【完結】プルシリーズってなんだよ(困惑)   作:すも

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ふと思いついたIFネタの続きで、本編最終話となります。


【IFネタ】ケツアゴのサンダーボルト PART07(完)

―こちらリポーターのアンジーです!現在サイド4の再建されたムーアから中継をしております。ご覧ください!先の一年戦争で活躍したムーア同胞団の勇者達が街道をパレードしており……―

 

宇宙世紀0080年6月、地球圏にあるサイド4のムーアにてムーア同胞団がパレードを行っていた。サイド4は一年戦争初期にジオンの攻撃によって壊滅していたが、戦争が終結し地球連邦政府やフレミング財団が再建に力を入れた事でサイド4の再建が進んでいた。

 

サイド4の首都にあたるムーアでは戦勝記念としてムーア同胞団のパレードが行われ、街道には群衆が歓声を上げてムーア同胞団を称えていた。

 

―あちらに見えるパレードの先頭を進むMS達はムーアが誇るエースパイロット達!不死身のマイケルことマイケル・ジョンソン大尉、ムーアの狩人ジョン・スミス中尉、稲妻のイオことイオ・フレミング少尉達です!―

 

「俺までエースパイロット扱いとはね、隊長達に比べたら大した事ないってのに」

「そんな事はないぞフレミング少尉、少尉の活躍はエースパイロットとして称えられて当然だ」

「ジョンの言う通りだぜ少尉、お前も俺達2人と同じムーア同胞団が誇るエースパイロットなんだから胸を張れ!」

 

ジム・コマンドに乗って街道を進むフレミング少尉は自分もエースパイロット扱いされている事に苦笑していたが、スミス中尉とマイケル隊長はフレミング少尉も立派なエースだとして胸を張れと指示する。

 

 

 

―その後ろを進むのはムーア同胞団を勝利に導いたムーアの戦姫ことクローディア・ペール大佐達が……―

 

「恥ずかしいわね、なによムーアの戦姫って。私はお飾りの艦長だというのに……まあお飾りはお飾りらしく黙って見世物になるとしましょうか」

「そう自分を卑下しなくてもよろしいかと。艦長は与えられた責務を果たしました。お飾りなどではありませんよ」

「そう言ってもらえると嬉しいわ副長」

 

 

 

―……ムーアの英雄達が手を振っております!ムーア再建の為、地球連邦への命懸けの貢献をした勇者達が手を振ってます!―

 

「え、英雄って。僕達1回しか戦場に出てないのになぁ」

「カール、そんな事言っちゃダメ。私達も立派な戦友だって艦長や隊長も言ってたでしょ?散っていった皆の分もしっかりしなくちゃ」

「そ、そうだね。ゴメンよアリシア」

 

「おーおー、イチャついてるよお二人さん。あの様子だと結婚したら彼氏の方は確実に尻に敷かれるだろうな!」

「班長、彼らはまだ中学生ですよ?結婚とか早過ぎますって」

「あ、コーネリアスの言う通りだったわ。じゃあ今夜のパーティーの後でゴムを渡すのはやめた方がいいか」

「班長、それは余計なお世話ですよ。というかセクハラで訴えられても文句言えませんよ?」

 

 

 

 

 

「マイケル・ジョンソン大尉、ジョン・スミス中尉、イオ・フレミング少尉!前へ!」

 

パレードが進みムーア中心部にて停止したムーア同胞団はムーア政府から勲章を授与されていた。

 

「貴方達はムーアの誇りです。これからもムーアの為に貢献し続ける事を期待しているわ」

「「「はっ!」」」

 

フレミング少尉の姉でありフレミング財団を纏めている女傑ことキャシー・フレミングからムーア特別貢献勲章を授与された3人は敬礼を返す。その後クローディア艦長等にも勲章が授与されていき、最後にムーア同胞団の高官による演説が行われた。

 

「同胞団の諸君!今までよく戦ってくれた!ムーアと地球連邦政府は君達の働きを決して忘れない……」

 

高官の演説が大詰めを迎える。準備していた儀仗兵達が銃を構え、超大型モニターの電源が点いた。

 

「……そしてムーアの為にその身を捧げた英霊達に対して……敬礼ッ!」

 

儀仗兵達が空砲を撃って弔銃とし、大型モニターにはムーア同胞団の戦死者達が映し出された。ムーア同胞団のメンバーは一斉に敬礼し、群衆は黙とうを捧げる。

 

「う、ううっ……」

「デ、デイジー泣いちゃダメだよ。これテレビ中継されてるんだから」

「ご、ごめんなさい。でも、でもぉ……」

 

「ハッ、ハハハ。チビ達が泣きそうになってやがるぜ」

「班長だって泣いてるじゃないですか」

「コーネリアス、お前だってそうじゃないかよぉ」

 

散っていった戦友達を想い思わず涙する者が続出したが無理もないだろう。

 

(戦友達よ、見ているか?私達は戦争を生き延びてムーア再建を進めている。後の事は私達に任せて安心して眠ってくれ……)

 

スミス中尉は一筋の涙を流しながら戦死した仲間達を弔いつつ祈るのであった。

 

 

 

 

 

「「「「「乾杯ッ!!」」」」」

 

パレードが終わりムーア首長府にてムーア同胞団がパーティーを行っていた。

 

「お前ら飲め飲め!フレミング財団様が用意してくださったご馳走だ!地球産の高級食材をふんだんに使った料理に地球産の高級酒!今後味わえるかわからんから目一杯堪能しろ!」

「うおおおおスゲェ!ゴチになりますフレミング少尉!」

「いや俺に礼を言われても困るんだけどな。俺が用意したわけじゃないし」

 

「おい見ろ!このビール地球の有名ブランド物だぞ!」

「うおマジだ!…………くぅ~~ッ、軍の酒保で売ってる発泡酒とはレベルが違うぜ!酒についてはよくわかんないけど!」

「あれ高い割に微妙なんだよなぁ。これ飲んだらあの発泡酒飲めないわ」

 

「おいチビ達!お前らも飲め!今夜は無礼講だ、地球産の酒なんて今後飲めるかわからんぞ!」

「いや班長、中学生に飲酒を勧めるのはマズいですって!」

「あのなぁコーネリアス、コロニー落としで地球の醸造所は殆どが壊滅したんだぞ。残ってる所も地球環境が滅茶苦茶になったせいで戦争前の品質を保てないって話だ。マジで今逃したら今後飲めるか怪しいんだ、記念に少しくらい飲んだっていいだろ!」

 

「貴様らァ!ガキに飲酒を勧めるなァ!……あの馬鹿共の言う事は無視しろ。お前達ガキはコーラでも飲むのがお似合いだ。酒は大人になってからにしておけ。そうだ、そこのスイーツは富裕層が食べる高級スイーツだ、遠慮せず食べるといい」

「は、はい副長……あ、おいしい!」

「うわぁ、ドーナツでもいつも食べてるのとは全然違うや。少しくらい持ち帰れないかな?」

「カール、みっともないからそんな事しないで」

「フフッ、心配しなくてもパーティーが終わったらお土産を渡されるわ。それで我慢して頂戴ね?」

「え、ホントですか艦長!やったぁ!」

 

ムーア同胞団のメンバーは明るい表情を浮かべながらパーティーを楽しむのであった。

 

 

 

「……貴様ァ、俺の話を聞いてるのかぁジョン」

「え、ええ、聞いておりますグラハムおじさん」

 

時間が経ち酒を飲んで酔っぱらって倒れるメンバーが続々と出てくる中、スミス中尉は酔っぱらったグラハム副長に絡まれていた。

 

「再建されたコロニーで家に帰宅したらな?何が待ち受けていたと思う?笑顔を浮かべる妻と娘が迎えてくれたんだ。まあそれはいい、戦争を生き延びて家族が待つ家に帰れたんだ。何も言う事はないさ」

「は、はぁ」

「だが家の壁には貴様のポスターがでかでかと貼り付けられ!娘の部屋は貴様のブロマイドとグッズだらけ!貴様の事は家族の恩人として感謝しているが、それとこれとは話が別だ!家にいても居心地が悪いんだぞ!」

「その、申し訳ございません」

「だったら責任を取って俺の娘と結婚しろ!」

「おじさん、私としてもティナちゃんの事は小さい頃から知っておりますし、大切に思っていますが、結婚はまだ出来ませんよ」

「貴様ァ!俺の娘の何が不満だと言うんだァ!」

「いやティナちゃんはまだ中学生じゃないですか」

 

「うわぁ、絡み酒とは大変ですね中尉。でも副長の娘さんか。どんな顔してるんだろうな」

「なんだ気になるのかフレミング少尉。この写真に写ってる真ん中の娘さんだよ」

「あ、なかなかかわいい顔立ちしてますね。これは大人になったら美人になりますよ」

「貴様にはやらんぞぉフレミング少尉ィ!」

「うわこっちに矛先が向かってきやがった!じゃあ退散しますね」

 

スミス中尉は苦笑しつつも小さい頃から世話になっているグラハム副長の相手をするのであった。

 

 

 

「……あー、そうだ、ほら、あれだ。ジョン、お前はムーア同胞団から地球連邦軍本部へ出向する事になったよな?」

「ええ、ハンフリー大佐直轄の部下になります」

 

スミス中尉はこの後地球連邦軍本部へ出向する事が決まっていた。酔っぱらったグラハム副長は意識が朦朧としつつもスミス中尉へ言葉を掛ける。

 

「チッ、ニュータイプだか、ニャータイプだか、ミュータントだか知らんが……貴様は断じて新人類なんかじゃない!ただ妙に勘がいいだけの普通の人間だ!」

「ええ、自覚しております」

「そうだ!貴様が新人類など片腹痛い!お前はムーア同胞団の代表なんだから調子に乗って恥をさらすんじゃないぞ!そして偶には帰ってこい!というか俺の娘を引き取って早く孫の顔を見せろ!」

「ハハハ、まだ早いですよ。彼女が成人したら必ず迎えに行きましょう」

「フン!言ったな!約束を反故したら俺が貴様を殺してやるからなァ!……話は終わりだ!以上!」

 

そう言ってテーブルに突っ伏したグラハム副長は酔い潰れていびきをかき始めたのであった。

 

「やれやれ、酔っ払いの相手ご苦労だったなジョン……副長の言う通りだ。お前の事だからヘマはしないだろうが、ムーア同胞団代表として頑張ってくれ。そして偶には帰ってこいよ?」

「はい隊長、わかっております。戦争で両親を亡くした自分ですが、こんな自分にも帰りを待ってくれる人達がいる……とても嬉しいですよ」

 

戦争で手に入れたかけがえのない仲間達の為にも、故郷ムーアの為にも今後も全力で職務に邁進する事をスミス中尉は改めて誓うのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●ジョン・スミス(ケツアゴ)

→ムーア同胞団の誇るスーパーエース、地球連邦軍でも指折りのエースとして有名人になる。サンボル世界では定年を迎えるまで軍人を続ける事になった。

 一年戦争での撃墜戦果はMS151機、艦船15隻(その内ボールでの戦果はMS15機、艦船2隻)であり、連邦軍内において2位である。アムロより上だが一年戦争序盤から戦っていたケツアゴと、戦っていた期間が3ヶ月程度のアムロでは条件が違うので比較できない。というかケツアゴの戦果は雑魚狩りの結果であり、ジオンの名だたるスーパーエース達と戦い続けたアムロには到底敵うわけないのだ。仮にケツアゴと全盛期アムロが戦えばケツアゴは防戦一方となり時間稼ぎしかできないだろう。

 NTはプロパガンダだとテレビの取材で断言したせいか地球連邦政府から警戒されず、軟禁される事もなく軍人として活動しており、ハンフリー大佐からは優秀な手駒として重宝されている。

 そして数年後に家族ぐるみの付き合いがあった少女と結婚した。結婚式にはムーア同胞団のメンバー達が駆け付け、娘の父親は号泣し、テレビで結婚式がニュースになるなど大変騒がしい事になった模様。

 ケツアゴの後日談を書く予定。

 

 

 

●マイケル・ジョンソン隊長

→ムーア同胞団のエースパイロットとしてムーアを守っている。ケツアゴが時折戻ってきたらよく一緒に飲みに行くらしい。

 一年戦争での撃墜戦果はMS55機、艦船8隻(その内ボールでの戦果はMS5機)である。

 

 

 

●イオ・フレミング

→ムーア同胞団のエースとして稲妻のイオというあだ名が付いた。あだ名はサンダーボルト宙域から取ったが安直だとクローディアとコーネリアスから笑われ憮然とする。同胞団のメンバーから仲間として受け入れられた事を喜び、居心地がいいムーア同胞団に残って軍人として活動している。仕事中にジャズを聞いてマイケル隊長からよく怒られている。

 一年戦争での撃墜戦果はMS17機、艦船3隻である。本人曰くア・バオア・クーでの雑魚狩りの結果であり、別に誇れるものではないと謙遜している。

 イオとクローディア、コーネリアス達の話も後日談で書く予定。

 

 

 

●グラハム副長

→酔っ払ってベラベラ喋ったことを恥じる。一年戦争での戦功を評価され昇進しビーハイブの艦長を任され、ムーア同胞団の一員として故郷ムーアを守っている。

 娘の反抗期にショックを受けたりしたが、数年後娘が家族ぐるみの付き合いがあった男と結婚し号泣。そして生まれた孫を抱いて大いに号泣した。孫達の事は溺愛しており、よく妻と娘から窘められている。

 

 

 

●ムーア同胞団

→故郷ムーアの為に戦った英雄達としてムーアの住民からは尊敬の対象になっている。戦後もムーアを護る為にコロニーの駐留艦隊の一員として活動している。




これにてケツアゴのサンダーボルトの本編を終了とします。ちょっとしたネタのつもりでしたが無事完結まで書けました。色々と稚拙な内容でしたが読者の皆様はここまで読んでくださり本当にありがとうございました。



あと3話程後日談を書いてケツアゴのサンダーボルトを終わらせる予定です。予定としてはイオ達とムーア同胞団の後日談、ジオンサイドとしてダリル達などの後日談、そしてケツアゴの後日談となる予定です。



完結となりましたがこの後も幾つか番外編を投稿する予定です。今後は少しずつ投稿していく予定ですがよろしくお願いします。
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