呪術廻戦のあの世は鬼灯の冷徹のあの世だったようです 作:久保サカナ
これまでのあらすじ
虎杖「あなたはここでゆうじと死ぬのよ」
宿儺「ヤメロー!ヤメロー!」
「ねぇ、良かったの?」
「ん?何が?」
ほぼ完全な事故で呪物を受肉してしまった一般人の少年を処刑するという「イかれてないとなれない」と言われる呪術師でも気が滅入るような任務をこなした庵歌姫は同じく任務をこなした五条悟にそう尋ねていた。
呪術界のお偉いさん…総監部は控えめに言っても腐ったみかんも同然であり、時折気に食わない者を「呪術規定に則り〜」というお為ごかしで秘匿死刑にしているのだ。
五条はそれに反発している呪術界改革派のリーダーで秘匿死刑にされた者を庇って死刑を撤回させたり、死刑にしたフリをしてこっそり逃して自分の派閥に入れているのを歌姫は知っている。
去年、秘匿死刑を言い渡された乙骨憂太も五条が庇ったため死刑を免れた。今では4人しかいない特級術師として五条に次ぐ改革派のエースである。
そんな五条が今回の件では庇う素振りを見せるどころか「死刑を早めるべき、自分が処刑人を務める、自分1人では殺しきれないので京都高専より歌姫術師の助力を乞う」とまで言ったのだ、しかも処分出来ずに困っていた残りの宿儺の指と呪胎九相図 を飲ませてから殺すという徹底ぶりである。
なお、処分に困っていた呪物が片付いた上層部は喜んだ。人権もモラルも良心もあったもんじゃない、そんなもん持ってる奴は立派な呪術師になれない?それもそうという見方も出来るあたり現在の呪術界の現実は非情である。
歌姫はあのクソ五条が素直に助力を手土産(ビール券100万円分、このボンボンは本当に金銭感覚狂ってて腹立つ)付きで要請して来た時は何の冗談かと思った。正直、明日あたり槍どころか虚式『茈』が降って日本が滅亡するんじゃないかと本気で疑った。
しかし、秘匿死刑は滞りなく終了した。
大音量で流れる平沢進のL◯tusを疑問に思ったがもう気にしないことにした。
「アンタいつも若い子の秘匿死刑が決まると“若人から青春を奪う権利は何人にもありやしないんだよ“って言いながら現代最強の名でゴリ押して死刑を撤回させるじゃない」
「僕の声真似キッショ、僕だって呪術師だからさぁ、今回みたいな『殺さないと不味いケース』の時は本気で動くよ?」
「キショくて悪かったわね、呪物をわざわざ追加で飲ませたのは?」
「そりゃねー、せっかくの呪物を飲んで平気な特異体質だったんだしどうせ殺すんだから有効に使わないとね!」
まただ、どうも今回の五条の動きには喉に魚の小骨が引っかかったような違和感を感じるのだ。
いつものクソ五条なら上層部への意趣返しに「特異体質だから僕のところで面倒見るね〜」くらいは言うはず、五条とは不本意ながらそこそこ長い付き合いの歌姫にはわかってしまう。
だが、もう問題の虎杖悠仁は死んだのだ。
万年人手不足の呪術界にはいつまでも死者に拘っている暇は無い、六眼で死体が残っていないかやけに念入りに確認していた五条のOKサインが出たので後のことを補助監督に任せて歌姫は京都高専に戻るのだった。
帰り際に後ろを振り返った五条の「やっぱりね、僕に救えるのは他人に救われる準備のある奴だけみたいだよ」というつぶやきがやけに耳に残った。
◇◇◇
「おーい五条さん!五条さん!う〜ん、やっぱり見えてないのか六眼あるのに…」
「よくもやってくれたな小僧ォォォ!!!」
「宿儺!悠仁をいじめるな!!!」
虚式『茈』の直撃で意識が暗転した俺は気づいたら左前の白装束に頭には三角ハチマキ(正式名称わかんね)という、「THE 亡者」みたいな格好で死んだ場所に立っていた。同じ格好をした宿儺と九相図兄弟たちもいる、こっちを見た五条さんが気がついてないところを見るに六眼でも亡者は見れないようだ。
宿儺がキレながら俺の胸ぐらを掴んで揺さぶって来てるのを九相図兄弟たちが止めるという何ともカオスというかシュールな光景だ、術式で切り刻んでやろうという気も起きないくらいキレてるらしい。
そういえば呪術廻戦本編では1000%自業自得で殺された直哉が呪霊になったり、真人が魂をコネコネしたりしてたけど「あの世の描写」はそれこそ五条悟の「あの世空港」と最終回で宿儺と裏梅が通った「魂の道」くらいではなかろうか?
呪術廻戦の「あの世の描写」とか「死んだらどうなるのか」ってフワフワしてるんだよな。
「それにしても後はあの世のお迎え?を待つだけなんだろうけど、白装束ってなんだか鬼灯の冷徹みたいだな」
「えっ何で私の名前をご存知なんですか」
そうやけに聞き覚えのあるバリトンボイスが聞こえたので振り向くと長身・一本角・黒衣・塩顔のイケメン?男前?という明らかに人間では無い者が立っていた、隣には「誰でも一回は妄想するイカン女教師」もいる、というかこれって…!
「嘘ぉ!?マジで鬼灯様!?隣にいるのは荼吉尼様!?」
「はい、鬼灯です」
「あら、私のこともご存知なのね」
「本物?本物のあの世のお迎え?ドッキリじゃないよね!?」
「偽物の私がいるんですか?」
「流石に地獄のドッキリ番組もそこまで命知らずで不謹慎なことはしないでしょ」
地獄ってことはこれは本物だ、ということはまさか…!
(もしかして) 呪術廻戦のあの世は鬼灯の冷徹世界だったようです(タイトル回収)
あぁ〜超嬉しい、実は呪術廻戦とかシリアスなダクファンも好きだったけど鬼灯の冷徹とか聖⭐︎お兄さんとかほのぼのコメディギャグも大好きだったのだ。
まさか世界がクロスオーバーしているとか俺得じゃん!地獄行きだとしても嬉しい!
すると俺を締め上げていた宿儺が手を離して鬼灯様たちに向けて殴りかかろうとした、快と不快で動くコイツは鬼灯様があの世のお迎え=死にたくない自分からすれば敵と思ったのだろう。
俺が「鬼灯様!荼吉尼様!危ない…!」と声を上げる前に鬼灯様は宿儺のことを「サボっている閻魔大王とか某浮気神獣に見せてた顔の100倍くらいスッゴイ顔(言葉に出来ない)」で宿儺を一瞥すると「ボッシュート!!!」とシャウトしながら凄い勢いで宿儺をブン殴って地面にスケキヨさせた。
五条悟の蒼パンチ(仮名)より痛そうだ。
「私の術式『没収徒(ボッシュート)』は相手の術式や天与呪縛を文字通り“没収”します、両面宿儺といえど例外ではありません」
「あ〜だから普段は地獄勤めの鬼灯様が同行したんすね、というか鬼灯様も術式持ちだったのか…」
「悠仁!お兄ちゃんたち何がなんだかわからないぞ!」
そう声を上げる九相図兄弟の前に荼吉尼様が進み出て「私たちはあの世からのお迎えの者です、皆さんにはこれからあの世に行ってもらうのでついて来てくださいね」とテキパキと説明と先導をこなしている。
世界悪女の会の会員とはいえ流石はお迎え課のトップなだけはある、仕事が手慣れているのが素人目にもはっきり分かるのだ。
「あの世の入り口ってやっぱり空港があるんですか?」
「最近出来たばかりなのによくご存知ですね、そうですよ」
そんな会話を鬼灯様としながら俺たちはあの世に向かうのだった。
宿儺?アイツは簀巻きにされて鬼灯様にズルズル引きずられてるよ(無慈悲)
低評価を食らったのはあらすじに淫夢ネタを使ったからでしょうか。
気が向いたらで良いので評価よろしくお願いします。