呪術廻戦のあの世は鬼灯の冷徹のあの世だったようです 作:久保サカナ
この虎杖の中の人のイメージは初代ゴジラの芹沢博士。
あれから「シニタクナーイ!シニタクナーイ!カンガエナオセー!(要約)」とうるさい宿儺を無視しながら数日牢屋で過ごした俺だったが、海外に出かける前の乙骨が1回、五条&伏黒が数回面会に来てくれた。
乙骨は自分も秘匿死刑を言い渡されてた身だからか原作と同じく「君は悪くない、悪いのは羂索だろう」と言いに来てくれた。
気持ちは大変嬉しいが既に俺は「この世界の虎杖悠仁」を殺している、せめて虎杖悠仁に成り変わった身としては本来の虎杖が求めた「正しい死」で死にたいんだよ、それにアンタだって宿儺が復活して恩師が死んだり友達や後輩が傷つくの嫌でしょ?と答えておいた。
五条は「いや〜天元様に確認とったらさぁ〜!君の言ったことそのものつまりビンゴだった訳よ〜!こりゃあ何が何でも死んでもらわないと駄目だね〜!」と軽薄に言った後、急に真面目な顔になって「せめて君の言う渋谷事変前日くらいまでは生きて青春しない?君も知っていると思うけれど若人から青春を奪う権利は誰にも存在しないんだよ?」とガチトーンで言われた。
伏黒も「お前の話はIFの話だろ、むしろお前が生きて羂索の野望を阻止し続ける方が建設的じゃないか?お前みたいな誰かのために命懸けれる善人が死ぬのは俺は嫌だ」と言ってくれた。
俺も2人の気持ちは大変嬉しいが下手に青春すると未練が出来るし体内の宿儺にも情報が漏れたから覚悟があるうちに死にたいと死刑を早めてもらう、死体は絶対に残さないでね夏油の二の舞だからと念押ししておいた。
いや、4月から6月のうちに余計な未練を残さないように俺なりに動いたのだ。岩手観光もしたし一泊2日で沖縄にも行ったし高田ちゃんのライブと握手会にも行ったし「余計なお世Wi-Fi!」も生で見た。呪術廻戦の聖地巡礼は済ませている(ミーハー精神)
それにあのガバチャーとオリチャーを走ることに定評のあるメロンパンのことだ。もし気まぐれに「すっくんの鏖殺するところ見てみたい!それイッキ!イッキ!」みたいなノリで俺を拉致して気絶させて持ってる指全部ブチ込めばいつでもどこでもお手軽キリングマシーン・両面宿儺の誕生だ。
それだけはなんとでも阻止しないといけない。
「とまぁ、こんな感じであの腐れメロンパンは俺が死んだらオリチャー&ガバチャーを走り出すと思うから臨機応変に対応してね。それから五条さんは油断慢心舐めプはこれから一切しないでね、fateのギルガメッシュと同じくアンタの渋谷での敗因&新宿での死因だから。あともし俺の希望を聞いてもらえるなら死刑の時は平沢進のL◯tusを流しながら詠唱有りの虚式『茈』で痛みも無く一瞬で消し飛ばして欲しい」
「君ホントに謙虚なのか欲張りなのかわからないね〜。でも良いよ、そのくらいなら腐ったみかんのお爺ちゃんたちも何も言わないと思う」
処刑前日、五条の持って来た残りの指と呪胎九相図を飲み込みながらの会話である。
指の石鹸を飲んでるような感触と兄貴たちのブヨブヨ感にオエっとなりながら俺は助言と忠告と最期の要求をした、いや好きなんだよL◯tus。前世でも自分の葬式には流して欲しいって思うくらいには。
いっそ最期はふざけて「シャーマンキングのOPでお願いします」って言おうと思ったけど流石に兄貴9人と心中する時の曲としては不謹慎だろう、そもそも死ぬ気の全く無いむしろ蘇っちゃう歌詞だし。
宿儺?アイツはひぐらしの鉄平がかわいく見えるくらいの虐待叔父さんだから(別に)いいです。
◇◇◇
気づいたら10人がけのテーブルのお誕生日席に座っていた、目の前には呪胎九相図の兄弟たちが同じく座っている。
すると一斉に「「「「「「「「「「「悠仁!!!」」」」」」」」」」と声をかけられた。
「あーなるほど生得領域か、俺はアンタたちの弟じゃないよ、だって本物の虎杖悠仁は俺が殺したんだから」
「いや、お前は間違いなく俺たちの弟だ。そうやって自分を責め続けるのはお兄ちゃん感心しないぞ」
そういうのはツインテの長男こと脹相、初対面なのにナチュラルにお兄ちゃんムーブをしている。これが兄を名乗る不審者(実兄)の本気か…!
「自分は呪物云々は気にしない方が良いですよ、私たちも人のこと言えませんし」
「そうだよお互い様だよなぁ〜」
と続く次男壊相、三男血塗。他の兄弟たちも「気にするな」と声をかけてくれた。
しかし、そんな暖かい空気をぶち壊す虐待叔父さんが乱入して来た、生得領域ならもちろんお前も居るよな。
「フン、偽りの家族ごっこか?くだらんな、この小僧はお前たちを道連れに死のうとしているのだぞ?」
「150年間ずっと胎児のまま寒い思いをして来た俺たちにとっては呪われた生と死の狭間からの解放だ、それに他でもない悠仁が俺たちにも来世があると教えてくれたんだ」
「そもそも悠仁が死刑になる元凶はアナタで自業自得でしょうに」
「そうだ〜大人気ねぇぞ〜」
テーブルにズカズカと乗り上げて俺を見下して来る宿儺、そんな宿儺に兄弟たちはブーイングを浴びせる。
そんな宿儺に俺は改めて宣言する。
「お前がどれだけ好条件の縛りを出して来ようが俺は一切飲まん、お前の事は鬼舞辻無惨かインキュベーダーの亜種だと思ってるからな」
「アレらと一緒にされるのは心底不愉快だ、人を馬鹿にするのも大概にしろ小僧」
「都合のいい時だけ自分のことを人間扱いするの呪いの王なのに恥ずかしくないんですか?」
そこでメンチの切り合い(BGM、兄弟たちのブーイング)になったところで目が覚めた。
俺の身体は寝てる間に何処かの採石場とかとにかく派手に吹っ飛ばしても良い場所に移送されたようだ、柱に固定されている。
数十メートル先では五条が立っていて傍らに巫女姿の女… 京都高専の庵歌姫だろう、彼女が持つ強力なバフ術式である単独禁区をかければ俺を確実に消滅させられるだろう。
俺のリクエスト通りBGMでL◯tusがかかっている、上を見上げれば青い青い空が澄んでいる、最期に見る景色としては万々歳だ。
「九綱 偏光 烏と声明 表裏の間」
L◯tusに合わせて五条の詠唱が聞こえる、宿儺の罵倒と兄貴たちの励ましも同時に聞こえる。耳が忙しいな。
「虚式『茈』」
それが聞こえたとほぼ同時におれの意識も暗転するのだった。
◇◇◇
一方、地獄では。
「鬼灯様〜ちょっと良いかしら?」
そう言って閻魔殿にやって来たのは「誰でも一回は妄想するイカン女教師」ことお迎え課のトップである荼吉尼、彼女は仕事をしている鬼灯を見つけると「少しどころかかなり面倒な案件があって手伝って欲しいのよ」と声をかけた。
「150年前の呪物9個とどう考えても火車案件の極悪亡者の呪物6個とおそらく天国行きの亡者が合体して1度にまとめてバチコンと死んだのよ」
「どういう状況ですかそれは」
「何それぇ〜合体ロボットか何かに乗ってたの?」
「コラっシロ!口を挟むな」
そう言うと茶吉尼は一呼吸おくと、「それがね、両面宿儺なのよ」と答える。
「あ“ぁ!?」
「ヒェっ」
悪くなかった機嫌が急降下してドスの効いた声をあげた鬼灯に怯える桃太郎ブラザーズ、そんな彼らを気にせず荼吉尼は「とにかく強くて問答無用で亡者を逃さずしばける男手が必要なワケ、手伝ってくれるわよね?」と続けた。
「わかりました、直ぐに出発しましょう」
「助かるわ〜」
背後に般若のオーラを背負った鬼灯には流石のシロも「リョウメンスクナってなに〜!?」と声をかけるのは避けたのだった、賢明である。
メロンパンは「えぇ〜死刑になったの、まぁ良いや」くらいにしか思ってない模様