紅魔館
「これで最後ね…」
「うぅ~…疲れました…」
「ごめんなさいね。3日間は休んでいいわよ。」
「ありがとうごさいます…」
「ここから出るというのも何か寂しく思うわね…」
「まぁ百年近く住んでいましたからね…」
「でもまぁ、仕方ないわ。」
「そう言えば住む所は…」
「今日だけ魔理沙の所にお世話になるつもりよ。
明日には家も作るわよ。」
「そうですか。」
「最後に、レミィに顔を出してから行きましょう」
「はい。」
レミリアの自室。
「あの狂った餓鬼さえいなければこんなことにはならなかったのに…!
パチェもここから出ていかずにすんだのに…!」
「失礼するわよ。」
「あら、パチェ。どうしたのかしら?」
「最後くらい顔を出してあげようかと思ったから来たのよ。
本当は出したくなかったけど、怒られても嫌だからね。」
「あっそう。なら早く出ていけば?」
「言われなくても顔出したらすぐ行くつもりよ。」
「………」
「さよなら、レミィ。」
パチュリーがいなくなった後、レミリアは呟いた。
「そして誰もいなくなる…か…」
紅魔館門前
「パチュリー様、本当に出ていかれるのですね…」
「ええ。」
「妹様に続いてパチュリー様とこぁちゃんもいなくなるって寂しくなりますね…」
「仕方ないわよ。レミィが出てけと言うんだもの。」
「はい…」
「さよなら。美鈴。
これからも紅魔館の門を頼んだわよ。」
「はい…さよなら。パチュリー様…こぁちゃん…」
パチュリー達がいなくなった後、
「なんでこうなったんですかね…」
そう呟いた。
地霊殿。
「まずここの案内をするね。
庭に大きな穴があったでしょ?」
「あったね。」
「そこにペットがいるよ。」
「鴉の?」
「うん。
この穴は灼熱地獄跡に続いているんだよ。」
「へぇ…」
穴に入った。
「この先はかなり暑いよ~」
「確かにもう暑いね…」
灼熱地獄跡。
「お空ー」
「うにゅ?
あ、こいし様。」
「相変わらず暑いね…」
「そりゃそうですよ。さっき温度上げましたし。
ところでそちらの子は?」
「お姉ちゃんから何も聞いてないの?」
「うーん…覚えてません!」
「あらら…まぁいいや。
紹介するね。今日から一緒に暮らすことになった…」
「フランドール。フランでいいよ。」
「フラン、フラン、フラン…」
「何してるの?」
「記憶しているんだよ。お空記憶力悪いから。」
「覚えました!フラン様ですね!」
「貴方の名前は?」
「霊鳥路空です!皆からはお空と呼ばれています!」
「お空ね!よろしく!」
「ところで、フラン様は何処から?」
「紅魔館から。」
「フラン様はどんな能力を持っているのですか?」
「ありとあらゆる物を破壊する程度の能力…」
「すごいですね!」
「こんな能力気持ち悪いよね…ってえ?」
「すごいといったんですよ!
私なんか核融合くらいしか出来ませんよ!」
「むしろ核融合の方がすごいと思うんだけど…」
「そうですか?私はここでずっと核融合してますけど」
「退屈じゃないの?」
「全然退屈じゃないですよ。」
「どうして?」
「う~ん?
一番は支えていてくれる家族がいるからですかね?」
「家族か…」
「フラン様の家族はどんな感じなんですか?」
「最悪よ?」
「え?」
「495年間外に出してもらえなかったし、ヴァンパイアハンターが家に来た時も助けて貰えなかったんだよ。
私の能力が無かったら今頃私死んでるよ?
それに妖精メイドを壊したら暴力をふるわれてたし…」
「…そんなことがあったんですか…」
「うん…」
暫くして…
「お空ー!ごはん出来たよ~!」
「あ、お燐~!今行く~!」
「あ、待ってお空。」
「うにゅ?」
「今フランちゃん飛べないからお空の肩にのせてあげて?」
「了解です!」
「ごめんね?」
「問題ありません!」
地霊殿。
「お空遅かったね?」
「いや~ごめん。」
「あれ、そこの子は…あ、もしかしてさとり様が言っていた…」
「フランドール。フランでいいよ。」
「フラン様ですね。」
「貴女は?」
「火焔猫燐です!皆からはお燐と呼ばれています!」
「よろしく、お燐!」
「では、食堂に案内しますね!」
食堂。
「いただきます…」
「どうですか?」
「やっぱりお燐の料理はおいしいね!」
「ありがとうごさいますこいし様!」
「おいしい…」
「よく食べますねフラン様~」
「4日くらい食べてないからね…」
「ならもっと食べなきゃ駄目ですよ?」
「うん!」
「ふふっ…」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「微笑ましいと思ってね…」
「確かにね…」
「……初めてフランがここに来た時、フランはなんて思っていたと思う?」
「わかんないや。」
「……心が読めなかったのよ。」
「え?」
「心が読めなかったの。何故かね…」
「………」
「でも今は読める。
きっと感じたのでしょうね。」
「何を?」
「家族の温かさをね…」
「確かにそうかもね…」
「それにさっきフランの心を読んでみたのよ。」
「どんなことを思ってたの?」
「ここにはいい人しかいない。
私の能力を恐れないから。」
「ふーん…」
「正直言って私は最初驚いたわよ?」
「何で?」
「こいしの他にも心が読めない人がいたから。」
「確かにね…」
「こいし」
「何?」
「フランのこと、どう思う?」
「私の友達だよ」
「そう。」
「お姉ちゃんはどう思ってるの?」
「可愛い子だな、と」
「ふーん」
「まぁ、家族が増えて楽しくなりそうというのも正直なところね。」
「確かにね!」
こうしてフランは少しずつ、変わっていった…