ただ一つのシャングリラ〜縛りゲーマー、一度きりの人生に挑まんとす〜 作:ナナシノ
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[ステータス]
PN:ロンミン
LV:1
JOB:歴戦兵
SUB:超人
1528840マーニ
HP:2000
MP:500
STM:30
STR:10
DEX:10
AGI:10
TEC:10
VIT:10(+4000)
LUC:10
[スキル]
通常スキル
職業スキル
・傭兵歴程
フラッシュメモリー
・
・
・
・
・「
[装備]
右:無し
左:覇憧傑刀『無貌』
頭:ポイゾレータ・ハット(+1000)
胴:ポイゾレータ・ドレス(+1000)
腰:ポイゾレータ・フォールド(+1000)
足:ポイゾレータ・ブーツ(+1000)
アクセサリー:格納鍵インベントリア
アクセサリー:
アクセサリー:
アクセサリー:
[特殊状態]
・小さな祝福
・リュカオーンの刻傷
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──うん、今はこんなものかな?
シュトーレン、アクアリエと別れた後。私はその足でアクセサリーショップに行き、レベルキャップ解放によって開けられるようになったスロットを開けて新装備を一通り身に着けた。
装備は一新され充実、スキルもベヒーモス内で取り戻せる分は取り戻した。超人化の対価として失ったものと足し引きプラスと言えるかな?取り敢えずこれが今の私の最高の状態だ。
これからの目標としては、旧大陸最後の街であるフィフティシアへの到達。そしてその道中で失った
あとはレベリングもしておきたいな。フィフティシアで取得できるという「神秘」とかいうのがレベル99を要求するそうだし、3桁に達するくらいには可能ならレベルを上げたい。装備条件がある新装備を着けるためにもレベルアップは必須だし、これはなるべく優先して行うべきか。
「だとしたら……やっぱ、水晶巣崖だよなぁ」
やっぱりあのエリア、レベリングに金策にとプレイヤーに都合良過ぎるよなぁ。"輝晶点穴"に出逢えるのもあそこだし、丁度良いので水晶巣崖に行ける奥古来魂の渓谷を中間目標としよう。目的地であるフィフティシアから見ても、丁度道のりの半分くらいで良い塩梅と言えるだろうし。
──それに、試してみたいこともあるしね。
"
それは、『サンラクから教わった【別離れなく死を憶ふ】の作り方、エクゾーディナリーでも適用できるんじゃないの?』という可能性であった。
「本来必要になるのが、
そもそも、私は黒死の天霊の原種にはまだ出逢ったことが無いし、喪失骸将のエクゾーディナリーだって実在しているかは未確認だ。それでも通り道で試せるのだ、試してみる価値はある。
取り敢えず目標と、道中でやりたいことはこれくらいで出揃ったか?それじゃあセカンディルに向けて出発するとしよう……あ、そういえばセカンディルの武器屋に、真化した私の装備を見せに行く約束があったのを忘れてた。せっかくの他人の後追い無しで自発できたユニークシナリオ、ちゃんとクリアしておかないと勿体無い。
「よし、行くか!」
シュトーレンに誘われて始まった寄り道を終え、私は再び開拓を再開するのだった。
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「ピッ」
「ギャン!!」
「ミッ」
「うーん……中々落ちないなぁ」
ファステイアを出て最初に訪れるエリア、跳梁跋扈の森で私は兎狩りに勤しんでいた。理由は勿論ユニークシナリオEXに繋がるらしい、『致命』武器入手のためである。
刻傷の効果で、レベル1の私より当たり前だがレベルの高いモンスター共は積極的に襲い掛かってくる姿勢を見せてくれる。なのでエンカウント率には困っていないのだが、LUCが下がってしまったこともあって中々目当ての武器は落ちない。
──これで16匹目……30までいってもダメだったら一旦諦めてエリアボスを倒しに行くか。
ヴォーパルバニーを倒しまくったことで、レベルは5にまで上がった。増えたスキルポイントをSTRとLUCに振って、一応これでアモルパレントの装備条件は満たせるようになった。機会があれば何処かで試してみよう。
結局、30匹目のヴォーパルバニーも致命の包丁を落としてはくれなかった。仕方ないのでここは包丁を諦めて、気を取り直してエリアボスを倒しにボスエリアへ向かうのだった。
【エリアボス:『貪食の大蛇』】
【戦闘が開始されます】
「お前と会うのは二度目だな」
「シュロロ……!!」
覇憧傑刀『無貌』を抜き、舌を出し入れし威嚇する貪食の大蛇と向かい合う。今更こんなのに負ける気は微塵もしないのだけど、それでも何があるかは分からない。尻尾からの毒糞には十分に注意して立ち回ることを心掛けよう。
「シャアア!!」
「遅い」
貪食の大蛇の攻撃パターンは、毒糞飛ばし以外は噛みつきと体当たり、尻尾振り回しと遠距離に攻撃する手段を持たない。
普段は奴の攻撃の射程外に位置取って、こちらが攻撃をする時だけ近付きすぐにまた離れる。毒糞にさえ注意していれば、奴の攻撃に被弾する要素は何一つとして無くなる。
「秘剣──『波斬』!」
レベルアップによって再習得したスキルを使いながら、少しずつボスを追い詰めていく。
移動にちょっとした無敵時間を付与する「タップステップ」や、パリィの成功率に補正を掛ける「フラッシュカウンター」、刀での攻撃に補正や追加効果を付与する「秘剣」シリーズなど。
レベルアップが遅れる分、スキルの成長に必要な経験も多く取り込めるので、積極的に使っていけば表記状のレベルに見合わない強力なスキル構成を作ることも可能なのだが……この辺の敵はだいたい無貌の一振りで倒せるような雑魚ばかりなので、勿体無くて使用を躊躇ってしまうのだ。おかげで数は増えても中々強化がされない。
雑魚に使えないなら、一撃では死なないボス相手には使っていくべきだろう。たくさん使って強化と合成をしまくって、スキルリセット前より強い構成を目指すのだ。
「これで、トドメ……ッ!」
傷口を作る「スクーピアス」で喉元を抉り、でき上がった弱点へ「秘剣『竜巻』」の一閃。ここまで多くのダメージを負ってきた貪食の大蛇がその攻撃に耐えられるはずもなく。ボスはポリゴンの塊となって霧散し、私はセカンディルへの通行権を手に入れたのだった。
やっぱり、今の装備だとこんな再序盤のモンスター相手ではオーバースペックだな。初めて戦った時もそうだったけど、ボス戦のチュートリアルも兼ねているからか、攻撃のタイミングや後隙が明白でとても戦いやすい。奥の手の毒糞にさえ気付くことができるなら、少しVRに慣れたプレイヤーならノーコンクリアも難しくはないだろう。
──まぁ……最初の関門としては、丁度良いくらいの強さなんじゃないかな?
何はともあれ、次はセカンディルだ。ユニークシナリオを終わらせてサードレマに進もう。
……
…………
………………
「やぁおっさん、久しぶりだね。いつかの約束を果たしに来たよ」
「おぉ……覚えていたのか。そんなもの忘れて先へ先へと進んでいるもんだと思ってたんだがな」
──いやいや……一度した約束は守るでしょ。ユニークシナリオにまでなってんなら尚更よ。
セカンディルに着いて早速、武器屋に行って店主のおっさんに真化した私の武器──【覇憧傑刀『無貌』】を見せに行った。
おっさん的には、開拓者の性分ならこんな約束無視してさっさと次の街へ進むものだと思っていたようだが……流石に心外過ぎる。守るつもりもないなら最初から約束なんてしないっての。
「これが……あの誰もが持つナマクラから、随分と名刀らしくなったじゃねえか。しかもこれでいてまだまだ成長の余地を残しているときた」
「最後まで強化したら、その時はいったいどんな姿になってるか想像もつかないよねぇ。いや最後まで刀の体裁は保つと思うけど」
上質な刀を目の当たりにして、興奮……ではなく感心を込めて見つめる鍛冶屋のおっさん。匠の仕事を前にして、自分ならどうすればこの境地に至れるのか考えているのだろう。
「……あんたに一つ、頼みたいことがある」
「何だい?」
ユニークシナリオが進行した。おっさんの闘志に燃えるギラついた眼を見れば、何を考えているのかはとても分かりやすい。鍛冶屋が自分の造った物ではない業物を目の当たりにして、対抗心が芽生えないなんてそれこそあり得ないだろう。
「俺もこの歳になって、もうこれ以上自分が成長する芽は無いもんだと思ってた……けど!この刀の出来を見て負けたくないって思っちまった!どうか、どうか俺に……この刀に、この刀を造った鍛冶師に挑戦する機会をくれねえか!?」
「勿論!素材ならたくさんある、何でも提供するから良い物造ってくれよ!」
「それなんだがな……実は、ちょうど試してみたい素材があってな。あんたにはその素材を回収してきて欲しいんだ」
「ほうほう?」
取り敢えず説明を聞いてみる。何でも四駆八駆の沼荒野の坑道の一つが、原因不明の蛇型モンスターの大量発生に襲われたらしい。当然その坑道は放棄され、今は誰も近寄らなくなったそうだが……
蛇達は強く、素材としての質は抜群な上に脅威の排除もできて一石二鳥になる。私なら蛇を倒せると見込んで退治を頼みたいとのことだった。ついでの頼み事にしてはかなり大掛かり、おっさん中々良い性格してるな?
──ユニークシナリオ……【地下に巣食う毒蛇を排除せよ】か。
当然受ける。蛇ということはゴルドゥニーネに関連するシナリオかも知れないし、そうだったら刻傷をどうにかする手掛かりを得られる。アモルパレントの性能をフル発揮できるようにするためにも、この機会を逃してはならないのだ。
「ありがとうよ……これが、例の坑道の場所を示した地図だ。蛇共はこの坑道の最深部に巣食ってる、良い知らせを待ってるからな」
「おうよ、期待して待ってな」
『
FM'sクリサリス"
消費することで、一度訪れたことのある場所にテレポートすることができる……が、実は他にも利用方法がいくつかある。『■■■■■』との出会いもこれがあれば簡単になる。