せてくれ。今度はもっとうまくプレゼンするぜ」

 

「期待しています。それでは今回の査問は終了します」

 

「ハッ! 失礼いたします!」

 

 最後に拓馬はビシッと敬礼してから退出した。

 艦長室を出た拓馬だったが、この後の行き先に悩む。

 訓練に行くにしても、もう終わっている時間帯だ。

 半端な時間となってしまい、これからどうするかと考えながら、あてもなく通路を歩く。

 するとそこで遭遇してしまった。

 

「う……お、オヤジ」

 

「その言い方はやめろって言っただろうが」

 

 曲がり角の先にいたのは流竜馬(ながれりょうま)だ。

 拓馬は気まずさを感じる。

 先日の戦いでは、これから本気でやり合おうという時、いきなり出現したモコナの口に吸い込まれて勝負が有耶無耶(うやむや)になってしまった。

 お互いに緊張した険しい表情からは、その時のことを思い出しているのが伝わってくる。

 そこで先に口を開いたのは竜馬の方だった。

 

「おい、お前も分かってんだろうが……今のお前と俺がガチでやり合ったら、間違いなく俺が勝つ。お前には戦いの経験が足りてねえ」

 

「むぐ……」

 

 拓馬は何かを言い返そうとして、しかし言葉が出なかった。

 あの時は勢いに任せて啖呵を切ったが、竜馬の言っていることは事実として、拓馬も理解していることだった。

 

「だが……そう遠くもねえ」

 

 と、竜馬はそんな言葉を続けた。

 そして彼は拓馬を見据えて言う。

 

「お前、そのうち元の世界に戻るんだろ? その前に俺と勝負しろよ」

 

「勝負? 勝負ならシミュレータでいつでもできるが……そういう話じゃねえよな」

 

「当然だ。ドライストレーガーのシミュレータはよく出来てるが、あれじゃ俺らの“本気”は出せねえ。そうだろ?」

 

「ああ」

 

 仮想世界の出身なら違う答えもあるのかもしれないが、この二人は互いに共通の認識を抱いている。

 戦いとは、自らの肌で感じて行うものである、と。

 竜馬の申し出を、拓馬は真正面から受け止めて答える。

 

「いいぜ、アンタは越えなきゃならねえと思ってんだ。本気のガチンコ勝負、やってやろうじゃねえか」

 

「楽しみにしてるぜ。せいぜい、この世界に揉まれて強くなるんだな」

 

 にやりと獰猛な犬歯を見せて、竜馬は拓馬の前から去っていった……

 

 

***

 

 

 そうして、ドライストレーガーの通路の中で。

 

「お?」

 

「む……」

 

「なんだ、お前らか」

 

 拓馬、カムイ、獏の3人はバッタリと出会う。

 3人はそのまま自然と、どこへ向かうでもなく、連れ立って歩きだした。

 歩きながら獏は、拓馬とカムイの二人に尋ねる。

 

「二人とも艦長の呼び出しは終わったのか。どうだった?」

 

 どちらも実質的にお咎めなし、と二人は回答。

 だいたい予想通りの答えに獏は頷いた。

 

「まぁそうだろうな。俺らは部下じゃなくて協力者でしかないから、艦長が罰を与える根拠がねえ。あるとすれば、D2とクジラの無断使用くらいか」

 

 それを受けてカムイが言う。

 

「だが本当なら懲罰ものだ。恐竜帝国なら斬首も有り得る」

 

「懲罰はなくても、艦を降ろすことはできるしな。そしたら俺らは元の世界に戻る手立てがなくなっちまう。艦長の寛大な措置に感謝だな」

 

 そんな獏の言葉に拓馬も同意する。

 

「こりゃ俺たちも、この艦で『できることを精一杯』やって応えていかねえとな」

 

 ああ、と軽く頷き合うアークチーム。

 そうやって話しながら歩いていると、3人は緑のあるリラクゼーションルームに到着した。

 他に人もいないので、彼らは思い思いにベンチに腰かけ……

 示し合わせるでもなく始まる。

 3人ともに心に残っていたことを語る機会が。

 

 それは、ザガートとエメロードについて。

 

 ……結局、二人を助けることはできなかった。

 あれだけ必死に奔走して、多くの人に協力してもらいながら、結果を言えば獏が見た未来と大して変わらぬ最期を二人は迎えてしまった。

 だが今回の結末について、3人はそれぞれが異なる気持ちを抱いていた。

 獏は拓馬とカムイに言う。

 

「こう言っちゃなんだが……俺は二人を助ける必要はなかったと思ってる。

 全員に事情を共有した時点で、誤解はなくなった。

 それならどんな結果が出ても納得できる。

 どうしようもない悲劇で終わったとしても、それを選んだ人間の意志を俺は尊重したい」

 

 これに対してカムイは違った解を出す。

 

「俺は全員を救いたいと思っている。

 だが実際に、世界の誰もが死なない……などということは有り得ない。

 そして命さえあればいい、というわけでもない。

 真に救われるべきは“心”だ。

 そう考えると……二人の心は最期の瞬間に救われた。俺はそれでいいと思う」

 

 そのカムイの話を聞いて、拓馬は思い出す。

 確かにカムイの言う通り、ザガートとエメロードの最期は、心から幸せそうに見えた。

 しかし……

 

「俺は……それでも助けたかった。二人には……生きて欲しかった……」

 

 拓馬は遥か遠くの空に思いを馳せるように、天井を見上げて語る。

 胸の奥にある、自分自身の大切な思い出を。

 

「俺はおふくろと二人きりで育った。ガキの頃の俺には、そりゃあ不満はたくさんあった。メシのオカズはメザシと山菜ばっかり。たまにゃハンバーグが食いてえと思ったもんだった。

 ……それでもよ。

 そんな平凡な食卓を母ちゃんと一緒に囲んでた時が、俺の人生で一番幸せな時間だった」

 

 拓馬はそうやって自らの思い出を反芻(はんすう)した上で、言った。

 

「もしかしてあの二人は、そんな当たり前の時間も過ごしたことがないんじゃねえのか」

 

 その言葉を聞いてカムイはハッとする。

 それと同時に、改めてこれまでの拓馬の行動が腑に落ちる思いがした。

 拓馬の原動力は理不尽への怒り。そしてそれはおそらく、母親から教わって学んだ道徳心と優しさに由来している。

 だから彼は「当たり前が与えられない」理不尽を許せず、一計を講じてカムイと母を引き合わせたのだ。

 

 カムイは思う。

 この3人はそれぞれに考えが違う。

 思い描く理想の未来も、きっと違う。

 いつか自分たちの道も分かれ、あの光の中で見た未来のように、互いに敵として相対する日が来るのかもしれない。

 それでも今は同じ方を向いて、共に戦うことはできる。

 なぜならこのドライクロイツという部隊そのものが、それを体現している。

 人種も思想も、生まれ育った世界すらも異なる者たちが(ひと)(ところ)に集い、同じ御旗のもとに戦っているのだから。

 

 ……湿っぽくなった空気をどこかへと追い払うように、拓馬は勢いよく声を出す。

 

「ちっ、俺のことなんかどうだっていいんだよ!

 んなことより(ひかる)たち魔法騎士(マジックナイト)だろ、問題は」

 

 今回、彼女たちと一緒にいろいろ動いたが、ザガートとエメロードの結末は変わらなかった。

 二人を救えるという希望を彼女たちに持たせておきながら、期待を裏切る形になってしまった。

 

「あいつらには、かえって悪いことをしちまったかもしれねえ」

 

「むう……それは……」

 

「確かにな。どのツラ下げて顔を合わせたもんだか……」

 

 揃って神妙な顔をするアークチーム。

 しかしタイミングがいいのか悪いのか。

 そんな彼らの耳に聞こえてきたのは、近付いてくる龍咲海(りゅうざきうみ)の声だった。

 

「モコナー? どこ行ったのよ、モコナーーー!

 ……あら? アークチームじゃない」

 

 姿を現した(うみ)の後ろには、(ひかる)(ふう)もいる。

 彼女たちはモコナを探して艦内を歩いていた、ということだった。

 どうやら、あれからモコナの姿が見えないらしい。

 

「そうなんか。あ~、それで、だな……」

 

 どうやって彼女たちに謝罪したものかと思案しながら口を開こうとする拓馬たち。

 しかしそんな彼らよりも先に、(ひかる)が話しだす。

 

「私たち、エメロード姫とザガートを探しに行くって決めたんだ」

 

「……なんだって?」

 

 予想していなかった話に、唖然とするアークチームの3人。

 そこに(うみ)が続ける。

 

「生存の可能性は……低いでしょうね。

 でもゼロじゃないんだったら、諦めたくないわ。

 もちろん、この戦いが終わってからよ。途中で放り出すなんて無責任だもの」

 

 さらに(ふう)も口を開いて、その話を補足する。

 

「今は次元の向こうを探す手段もありませんしね。

 ですが甲児さんやメイヴィーさんも協力するとおっしゃっていただけました」

 

 ……拓馬、カムイ、獏の3人は顔を見合わせる。

 

「……たまげたぜ」

 

 それ以外に彼らは言葉が見つからなかった。

 そして互いに目線で語り合う。

 どうやら自分たちは、いまだにこの少女たちを見くびっていたらしい……と。

 

 

【挿絵表示】

 




【知らなくてもいいけど知るともっと面白いかもしれない話】
・「Geist(ガイスト)」はドイツ語で精神、心、魂といった意味。文法的には複数形のGeisterとなるのが正しい。

・スパロボではいくつか「ガイスト」の単語が使用される機体があるが、そのうちのひとつにギリアム・イェーガーが『ヒーロー戦記』でラスボスを務めた時に乗っていた「XNガイスト」がある。

・SFC『魔装機神LOE』ではサイバスターのディスカッターをフル改造すると、分離・結合機構を持つ大型の剣「バニティリッパー」に変化する。

・スパロボに参戦する場合、サイバスターのゲート開放機能は何らかの理由で使用不能になっている場合が多い。

・マサキは敬語を使えない。無理に使おうとした結果、「謹んで」を「包んで」と言い間違えたことも。なお、光や海も原作では敬語を使ったことがない。

・「背筋をちゃんと伸ばし、目は正面を向き、茶碗を持つ腕は脇をしめ、箸は手首にあまり力を入れず箸先に集中、ご飯を決してこぼさぬように」これが流拳法本家に伝わるご飯の食べ方……と拓馬は母から厳しく教えられている。

・スパロボ30世界の兜甲児は世界でもトップクラスの優れた科学者として名を知られている。

・ドライストレーガーの技術部主任であるメイヴィーはスパロボ30のストーリーの最後に、並行世界から来たキャラクターを元の世界に戻す装置を開発する。元の世界に戻すだけでなく、並行世界間で通信できるという優れもの。

【挿絵について】
使用している挿絵は、ほいみん氏(https://x.com/frosted_hoim_in)に描いて頂きました。
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