『蝋塗れの手で』~元ガチ勢の俺が、ぬるま湯バトル部に入った結果、皆と「課題」に向き合うことになった話~   作:rairaibou(風)

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40-揺らぎの夜

 放課後の陽射しが、校舎を柔らかく染め上げていた。グラウンドではまだ何人かの生徒たちが声を張り上げ、体育館からはボールの弾む音が微かに響いてくる。そんな活気を背中に感じながら、モーリは静かに部室のドアを開けた。

 

 部室の中は、外の喧騒とは対照的にひっそりと静まっていた。

 窓際の机には紙束が並び、そこに傾きかけた午後の陽射しがオレンジ色のベールをかけている。

 

 そこには既にサイトーが待っていた。

 

「よっ、モーリ。座れ」

 

 サイトーは軽快な声をかけながら、筋肉質な腕を組んで椅子にもたれていた。快活な印象の体育会系の女性だが、今は手元の仮レギュラー表を真剣な面持ちで眺めている。

 

 促され、モーリは静かに向かいの椅子に腰を下ろす。胸の内には、まだ拭いきれない迷いがくすぶっていた。

 

「今日、仮だけどレギュラー決めるぞ」

 

 サイトーはそう言って、手元の紙をトントンと整える。普段は冗談を飛ばすタイプだが、このときばかりは真剣そのものだった。

 モーリは表に視線を落とした。そこには、彼が何度も頭の中でシミュレーションしてきたメンバーの名前が並んでいる。

 

 実力だけで見れば、セラをレギュラーに入れるべきだ。バッジを六つ持つという単純な実力は、もしかすれば自分以外のすべての部員よりも上回っているかもしれない。

 

 だが。

 

 ムラナカ、タケダ、オーアサ、コウヌ。

 

 苦しいときも、笑ったときも、共に過ごしてきた仲間たちだ。ここまで一緒にやってきたからこそ、最後の夏をこのメンバーで戦いたいと思ってしまう。

 勝つためだけなら、情は捨てるべきだと頭ではわかっている。だが、どうしても心が割り切れなかった。

 

 そんな迷いを、モーリは素直に口にする。

 

「正直、セラを入れたほうがいいってわかってます。でも、どうしても、このメンバーで戦いたいって思っちゃうんです」

 

 言い終えたあと、モーリはうつむいた。自分の甘さをさらけ出すようで、少しだけ恥ずかしかった。

 

 しかし、サイトーはにっと笑った。

 

「それでいいんだよ」

 

 快活で、けれど優しい声だった。

 

「部活は教育だ。勝つためだけの場所じゃない。自然な感情だよ。思い入れのある仲間と戦いたいって思うのは当然だ」

 

 サイトーは机に肘をつき、真剣な眼差しで続けた。

 

「それにな、モーリ。そうやって迷えるやつがリーダーやってるチームのほうが、よっぽど強いんだ」

 

 モーリは目を見開いた。思ってもみなかった言葉だった。

 

「最後に責任取るのはあたしだから。お前は、自分の信じたメンバーで行け」

 

 サイトーの言葉に、胸の奥にあった重たいものが、少しだけほどけていく感覚があった。

 

「じゃあ、今のメンバーで行きます」

 

 モーリは静かに、けれど確かに頷いた。

 

 二人でホワイトボードに仮レギュラー表を貼る。ムラナカ、タケダ、オーアサ、コウヌ。

 そして、補欠にセラ。

 

 名前の並びを見つめながら、モーリは心の中で小さく誓った。

 

 このメンバーで、最高の夏を迎えたい。

 

 

 

 

 夕方、グラウンドに部員たちが集められた。夏の陽射しが傾き、空気には熱と埃が混じっている。

 

 部員たちは整列しながらも落ち着きなくざわつき、誰もが発表を前にして緊張していた。

 

 サイトーが立ち上がり、はっきりとした声で言った。

 

「レギュラーを発表するぞ。先鋒、オーアサ。次鋒、コウヌ。中堅、ムラナカ。副将、タケダ。大将、モーリ。補欠、セラ」

 

 一瞬、周囲にざわめきが走る。セラの名前が補欠に呼ばれたことに、何人かが顔を見合わせ、動揺を隠せなかった。

 

 だが、サイトーがわずかに睨みを効かせると、空気はすぐに静まった。誰も口には出さないが、ピリリとした緊張が走る。

 

 モーリはその様子を横で見守りながら視線を巡らせた。汗を拭う者、頷く者、目を伏せる者。それぞれの反応が見える中で、セラがこちらをじっと見つめ、表情を僅かに硬くしているのに気づいた。

 

 その視線を受け止めながら、モーリは胸の奥にわだかまる苦味を飲み込んだ。

 

 

 ☆

 

 

 解散後、モーリは迷わずセラに歩み寄った。

 

「セラ」

 

 呼びかけに、セラは一度だけ小さくため息をつき、ポケットに手を突っ込んだまま振り向いた。

 

「なるべく態度に出さないようにしてたんですけど」

 

 拗ねたような声音だったが、怒っているわけではないとモーリにはわかった。むしろ、その奥にある悔しさが痛いほど伝わってきた。

 

「理解はしてますよ」

 

 セラの目はまだ鋭さを残していたが、口調には諦めと、ほんの少しの信頼が混じっていた。

 

 モーリは一呼吸置いてから、まっすぐに告げる。

 

「俺が決めたんだ」

 

 セラは少し黙り込み、それからわずかに口元を緩めた。

 

「まあ、モーリさんが決めたことなら」

 

 その一言に、どこか悔しさと、同時に信頼の色が滲んでいた。モーリはその背中を見送りながら、静かに拳を握りしめた。

 

 

 

 

 金曜日の夕方、週末を控えた部活後。

 

 モーリたちは自然な流れで連れ立ち、街へと繰り出していた。週末に差しかかるこの時間帯は、部活動仲間同士が集まって気軽に遊ぶ、そんな恒例のひとときだ。普段はそれぞれの忙しさに流されがちな面々も、今日は特別な夜を共有しようという空気に満ちている。

 

 カラオケボックスに着いた頃には、街の灯りが宵闇に沈み始めていた。

 

 モーリたちは一台の広めの部屋に押し込まれるようにして入った。モーリ、スズモト、タケダ、ムラナカ、コウヌ、オーアサ、セラ。誰もがどこか浮き足立ったような表情を浮かべ、飲み物のメニューを手に取りながら、はしゃいだ声を交わしていた。

 

 モーリは室内の冷気に肩をすくめながらも、内心では穏やかな高揚感を覚えていた。こんなふうに、全員でがやがやと集まって笑い合えるのは、もうそう長くはない。受験、卒業、それぞれの進路。終わりは、確実に近づいている。

 

「いやあ、セラには新人戦があるッスよ~!」

 

 最初に空気を破ったのはコウヌだった。わざとらしく肩をすくめてみせながら、にやにやとセラをからかう。

 

「もしセラがレギュラー入るなら、抜けるの俺ッスかねぇ~」

「フミ兄勘弁してください」

 

 即座にセラが噛みつき、周囲がどっと沸いて笑い声が広がった。

 

 自然な、くだらない、けれどかけがえのない時間だった。

 

 モーリは、セラの顔にほんの少しだけ残る悔しさを察したが、それでも彼が場に馴染もうとしている努力を感じ取り、心の中で小さく頷いた。

 

 そのままコウヌがマイクを奪うようにして曲を入れる。ノリのいいメロディが流れ、彼は全身を使って無邪気に歌い始めた。

 

「駐車場のパモが、欠伸をしながら~♪」

 

 どこか間の抜けた歌詞に、スズモトが顔を赤らめながら笑い、タケダが手を叩いて喜び、ムラナカはテーブルに突っ伏して肩を震わせた。オーアサは、リズムに合わせて指で机を叩き、セラはわざと興味なさげにそっぽを向いていたが、口元が緩んでいるのをモーリは見逃さなかった。

 

 モーリはマイクを取ることなく、ドリンクを片手にその光景を眺めていた。誰も彼もが、今だけは年齢も肩書きも忘れ、無邪気な子供のようだった。

 

 笑い声、照れ隠しのような歌声、カラオケ機材の機械音。全てが、遠ざかっていくような感覚を覚える。

 

 自分は、果たしてこの輪の中にちゃんといるのか。それとも、既にどこか遠くを見ているのか。

 

 そんな、かすかな寂しさと、それでもこの時間を胸に刻もうとする微かな決意が、モーリの胸をかすめた。

 

 

 

 

 しばらくして、盛り上がりがひと段落したタイミングだった。

 

 部屋には、カラオケ機材が流す無音の空白と、みんなの息づかいだけが漂っていた。

 

「そういやさー、最近、学校で変な噂あるっすよ」

 

 コウヌがドリンクをすすりながら、思い出したように口を開いた。途端に、わずかな緊張が場を覆う。誰もが半ば期待するような顔で彼を見た。

 

「七不思議ですよ七不思議」

 

 オーアサが間髪入れずに続け、わざとらしく目を見開いて脅かす素振りを見せる。

 

「最近、グラウンドの鉄棒、夜中にギィギィ音がするんですって」

 

 静かに耳を傾けていたスズモトが、小さな悲鳴を上げてドリンクをぎゅっと抱きしめた。

 

「やめてぇ……ほんとに怖いから」

 

 それに対して、周囲からまた笑いが起きたが、その笑い声にはどこか湿ったものが混じっていた。カラオケルームの明るい照明の下でも、妙に背筋が寒くなるような、そんな感覚が漂っている。

 

「でもさあ、それ地味じゃない?」

 

 ムラナカがズゾゾゾと残り少ないドリンクを吸い込みながら、わざと馬鹿にするような声色で言った。

 

「せっかくおばけになったのにやることが鉄棒ギシギシって、僕ならもっと派手なことできるよ」

 

「例えばどうするんスか?」

 

 オーアサが身を乗り出して尋ねると、ムラナカはしばらく思案顔をしてから、にやりと笑った。

 

「そうだなあ、上履きに赤いペンキつけて、校舎中に足跡つけるとか」

 

「それ、おばけ関係ないじゃないっすか! 今からでもできるっすよ!」

 

 ムラナカとコウヌが楽しげに言い争いを始め、タケダとスズモトも肩を寄せ合ってくすくす笑う。その輪の外側で、モーリはふっと肩の力を抜き、静かに呟いた。

 

「ゴーストタイプのいたずらだろ」

 

 現実的すぎる一言に、場がわずかに冷えたような気がした。

 

「モーリさん、つまらないですぅ!」

 

 タケダが頬をぷくっと膨らませて抗議する。

 

「でも、それだったらまた別のところでやばくないですか」と、セラが珍しく真面目な顔で呟いた。

 

「ヤバいゴーストタイプがウチを縄張りにしてるってことでしょ?」

 

 一瞬、全員の動きが止まり、誰かが無意識に喉を鳴らす音が聞こえた。

 

「まあ、それはそうか」

 

 モーリは静かに頷き、少しだけ視線を下げた。その言葉に宿る現実味が、じわじわとカラオケルームの空気を変えていくようだった。

 

 

 

 

 二時間があっという間に過ぎた。最初のうちは誰もが遠慮がちに選曲していたが、次第にテンションが上がり、マイクの奪い合いが始まり、無邪気な笑い声が絶えなかった。

 

 気づけばモーリも数曲歌わされ、タケダの意外な高音、オーアサの妙に渋いバラード、コウヌの妙なアドリブなど、場はすっかり打ち解けた空気に包まれていた。

 

 店員がドアをノックし「お時間です」と丁寧に告げたとき、誰もが名残惜しそうに顔を見合わせた。

 

「もうそんな時間かー」「早っ!」と口々に言いながらも、飲みかけのドリンクを手早く片づけ、荷物をまとめて席を立った。

 

 最後に誰かがふざけて「次は優勝祝いに来ような!」と声を上げ、それに対して「マジでな!」と笑い合いながら、モーリたちはカラオケボックスの外へと歩み出る。

 

 カラオケボックスを出たときには、空気がひんやりと肌にまとわりついていた。夜の街は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返り、街灯がアスファルトに淡い光の島を落としている。

 

 自然な流れで、それぞれの方向へ散っていく仲間たちを見送りながら、モーリは隣に立つスズモトに声をかけた。

 

「送るよ」

 

 ぽつりと告げると、スズモトは驚いたように瞬きをしてから、ふわりと笑った。

 

「うん、ありがとう」

 

 二人は並んで歩き出した。靴音が夜道に規則正しく響く。

 スズモトは、カラオケの余韻にまだ浸っているようで、弾んだ声をあげた。

 

「今日、楽しかったね」

 

「ああ」

 

 モーリも素直に頷いた。短い返事だったが、気持ちは同じだった。

 だが二人共、このように楽しい時間が永遠に続くことがないことを理解もしている。

 

 しばらく歩いたところで、スズモトがふと思い出したように顔を上げる。

 

「あ、そうだ、モーリ君。今流行ってる戦略パターン見せたいなって思ってたんだ」

 

 そう言って、肩から提げたカバンをごそごそと探り始める。

 だが、しばらくして手を止めたスズモトの顔から、見る見るうちに笑みが消えた。

 

「あれ?」

 

 もう一度、カバンの中をまさぐる。筆箱、財布、メモ帳、しかし肝心のものが見つからない。

 

「ない、ない」

 

 焦りを含んだ声で繰り返しながら、スズモトはその場に立ち尽くした。

 モーリも立ち止まり、心配そうに彼女を見る。

 

「どうした?」

 

「端末、ない、かも」

 

 顔色を失ったスズモトが、小さな声で告げる。

 

「多分、部室に置きっぱなし、かも」

 

 思い出すように呟いた彼女の声には、明らかな絶望が滲んでいた。何よりそれに心当たりがあるのだろう。

 

「でもまあ部室にあるんなら大丈夫だろう」

 

 何でも無いようにそう呟いたモーリに「うん、だけど」と、スズモトが漏らす。

 

「この土日は戦略とか、色々考えようと思ってたのに」

 

 スズモトがか細い声で呟く。彼女の目は不安と焦りに揺れていた。モーリはそんな彼女の横顔を見ながら、内心でこの状況の重みを噛み締めている。

 

 だが。

 

 夜の学校。

 

 そして、鉄棒の幽霊の噂。

 

 スズモトの顔がみるみる曇っていく。

 

「でも、夜の学校って、無理かも」

 

 さっきまで明るかった彼女の声が、今は震えている。

 

 ぎゅっとカバンを胸に抱き、スズモトは泣きそうな顔でモーリを見上げた。

 

「モーリ君、お願い。一緒に来て」

 

 夜風に震える小さな声。モーリはしばし無言でスズモトを見つめた。

 

 内心では「だからそんなのゴーストタイプのいたずらだって」と言いかけた。

 けれど、ふと脳裏に浮かんだ情景が、彼の言葉を飲み込ませた。

 

 あの日。

 草むらでフシギダネを抱え、必死にオニドリルから身を守ろうとしていたスズモト。

 誰かの助けが必要だったあのとき、彼女は無防備で、小さかった。

 たとえ今夜、待ち受けているのがゴーストタイプのポケモンだとしても。

 

 モーリは静かに息を吐き、言った。

 

「わかった、行こう」

 

 スズモトは一瞬ぽかんとし、それからパッと顔を明るくした。

 

「ありがとう、モーリ君」

 

 ほっとしたように微笑む彼女に、モーリはそっと目を細めた。

 

 夜の空気が、少しだけ冷たく感じた。

 

 

 

 

 夜風が吹き抜ける中、モーリとスズモトは肩を寄せ合うようにして、ひっそりと佇む学校にたどり着いた。

 

 昼間は生徒たちの声と笑顔で賑わっていた校舎も、今はすっかり冷たい闇に呑まれ、窓ガラスがぼんやりと鈍い光をたたえていた。廊下の向こうに見える非常灯の緑色の明かりだけが、かろうじて建物の輪郭を照らしている。

 

 校庭に立ち並ぶポールやベンチも、今はどこか不気味な影を落としている。空気はひんやりと湿り気を帯び、虫の声がか細く遠くで響き、夜の静けさを一層際立たせていた。

 

 モーリはリュックの肩紐を引き直しながら、心のどこかで覚悟を決めるように深呼吸をひとつした。スズモトも隣で不安げに唇を噛みながら、歩みを止めかけては、モーリをちらりと見上げた。

 

 ふたりは言葉もなく正門へ近づいたが、当然のように施錠されていた。

 

「やっぱり無理かな」

 

 スズモトが不安げに呟く。

 

 モーリは迷いなく、静かに言った。

 

「裏から行こう。簡単に入れる」

 

 促されるままにスズモトも頷き、ふたりは人気のない校舎裏へと回り込んだ。

 

 

 

 

 裏門に到着すると、そこには背丈ほどの低いフェンスがぽつんと立っている。

 

 モーリは慣れた手つきでモンスターボールを取り出し、ひとつを軽く放った。

 

「行け、ブニャット」

 

 光の中から現れたブニャットは、体格に似合わぬしなやかさで、フェンスをひょいと跳び越える。重たそうな身体とは裏腹に、着地もまるで猫のように静かだった。

 

 モーリもそれに続くように、軽やかにフェンスを乗り越えた。特に苦労はしなかった。

 

 フェンスの向こう側から振り返ると、スズモトがカバンを胸に抱えて立ち尽くしている。

 

「来いよ」

 

 モーリが手招きするが、スズモトはフェンスに手をかけて必死に登ろうとするものの、うまくいかない。

 

 見かねたモーリが言った。

 

「フシギダネのボール、貸して」

 

 スズモトは少し戸惑いながらも、フェンス越しにモンスターボールを差し出した。モーリはそれを受け取ると、素早くボールを開き、フシギダネを繰り出す。

 

「フシギダネ、ツル伸ばして、スズモトを支えてやれ」

 

 小さなフシギダネが、しっかりと頷き、ツルをすっと伸ばす。スズモトはそのツルを頼りに、再びフェンスに手をかける。

 

 今度は少しずつよじ登ることができた。フェンスの頂点まで来たスズモトに、モーリが手を伸ばす。

 

「ほら、手、取れ」

「う、うん!」

 

 恐る恐る手を伸ばすスズモトの指先をモーリが掴み、ぐっと引き寄せる。

 

 だが、フェンスから地面に降りる直前、スズモトの足がバランスを崩した。

 

「あっ」

 

 軽い悲鳴とともに、スズモトの足がもつれ、そのまま勢いよくモーリに覆いかぶさるように倒れ込む。

 

 ドサッという鈍い音。

 

 モーリは背中を地面に打ちつけ、スズモトの重みをまともに受け止める形になった。

 だが、別に背中の痛みが強いわけではなかった。そこはグラウンド、少なくともコンクリートに比べれば柔らかい。

 

 だが、顔。

 

 至近距離。

 

 ふたりの鼻先が触れそうなほど近づき、互いの息遣いが肌を撫でる。

 

 モーリは思わず息を止めた。スズモトも、目を丸くしたまま動けずにいる。

 静寂の中で、心臓の鼓動だけがやたらと大きく響いた。

 こんなにも近くで、スズモトの柔らかな髪の香りを感じたのは初めてだった。

 

 一瞬、時間が止まった。

 

「ご、ごめん!」

「ごめん!」

 

 ふたりは同時に叫び、慌てて身体を離した。

 

 スズモトはバランスを崩しながら尻もちをつき、モーリは反射的に立ち上がる。

 その拍子に、彼女の手がモーリの袖をぎゅっと掴む形になり、また慌てて離した。

 

 これほどまでに近づいたのは、もしかしたら初めてだったかもしれない。

 

 立ち上がりながら、モーリはわざとらしく大きく咳払いをひとつした。スズモトも顔を真っ赤にして、服の埃を払うふりをしていた。

 

 ふと視線を横に向けると、ブニャットとフシギダネがこちらをじっと見ている。

 しかも、どちらも妙にジトッとした目つきで。

 

「何だよ」

 

 モーリは小さく呟き、ぶっきらぼうに顔をそらした。スズモトも、恥ずかしそうに小さく笑った。

 

 

 

 

 フェンスを越えたモーリたちは、夜の校庭へと踏み出した。

 

 闇に沈んだグラウンドは、昼間とはまるで別世界だ。芝生を踏みしめるたび、靴底がザッ、ザッと乾いた音を立てる。

 

 モーリの隣で、スズモトはフシギダネを胸に抱きかかえ、ぎゅっと身を縮めて歩いていた。顔を上げるたび、どこか怯えたように周囲を見回している。

 

 彼女の足元ではブニャットがフスフスと鼻息を鳴らしながら巨体を揺らしている。

 

 その様子は頼もしく見えたが、スズモトはその時、ふと、思ったことがあるように、ポツリと口を開いた。

 

「ブニャットって、ノーマルタイプだよね。ゴーストタイプに攻撃、できないんじゃないかな」

 

 不安げな声だった。

 彼女の言う通り、ノーマルタイプの攻撃はゴーストタイプに効果はない。

 だが、モーリはちらりと彼女を見やり、軽く肩をすくめる。

 

「大丈夫だよ」

 

 それだけ答え、歩調を緩めることなく進む。

 

 その時、闇の中からふわりと何かが浮かび上がった。

 黒い靄のような影、ガスじょうポケモン、ゴースだった。

 

 ニタリと笑う口元が、冷たく二人を狙う。ゴースは空気を割るように、音もなく急接近してきた。

 スズモトが小さく息を呑み、フシギダネを抱えた腕に力を込めた。

 モーリは即座に声を上げる。

 

「『シャドークロー』!」

 

 呼応するように、ブニャットが鋭く地を蹴った。

 巨体とは思えない軽やかさで、空を裂くように爪を振るう。

 

 影をまとった一撃『シャドークロー』がゴースに直撃し、ゴースは空中でかすれた声を上げながら、霧散するように闇へ消える。

 

 モーリは肩の力を抜き、軽く笑った。

 

「ノーマルタイプの小器用さ、舐めたら駄目だぞ」

 

 スズモトはほっと胸を撫で下ろし、小さく笑った。

 

「また助けられちゃったね」

 

 フシギダネを抱き直しながら、安心した様子で隣に並んだ。

 

 

 

 

 

 

 ふたりは再び歩き出した。

 

 目指すのは校舎ではない。グラウンドの端に並ぶ、無機質なコンクリートの建物群部室棟だった。

 

 モーリは小声で指さした。

 

「あそこだ。部室棟の非常口なら開いてるはず」

 

 人気のない裏手へ回り込む。夜露に濡れた芝生が靴に絡みつき、冷たさが足元から伝わってくる。

 ドアノブを握り、試しに押すと、ぎいっとわずかに軋む音を立てて開いた。

 モーリとスズモトは顔を見合わせた後、素早く中へ滑り込んだ。

 

 部室棟の中は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。

 

 非常灯の緑色の光だけが、細長い影を床に落とし、どこまでも続く廊下を不気味に照らしている。

 

 ふたりの靴音だけが、響き渡る冷たい空間を刻んでいた。

 

 部室棟の一番奥、ポケモンバトル部の部室にたどり着くと、スズモトはカバンに手を伸ばした。鍵束を取り出し、小さく震える指先で慎重に鍵穴を探す。

 

「貸して」

 

 モーリが小声で言い、スズモトから鍵を受け取った。周囲に気を配りながら、ゆっくりと鍵を回す。

 

 カチリ、と小さな音を立ててロックが外れた。

 

 モーリは手早くドアを押し開け、隙間から中を覗き込む。特に異変はない。手でスズモトを促し、二人はそっと部室内に足を踏み入れた。

 

 部室の空気はひんやりと澱んでいたが、見慣れた雑然とした景色は昼間と変わっていなかった。机の上にはバトルプランのメモや参考書が山積みになり、隅には練習用の道具が雑多に置かれている。

 

 スズモトはすぐに机の間を探し回り、小さな叫び声をあげた。

 

「あった!」

 

 彼女は嬉しそうに端末を拾い上げ、胸に抱きしめるようにして抱えた。

 

 フシギダネも小さく鳴き、スズモトの肩にそっとツルを伸ばして寄り添った。

 

 モーリはホッとしたように息をつき、周囲に目を配りながら言った。

 

「よし、帰ろう」

 

 スズモトも小さく頷き、フシギダネを抱え直した。

 

 

 

 

 部室棟の非常口を抜けると、冷たい夜気が一気に肌を撫でた。

 すでにカラオケでの熱気は収まっている。

 

 モーリとスズモトは無言で校庭へと向かう。スズモトはフシギダネを胸に抱きしめたまま、モーリのすぐ後ろをついてくる。ブニャットも静かにその背後を歩いていた。

 

 非常灯の光も届かない校庭は、真っ暗だった。風がグラウンド脇の金網を微かに揺らし、かすかな音を立てる。緊張を紛らわせるかのように、モーリは自然と歩幅を速めた。スズモトも、それに合わせて小走り気味になる。

 

 そのときだった。

 

 金属がきしむような不気味な音が、夜空を裂いた。

 

 スズモトがぴたりと立ち止まり、モーリの袖をぎゅっと掴んだ。フシギダネも警戒するように耳をぴくりと動かしている。

 

 モーリは声を出さずに、音の方へ顔を向けた。

 

 校庭の隅、鉄棒のある場所。そこに、動く影があった。

 

 暗闇の中、大車輪を描く人影。

 

 一瞬、モーリの背筋が強張った。だが、すぐに見慣れたシルエットに気づいた。

 

 思わず呟いた声が、夜に吸い込まれる。

 

 その瞬間。

 

「おおい! 何やってるんだ!」

 

 勢いよく鉄棒を回っていたサイトーが、こちらに向かって声を張り上げた。

 

 グルングルンとその長身が鉄棒を回りながら言うものだから、妙なグラデーションとなってその声が二人に届く。

 

 まさに絶句している二人を意に介さず、サイトーはそのまま手を離した。

 

 空中で身体を捻りながらひと回転、完璧な姿勢で砂場に着地する。

 

 夜の校庭に、砂を踏む乾いた音が響いた。

 

 スズモトはぽかんと口を開けたまま固まっている。

 モーリも驚きながら、なんとか声を絞り出した。

 

「それ、こっちの台詞ですって」

 

 脱力したように呟きながら、思わず頭をかいた。

 

 

 

 

 砂を踏む音が消えると、サイトーがこちらへ歩み寄ってきた。

 

 腕をぶんぶん振りながら、少し息を弾ませている。だが、その表情はどこか嬉しそうだった。

 

「何だ何だお前ら」

 

 モーリが気まずそうに頭をかきながら答える。

 

「スズモトが端末を忘れちゃって。それを取りに来たんです」

 

 スズモトも小さく頷きながら、フシギダネをぎゅっと抱き直した。

 

「なるほど、端末を忘れたのか」

 

 サイトーはモーリたちを見下ろし、納得したように頷いた。

 

 モーリは手持ち無沙汰に頭をかきながら「はい」とだけ答えた。

 隣でスズモトがフシギダネを抱えたまま、小さく身を縮める。

 

「正当な理由なら警備員さんに言えば開けてくれるぞ校門」

 

 サイトーはそんな二人を見て、にやりと笑った。

 

「勘弁してくれよ、お前ら二人がこんな時間に部室棟から出てくるとか、先生普通に気まずいやつかと思ったぞ」

 

 言われた瞬間、スズモトの顔がみるみる赤くなる。

 

「そ、そんなんじゃないですよ!」

 

 慌てて否定する声が、夜の校庭に響いた。

 モーリは半分呆れ、半分照れ隠しのように口を開いた。

 

「そんなことより、先生こそ何やってたんですか」

 

 少しだけ眉をひそめながら問うと、サイトーはさらりと答えた。

 

「鉄棒だよ」

 

 あまりにも即答だったので、モーリは一瞬言葉を失った。

 ややあって、肩を落としながらぼやく。

 

「それは見ればわかりますよ」

 

 スズモトが苦笑しながら頷く。

 

 

 

 

 夜風が吹き抜ける中、三人と二匹はゆっくりと校舎の方へ歩き始めた。

 

 スズモトはフシギダネを胸にぎゅっと抱きしめ、モーリはブニャットと並んで歩く。月明かりが校庭をぼんやり照らしており、ふたりの長い影が地面に伸びた。

 

 サイトーは、手に持っていた体操用のプロテクターをひらひら振って見せた。

 

「知ってるか? 体操選手は鉄棒やるとき、こういうプロテクターを付けるんだぞ」

 

 得意げな顔だった。

 モーリは半眼になりながら「いや、それは知りませんでしたけど」と返す。

 スズモトも控えめに笑った。

 

 サイトーはさらに、歩きながら続ける。

 

「今日はもう仕事終わりだったんだ。最近な、仕事の後にちょっと運動してから帰るようにしてるんだよ」

 

 そう言ったサイトーの背中には、まだどこか少年のような無邪気さが滲んでいた。

 

 サイトーはにかっと笑いながら振り返った。

 

「送っていくよ」

 

 モーリとスズモトは、自然に頷いていた。

 

 モーリは無言でその後ろ姿を見つめた。なんとなく、胸の中の緊張が、すっと溶けるような気がした。

 スズモトも、ふわりと肩の力を抜いた。

 

 そうか。グラウンドに出た幽霊の噂、あれは、全部この人だったんだ。

 

 

 

 

 駐車場へ向かう間も、夜の静けさが二人を包み込んでいた。サイトーの軽快な足取りに、モーリとスズモトも少し早足でついていく。体育会系らしい無骨なセダンが暗がりに待っていた。

 

 サイトーが運転席に乗り込み、エンジンをかける。モーリとスズモトは後部座席に並んで座った。

 

「でも先生、先生ってバレーボール部だったんですよね」

 

 スズモトがふと、興味を隠せない様子で問いかけた。

 

 サイトーはハンドルに手を置いたまま、少しだけ間を置いた。エンジンの低い振動音だけが静かに車内に響く。

 

 やがて車をゆっくりと発進させながら、口を開いた。

 

「先生な、子供の頃は体操選手になりたかったんだ」

 

 前方を見据えたまま、懐かしむような声だった。

 

「漫画のヒロインに憧れてな。鉄棒とか鞍馬とか、小学生の頃は結構成績も良かったんだぞ」

 

 モーリは隣のスズモトがじっと耳を傾けているのを感じながら、前を向いた。

 

「だけどな、小五くらいからだ。どんどん身長が伸びちまって。無理やり続けてたけど、中学に入る頃にはとてもじゃないが続けられなかった」

 

 サイトーは苦笑交じりに肩をすくめた。

 

「教室の男子全員よりデカいし、コーチよりもデカかったからな」

 

 助手席越しに見える後ろ姿は、どこか遠い記憶を見つめているようだった。

 

「だから今でも、無性にやりたくなるんだよ。大車輪」

 

 

 

 

 車内に柔らかな沈黙が流れる中、モーリは迷った末に口を開いた。

 

「先生」

 

 前を見据えたまま運転していたサイトーが、ミラー越しにちらりとモーリを見た。

 

「バレーは、いつからだったんですか」

 

 問いかけたモーリの声は、思ったよりも静かだった。

 サイトーは短く息を吐きながら、ハンドルを切る。

 

「中学二年からだよ」

 

 カーブを曲がりながらの応答だったが、その声にはどこか温かみがあった。

 モーリはさらに少しだけ勇気を出して、踏み込んだ。

 

「……楽しかった、ですか」

 

 サイトーはすぐには答えなかった。

 車は静かに住宅街へと入り、街灯の明かりがフロントガラスを斜めに流れる。

 やがてサイトーは、慎重に言葉を選ぶように答えた。

 

「楽しかったよ」

 

 穏やかに、だが力強く。

 

「何をやるかじゃない。誰とやるかが大事だ。中学でも高校でも、仲間といい時間を過ごせた。勝ったり負けたり、騒いだり、夢中になれた」

 

 一拍置いて続ける。

 

「お前だって、そうだったろ」

 

 モーリは助手席越しに、サイトーの横顔を見つめた。

 

「まあ、あのまま身長が伸びずに体操を続けられた世界と比べたら、どっちが良かったかなんて、たぶん一生わからない」

 

「まあ、あれだよ」と、サイトーは続ける。

 

「自分がやりたいことをずっとできるとは限らないということだ」

 

 サイトーは、ハンドルに添えた手に力を込めるように言った。

 

「ただまあ、私は幸せだと思うよ。今だって、この生活は悪くない、これから忙しくなるしな」

 

 話題が終わり、車内は再び沈黙となった。

 

 

 

 

 車はスズモトの家の前で静かに停まった。

 後部座席から降りる前に、スズモトは丁寧に頭を下げる。

 

「ありがとうございました」

 

 フシギダネを抱え直し、彼女は少しだけ恥ずかしそうにモーリに手を振った。その仕草をモーリは軽く手を挙げて返す。

 

 ドアがパタンと閉まる。スズモトの背中が自宅へと消えていくのを見届けると、車内に再び静けさが戻った。

 運転席にはサイトー。助手席にはモーリだけが残された。

 

 サイトーはギアを入れ直し、車を静かに発進させた。エンジンの音だけが、低く車内に響いている。

 街灯の光がゆっくりと車窓を流れるのを眺めながら、モーリは胸の中で何度も言葉を整理した。

 

 彼自身、進路についてのメリットもデメリットも、既に十分理解していた。それでもなお、誰かの言葉を聞きたいと思った。

 

 自分ひとりで納得してしまうには、まだ何かが足りなかった。

 

 意を決して、静かな声を車内に響かせる。

 

「先生なら、どうしますか」

 

 サイトーは少しだけモーリを見やって、穏やかに頷いた。その問いの真意を完全に理解した上で、言葉を紡ぐ。

 

「今の私なら、考えるまでもなくタマ大の推薦に飛びつく」

 

 言葉に迷いはなかった。サイトーは淡々と続ける。

 

「もちろん、共通テストは気を抜けないが、お前なら十分クリアできるだろう。それに、もしポケモンリーグに挑戦することを選んだとしても、タマ大に籍を置いておくのは悪くない。むしろ、かなり有利になるはずだ。施設も、人脈も、何より時間もな」

 

 論理的で、大人らしい意見だった。モーリはただ小さく頷いた。

 

 それを見て、サイトーは微かに表情を和らげる。

 

「だがな、もし私がお前と同じ歳の頃だったら、きっと同じように悩んだと思う」

 

 サイトーはカーブをゆっくりと曲がりながら、前をじっと見据える。

 

「アスリートにとっての四年間は特別だ。その時間をどう使うかで、人生は大きく変わる。選ぶのが怖いのは当然だ」

 

 その言葉に、モーリは視線を膝の上に落とした。膝の上で軽く拳を握り、再び言葉を探す。

 

「俺、アスリートとしての寿命が怖いわけじゃないんです」

 

 モーリは慎重に続ける。初めて言葉にする感情を、慎重に外へと送り出すように。

 

「ただ、大学に行くことで、何かこの気持ちに揺らぎが生まれるような気がして、それが怖いんです」

 

 胸の奥底に眠っていた正直な不安が、静かに吐き出された。

 車内に、柔らかな沈黙が流れる。

 やがてサイトーが、静かな、しかし揺るぎない声で返した。

 

「揺らいだなら、それまでなんじゃないか」

 

 モーリは僅かに視線を上げた。サイトーの言葉は厳しくもなく、ただ静かにモーリの胸に染みていった。

 

「誰だって、何かを決めるときには揺らぐ。だけどそれは、弱さじゃない。揺れたらまた自分を支え直せばいい」

 

 サイトーは、穏やかな表情で助手席のモーリを見やった。

 

「私だって、体操を諦めたとき、もう何もかも終わりだと思った。でも実際は、そうじゃなかった」

 

 サイトーはわずかに笑みを浮かべる。

 

「選んだ後にどう生きるかが大事なんだ。お前なら、きっとそれができる」

 

 サイトーの言葉が、胸の中に静かに染み渡る。

 モーリはただ黙って、その言葉の余韻を噛みしめていた。

 

 

 

 

 モーリは自宅の庭に座り込み、静かに夜空を見上げた。

 

 風が微かに揺れ、庭の木々が葉を擦る小さな音を立てる。その静けさの中、ブニャットが自然と隣にやってきた。

 

「俺も揺れてばっかだよな」

 

 苦笑交じりにそう呟くと、ブニャットがそっと彼の膝に頭を乗せてきた。

 

「まあ、それが当たり前なのかもな」

 

 モーリはその温もりを感じながら、静かに息を吸った。

 肺の奥まで、冷たく澄んだ夜気が広がる。

 

「また、着いてきてくれ」

 

 その言葉に、ブニャットは鼻息を鳴らす。

 

 まだ道は見えない。それでも、隣にはブニャットがいる。

 それだけで、今夜は十分だった。




次回は7/18 8:01に投稿予定です

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