その後、勇者の姿を見た者はいないの世界へ転生? 作:ミュウにゃん
コンコンとノックをする
ウィリアム「やあ、そうとうお寝坊さんだったね」
デュアン「失礼しました……社長」
ウィリアム「うん、事情はディザスタ君とアステル君から聞いてる……一ヶ月近くも寝てないんじゃ……、ね」
ウィリアムが凄い気まずい顔をしている
デュアン「1日半も寝れば……今回は4ヶ月は持ちますよ」
アステル「いや、寝ろよ!」
ディザスタ「そもそも床でなんで寝てるんですか
イマ「そうそう」
デュアン「いや、女はベットに……男は床で寝る……って聞いたことがあるから」
ウィリアム「頼むから……以後ベットで寝ていてくれ」
デュアン「……寝るのは、ちょっと……ルタの時の二の舞いにならないように警戒はしているんで……これでも」
ウィリアム「君は昔から……まぁいい……そろそろ、来る頃だろう」
すると、ドアが開き・・・シャリーゼ姫が来る
シャリーゼ「初めまして、私はシャリーゼ・グランテールと申します」
イマ「お初にお目に掛かります。シャリーゼ王女殿下」
ディザスタ「初めまして……」
シャリーゼ「これは公の場ではありませんから、そんなに緊張せず、どうか楽になさって」
イマ・ディザスタ「「……」」
シャリーゼ「お二人のことはウィリアムから聞いています。アステルとデュアンと仲良くしてくれてありがとう」
アステル「それで、今日はどうしてここに?」
デュアン「ああ……態々、ここに来たんだ?」
シャリーゼ「……。実は――――」
その時、不意にシャリーゼが紅茶を傾ける―――。
デュアン「(試すつもりか……なら此処は静観だな)」
カチャンと音ともにテーブルを伝って雫の一滴がアステルの膝にこぼれた。
シャリーゼ「まぁ、わたくしったら、ごめんなさいアステル」
アステル「もぉう、何してんだよ。そっちには零れてないか?」
シャリーゼ「――ええ」
慌てふためく表情が一瞬にして冷静沈着な笑みに変わった。
イルゼ「すぐにお取替え致します」
イルゼに礼を告げると、一瞬きしてシャリーゼは再び四人を真っ直ぐに見つめた。
シャリーゼ「一先ずこれにて、ここにいるアステルが勇者アステルと同一人物であると判断します」
アステル「は……?え……?」
アステルに釣られて、イマとディザスタもポカンとした・・・。
デュアン「…………」
ウィリアム「やれやれ……」
デュアン「人は予期せぬ事態が起こったとき、嘘を付いている人間は初動が鈍るものだ」
シャリーゼ「ええ……だから敢えて名を呼びましたが、アステル、貴方はとても自然に応えてくれました」
アステル「え?なに、どういうこと?」
イマ「なるほど、そういう……」
ディザスタ「お姫様、すごい……」
シャリーゼ「ふふ、ごめんなさい、アステル。あなたがあまりに変わってしまっていたので」
デュアン「当たり前だ……こんな小さく女の子になろうが、オレの
アステル「はぁ……。シャリーゼはおっかないなぁ……だけど、一番おっかないのがデュアンだってことにも」
デュアン「オレは一般的な市民だぞ」
ウィリアム「いや……一般的な市民が……アステル君を否定したハーレイ氏にブチ切れて殺して、生き返らせた君は一般的とは……」
デュアン「兄を……いや、今は妹か……息子を信じない親は……死ねば良いとさえ思ってる……オレは、もう縁を切っちまったしな」
ウィリアム「やれやれ」
デュアン「話を切り替えよう」
シャリーゼ「ですね……さてもちろん、事前に話は聞いていましたし、状況的にも真実であるように思えましたが―――つまりは……これから話すことは、それだけ慎重にならねばならない事案であるとご理解下さい……、……さて、少し長い話になりますので、まずは情報共有と認識のすり合わせをさせていただきたく思います」
アステル「んじゃ、まず……この国で何が起こってる?」
シャリーゼ「現在、世界の貿易機能は停止状態にあります……ひとえにそれは、本物の魔物がもたらした恐怖によるものです……アステルとデュアンが魔王を打倒し、半年が経った今でも、残念ながら変わりありません」
イマ「たしかに武器などの調達が難しくなっているとは感じましたが……ですが、これといって私たちの生活は変わっていませんよね?少なくても悪化しているようには感じない……」
デュアン「………」
シャリーゼ「――――はい。例外的な手段を用いて現状を維持するよう働き掛けました」
そこまで酷い状態なのか・・・
ディザスタ「例外的な手段?」
シャリーゼ「5年程前、先王……私の父は階級制度を廃止し、統治上の決定権を民衆を委ねる政策を打ち出しました……王国の更なる発展のため、それは前向きな判断でしたが、貴族階級の反発を避けるため富の再分配については諦めざるを得なかった―――それでも何事もなければ、全てが順調にいくはずでしたが……」
デュアン「そこで魔王が現れて、世界全体が混乱に陥った……だろ?」
シャリーゼ「そうです。結果、貴族たちは莫大な資産を懐に抱えたまま名目上の富裕層となりました」
デュアン「これだから貴族様は嫌いなんだよ……」
イマ「お財布の紐を締めた……お金を使わなくなったということですか?」
シャリーゼ「はい」
デュアン「貴族様は我が身可愛さなのさ……国民のことなんて、結局のところは何にも考えてない……
アステル「……」
イマ「……」
ディザスタ「……」
デュアン「それで、シャリーゼ……例外的な手段ってのはなんだ?」
シャリーゼ「本物の魔物によって貿易が絶たれたことは世界にとって致命的な出来事でした……例え、どんなに栄えた国であろうとも全てを自国内で賄うことはできません」
デュアン「まあ、当たり前だよな……危機的な状態で国同士が争ったら……それこそ滅びの道を進むだけ……シャリーゼが選んだ……例外的な手段ってのは……他国の交渉もしくは……超法的措置……かな?ウォールポストが一番良い例だと思うが……」
シャリーゼ「概ね正解ですね……」
ディザスタ「え……社長さんは貴族、なんですか……?」
デュアン「ウィリアムとシャリーゼは従兄妹関係なんだよ……ウィリアムは色々あって事実上の廃嫡だけど」
イマ「それは……、初耳でした」
アステル「え?そうだったか?」
イマ「では、リゾート経営していたゴヴァンも?」
ウィリアム「いや、あれは実力で成り上がった男だ」
シャリーゼ「―――そう、彼は実行力で貴族たちの心を掴み上流階級へと上り詰めました……しかし、実力で上り詰めた故、我々が提示できるあらゆるものをゴヴァンは受け入れなかった……そして、最後の手段は技術供与を行ったのです」
イマ「技術、供与……?」
ディザスタ「魔法学院の地下にあったあの施設―――!」
デュアン「……(つまり、あれは王国が見つけて、ゴヴァンに渡り、そして魔法学院に置かれたもの……でもあれは、人体の一部を使って、クローンを作り出す機械……知っていたのか?)」
シャリーゼ「ゴヴァンがそれを何に使うか、おおよそ検討が付いていましたが……申し訳……御座いません。結果的に貴方のお母様にあんな目に……そして、デュアン……貴方も重い責を負わせることとなってしまって……」
シャリーゼは項垂れるようにして、ディザスタとオレに頭を下げた。
ディザスタ「……」
デュアン「おいおい……オレはそこまで重い責だとは思ってないよ……ディザスタの母親が無事だったんだから……それでいいじゃないか」
ディザスタ「まだ、割り切れてないですが……でも、悪いのはアノ男ですから」
デュアン「まあ、……ディザスタの母親を拐ったのが……シャリーゼいや貴族連中だとしたら……オレは仲間の為に……拐った犯人全員を100度繰り返す殺しをしなければならなくなる……」
オレは、殺気を放った・・・・
ディザスタ「!!」
イマ「!」
アステル「……」
ウィリアム「……」
シャリーゼ「……、……」
デュアン「……おっと、いけないいけない」
ディザスタ「それよりも、あの技術はグランテール王国独自のものなのですか?あれらはまるで技術形態の異なるものの産物に見えました」
シャリーゼ「それは……詳細は国家の最重要機密事項ですので、現段階ではお話しすることはできません……ですが、一言。ポータルに関するもの……とだけ」
いいや、あれはポータルに関するものじゃない。ん?いや、そうか・・・あれは、クローン培養液だが、もう一つ役割があったな。あの中に入ると、特殊液が浸かり、その液体の中では呼吸出来る・・・って聞いたことがある。つまり惑星脱出にも、死体を腐らずにも出来る。つまりポータルは惑星脱出に使うとしたら、納得がいく。
アステル「本物の魔物について……教えてくれ」
シャリーゼ「皆さんが本物の魔物と呼ぶそれは"Primitive Data Type"と呼称されるものです」
デュアン「Primitive Date Type……(訳すと、類似しない……比喩すると、生物ではないということになる)」
シャリーゼ「原生情報体とでも訳しましょうか……我々はそこから頭文字を取って"
イマ「我々は……?その呼称を最初に考えたのは誰なのですか?」
デュアン「ま……考えるとしたら……ポータルの開発者か、ポータルを作った時代の人間だろう……」
シャリーゼ「ええ……先史文明ではそのように呼ばれていました……しかし、デュアン……貴方は恐ろしいです……たった少ない情報でそこまで……」
ディザスタ「――――っ!」
イマ「待って下さい……、それってつまり……」
アステル「な、なに?何で二人ともビックリしてんの?」
デュアン「分からんか……アステル」
アステル「?」
ウィリアム「驚くべきことにプレデターは先史文明の時代には既にこの星に存在していたということさ」
アステル「じゃあ、魔王も……」
シャリーゼ「魔王がいなくなったことで、間違いなくプレデターの数は減ったのは事実です」
イマ「でも、消えたわけじゃない」
シャリーゼ「はい。これは憶測になりますが、魔王ですらプレデターの一個体であったのかもしれません」
3人『……』
シャリーゼ「ここで一つ、大きな疑問が浮かびます……何故今になってプレデターたちは蘇ったのでしょうか」
イマ「たしかに……」
ディザスタ「つまり何かしらプレデターたちが蘇る出来事となったきっかけがあった。と言うことでしょうか」
シャリーゼ「はい。我々もそう考えています」
デュアン「……(これは言うべきことだろうか?)」
アステル「えっと、ほら、あれじゃないか?昔の勇者が封印してたのが偶然解けちゃった……みたいな」
一同『……』
アステル「な、なんだよ、その可哀想なものを見る目っ!小説とか映画の定番だろっ!」
デュアン「あのな……あんなものを誰が、どこにどうやってドジ込めるって言うんだ?それに……オレだったら、地下に埋めて……そこに、ガッチガチに固めたものを流し込んでから封印するね」
イマ「うんうん……」
ディザスタ「難しい話ばかりで疲れてしまったんですね」
ウィリアム「ぷっ、くくく……」
シャリーゼ「くすくす……。以前はあんなにクールな人だったのに、随分変わりましたね、アステル」
イマ「クール!?それってアステルのことですか?!」
シャリーゼ「ええ。寡黙で清廉な人でしたよ」
デュアン「……(アステルって元々は人見知りなんだよ……とは言えないよな)」
ディザスタ「どうしてこうなっちゃんですか……」
アステル「ヒドイっ!でゅ、デュアン」
デュアン「ええい……オレに抱きつきながら泣くな!男だろ……いや今は女か。お前……肉体が精神に引っ張られてるぞ」
シャリーゼ「デュアンの言う通りですね……でも―――わたくしは、今のアステルの方がずっと好意を持てますよ」
アステル「……っ」
シャリーゼ「―――話を戻しましょう。原因については不明ですが、それまで居なかったはずの存在が再び現れ我々を脅かしていることは事実―――我々は対処しなければならない」
デュアン「……、……」
シャリーゼ「プレデターが人々に齎す恐怖を払拭できなければ世界経済の再興は在り得ません……二度もプレデターを退けた皆さんにもご協力をお願いしたく存じます」
三人は真剣な眼差しで頷く。デュアンを除いて・・・
アステル「それで、オレたちに具体的に何をさせたいんだ?たしかに撃退はしたけど、それだって運が良かったのと……デュアンが居てくれた……と言うか、あちこち回って見つけては退治するなんて到底できっこないぞ」
デュアン「確かに」
オレの神眼も、魔力を使えば無限大の距離を見通せるけど・・・オレの力がバレるのは、最小限にしたい。
シャリーゼ「無論、そんな無謀なことをお願いするつもりはありません。まずは、これまで敵対関係にあったエスタリアとの和睦を推進します。エスタリアは魔王のいた大洞穴に最も近い国家でありながら、その絶大な軍事力で国を守り抜いた実績がある―――。一週間の後、彼の国から物理学の権威としても名高いオズマンド中将のお迎えすることになっています」
デュアン「……(ん?)」
シャリーゼ「皆さん、そしてキャリアー隊の方々全員にその警護をお願いしたいのです」
ディザスタ「重大な役目ですね……」
アステル「正直……デュアン一人でも十分警護可能な気がする」
デュアン「……まあ、否定はしない」
イマ「た、確かに……」
ディザスタ「きっと、敵対した瞬間に敵が死んでるとか……ありえそうです」
シャリーゼ「確かに……デュアンの力なら、島一つ消してしまいますからね……10年前に、とある帝都がデュアンの一つの魔法で、その帝都が地図上から消えましたから」
デュアン「あの時は、キレて魔力制御に失敗して……ああなっただけだ……オレは悪くない」
シャリーゼ「話を戻します。オズマンド中将には皆さんと歳近いお孫さんがいらっしゃるのです」
イマ「そういうことですか」
シャリーゼ「我々に少しでも良い印象を抱いて頂くためにできることはしませんと」
シャリーゼはそこまで言い終えて、緊張のほぐれた笑顔で応えた―――
アステル「はぁ……。プレデター、だっけ?あれと戦うよかマシだけど、それはそれで大変そうだ」
オレは、プレデターと戦ったほうが良いかな。楽しめるから
シャリーゼ「ふふ、そうでもありませんよ。アステルを良く知る人物が協力を名乗り出して下さいましたから」
デュアン「ん?アステルのことを良く知る人物……か」
アステル「え、なに?誰のこと?」
シャリーゼ「それは秘密です♪」
デュアン「ああ……オレ分かっちゃった」
アステル「教えてくれ……デュアン」
シャリーゼ「デュアン……秘密ですよ」
デュアン「……分かりましたよ、シャリーゼ王女殿下」
イルゼ「本日は以上となります―――」
シャリーゼ「――――ところでデュアン。この後、お時間を頂けますか?」
デュアン「……ん?」
ウィリアム「構わないよ。積もる話もあるだろう」
シャリーゼ「それは良かったです。さ、わたくしと一緒に行きましょう……では皆さん、ごきげんよう」
デュアン「……」
そのまま、シャリーゼの後に着いていくことにした・・・・
イマ「社長、デュアンはどこへ……っ」
ウィリアム「あぁ、うん。大丈夫。大事な話があるんだ……少なくても、3人には内緒の、ね」
アステル「オレ達に内緒話?婚約か!」
ディザスタ「!!」
ウィリアム「違う違う……本当に大事な話だ……浮ついた話じゃないことは確かだ」
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オリ主のヒロイン枠は誰の方が良い?
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誰でもいい
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アステル
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イマ
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ディザスター
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ハーレム(3人娘)