前回の後書きでも書きましたが次回で本編最終話となります。
「アルベルト、これで教えられる事は全て教えたわ。後は貴方の手腕次第ね」
「はい」
「そう気負わなくてもいいのよ。今の貴方なら上手くやれると思うわ」
宇宙世紀106年、月のフォン・ブラウン市内にあるアナハイム本社にて月の女帝と呼ばれるマーサ・ビスト・カーバインは甥のアルベルト・ビストへ指導を行っていた。
以前のアルベルトなら任せる事はなかっただろうが、
「しかしよろしいのですか?まだまだ壮健だというのに」
「もちろんすぐに辞めるつもりはないわよ。でも私も60代半ば。そろそろ後継者の育成を行わないとマズイでしょう?
アルベルトの疑問に対してマーサは苦笑する。女傑である彼女は今まで精力的に活動していたが、流石による年波には勝てない事を自覚し最近はアルベルト等の後継者の育成に力を入れていた。
「アルベルト、貴方に継がせる仕事は私が持っている仕事のほんの一部。でもその仕事は他より遥かに重要な内容よ。アナハイムの今後、いや下手すれば地球連邦政府と地球圏の今後を左右する事はわかるわね?」
「はい、理解しております」
マーサの問いにアルベルトは真剣な表情を浮かべて答える。マーサがアルベルトに引き継がせようとする仕事は多くはなかったものの、重要度に対しては飛び抜けていた。
「貴方はニコ達と地球連邦政府の窓口となるのよ。未来視による未来観測……それがある限りアナハイムと地球連邦政府は永遠の繁栄が約束されているわ」
「はい」
「そしてその力を管理する事になる貴方は影の権力者として君臨できる。……以前の貴方には荷が重かったけど、今の貴方なら問題ないと判断したわ。私の期待を裏切らないようにしなさい」
「はい!」
臆する事なく力強く答えるアルベルトを見てマーサは満足気な表情を浮かべた。
「フフッ、大丈夫そうね。ところでアルベルト、マリーとは上手くやれているのかしら?」
「ええ、マリーは僕には過ぎた嫁ですよ。アルスから弟が欲しいと言われたので日々頑張ってはいますが……」
「あまり無理しないようにね。ニコ達のように盛るには貴方はもう若くないのだから」
「ア、アハハ……」
ニコとカロッゾがお盛んなのを知る二人は苦笑する。
「ニコはともかくカロッゾも大人しそうな顔してやるわね」
「自分にはとてもできませんね。同じ男として尊敬しますよ」
「カロッゾさんは私には過ぎた人だと思います(小並感)」
「急に何言ってるのお姉ちゃん」
「いやなんか私とカロッゾさんの事を話している気がしてさ」
その頃ニコはマリーと一緒にお茶を飲んでいた。子供達も同伴である。
「行くぞみんな!僕に続けー!プルプルプルー!」
「わかったアルス兄ちゃん!プルプルプルー!」
「「プルプルプルー!」」
ニコの子供のドレルとセシリー、マリーの子供のアルスとミリー達は仲良く遊んでおり、微笑ましい光景にニコとマリーは笑顔を浮かべていた。ちなみに今年ニコが産んだ三人目であるルナは母親の腕の中でスヤスヤと眠っていた。
「よし!皆仲良しで何よりだな!……プルプル言ってるけどまあええやろ」
「うーん、見てる分には可愛いけど大丈夫かな?」
「オリジナル達の口癖が伝染っただけだしヘーキヘーキ。大人になる前には直るだろ」
「それもそうか」
子供達が健やかに育っている事を喜びつつ、奇妙な口癖については特に害があるわけでもないのでニコとマリーは放置する事にしたのであった。
「……思えば遠くまで来たなぁ私達。クローン幼女兵士としてネオ・ジオンで造られて戦場に送り出されて必死に戦い、その後は宇宙を漂流してクソみたいなコロニーに流れ着き、クソ婆の売春宿で金を稼いでいた時から随分と環境が変わったよ」
「……改めて考えるとよく生きてたよね私達」
そしてふと過去を振り返ったニコはよく生きていたなとしみじみとした表情を浮かべ、マリーも同じ表情で同意していた。
「プルツーとして戦ってたけどエゥーゴの連中、特にジュドーの奴が強かったなぁ。最後らへんは本当にヤバかった。殺意のオーラ受けてマザコンお坊ちゃんが発狂死するわ、攻撃がまったく通らないわと無理ゲーだったゾ……いやよく生きてたな私」
「あの時のジュドーさん怖かったね」
「いやまあ私がジュドーの仲間達を殺したせいだからな。あの人間の鑑達が死んだら誰だってブチギレるわ。和解できたのは奇跡だな」
「結婚式を祝えるくらいには仲良くなれたよね。偶に私達の子と、ジュドーさんの子供達で交流もしてるし」
「子供達の仲がいいのはいい事だよ……メアリーが渋い顔してるけどな」
「クソ婆の売春宿も悪くなかったな。フォースのお陰で清い身体のままお金稼げたし」
「売春を強制してくるのは今思えばダメじゃないかな?」
「でもクソ婆は少なくとも人間扱いしてくれてたぞ。ネオ・ジオンの連中に回収されてたら相変わらず戦いの道具扱いだったと思う」
「ああ、確かにね……あの人元気にしてるかな?」
「クソ婆はタフだから問題ないやろ」
「んで、その後はエドワウのオッサンと出会ってララァの姉御に導かれて地球に向かい、マス家に保護され今では地球連邦政府に庇護されてるわけだ。…………ララァの姉御マジパネェっすわ、エドワウのオッサンが特別視するわけだわ。足向けて寝られないなマジで。今度チョコパフェでもお供えしよう」
「うん、ララァさんには感謝しないとね」
「今視える範囲では、地球圏は今後100年程平和を謳歌しているな。最低でも私達が死ぬまでは平和に暮らせるってわけだ。その後については後輩達がなんとかするやろ」
「そうだといいね」
「しかしご主人様に泣きついたのは我ながらファインプレーだったな〜ご主人様と連邦政府がタッグを組んだら未来が劇的によくなったし、やはり世の中金!暴力!権力!だってはっきりわかんだね」
「……ありがとうお姉ちゃん、第一次ネオ・ジオン抗争でお姉ちゃんに命を救われて、その後もずっと助けられてここまできた。私がこうして幸せに生きていけるのはお姉ちゃんのお陰だよ。本当にありがとう」
「別にいいって。私もマリーには助けられてるからお互い様だよ。これからも前向きに生きていこうマリー。とりあえず孫と曾孫の顔を見るまでは頑張ろうな」
「うん、そうだね!」
自分達が幸運である事を再認識した二人は、今後も前向きに生きていこうと決意したのであった。
「おかーさん!マリーおばちゃん!おかーさん達も一緒に追いかけっこしよーよ!」
「お、そうだなセシリー!じゃあみんなで一緒に遊ぼうか!」
「わーい!プルプルプルー!」
「ハッハッハ待てーお前達ー!プルプルプルー!」
「もう、相変わらず子供っぽいんだからお姉ちゃんは……プルプルプルー」
<人物紹介>
●マーサ・ビスト・カーバイン
→月の女帝として君臨するも年なので後継者の指導に力を入れるようになった。アルベルトについては随分成長したものだと感心しており、信頼できる存在として将来重要な仕事を任せる事にした。
●アルベルト
→ロリコンの愛妻家として巷では有名だが本人はまったく気にしていない漢。マリーと結婚して一皮剥けた彼はもう小物ではなく大物である。
マリーとは無理のない範囲でハッスルしている。アルスの弟も近い内にできるだろう。カロッゾについては同じ男として尊敬している。
●プルツー(ニコ)
→呑気なホモガキであり、子供達に誘われ一緒に遊ぶ中でつい「プルプルプルー!」と喋ってしまった20代後半の人妻である。見ていたのは子供達だけなので大丈夫だ、問題ない。
自分の過去を振り返り「よく生きてたな自分……もう一度やれと言われたら絶対無理だわ」と自分が幸運だった事を再確認する。ララァの姉御には今後も頭が上がらない模様。とりあえず自分が生きている間は平和なのでハッピー!その後については後輩達がなんとかしてくれるやろ!と呑気に考えている。
カロッゾとは相変わらずラブラブ。ハッスルについてはマリーに説教されたので週5から週3にまで減らした。まあそれでも4人目はすぐにできるだろう。ニコとしては10人くらいいてもええやろと考えているが、カロッゾが上手く抑えてくれるだろう。多分。
●プルトゥエルブ(マリー)
→夫を立てるよき妻である。姉につられて「プルプルプルー」と喋るがすぐ羞恥心で顔が赤くなった20代後半の人妻である。
今までを振り返って自分が幸運である事を再確認し、あの時自分を救ってくれてその後もずっと助けてくれたニコに深く感謝した。そして夫と今後もずっと一緒にいられるよう、子供達が今後も健やかに成長するようにといるかどうかわからない神に祈るのであった。
●子供達
→ニコとマリーの宝物。今日もみんなで仲良く「プルプルプルー!」と元気一杯である。この口癖は思春期までには一応直るから大丈夫だ、問題ない。成人後も非常に喜んだりハイテンションの時につい「プルプルプルー!」と喋ってしまい、その後自室で悶絶したりするが大丈夫だ、問題ない。赤ん坊の頃から見てくれたプルシリーズの霊達にはずっと頭が上がらない模様。
彼等は今後も平和な宇宙世紀で健やかに育ち、いずれ恋をし、伴侶を得て幸せな人生を送れるだろう。
●宇宙世紀の未来
→劇的○フォーアフターした。あの救いようのない未来がなんということでしょう……コスモ・バビロニアや宇宙戦国時代、木星帝国やザンスカール帝国といったクソみたいなイベントは、アナハイムと地球連邦政府といった金!暴力!権力!な匠達の手によって未然に防がれたのでした。
とりあえず今後最低でも100年程平和なのは確定しておりニコも大満足である。
次回は本編の最終話となります。一度完結させ、その後番外編を幾つか書いていく予定です。駆け足となり申し訳ありません。
今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。