魔法少女ホロウィッチ!~希望を守る光の巨人~   作:川口・river・高史

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第1話「決意の光」

「皆さん今日も来てくれてありがとうございましたー!またねーおつぴかー!」

 

挨拶をして配信を終了させ、一息つく少女。

 

「…さて、打ち合わせに行く準備しなきゃ!」

 

 

 

彼女の名は「光たから」。

 

この世界で大流行している動画配信アプリ「ホロキャス」にて特撮大好き配信者として半年前にデビューし、少しずつながら人気を獲得してきている配信者である。

この日は自身の配信終了後に、ホロキャスで特に人気を集めている先輩たちとのコラボの打ち合わせを行う予定であった。

 

 

 

外出する準備を整えたたからは、ふと自室の部屋の壁を見る。

そこには、たからが特に推しているウルトラマンシリーズの歴代変身アイテムが、メッシュネットで壁一面に飾られていた。

そしてその中で、たからの最推しであるウルトラマンゼットの変身アイテム「ウルトラゼットライザー」を見据えて、湧き上がる「大好き」な気持ちに思わず笑みを浮かべる。

 

「…よし、行ってきます!」

 

推しから気合をもらったたからは、家を出て、先輩たちとの待ち合わせ場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ち合わせ場所である、真秀野町にあるパン屋「Shiny Bakery」の3階にある先輩たちのたまり場の前に到着したたからは、深呼吸した後、意を決してドアを開けた。

 

「失礼しまーす…!

 …あれ?」

 

部屋の中には既に先輩たちが来ているはずであったが、誰もいなかった。

 

「パン屋さんは「みんなもう来てる」って言ってたのに…どこかに行っちゃったのかな…?」

 

中に入ると、背の低いテーブルの上にスマホが置かれていた。

スマホは画面が付いており、映像が流れていた。

たからはそれを恐る恐る見てみると、画面の中で6人の少女たちが、謎の怪物と戦っている映像が流れていた。

 

 

 

「かなた先輩…!?みこ先輩、ルーナ先輩、マリン先輩、シオン先輩、クロヱ先輩も…!」

 

 

 

画面の中で戦っていたのは、たからと同じ配信者事務所の先輩である「天音かなた」「さくらみこ」「姫森ルーナ」「宝鍾マリン」「紫咲シオン」「沙花叉クロヱ」だった。

 

「先輩たち、まるで魔法少女みたい…

 もしかして、新しいプロジェクト的な!?」

 

白い衣装をまとったかなた、みこ、ルーナと、黒い衣装をまとったマリン、シオン、クロヱが、それぞれの武器を手に、わらわらと群がる球体型の怪物たちを次々と撃破していく。

 

そして球体型を一掃すると、その奥にいた火山のような形をした大型の怪物と対峙する。

 

火山型の怪物はその頭から火炎弾を発射してくるが、かなたたちはそれを躱したり撃ち落としながら、怪物に攻撃を加えていく。

 

 

 

「「「「「「チェンジ!ホロウィッチステッキ!」」」」」」

 

 

 

怪物の勢いが弱まると、かなたたちは武器をステッキへと変化させた。

 

 

 

「「「「「「ウィッチグラム!全力投射(フルキャスト)!!」」」」」」

 

 

 

そして、ステッキを掲げて貯めたエネルギーを、怪物に向かって一斉に放ち、怪物は大爆発を起こした。

 

「やった!先輩たちめちゃくちゃカッコイイ…!いいなぁ…」

 

ところが、爆発の煙の中から、怪物がボコボコと泡のように膨らみながら巨大化していき、その姿は、背中に刃のような背びれが並んだ巨大怪獣のものに変化した。

そしてたからは、その怪獣のことをよく知っていた。

 

「え…デマーガ!?」

 

その怪獣は、ウルトラマンシリーズの一つ「ウルトラマンX」に登場した「熔鉄怪獣デマーガ」そのものだった。

 

「なんでデマーガが…!?

 もしかして、先輩たちウルトラマンとコラボするの!?

 なにそれ僕も参加したい!!!」

 

自分の大好きな要素が出てきて、更に食い入るように映像を見るたから。

 

 

 

 

 

「どぅえええええええ!?なんかめちゃくちゃデカくなりやがったんだけどぉ!?」

「今までにないパターンでびっくりなのら…」

「アエル!ラグ!どうなってるの!?」

 

マリンは、後方で戦いを見守っていた白い妖精「アエル」と、黒い妖精「ラグ」に問いかけた。

 

「わからない…こんなこと、ボクたちも初めてだよ…!」

「コラプサーがあんなに巨大化するなんて…しかも、力も物凄く強くなってる…みんな、気を付けて!」

「…とにかく、もう一度倒して、取り込まれてる人を助けないと…!」

 

 

 

 

「チェンジ!『ガーディアンアーム』!」

 

 

 

かなたはステッキを一対のガントレットに変化させ、背中の羽を羽ばたかせて飛び立つ。

 

 

 

「でええええええりゃあああああああ!!!」

 

 

 

そして一気にデマーガの懐に飛び込み、拳を叩き込んだ。

しかしデマーガは一歩下がりはしたがで効いている様子はなく、かなたを叩き落そうと腕を振るい、かなたはギリギリでそれを躱して距離をとった。

 

 

 

「デカすぎて攻撃が効いてない…!?」

 

 

 

「チェンジ!『ブルーミングブルーム』!」

 

 

 

シオンはステッキを銀色の箒に変化させ、それに乗って空を飛び、デマーガの背後に回る。

 

 

 

「ヴァイオレットレイ!」

 

 

 

目の前に展開した魔法陣から光線を放ってデマーガを攻撃するが、わずかに前のめりになるのみで、すぐに体制を戻し、背中から火炎弾を放ってきた。

 

 

 

「うそぉっ!?」

 

 

 

シオンはそれを間一髪で躱し、かなた同様距離をとった。

 

 

 

「シオン先輩!!

 チェンジ!『オルカスロットエッジ』!」

 

 

 

クロヱはステッキを一対のナイフに変化させ、持ち手の先端にあるボタンを押し、持ち手と刃の間に備わったスロットを回す。

そしてスロットの絵柄がサイコロで揃うと、クロヱの両腕がシャチの頭部に変化した。

 

 

 

「ピンゾロパワー!おりゃあああ!!!」

 

 

 

パワーアップした両腕によるダブルパンチをデマーガの右足に見舞ったが、少し後ろに下がっただけで、そのままクロヱに向かって足を振るってきた。

クロヱはそれを躱して、後ろへ飛び退いた。

 

 

 

「やっぱ効かないか…!」

 

 

 

「チェンジ!『ミコベルロッド』!」

 

 

 

みこはステッキを神楽鈴へと変化させ、光の注連縄を数本出現させてデマーガに巻き付け、拘束した。

 

 

 

「大人しくするにぇ!」

 

 

 

「チェンジ!『キャンディパラソル』!」

「チェンジ!『ガンマリナー』!」

 

 

 

ルーナはステッキを傘に変化させてライフルのように構え、マリンは2丁の銃に変化させてルーナと一緒にデマーガを銃撃するが、ものともせずに注連縄の拘束を破った。

 

 

 

「ちょおおお!?こいつ強すぎんだろぉ!?」

「ルーナたちの攻撃、全然効かないのら…」

「どうすればいいのよ、こんなの…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デマーガに苦戦する先輩たちを目にして、たからはだんだんと不安が募っていた。

 

 

 

「先輩たちの攻撃が、全然効いてない…

 …でも、きっとこの後、ウルトラマンが来てくれるんだよね…?

 先輩たちを、助けてくれるんだよね…?」

 

 

 

たからは恐る恐るスマホの画面をタップしてみた。

しかし、普段見ているホロキャスのUIが、何度タップしても画面に現れなかった。

 

 

 

「え…これ…ホロキャスじゃ…動画じゃないの…?」

 

 

 

訳が分からず混乱するたから。

その間にも画面の中でデマーガは暴れ続け、ついにはデマーガの身体から放たれた火炎弾がマリンたちの近くに着弾し、吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

「「「きゃあああああああああ!?」」」

 

 

 

「先輩!!!」

 

 

 

たからが叫んだ瞬間、突如スマホの画面が光りだし、たからは画面に吸い込まれてしまった。

 

 

 

「え?うわああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

デマーガの火炎弾によって吹き飛ばされてしまったマリンたち。

かなたとシオンがデマーガの周囲を飛び回って注意を引いている間に、なんとか起き上がった。

そこへクロヱが駆け寄り、アエルとラグも飛んできた。

 

 

 

「マリン先輩!みこ先輩!ルーナ先輩!大丈夫ですか!?」

「何とか…ルーナたん、みこちは?」

「んなぁ…」

「大丈夫だにぇ…」

「よかった…アエル、かなたとシオンがコラプサーの気を引いてるうちに、マリンたちを回復させよう!」

「うん、わかったよラグ!」

 

アエルとラグがマリン、みこ、ルーナに回復魔法をかけ、3人の傷が少しずつ回復していく。

 

「それにしても、あいつ一体どうすればいいんですか…!」

「こうなったら、フルキャストで一気にぶっ倒すにぇ!」

「いや…マリンたちの攻撃があそこまで効かないのなら、多分フルキャストを撃っても倒せない…!」

「それじゃ…打つ手なしなのら…?」

「だからって、諦めるわけには…!」

 

 

 

「いだあっ!?」

 

 

 

突然後ろから聞こえた声にマリンたちが驚きながら振り向くと、現実世界から引き込まれて落ちてきたたからが倒れていた。

 

 

 

「たから!?なんでここに!?」

「え…マリン先輩…?

 えっ…ここって…さっきまでスマホで見てた場所…!?」

「まさか…アエル、ラグ!?」

「あ、うん…さっき、マリン達と同じくらいすごい『ホロ』を感じたから…」

「この状況を打開できるかもしれない、って思って呼んだんだ…」

「え!?じゃあ、たからちゃんもホロウィッチなのら!?」

「へ…?ほろうぃっち…?」

 

 

 

その時、デマーガが咆哮をあげながら、たから達の方へ向かいだした。

 

 

 

「やばっ!?こっち来た!?」

「たから逃げて!あいつはみこたちが食い止めるから!」

 

マリンたちがそれぞれの武器を構えて、デマーガを迎え撃とうとする。

 

(でも、先輩たちの攻撃はデマーガには効かなかった…

 いや、あそこを狙えばもしかしたら…だったら…!)

 

「…あの怪獣、デマーガの弱点は、頭の角です。

 そこに攻撃を集中させてください!」

 

そういうと、たからは横方向に走り出した。

 

「たから!?危ない戻って!!」

 

 

「デマーガ!こっちだ!僕を追ってこい!」

 

マリンの制止をよそに、デマーガの気を引くべく、叫びながら走り続けるたから。

その狙い通り、デマーガはたからを狙い始めた。

 

「あれって…たから!?なんで!?」

「狙われてる…!助けないと!」

 

「かなたん!シオンたん!あいつの弱点は角だって!角を狙って!!」

 

「角…!?あれか!シオン先輩!」

「わかった!」

 

マリンからの助言をもとに、たからへと迫るデマーガを食い止めるべく、その前に立ちふさがるかなたとシオン。

そしてデマーガの角めがけて、かなたはガーディアンアームから拳型のエネルギー弾を、シオンはヴァイオレットレイを放った。

二人の攻撃はデマーガの角に命中し、これまでより大きくひるませることに成功した。

 

「よし!さっきより効いてる!」

「これなら…!」

 

ところが、デマーガは二人に向かって、口から熔鉄光線を吐いてきた。

 

「「うわぁっ!?」」

 

二人は瞬時に避けるが、なおもデマーガは二人を追って熔鉄光線を吐いてくる。

そしてそれが、走っていたたからの後ろに着弾し、たからは吹き飛ばされてしまった。

 

「うわああああっ!?」

 

「たから!!!」

 

かなたとシオンは助けに行こうとするが、デマーガが熔鉄光線と火炎弾を乱射してくるため、たからのもとへ行けなかった。

それを見たマリンたちが、たからのもとへ駆け出す。

 

 

 

(痛い…全身が痛い…

 全力で走って…体の中まで痛い…

 でも…!)

 

 

 

たからは力を振り絞って、何とか立ち上がった。

 

 

 

「先輩たちが…必死で戦ってるんだ…!

 こんなところで…終わってたまるか!!」

 

 

 

たからが強く叫んだ、その時。

 

 

 

 

 

 

 

たからの目の前が眩く光り、円柱型の瓶が出現した。

 

 

 

「え…なにこれ…」

 

 

 

「たからの『ホロ』が…!」

「覚醒した!」 

 

 

 

「たから!それをつかんで!

 それを使えば、僕らと同じ「ホロウィッチ」になれる!!

 たからも戦える!!!」

 

 

 

「…ホロウィッチ…まだよくわかんないけど…

 これを使えば…先輩たちを助けられるのなら…!」

 

 

 

たからは、目の前の「ホロウィッチボトル」を力強く掴んだ。

そしてホロウィッチボトルを天に掲げて、叫ぶ。

 

 

 

 

 

「ホロウィッチボトル!インフューズ!」

 

 

 

 

 

 

たからは眩い光に包まれ、銀色のコスチュームカラーに金色の装飾が施された、ロングパンツタイプの衣装に変身した。

 

 

 

 

 

 

「希望を守る、決意の光!

 『ウルトラマン』の『ホロ』 魔法少女たから!!」

 

 

 

 

 

 

 

「…って、わぁ…ホントに僕も変身しちゃった…!

 てか今、ウルトラマンって言った!?『ウルトラマン』の『ホロ』って何!?」

 

ホロウィッチとなったたからは、自身の恰好を見回し感動しつつも、先ほどの自身の台詞に困惑していた。

そして、右手に持った、ホロウィッチボトルが変化した「ホロウィッチステッキ」を見た途端、

 

「え…」

 

驚愕のあまり、呆然としてしまった。

 

 

「たから!来るよ!」

 

 

かなたの声で我に返ったたからは、目の前に迫るデマーガと対峙する。

デマーガが熔鉄光線を吐いてくると、たからは両腕を上に伸ばして真上に飛び、デマーガの顔の高さまで来たところで腕を下ろし、空中に浮遊してみせた

 

「すごい…本当にウルトラマンみたいに飛べる…!」

 

そしてデマーガが再び熔鉄光線を吐いてくると、たからは再度両腕を伸ばして、正しくウルトラマンのように空を飛んだ。

 

 

「たからの『ホロ』は、みんなに希望を届ける『ウルトラマン』の『ホロ』」

「みんなを守るためなら、どこへだって飛んでいける!」

 

 

 

「いくよ、たから!」

「はい!」

 

 

 

空中で合流したかなた、シオンとともに、たからはデマーガに向かっていく。

デマーガは3人に向けて熔鉄光線を吐いてくるが、3人は散開してそれを躱す。

 

 

「でぇりゃっ!!」

 

 

かなたはデマーガの正面から拳型のエネルギー弾を放ち、着弾と同時にデマーガの横を通り過ぎる。

 

 

「ヴァイオレットレイ!」

 

 

シオンは少し離れた位置から、魔法陣からの光線を放ち、デマーガを怯ませる。

 

 

「ウルトラホロショット!」

 

 

デマーガの後方から飛来したたからは、左手から鏃型の光弾を放ち、デマーガの横を素早く飛び去る。

更に方向転換して今度はデマーガの正面から向かっていき、放たれる火炎弾を躱しながら接近する。

 

 

「ウルトラホロスラッシュ!」

 

 

そしてすれ違いざまに、ホロウィッチステッキから光の斬撃を放ち、デマーガにダメージを与えた。

 

(攻撃が完全に効いてない訳じゃない…でも、決定打に欠ける…

 デマーガを倒すためには…やっぱり…)

 

「たから!危ない!」

「っ!?」

 

考え事をして止まっていたたからに、デマーガの火炎弾が迫っていた。

たからはとっさにバリアを張って火炎弾を防いだが、衝撃は受け止めきれず、大きく吹き飛ばされてしまった。

 

「うわあああああっ!?」

 

吹き飛ばされながらもたからは何とか空中で体制を立て直し、地面を滑りながら着地した。

しかし、直面した命の危機に、体が震えてうまく動かず、膝をついてしまう。

 

「そんな…たからでもダメなのかにぇ…?」

「…ううん、まだだよ。

 だってたからは、まだ自分の「武器」を使ってない…!」

 

動けないたからに狙いを定め、デマーガが迫りくる。

 

「行かせない!」

 

かなたとシオンがデマーガの周囲を飛び回りながら攻撃を加え、デマーガの進行を妨害する。

その間、たからは心を落ち着かせながら、再度自分のホロウィッチステッキを見た。

実は、ホロウィッチへの変身直後にホロウィッチステッキを見た際に、たからは「自分にできること」を把握していた。

しかしそれがたからにとっては衝撃的過ぎて、思わず呆然としてしまっていた。

 

(正直、ホロウィッチになったことだってまだ受け止めきれてないのに…「この力」が使えることなんて…これが「僕にできること」だなんて…とてもじゃないけど信じられない…

 …だけど、「この力」を使えば…デマーガを倒して、先輩達を助けられる…だったら…!)

 

たからは目を瞑り、ステッキを強く握りしめた。

 

「…決めるぜ、覚悟…!」

 

目を開けるとともにそう言うと、たからは立ち上がってステッキを左手に持ち替え、力強く天に掲げ、叫んだ。

 

 

 

 

 

「チェンジ!『ウルトラホロライザー』!」

 

 

 

 

たからのホロウィッチステッキが光り輝き、銀色の本体に青色のブレードが備わった、半円型のアイテムへと変形した。

 

「あれが…たからの武器ですか…?」

「武器っていうより、まるで変身アイテムみたいなのらね。」

「…待って、アエル、ラグ、まさか…!?」

「うん、そうだよ!」

「たからの『ホロ』の、本当の力は…!」

 

たからはウルトラホロライザーを顔の横で構えて、グリップの外側にあるトリガーを押す。

すると、たからの頭上に長方形の光のゲート「ヒーローズゲート」が開き、降りてきたゲートをたからは通り抜け、「インナースペース」へと入った。

そしてその直後に目の前に現れた「ウルトラアクセスカード」を手に取ると、ウルトラホロライザーの中央にあるカードスロットにセットする。

 

 

『Takara Access Granted.』

 

 

ウルトラホロライザーから音声が鳴った後、ブレードを右側にスライドさせ展開させると、ウルトラホロライザーから確定音が鳴る。

 

 

 

 

「ウルトラマン!ホローーー!!!」

 

 

 

 

そして、名前を叫びながらウルトラホロライザーを勢いよく天に掲げ、トリガーを押した。

 

 

 

『Ultraman Holo.』

 

 

 

瞬間、たからはウルトラホロライザーから発せられた眩い光に包まれ、

 

 

 

 

光の巨人「ウルトラマンホロ」へと変身した。

 

 

 

 

「「「「「「「えええええええええええええええ!?」」」」」」」

 

「ほ…ホントに…本物のウルトラマンに変身しちゃったにぇ…!」

「いや…船長も船出せるけど…そういうの軽く超えてないあれ!?」

「でもでも、あれなら今度こそ勝てるんじゃないですか流石に!?」

「たからー!頑張るのらー!」

 

「魔法で本当にウルトラマンにって…ヤバすぎ…!」

「これが…たからの力…!」

 

 

 

「本当に…本当に…ウルトラマンになれた…」

 

 

変身した自身の身体を見回しながら、思わず感慨に浸るたから。

しかし、デマーガの咆哮を聞いて我に返り、両手を握りしめて決意を新たにする。

 

「僕が…やるんだ…!

 行くぞ!!」

 

降ろした両腕を軽く曲げ、腰を軽く落とした構えを取った後、ホロはデマーガに向かって走り出す。

そしてその勢いのままデマーガに体当たりし、数歩さがったデマーガの頭部を掴み、右肘で横から殴りつける。

更に頭を上げたデマーガにパンチを食らわせ、再びデマーガの頭部に掴みかかり、膝で蹴り上げた。

しかし今度はデマーガがホロに体当たりし、まともに食らったホロは後ろに転がるが、すぐに体制を立て直してデマーガに向かっていく。

 

 

「いけーーーー!がんばれーーーー!」

「やっちまうのらーーー!」

「ほらほら!いけてんじゃないですか!」

「まともに戦えてる…これなら…!」

 

 

ホロは暴れるデマーガの角を掴んで動きを抑え、肘打ちを数回打ち込むが、デマーガに押し飛ばされてしまう。

しかしすぐに体制を整え、迫りくるデマーガに中段蹴りを食らわせてひるませた。

 

 

「すっご…大迫力じゃん…!」

「たから…頑張って…!」

 

 

 

デマーガが熔鉄光線を放つと、ホロはバリアで防ぎながら接近し、左側に投げ捨ててそのままデマーガに体当たりした。

そしてデマーガの頭部を抱え込もうとするが、逆にデマーガの頭突きを食らってひるんでしまう。

その隙にデマーガの尻尾の一撃を受け、倒れこんでしまった。

更にデマーガは倒れたホロにマウントをとり、襲い掛かる。

 

 

「たから!!」

「ちょっ、かなたちゃん!?」

 

「こんのおおおおおおおおっ!!」

 

 

飛び出したかなたは、全速力でデマーガに向け突撃し、その頭部を横から殴りつけ、倒れさせた。

 

 

「おおぉー、かなたんやるにぇー!」

「船長たちも、負けてられないわ!」

「やってやるのらぁー!」

「乗り切っていきましょう!」

 

 

マリンとルーナがガンマリナーとキャンディパラソルで、立ち上がったデマーガの頭部めがけて銃撃し、デマーガはたまらず手で顔を覆った。

その隙にクロヱが素早く接近し、オルカスロットエッジのスロットを回すと、さくらんぼの柄が揃い、全身が赤い光に包まれパワーアップする。

そのままデマーガの右足を連続で切り付け、体勢を再び崩させるた。

そこへ、デマーガの正面に回ったシオンが複数の魔方陣を展開し、光線を連射する。

そしてみこがミコベルロッドを振るい巨大な注連縄を出現させ、それをデマーガに叩きつけてひるませた。

 

 

「たから!今だ!!」

 

 

「みなさん…よし…!」

 

 

先輩たちの援護を受け、立ち上がったホロは目の前で交差させた腕を振り下ろし、気合を入れる。

 

 

「これで決める!!」

 

 

ホロは両腕を真上に伸ばし、両手の間にエネルギーを集めた光球を発生させると、それを目の前に降ろし、光球を両腕で上下から抱えるような構えを取る。

それからL字に立てた右腕を左から右へ振りぬいて光球に右腕をぶつけ、エネルギーを右腕に込めた。

 

 

 

「ホロリウム光線!!!」

 

 

 

そして両腕をL字に組んで、必殺光線を放った。

光線はデマーガに直撃し、デマーガはもがいた後、断末魔を上げながら大爆発を起こした。

 

 

 

「っしゃあっ!!」

「やった…!」

 

「よっしゃああああああああ!!」

「勝ったのらーーーー!!」

「っはは…すっご…」

「はぁーっ…なんとかなったぁー…」

 

 

ウルトラマンホロは光に包まれ、魔法少女たからの姿へと戻った。

 

 

「やった…僕が…やったんだ…!」

 

「「「「「「たからーーーー!」」」」」」

 

「みなさん…!」

「お疲れ様、たから。」

「すごかったにぇ!!」

「大活躍だったのら!」

「やるじゃん、たから。」

「ホント、ヤバすぎ!」

 

「ありがとう、たから。」

 

かなたが、気を失った少女を抱えて歩み寄ってきた。

 

「えっ…その子は…?」

「コラプサーに取り込まれてた子だよ。」

「たからのおかげで、助けることができたんだ。」

「取り込まれてた…!?

 デマーガの中に、この子が…!?」

 

たからの疑問にアエルとラグが答え、知らなかった事実にたからは驚く。

すると、少女の身体が透けていき、やがて消えてしまった。

 

「え!?」

「大丈夫、あの子は「心」だけがこの世界に連れてこられてて、それが現実に戻ったんだ。」

「そうなんですか…良かった…」

「僕たちも戻ろう、そこでちゃんと説明するから。

 アエル、ラグ、お願い。」

「「うん!」」

 

ホロウィッチたちはアエルとラグの魔法で、現実世界に戻った。

 

 

「戻ってきた…」

「あ゛ぁー疲れたに゛ぇー…」

「んなぁー…」

「ホント、今回ばかりはマジでヤバかったわ…」

「たからがいなかったら、正直勝てなかったですね…あれは…」

「いやホント助かったぁー…!ウルトラマンヤバすぎ…!」

 

「たから、今日は本当にありがとう。

 たからのおかげで、コラプサーを倒せたし、ユメオチした子も助けられた。」

「ボクたちからも、お礼を言うよ!」

「これからもホロウィッチとして、ユメオチした人たちを助けてほしいんだ!」

「…すみません、その前にいいですか?」

 

アエルとラグの話を制止して、たからは尋ねた。

 

 

「とりあえず、まず…「ホロウィッチ」って、何なんですか?」

 

 

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