ただ一つのシャングリラ〜縛りゲーマー、一度きりの人生に挑まんとす〜 作:ナナシノ
「お久しぶり。あれから3日経った訳だけど進捗の方はどうだい?」
「おお、嬢ちゃんか……頼まれた品はしっかりできてるぜ、納品といこうじゃねえか」
色々と別ゲーに手を出している内に、約束した日数が経過したのでログインし確認に来てみたが。どうやらおっさんの様子が前と違う、何だか男として一皮剥けたような……人間としてのレベルがより高い次元に移ったような……
「まずは感謝と謝罪を。あんたが大量の素材を持ち帰ってきてくれたおかげで、俺はそれらを元に試行錯誤を繰り返して腕を上げ──『名匠』を名乗ることを鍛冶ギルドから許された。素材は完成品以外、どれも無駄にしちまったがな……そっちについては本当に済まねえ」
「良いってことよ、その結果おっさんの実力が上がったのなら万々歳さ。そんなことより早くどんなものができたか見せておくれよ!」
おっさんは私の素材を大量に犠牲にして、その結果名匠の資格を得ることができたそうだ。勿体無いと思わないことはないけど、序盤の街に大概の装備は作ってやれる鍛冶師が居るというのは初心者にとっては大変心強いだろうし、そもそもパワーレベリングには金と資源の消費は付き物。失敗したならともかく成功しているので、私から言うことは名匠への昇格おめでとうくらいしか無い。
そして、そんなことよりも私の新装備がどんなものになったのかの方が本題だ。蛇の素材を使って作られた装備……一応槍とハンマーの二つは希望を出しておいたけど他がどうなるか。予想できるのは毒を持つだろうってことくらい……さぁ、いったいどんなものが出てくるのか。
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【蛇槍『金剛牙』】
[カテゴリ]
・槍
[効果]
・『金剛の穂先』:この槍の耐久値は使用以外の方法では減らない。
・『金剛の毒牙』:この槍による攻撃を受けた対象に毒・壊毒を蓄積する。蓄積値が一定値に達した時、対象は状態異常を発症する。
[装備必要ステータス]
・STR80
・DEX50
・AGI50
【
[カテゴリ]
・ハンマー
[効果]
・『透蛇の毒牙』:このハンマーによる攻撃を受けた対象に毒を蓄積させる。蓄積値が一定値に達した時、対象は状態異常を発症する。対象が自身を認識していない時、与えるダメージが増大する。
・『見えざる鉄鎚』:このハンマーは使用者のMPを消費することで、一定時間周囲の景色に溶け込み視認不可能状態になる。この状態でも、使用者はこのハンマーを視認することができる。
[装備必要ステータス]
・STM100
・STR100
・AGI50
【怨蛇の大盾】
[カテゴリ]
・大盾
[効果]
・VIT+10000
・『雷蛇の毒牙』:この盾に触れた対象に、防いだ攻撃と同威力の雷属性の反撃ダメージを与え、更に麻痺毒を蓄積する。蓄積値が一定値に達した時、対象は状態異常を発症する。
・『あなたの盾』:この盾は、持ち主の手に無ければその効果を発揮しない。
[装備必要ステータス]
・STM80
・STR80
・VIT300
【
[カテゴリ]
・アクセサリー:外套
[効果]
・『透明化』:使用者は透明化し、対策を持たない他の存在から視認されなくなる。
・『透蛇の毒牙』:対象が自身を認識していない時に与えるダメージが増大する。
【
[カテゴリ]
・アイテム
[効果]
・斬りつけたプレイヤー・NPCに特殊状態『怨毒』を付与する。怨毒を付与された対象は300秒の間、1秒間に最大HPの25%のダメージを受け各種耐性が低下する。また、怨毒効果中は他の状態変化を上書きする。
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「おお、思ってたよりもたくさんあるね」
「俺の上達がもっと早けりゃあ、もう少し色々と作ってやれたんだがな……取り敢えず、今回はこいつらを受け取ってくれ」
耐久力が落ち難く継戦に長ける槍、有効な使い方がちょっと思いつかないけど透明になれる不意打ち特化のハンマー、反撃能力持ちで受けの性能も高いけど手持ちじゃないとダメな盾、いつでも透明人間になれるマント、そしてどう考えても対人以外を想定していないナイフ。
全部を纏めるとこんな感じか。武器の方は実戦で運用してみればいいとして、気になるのはアクセサリーとアイテムの二つの方だ。特にアイテム……このゴルドゥニーネとの戦いを記録した結晶を加工して作られたこのナイフが関心の的だ。これなら刻傷の無力化が可能になるかもしれないのだから。
「怨毒は、良いも悪いも他の全てを上書きしちまう厄介な毒だ。ただ上書きと言っても怨毒が抜ければ元に戻る、使い方さえ間違えなければ嬢ちゃんの心強い味方になってくれるだろうよ」
「ありがとう、大事に使わせてもらうよ」
「ああ……良い旅路を、願ってるぜ」
「それじゃあねマスター、また会う日まで!」
……
…………
………………
「さて、実験台頼むぜ
早速だが、サードレマへ向かうついでにエリアボスで新装備の力を試してみよう。ゴルドゥニーネ戦で大量の毒蛇と戦ったおかげで、レベルは26まで上がっている。今回の新装備の装備必要ステータスは全て満たせているし、おかげでポイゾレータ一式のバフも必要無い。
懸念点があるとすれば、
──ポイゾレータ一式は毒を無効にするけど、状態異常じゃなくて特殊状態扱いの怨毒は無効をすり抜けて付与できるはず……!
泥掘りを前にして、右手に構えた怨毒包丁を己に突き刺し特殊状態『怨毒』を付与。直前に水晶群蠍の殻を食べて付けたバフとデバフ、小さな祝福とリュカオーンの刻傷が一時的に消失し、全てが怨毒に上書きされてしまう。
狙い通り刻傷は消えた。この状態ならエンチャントなどの外付け強化の恩恵も受けられる、アモルパレントの『
「回復は忘れずに……っと」
──炙り焼きにしてやるぜ、泥掘り!
そのままにしていると4秒で死ぬので、回復は忘れずに行わなければならない。しかし毎回毎回HPを確認して逐一回復するのは面倒なので、回復を代行してくれるアクセサリーを買って、それを一緒に装備してある。【施しの指輪】という名前だ。
HPが30%以下になると、指輪内にセットしたポーションを自動で使用し、回復してくれる指輪型のアクセサリー。どの時点でポーションを使用するかは設定で変えられるので、25%以下になった時に使用するように設定してある。
これでスリップダメージで死ぬ憂いは消えた、戦闘に集中できるようになる。
アモルパレントを構えて、加速スキルを発動し泥掘りに突撃を敢行。律儀にもこちらの準備が終わるまで待ってくれていたので、お礼に先制攻撃をプレゼントしてやった。刃が纏う金色の炎が泥掘りのツルツルした体表を焼き、大きなダメージを与え極大の悲鳴を上げさせる。
──うへ、うるせ……弱点属性だったのかな?
火属性は弱点だったようで、泥掘りは与えられたダメージに激しく身体を捩らせる。陸の魚は火に弱いというのはよくあることだが、どうやらシャンフロでもそのお約束は外さないようだ。
堪らず泥に潜り身を隠す……が、そんなことでは逃がさない。以前に戦った時は奴のハメ技を返り討ちにして倒したが、今回はそれを出させるまでもなく倒してやろう。
「ま、良いか。別に魔眼が無くてもこいつは居場所が分かりやすい部類だし……」
装備の相性の悪さが見えてしまったが、それでも泥掘り程度なら別に問題は無い。姿は見えなくとも泥内を掘り進む音は聞こえるし、近くに居ればその振動も感じられる。奴が何処から私をどう狙って来ようともいつでも対処する用意はできている。
泥内を回って撹乱しているつもりだろうが、私には全て見えているぞ。こちらに近付いて来る瞬間を待って、僅かな攻撃チャンスを逃さずそこへドリルピアッサーをぶち当てる。虹の奔流と黄金の炎でスキルの破壊力は更に上乗せされる、その威力は泥掘り如きに耐えられるようなものではない。
「こっ、こ……じゃあい!」
命中した。泥の深さ的に潜ってる間は判定が消失してるんじゃという疑惑もあったが、シャンフロのシステムには助けられる。
不意打ちのためのタイミングを測っていた泥掘りは螺旋を描く虹と炎の突きを受け、奔流に呑まれ塵となって消えていく。潜ってから最期まで浮上することはなく、自身のホームである泥の中で最期を迎えることとなるのであった。
……
…………
………………
これにて泥掘り撃破完了。サードレマへ進む権利を得て先へ進み、そのまま千紫万紅の樹海窟へ直行しフォスフォシエへ向かう。それで中間目標の水晶巣崖への再到達は達成される……が、その前に樹海窟の探索も一応やっておこう。
前回来た時も、ここはただの通り道だったので脇道はスルーしたし、エリアボスすらアクアリエに任せることでスキップした。このエリアの特徴や良さを全くと言って良い程体感していないし、もしかしたら"
「まだ見ぬモンスターとかはともかくとして、"毒震貴族"にはもう一度会っておきたいんだよなぁ」
"毒震貴族"の不世出の奥義は、ソロであることを強制される代わりにバフの効果量が大きく、尚且つリキャストタイムも短いという便利仕様。クランなどに加入する気が無いプレイヤーなら、誰でも取り得だろう強スキルの一つだ。
成り行きでちょくちょくパーティは組むけど、ソロの時の方が多い私にはよく合っている。できれば再修得しておきたいのだけど……一応エクゾーディナリーだし、そう簡単には出逢えるのかどうかという問題点はある。
──ま、会えなかったらその時はその時だ。
欲しいのはそうだけど、別に必須という訳ではないのであまり固執し過ぎるのも良くない。できたら欲しいくらいで良いのだ。
怨毒の相殺のために大量消費したポーションを補充して街を出るための門へ向かう。今度は蛇槍や大鎚も試してみたいし、透明マントの効果がどれ程のものかも見てみたい。
「そのPN……もしかして、八千代ちゃん?」
「……」
──
暗幕の中の貴婦人は、フードを被ることで自分以外のプレイヤーが居ないチャンネルへ移動できる。しかしフード付きの装備は被ったままだとNPCに怪しまれたり失礼な奴と受けられて、信頼値が下がったりすることがあるので店の中などでは外しておく必要がある……のだが。店を出ても被り直すのを忘れていたせいで、嫌なものに出会ってしまった。
「久しぶりだね……元気、してたかな?」
「……」
好き嫌いだとか、無関心だとかそういうのを通り越して、私の中で最早『敵』以外の何者でもない存在となった女。ティーンならば親の顔より見るだろう顔を精巧に造り上げた、名前に鉛筆の要素が入るプレイヤー……PN『アーサー・ペンシルゴン』こと天音永遠。
シャンフロをやってることは知ってたけど、できることなら逢わずに済ませたかった。そんな相手と鉢合わせてしまったのだった。
本作のペンシルゴンは少し毒気が弱いです。
現在のロンミンのステータス↓
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[ステータス]
PN:ロンミン
LV:28
JOB:歴戦兵
SUB:超人
2445800マーニ
HP:2000
MP:500
STM:135
STR:100
DEX:120
AGI:120
TEC:120
VIT:50
LUC:120
[スキル]
通常スキル
・ドリルピアッサー
・パワースラッシュ
・草薙ノ太刀
・秘剣『剛力』:LV.MAX
・秘剣『烈火』:LV.7
・秘剣『波斬』:LV.9
・秘剣『雷電』:LV.MAX
・秘剣『竜巻』:LV.MAX
・秘剣『反撃ノ構エ』:LV.4
・
・武器防御術:LV.8
・インファイト:LV.1
・ハンド・オブ・フォーチュン:LV.4
・五分蟲魂
・孤狼の渇き
・月天讃歌:LV.1
・死中に活:LV.MAX
・パリングプロテクト
・エスケープランナー:LV.MAX
・アクセル:LV.MAX
・スカイハイ
・ムーンジャンパー
・エッジクライム
・六艘跳び
フラッシュメモリー
・
・
・
・
・「
[装備]
右:無し
左:覇憧傑刀『無貌』
頭:ポイゾレータ・ハット(+1000)
胴:ポイゾレータ・ドレス(+1000)
腰:ポイゾレータ・フォールド(+1000)
足:ポイゾレータ・ブーツ(+1000)
アクセサリー:格納鍵インベントリア
アクセサリー:
アクセサリー:
アクセサリー:
[特殊状態]
・小さな祝福
・リュカオーンの刻傷
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