美少女ダンジョン管理人と最強ダンジョンライフ!   作:鏡銀鉢

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ダンジョン管理人とデートします!

「いいから早く着替えろ。ほらこれ」

 

 俺がクローゼットから俺の服をてきとうに投げ渡すも、コハクは一瞥しただけだった。

 

 彼女の視線を追うと、そこには俺が自宅ダンジョンを見つけた日に着ていたジャージが転がっていた。

 

「ボク、それがいいな」

 

「おいおいこれジャージじゃないか。干物女御用達の女子力がマイナスカンストデバフ効果まっしぐらの装備だぞ?」

 

「でも初めてマスターがボクと会った時に着ていたのだろ? ボクも同じの着てみたいな。ダメ?」

 

 頬に指先を当てて、こくんと首をかしげながらの上目遣い。

 その可愛さに、俺はNOと言う気力を失った。

 

 ――こいつ、進化してやがる。

 

 俺は心の中で悪態をつきながら、ジャージを手渡した。

 

「じゃ、マスター、ボク着替えるから、ちょっと廊下が待っててね」

 

 ジャージを手にはじけるウィンクをひとつ。

 彼女の生着替えを想像して、俺は慌てて退散した。

 けれどドアを閉める直前。

 

「あ、マスター」

 

 呼び止めておいて何かと思えば、

 

「覗いちゃダメだよ♪」

 

 とびきりの笑顔でそう言った。

 妄想にターボがかかったので、俺は口の中でくちびるを噛みしめながら廊下に逃げた。

 

   ◆

 

 ジャージ姿のコハクに、小学生時代かぶっていた野球帽をかぶせて、俺は街に出た。

 

 すると、コハクはこんな最低の姿でもすれ違う人たちが振り返り、スマホのカメラを向けてきたり、芸能人のお忍びではないかとささやき合っている。

 

 ――これ、ジャージで正解だったな。

 

 コハクは真正の美少女だ。

 メイクもアクセサリーもヘアセットもせず、素のままでも完成された、完璧な美少女。

 

 故に、首から下に何を着せようが、たとえジャージを着ようが、彼女は絶世の美少女なのだ。

 

 人目を引かないわけがない。

 これがもしも、男物でも普通の服だったなら、ナンパ野郎やスカウトマンが列を成していただろう。

 

「流石に外は人間だらけだねぇ」

 

 義務感で何かを探すように、無関心な視線をさまよわせるコハク。

 いかにも、他人に興味がないといった風情だ。

 注目を集めないよう、俺は彼女の手を引いて、デパートへ急いだ。

 すると、俺が手をつかんだ途端、コハクの気だるげな表情がぱっと華やいだ。

 

   ◆

 

 デパートの服売り場につくと、俺はやや前のめりに声掛けをした。

 

「さ、コハク、どれが着たい? 値段は気にしなくていいぞ」

 

 現実味は全くないけれど、一応、億単位で持っている。

 その立役者であるコハクには、全力で還元したい。

 

「家具を買うんじゃないの?」

「いや、せっかくだから服も買おうと思って。ほら、遠慮するなって」

「う~ん、そうだなぁ。あ、じゃあボク、マスターが選んだ服がいい」

 

 名案、とばかりにコハクは手を打つも、俺は一瞬で追い詰められてしまう。

 

「え、そんなお前、俺に女子の服を選べってそれどんな拷問だよ?」

 

 俺がドギマギしながら尋ねると、コハクはにやりと意地悪く笑った。

 

「だってマスター、ボクの外見大好きなんでしょ? このカラダに着せたい服を持ってきてくれたらどんな服でも着てあげる♪」

 

 言って、彼女は爆乳の下で腕を組み、豊満過ぎるモノをぐっと持ち上げ強調させた。

 

 一瞬そちらに視線を奪われてから、俺は体ごとねじるようにして背を向けた。

 

「ふふ、じゃあボクも自分で何着か選ぶから、マスターもお願い。二人で来たんだもん。二人で選ばないとね♪」

 

 指を三本立てたスリーピースとウィンクを残してから、コハクはその場を離れた。

 

 日に日に可愛い仕草のレパートリーが増えているように感じるのは気のせいだろうかと、困惑しながら俺もその場を離れた。

 

 

 しばらくして、俺は試着室の前に戻った。

 すると、コハクも服を手に待っていた。

 

「早かったな」

「うん、すぐ見つかったから」

 

 ――見つかった?

 

 そう言って、コハクは俺から服を受け取り、試着室に入った。

 

 しまったカーテンが開くと、そこにはタイトなズボンに白のノースリーブ姿のコハクが姿を現した。

 

「どーおマスター?」

「んぐっ!?」

 

 普通の服なのに、コハクのそれはあまりに刺激的だった。

 

 まず、ズボンが細いせいで、彼女のセクシーなヒップラインが丸見えで、今にもズボンがはち切れそうな危うさにドキドキしてしまう。

 

 それに、袖の無いノースリーブの肩口から伸びる白く細いすらりとした二の腕と、ちらりと見えるわきの下がエロかった。

 

 くわえて、彼女が誇る、そして自慢であろう、特盛様が、いかんなくそのサイズを主張していた。

 

 そのボリュームには、性別を問わず、注目せざるを得ないだろう。

 

 ――す、すごぃ……。

 

 感動すら覚えるサイズに、服の上からでもわかるほど張りに富んだ美しい丸みを帯びたバストラインに、俺は視線を外せなかった。

 

「はっ!?」

 

 正気に戻って顔を上げると、コハクが勝ち誇った顔で待っていた。

 

「マスターのえっち♪」

「はぐっ」

 

 俺は心に9999のダメージを受けた気がして、胸を押さえた。

 

「えへへ、じゃあ次ね」

 

 そう言ってカーテンを閉めた。

 

 ――見つかったって、ノースリーブを探していたのか……。

 

 確かに今は秋口だけれど、まだまだ残暑もある。

 ノースリーブは悪くない、けれど駄目だ、俺の心臓が持たない。

 

「じゃあ次はボクが探していたやつね」

 

 ――え?

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