【完結】プルシリーズってなんだよ(困惑)   作:すも

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ふと思いついたIFネタの続きです。


【IFネタ】ケツアゴのサンダーボルト PART03

―こちら第03哨戒艦隊、定期報告……サンダーボルト宙域異常なし―

 

 

 

―気を抜くなよ。近いうちに連邦軍の大規模攻勢が来るのは確実なんだからな……ん?なんだ?今センサーに反応が―

 

 

 

―……敵襲!敵襲!MS隊迎撃急げ!―

 

 

 

―ソ、ソウジ!ミレイ!た、隊長ーーッ!―

 

 

 

―撃て!撃て!近づけるなぁッ!―

 

 

 

―ム、ムサイが……ムサイとパプワがあっという間に……!?―

 

 

 

―に、逃げなky―

 

 

 

「…………以上がMSの残骸から発見した戦闘記録だ。戦闘が始まってからわずか2分足らずで哨戒艦隊が殲滅されたのだ」

 

セイレーン機動艦隊の指令であるクライバー大佐はMSパイロット達を集めて説明を行っていた。

 

「戦闘記録を解析した結果、哨戒艦隊を殲滅したのはたった1機のMSによるものだと判明した」

 

クライバー大佐が説明を続けるなか、パイロット達は重苦しい雰囲気を纏っていた。

 

「フーバー少尉、あれって」

「私語は慎め、今クライバー司令がご説明中だ……お前の予想通りだと思うぞショーン。あの気持ち悪い動きは狩人だろうな」

「……ですよねぇ」

 

(あの特徴的な動き、最小限の動きで攻撃を回避するスタイルは間違いない、狩人だ……狩人がガンダムに乗ったのか)

 

ダリルもガンダムのパイロットがムーアの狩人である事を察していた。

 

「そこのパイロット諸君らは既に察しているようだが、ここに映っている敵MS……ガンダムのパイロットはムーアの狩人である可能性が非常に高い。あのニュータイプにガンダムを渡すとは連邦軍は本気でサンダーボルト宙域を奪還するつもりのようだ。決戦の時はすぐそこまで迫っている!」

 

クライバー大佐はそう言ってパイロット達を見回した。

 

「だが諸君、恐れる必要はない!我々もただ黙ってやられるつもりはない。狩人に対抗するため強力な援軍を呼び寄せた……入れ!」

 

クライバー大佐に促され、3名のMSパイロットが部屋に入室する。

 

「アリス・ヒッカム准尉です!フラナガン機関から出向して参りました!皆さんよろしくお願いします!」

「ビリー・ヒッカム少尉、同じくフラナガン機関から出向しました」

「セバスチャン・モース曹長、お二人の護衛です」

 

十代前半に見える可憐な少女と青年士官、中年の軍人というちぐはぐな3人をパイロット達は興味深い様子で見ていた。

 

「アリス・ヒッカム准尉とビリー・ヒッカム少尉、彼らはフラナガン機関から派遣されたニュータイプである!ニュータイプにはニュータイプで対抗するのだ!彼らが来たからには狩人など恐れるに足らず!」

 

ニュータイプが味方に来てくれたという朗報を聞きパイロット達は顔を明るくする。

 

「このサンダーボルト宙域はア・バオア・クーの補給路として重要な価値がある!断じてここを奪還されるわけにはいかん!ここにいる全員が一丸となって邪悪なる連邦軍に立ち向かい、サンダーボルト宙域を守り抜くのだ!諸君らの奮闘に期待する!!」

 

クライバー大佐の演説が終わりパイロット達は一斉に敬礼をするのであった。

 

 

 

「いやー、一時はどうなるかと思ったがまさかニュータイプの援軍が来るとはなぁ。あの小さなレディは大きくなったら美人になるだろうぜ!」

「フーバー少尉、もうすぐ決戦なんですから口説かないでくださいよ」

「フィッシャー、お前は俺をなんだと思ってるんだ?俺はロリコンじゃないっつーの」

「え、彼女が成人だったら口説いてたんですか?」

「いやショーン、そういう問題じゃなくてな。一介の少尉が噂のフラナガン機関のニュータイプにお近づきになれるわけないだろ……マジで俺の事なんだと思ってるんだお前ら?」

「えーっと、プレイボーイ気取り?」

「ダリル、お前命の恩人だから今の発言は見逃してやるけど、次言ったら修正してやるからな」

 

リビング・デッド師団にて出撃準備をしていたフーバー少尉達は明るい表情で雑談をしていた。ムーアの狩人に対抗できるニュータイプが援軍に来てくれた事はサンダーボルト宙域にいるジオン軍にとって久々の明るいニュースであった。

 

「でもあんな小さな子がニュータイプだなんて……実戦の経験はなさそうでしたし大丈夫なんですかね?」

「心配するなダリル、あの二人はフラナガン機関が自信を持って送り出したニュータイプ様なんだ」

 

ダリル曹長の懸念にフーバー少尉は真面目な表情で答える。

 

「クライバー司令の仰る通りニュータイプにはニュータイプだ……前の戦闘ではこちらのエースパイロットが何もできずにやられちまった。オールドタイプじゃ狩人には対抗できない。同じニュータイプなら最低でも狩人の足止めはしてくれるはずだ」

「そうですね、アイツを足止めしてくれるだけでも随分助かります」

「だろう?サンダーボルト宙域の連邦軍は狩人ともう一人のエース……えーとなんだっけ、不死身のマイクだったか?が脅威だけど、それ以外ははっきり言って雑魚なのはお前らもわかってるだろ?」

 

フーバー少尉の言葉にダリル達は頷いた。サンダーボルト宙域に攻め込む連邦軍はムーアの狩人と不死身のマイケルが脅威ではあるが、それ以外は素人と言ってもいい程度の烏合の衆だというのは今までの戦闘で十分理解していた。

 

「クライバー司令は新しく来たニュータイプ様達を使って狩人を全力で仕留めるおつもりらしい。まあ狩人さえやれば後は消化試合だからな。もう一人のエースは確かに強いが狩人のような理不尽な強さじゃない。囲んで叩けば殺せる強さだ……俺達スナイパーは他の守備隊と協力し、攻撃隊としてやって来るだろう狩人の周囲にいる雑魚達を間引く。狩人はニュータイプ様にお任せするぞ。お前ら気合を入れろよ」

「「「「「了解」」」」」

 

決戦に向けてダリル達は覚悟を決めるのであった。

 

 

 

「ジオングのサイコミュの調子は絶好調です!これならお兄ちゃんの援護がなくても狩人など敵ではありません!」

「アリス」

 

一方その頃、セイレーン機動艦隊では新しく来たアリス准尉達が出撃の準備をしていた。

 

「アリス、相手はサンダーボルト宙域で悪名高いムーアの狩人だ。俺達と同じニュータイプなんだ、相手を侮るんじゃない」

「あ、ごめんなさい」

 

ビリー少尉が窘めるとアリス准尉は素直に謝罪した。

 

「アリス、さっきから主任が呼んでいる。早く行かないと怒られちゃうぞ?」

「あ、そうでした!じゃあ行ってくるねお兄ちゃん!」

「ああ、気を付けてな………………よし、いったな」

 

笑顔で去って行くアリス准尉を手を振って見送ったビリー少尉であったが、彼女の姿が見えなくなると肩の力を抜いて煙草に火をつけた。

 

「ビリー少尉、お疲れ様です。兄としての振る舞いも様になってきましたね」

「まったく勘弁してほしいよ、いきなり兄貴役をやれとかさぁ。あぁ~~煙草が美味くて荒んだ心が癒されるぅ~」

「少尉、煙草を吸うのは個人の自由ですが匂いが軍服に染み付きます。彼女は煙草の匂いが嫌いですし怒られますよ?」

「いや、これくらいは許してくれよ……煙草吸わなきゃやってられないんだよ。5日前にいきなり妹ができた時はストレスが凄かったんだから」

 

心底困ったような表情で煙草を吸うビリー少尉は自分達を派遣したフラナガン機関の研究者達へ不満を覚えていた。

 

「ニュータイプ能力の強化を目的とした調()()による影響で目論見通り能力は強化されたもののアリスの精神は不安定になった。その応急処置として一人の人間に依存するように()調()()した結果精神的に安定、実戦投入が可能となった、か……いやいや、俺の負担を考えてほしいよ。というかあんな小さな子を戦場に出すなと思うのは俺の我儘か?」

「いえ、人間として至極真っ当な考えだと思いますビリー少尉。普通に考えて子供を戦場に出すのは狂っています……ですが戦争では倫理より力を優先されるのですよ」

「ムーアの狩人に対抗する為とはいえ、無茶苦茶だな……本当にジオンに兵なしだなオイ」

「少尉、今の発言は問題ですよ」

「フン!愚痴ぐらい言わせてくれよ」

 

愚痴を吐くビリー少尉はこれから戦う事になるムーアの狩人について思いをはせる。

 

「ムーアの狩人か。戦争序盤からボールに乗って戦い続けたニュータイプ。ボール乗りの時点でMSを10機以上撃墜したエースだったが、MSに乗ってからは驚異的な活躍を見せておりムーアを、いや地球連邦軍を代表するスーパーエースの一人…………それがガンダムに乗って襲ってくるのか。アリスの初陣にはキツ過ぎるぞ」

「弱音を吐かないでください。貴方達なら例え狩人が相手でも勝てると私は信じていますよ」

「気軽に言ってくれるなぁ。まあここまで来たらやるしかないんだけどさぁ」

 

セバスチャン曹長の気休めにビリー少尉は溜息をつきつつ戦いの準備をするのであった。

 

 

 

「……主任、私が言いたい事はわかるはずだ。アリス准尉がムーアの狩人を相手取る間に、ビリー少尉は別働隊と共に後方の連邦軍艦隊を強襲し撃滅すれば例え狩人が生き残っていても我々の勝利だ。いくらニュータイプといえども帰る船がなければ奴も終わりだ」

「で、ですがその場合、アリスが単独行動になります」

「彼女一人で戦わせるつもりはない。セイレーン機動艦隊とリビング・デッド師団による援護がある。別に狩人の撃破ではなく足止めで十分なのだ。それでもダメだというのか?」

「た、大佐。そういう問題ではないのです。アリスはビリー少尉を兄として依存する事で精神的に安定しております。ビリー少尉と引き離したらパニック状態に陥って最悪の場合暴走の危険性が」

 

出撃前のアリス准尉の最終調()()を見ていたクライバー大佐は、アリス准尉とビリー少尉を分けて行動させられないか確認していたが、主任から単独行動は難しいと言われ思わず溜息をついていた。

 

(折角ニュータイプが二人いるというのに!いや、そもそもあのような幼い少女を戦場に出すなど……あの憎たらしいレビルの言う通りではないか!)

 

ジオンの窮状を実感したクライバー大佐は内心憤然としていた。

 

「ご安心くださいクライバー大佐。アリスのニュータイプ能力はあのララァ・スン少尉に次ぐ強さを持ちます。最新鋭のサイコミュが搭載されたジオングに乗った彼女の力があればムーアの狩人など恐れるに足りませんとも」

「そうだといいがな」

 

(なるほどサイコミュ技術については我が軍が未だに優位に立っているだろう。だが乗る人間がいくら能力があるとはいえこれが初の実戦だという素人では……いかんな、女々しく愚痴を言ったところで状況が変わるわけではない。援軍が来ただけでも十分だ……今ある手札で最善を尽くすとしよう)

 

クライバー大佐は必ずや連邦軍の大規模攻勢を防いでみせると改めて決意するのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●クライバー大佐

→援軍のニュータイプが12歳の少女である事に困惑するが、援軍が来ただけでもマシだと思い直した。連邦軍艦隊を襲う別働隊については自分の部下達に任せる事にした。

 

 

 

●ダリル達

→久々の明るいニュースに士気が上がり気合を入れる。

 

 

 

●アリス・ヒッカム准尉

→オリキャラで12歳の美少女ニュータイプで強化人間。乗機はジオング。両親がダイクン派だが謎の事故死で天涯孤独の身となったところをフラナガン機関に()()された。本来戦場に出す予定はなかったが、ケツアゴという脅威に対して危機感を持った軍により対抗策として引っ張り出された。

 元々NTとして高い素養があったが、強化された影響で0.8ララァ並の強さになった。代償としてお兄ちゃん役が必要になったが大丈夫だ、問題ない。これが初めての実戦だが大丈夫だ、問題ない。

 

 

 

●ビリー・ヒッカム少尉

→原作より早くフライング登場した。乗機はサイコミュ高機動試験用ザク。数日前に突然妹が出来て宇宙猫になったが、頑張ってお兄ちゃん役を務めている。少しだけ強化された影響でサイコミュ兵器が少し使えるようになった。

 アリス准尉については無邪気に懐かれているので嫌いではないが、煙草を吸うと怒られるのはちょっと困っているし、こんな小さな子を戦場に出すのは狂っていると思っている。

 

 

 

●セバスチャン・モース曹長

→原作より早くフライング登場。乗機はドム。アリス准尉やビリー少尉の従者のように振る舞っている。いくらニュータイプだからといって小さな子供を戦場に連れ出すのは内心快くは思っていない模様。

 

 

 

●ジオング

→シャアが乗っていたジオング……ではなく予備パーツを搔き集めて作り上げた機体。シャアのジオングの9割程の性能を持ち、サイコミュ兵器については問題なく使える。

 ちなみに仮に赤い彗星がサンダーボルト宙域へ援軍として来た場合、ジオングで無双しムーア同胞団はあっけなく壊滅、クライバー大佐の脳を焼いていた。脳を焼かれたクライバー大佐はシャアの信者となって地球に行く事なく、部下達を連れてシャアに着いて行く形でアクシズに行っていただろう。




完結となりましたがこの後も幾つか番外編を投稿する予定です。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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