『以上を持ちましてジオン共和国は予定通り自治権を放棄し、地球連邦政府に帰属することになりました。市民の皆さんは……』
「ああ……なんという事だ!」
酒場のテレビで報道されているニュースを見てジオン共和国軍人、いや元共和国軍人で現在は地球連邦軍所属のとある大尉は酒を痛飲しつつ大いに嘆いていた。
宇宙世紀100年、宇宙世紀が始まって100年という節目の年であり、ジオン共和国が自治権を放棄し共和国が消滅するという重要な年でもあった。
「大尉、飲み過ぎです。明日の軍務に障ります」
「わかっている、わかっているが今日だけは好きに飲ませてくれ……!」
見かねた部下達が諌めようとするが大尉は酒を飲む事を止めようとはしなかった。酒場を見渡せば大尉と同じように酒を痛飲する人間が少なからず存在していた。彼らはジオン共和国を地球連邦政府に媚を売る売国奴と罵倒する国粋主義者達であり、今回の自治権放棄による共和国消滅という事態について、予定されていたとはいえ実際に共和国が消滅するとなれば彼らが嘆くのも無理はないだろう。
「それだけではない!クソッ、地球連邦め!我らジオンが誇る英雄である赤い彗星を貶めるとは!」
大尉は共和国の自治権放棄だけでなく、もう一つのニュースに対しても憤りを見せていた。大尉がテレビのリモコンを操作しチャンネルを変えると、深夜番組で件のニュースが報道されていた。
『……ネットにて大人気を誇る通称「ケツアゴシャア」ことジョン・スミス氏(仮名)がAV男優を引退しました。引退表明を聞いてどう思いましたか?』
『いやー、彼が引退すると聞いた時は驚きましたね。まあスミス氏もアラフォーですし引退は仕方ありませんよ。AV男優は過酷ですから体力的に難しいと言われたらねぇ』
『そうですね。しかし一介のAV男優が地球圏でここまで有名になるとは今でも信じられません』
『アハハ、私も同じ思いですよ。地球連邦軍の不祥事がきっかけで、こんな形で有名になるとはスミス氏も予想外でしょう。引退後は俳優業に転職するという事ですが、彼には頑張ってほしいですね』
『彼は俳優として成功すると思いますか?』
『悪名は無名に勝るといいますし、彼の知名度を考えたら大丈夫だと思いますよ。それに彼の……プッ、迫真の演技はファンにも好評ですから』
『なるほど確かに。ネットで多数のファンがいる彼なら問題ないでしょうね。なにせサイド3のネット上でも人気があるという事ですし』
「ふざけるなぁ!!」
ケツアゴシャアについての報道を見て大尉は思わず怒号を上げた。
「なにがケツアゴシャアだ!ベッドの上の赤い彗星だ!そもそも全然似ていないではないかっ!」
「大尉!落ち着いてください!大尉!」
憤りを覚える大尉は部下達に止められ少しだけ頭が冷える。
「すまん、熱くなってしまった。クソッ!こうして赤い彗星を貶めるとは地球連邦め陰湿な手を使う。一年戦争の英霊達が今のサイド3を見たらどれほど嘆くだろうか……シャア・アズナブル、貴方は何処にいるのですか。ケツアゴシャアという存在が舐め腐った紛い物が貴方の名誉を毀損しているというのに、貴方は何をしているのですか!」
「大尉……」
大尉は涙を流しながら、何処にいるかもわからない本物のシャア・アズナブルは今何をしているのかと嘆いていた。
『スミス氏の最終作である【さらばベッドの上の赤い彗星~彗星は宇宙の彼方へイク~】は今年10月に発売予定です。ダウンロード販売がメインですが、発売日には月のフォン・ブラウン市内にてスミス氏のサイン入りディスクを数量限定販売するという事で……』
「ああ、こうやって酒場で管を巻く事しかできないとは情けないっ!!」
彼らは共和国の不甲斐なさやケツアゴシャアの存在そのものに憤りつつも、自分達は何も出来ずただ傍観する事しかできない現実を嘆き酒を飲む事を止められなかったのであった。
「パッパ!マンマ!」
「見てカロッゾさん!ドレルが立って歩いてる!私達の事を呼んでる!うちの子マジで天才だってはっきりわかんだね!」
「ええ、そうですねニコさん!この子はきっと立派に育つと思います!」
一方で月のフォン・ブラウン市内に住む
「プルプルプルー!」
「でもこの変わった掛け声は一体なんなのでしょうか?」
「あっ(察し)……ま、まあ淫○厨のホモガキになるよりは遥かにマシだから」
ドレルが謎の掛け声を発してカロッゾを困惑させていたが、事情を察したニコはホモガキよりはマシだとそのままにするのであった。
「アウー」
「おうセシリー、お腹すいたのかぁ~今ママのミルクあげるからなぁ~」
今年になって生まれたドレルの妹であるセシリーは元気な女の子であり、兄のドレルと同じく母親譲りのNTであった。
「あぁ^~セシリーもかわいいなオイ。二人目の時は慣れたのかそこまで痛くなかったなぁ。こうなったらもう一人作ろっかなぁ~私もなぁ~。カロッゾさんはどう思う?」
「アハハ、僕もできればそうしたいですが……ニコさんの負担が大きいですし、流石に少し間を置いた方がいいと思います。ドレルとセシリーが大きくなって学校に入学してからにしましょう」
「あっそっかぁ。それにこのままポンポン産んでいたらいつまでたっても地球に戻れないし暫く我慢しようか」
カロッゾから止められたニコは3人目を作るのは暫く我慢する事にした。
「あぁ~幸せだな私。カロッゾさんがいてドレルとセシリーが生まれて本当に幸せだわ」
「僕も幸せです。ニコさんのような素敵な人と一緒になれて、可愛い子供達も生まれて本当に嬉しいですよ」
「ンンッ!?……お、おう。ありがとうカロッゾさん」
結婚して子供達が生まれても相変わらずニコとカロッゾはイチャつくのであった。
<人物紹介>
●プルツー(ニコ)
→優しい夫と可愛い子供達に囲まれ頭がハッピーハッピーハッピー!になっている。地球に戻る予定がなければ3人目をすぐ作っていたかもしれない。カロッゾとは週5でハッスルしている。お互い若いからね、仕方ないね♂嫁としてはまだまだ未熟だが日々努力しており、家事能力については大分向上している。
未来視については問題なく扱えており、月の女帝や地球連邦政府に定期的に報告している。月に留まっているのでこれ幸いと月の女帝に指示されて、未来から技術をパクる作業を続けている。そのおかげでアナハイムの技術はMSや艦船だけでなくコンピューター等についてもかなり向上した。サナリィなどといったライバル企業は泣いていい。
ケツアゴシャアの引退についてはファンとして惜しみつつも、アラフォーだし引退は仕方ないとして彼の今後の成功を祈る事にした。最終作についてはダウンロード販売の方で我慢する予定。カロッゾと一緒に見るかもしれない。
●カロッゾ
→嫁が中身ホモガキでも愛する人間の鑑。ニコがはっちゃけようとするとやんわりと止めるストッパー役である。彼のおかげで3人目を作るのは暫く延期となった。
ニコと同じ親バカだがダメな時はしっかり叱れるので子供達は健全に成長するだろう。
●ドレル
→両親に愛されすくすく成長している。叔母達に夢の中で可愛がられた結果「プルプルプルー!」という口癖が移ったが、ホモガキになるよりは遥かにマシだから大丈夫だ、問題ない。ニコもいずれ大きく成れば自然と直るだろうと考えているので止める気はない。
ちなみにドレルの「プルプルプルー!」は10歳になって直ったが、その後も非常に嬉しかったりハイテンションになった時につい口から出てしまうのであった。
●セシリー
→ドレルの妹。カロッゾが命名した。兄と同じく叔母達に夢の中で可愛がられているので「プルプルプルー!」が口癖になるのは確定事項である。兄妹揃って仲良く「プルプルプルー!」と言うだろう。
●サイド3(元ジオン共和国)
→宇宙世紀100年となり予定通り自治権を放棄し、ジオン共和国は消滅した。第二次ネオ・ジオン紛争で手札が消滅した以上出来る事は何もなかった模様。共和国解放戦線などといった極小規模なテロ組織ができたものの、特に何かできるわけでもないので地球連邦政府から脅威とみなされず放置されている。
●大尉
→故モナハン・バハロが作った風の会の生き残り。第二次ネオ・ジオン紛争に参加するつもりだったが、新生ネオ・ジオンが何もできずボコボコにされたのも見て戦意を喪失。心が折れて大人しくなり、今では酒場で管を巻く事しかできなくなった。ネットのオモチャになった赤い彗星の帰還を望んでいるが、シャアはエドワウとなってケツアゴシャアのファンになっているので絶対に無理である。もし事実を知ったら憤死するだろう。
●ジオン残党
→ネオ・ジオンが壊滅し、プルシリーズについての情報が地球圏で報道され民衆から支持を無くし、赤い彗星がケツアゴシャアのせいでネットのオモチャになる。その後フル・フロンタルが率いる新生ネオ・ジオンがボコボコにされ壊滅し、フル・フロンタルがネットのオモチャになる。そして火星のジオンマーズが本気になった地球連邦軍にボコボコされ壊滅し、主だったジオン残党はほぼ全て討伐されたのであった。ジオン残党はおしまい!
クソ雑魚テロリスト集団となった今では出来る事はほとんどない。地球連邦軍が予算を確保する為に生かされているだけの連中である。
●ケツアゴ男優
→ジョン・スミス氏(仮名)。本人の安全の為に本名が公開されることはない。アラフォーとなり体力的にAV男優を続けるのが難しいという事で宇宙世紀100年にAV男優を引退する事に。体力的に続けるのが難しいという仕方ない事情なので、彼を裏から支援していた地球連邦政府も引退を認めた。
月のフォン・ブラウン市内にあるAV制作会社で行われた引退式では地球圏からファンが集まってお祭り騒ぎとなった。そこではスペースノイドやアースノイドも共に肩を組んでケツアゴシャアの引退を祝っていた。エドワウも参加した。
最終作である【さらばベッドの上の赤い彗星~彗星は宇宙の彼方へイク~】はAV男優として最後の仕事という事でいつも以上に気合を入れられており、迫真の演技が高く評価された。
AV男優を引退後は俳優業に転職する事を表明しており、迫真の演技が期待されている。
今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。