【完結】プルシリーズってなんだよ(困惑)   作:すも

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続きです。


精神的BLタグを付けました。申し訳ありませんでした。


申し訳ないが酒盛りしながらAV鑑賞するのはNG

「どういう事ですか父上!」

「ああ、ハウゼリーか……」

 

宇宙世紀0098年、ブッホ・コンツェルンの本社にて社長であるマイッツァー・ロナが突如方針を転換した。それについて息子であるハウゼリー・ロナは納得がいかず父に直談判していた。

 

「私兵部隊であるバーナムの森を解散させ今後は軍事部門から撤退、挙げ句コスモ貴族主義の布教を控える!?何を仰っているのですか!」

 

父親を詰問するハウゼリーは怒りつつも困惑した表情を浮かべていたが当然である。コスモ貴族主義を掲げいずれ選ばれし貴族が統治するコスモ・バビロニアを建国する為日々仕事に邁進していた尊敬する父親が、突如として怖気付いたかのように方針を転換したのだ。これで困惑しない方がおかしいだろう。

 

「父上、一体何を恐れているのですか?」

「……これを読むがいいハウゼリー。地球連邦政府から渡された文書だ」

 

憔悴したような雰囲気を出すマイッツァーから資料を手渡されたハウゼリーは怪訝な表情を浮かべるが、資料を読み始めると徐々に顔色が悪くなっていく。

 

「こ、これは……我々の秘密が詳細に記載されているではないですか。私の知らない情報、恐らく父上しか知らない内容までも…… これが地球連邦政府から送られて来たというのですか!?」

「うむ、渡される際に議長殿から忠告されたよ。地球連邦では個人の主義主張の自由が許されているが、それは地球連邦政府への反逆を許すわけではない。君達が今後も地球連邦に住む人々の為に活動する事を期待する……我々は君達を視ていると」

「警告、ですか」

「ああ、政府は我が社の秘密を全て把握している。その気になれば我が社を潰す事は容易だ。だが我が社がなくなった後の経済への影響を考え残す事にしたのだろう。生殺与奪の権を握られた以上我々はただ従う事しかできん」

「な、なんということだ……!?」

 

もはやコスモ・バビロニアを建国するどころではない事を悟ったハウゼリーは顔面蒼白となる。

 

「何故、何故秘密が漏れたのですか。父上が自分から告白するなどあり得ません。部下が裏切ったとしてもここまで詳細に把握されているなど……いや、まさか……魔女が?」

「ハウゼリーも知っていたか。恐らく魔女の仕業なのだろう。噂では聞いていたが、まさかここまでとはな」

 

最近軍の高官や大企業の社長達が噂している魔女……地球連邦政府が未来を視る事ができるニュータイプの少女を手に入れたという話を聞いていたハウゼリーは噂が本当だった事を知り戦慄する。

 

「滅茶苦茶だ、未来を視るなど無法過ぎる……!魔女がいる限り地球連邦政府に誰も逆らえないのですか!」

「ああ、少なくとも私とお前の代では大人しくせざるを得ないだろう。魔女は元々ネオ・ジオンのクローン兵士だと言う事だが……ネオ・ジオンめ、なんてものを造りだしたのだ」

 

ロナ家の人間達のように、地球連邦政府に反感を持つ人間はニコ(プルツー)の存在を恐れるようになっていた。自分達の行動が視られていると知れば恐れるのも無理はないだろう。

そんな感じで魔女と呼ばれ恐れられているニコは現在何をしていたかというと………………

 

 

 

 

 

「本当に申し訳ありませんでした」

「い、いえ。頭を上げてくださいニコさん。誘惑に乗ってしまった僕も悪いですから……と、とりあえず服を着てください。全裸で土下座されても困ります。僕も服を着ますから」

 

ベッドの上で全裸になって土下座しており、同じく裸になっているカロッゾへひたすら謝罪していた。

 

「私もう二度とお酒飲みません……」

「僕もそうします。お酒って怖いですね……」

 

 

 

時は半日前に遡る。

 

「今回はありがとうございますニコさん。ニュータイプの力を体験できるなんて貴重な経験でした。それにあの未来のバイオ・コンピュータの詳細を知る事ができるとは……技術者冥利に尽きますよ」

「どういたしまして。私がアレを視てもちんぷんかんぷんだけど、視ただけで把握できるとはカロッゾさんスゴイなぁ」

「アハハ、まだまだ未熟ですが、これでも技術者の端くれですので」

 

月にまた出張していたニコはカロッゾの頼みを受けてNT空間で未来の技術を視せていた。革新的な技術を知る事ができたカロッゾは興奮した面持ちでニコに感謝していた。

 

「今回は比較的早めに終わったな~仕事も終わって暇だし他に何か視たいものあるか?特別サービスで視せてあげるぞ?」

「そうですね、これは仕事に関係のない話になりますが……マーサ様に拾われなかった場合の僕の未来を知りたいです」

「あ、それ気になる?」

「ええ、まあ、ニコさんが言うには変なサイボーグ仮面となるらしいですが、そう言われたら気になってしまいまして」

「あー、確かにそれは気になるかぁ」

 

カロッゾから鉄仮面になる未来を視せてほしいと言われ、ニコは気になって当然だなと納得する。

 

「よし!じゃあ視せてやるよ。なら私の部屋に行くか」

「えっ、いえ、女性の部屋に行くのは……ニコさんも不用心ですよ」

「ヘーキヘーキ。カロッゾさんは心が綺麗なのは知ってるし遠慮はいらないって!ほらいくどー」

 

視せないのは可哀想だと思ったニコは遠慮するカロッゾを引きずり、マーサから用意されていた高級ホテルのスイートルームに行く事にしたのであった。

 

 

 

「…………なんで、なんでああなるんですかっ!?」

「なんでやろうなぁ」

 

ニコの部屋にてNTに招待され、自分のIFである鉄仮面となった姿を視たカロッゾはあまりの衝撃に頭を抱えていた。

 

「本当に変なサイボーグ仮面になっているだなんて……!どうしてあんな事に!」

「婿入り先を間違えたんじゃないですかね……?まあもうあんな事にはならないだろうし、カロッゾさんも気にする事はないって」

「それだけじゃありません!自分が善意で行動した結果木星帝国が誕生するなんておかしいですよ!?」

「いや本当になんでああなったんですかね……?アレに関してはカロッゾさん何も悪くないよ」

 

あんまり過ぎる未来に叫び声を上げたカロッゾはグッタリした様子でニコに謝罪する。

 

「……お恥ずかしい姿をお見せして申し訳ありません。自分から視たいと言ったのに、いざ視たらこんな醜態を晒すなんて情けない男ですね」

「……飲もうか」

「えっ?」

「こういう時は飲んで忘れるべきだよ。私達成人だしお酒飲めるだろ?ご主人様が用意した部屋には酒もあったしちょうどいい。高級なお酒が沢山あるから一回飲んでみたかったんだよね〜」

 

前世の経験からこういう時は飲んで騒ぐのが一番だと思ったニコは、ちょうどいい機会だとお酒を出す事にした。

 

「い、いやしかしそういうわけには」

「カロッゾさん酷い顔してるし、放っておけないよ。さあさあ飲んだ飲んだ!愚痴ぐらいは聞いてあげるからさ。私はビールにするけどカロッゾさんは?」

「……ワインでお願いします」

 

とりあえず気を紛らわせたいカロッゾはニコの誘いに乗り、渡されたワインを飲み始めるのであった。

 

 

 

「正直言ってあそこまで酷いとは思っていませんでした。サイボーグ仮面と言っても事故で大怪我してそうなったのかなと想像していたのですが……まさか自分でサイボーグ化するとはショックでした」

「だよねぇ」

 

 

 

「それにラフレシア・プロジェクト。あれは狂気の沙汰ですよ。人類の粛清だなんて自分にそんな資格があるわけないのに……機械になってまで遂行しようとするなんて。同じ自分のはずなのにまったく理解できませんでした」

「うん、まあ、理解できる方が怖いよ」

 

 

 

「マーサ様が僕を拾ったのは、あの未来を防ぐ為に?」

「私が未来を変えてほしいとご主人に頼んだんだよ」

「そうですか……ありがとうございますニコさん。あんな未来にならなくて本当によかったと思います」

 

 

 

「アハハ、ニコさんはあのAV男優のファンなのですね」

「そうだよ〜、私はケツアゴシャアがネットで話題になる前からファンだったんだよね〜。というかカロッゾさんもケツアゴシャア知ってたのか」

「地球圏では有名人ですからね。僕でも知っていますよ」

「無名のAV男優が滅茶苦茶出世したなぁ……あ、そうだ!私ちょうど持ってるから一緒に見ようか」

「え、なんで今持っているんですか?」

「偶に見返してゲラゲラ笑う為に持ってるんだ」

「えぇ……?」

 

 

 

「プッ、こ、これは……初めて実物を見ましたが、確かに迫真の演技ですね。ですが一般に知られている赤い彗星と比較すると違和感が凄くて、何故か笑いが出てきます」

「だろ〜?ケツアゴシャアを見ていると元気になるんだよね。ネットでも人気者になるわけだよ」

 

 

 

「中々……ベッドでの演技も迫真ですね……」

「今まで気にした事なかったけど……確かに……」

 

 

 

「…………………………」

「…………………………」

 

 

 

「…………………………」

「…………………………」

 

 

 

「…………………………」

「…………………………」

 

ケツアゴシャアを見てゲラゲラ笑うつもりが妙な雰囲気になり、そのまま勢いで二人は致したのであった。

 

 

 

「馬鹿なの?」

「はい……」

 

その後ニコ達はマーサに呼び出されていた。

 

「部屋に男を連れ込んで酒盛りした挙げ句、AV鑑賞してそういうムードになったからそのまま致した?馬鹿なの?」

「返す言葉もございません……」

「というか貴方未来が視えるはずでしょ。どうして回避できなかったのよ?」

「いえ、本来はカロッゾさんが部屋を出て特に何も起きるはずがなかったんです……憔悴してて可哀想だったので酒を飲ませて慰めようかと思いまして……それに成人になってお酒が飲めるようになったし、スイートルームには高級なお酒が沢山あったので折角だし飲んでみたいなって」

「馬鹿なの?」

「はい……」

 

あまりにもしょうもない理由にマーサは呆れた顔を浮かべていた。

 

「も、申し訳ありませんマーサ様」

「カロッゾ、貴方には別に怒ってないわ。そこの馬鹿が九割悪いのだからね。ニコ、貴方の未来視には問題ないのね?」

「あ、はい。いつも通り使えます。この後連絡を聞いたマリーから二時間程説教される未来が視えます」

「ああそう。ならいいわ……未来視に問題なければ男女間の問題には口出ししないわ。貴方達は成人なのだしね」

「はい……」

 

とりあえずこの後マリーから説教される未来に恐れ慄くニコは、目の前の事で頭が一杯であり、その後の自分の身にどういう変化が起きるかまだ気付けなかったのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●プルツー(ニコ)

→カロッゾで処女を捨てた女。ションボリしているカロッゾを慰めようと、前世では淫○厨の友人にやって上手くいった「酒盛りして淫○見てゲラゲラ笑って気分を一新させる」という方法は、この世界では上手くいかなかった。ケツアゴシャアがダメだったのだろうか……解せぬ。

 お酒怖いなーもう二度と飲まないぞという決意と、ホモガキの相手させるなんてカロッゾさんには悪い事したな……後でもう一度謝ろうという後悔、マリーの説教怖いよぉという恐怖で思考がぐちゃぐちゃになっている。

 

 

 

●カロッゾ

→この世界ではニコで童貞を捨てた男。鉄仮面のショックが大きくてニコに手を出してしまった。

 こんな事があってもニコについて優しい女性だなと思っている心の綺麗な男である。

 

 

 

●ブッホ・コンツェルン

→地球連邦政府から釘を刺されて大人しくなる。ハウゼリーも内心不満を抱きつつも真っ当に過ごす事になるので暗殺の心配はなくなった。




今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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