魔法少女ホロウィッチ!~希望を守る光の巨人~   作:川口・river・高史

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第3話「天空の追走劇」

「…よし、準備完了!」

 

予定している配信の準備を終えたたからは、ゲーミングチェアを少し後ろに引いて伸びをする。

 

「ふうっ…さて、配信まで時間あるし、仮眠をとるのもありかな…?」

 

スマホで時間を見たたからは、配信の時間までの時間の使い方を考えていた。

すると、スマホに電話がかかってきた。

 

「電話…アエルから…!?

どうやって電話を…って、たしか魔法で電話できるんだったっけ…

 ホントにできるんだ…」

 

たからは、初めてホロウィッチになった後にかなた達から説明を受けた後、コラプサーが現れた際に呼び出せるように、アエルとラグに電話番号を教えていた。

 

「もしもし、アエル?」

「たから!良かった出てくれた…!」

「ちょうど配信の準備が終わったところだったから。

 それで、電話してきたってことは…」

「うん、コラプサーが現れたんだ!」

「コラプサー…!

 わかった、行くよ!」

「ありがとう!

 それじゃあ、魔法でホロキャス界に呼ぶから、スマホを置いて!」

「わかった。」

 

アエルの指示通りに、立ち上がって机にスマホを置くと、スマホの画面がまばゆい光を放った。

たからは堪らず顔を腕で覆い、光が収まったので腕を下ろすと、太陽が無いビル街のような異空間に立っていた。

 

「ホントに来れた…」

「たから!」

 

自分を呼ぶ声に振り向くと、かなた、みこ、ルーナ、アエルが駆けつけていた。

 

「先輩…!

 あれ、マリン先輩たちは…?」

「マリン船長達は今日は収録があってこられないのら。」

「そういうときのための、チーム制だにぇ!」

「なるほど…!」

「…いた!上だ!」

 

かなたが空を指さすと、鳥の姿を模した大型のコラプサーが空を飛んでいた。

 

「ユメオチした人がもう取り込まれてる…!

 早く助けないと!」

「たから、行くよ!」

「はい!」

 

かなた、みこ、ルーナ、たからは、それぞれのホロウィッチボトルを取り出す。

 

「「「「ホロウィッチボトル!インフューズ!」」」」

 

掛け声とともに4人は光に包まれ、かなた、みこ、ルーナは白い衣装に、たからは銀色の衣装に変身した。

 

 

「この手を差し伸べ、つかんで、握る!

 『天使』の『ホロ』!魔法少女かなた!」

「みんなの願いを咲かせる祈り!

 『巫女』の『ホロ』!魔法少女みこ!」

「甘~い幸せ、おすそわけ♪

『姫』の『ホロ』!魔法少女ルーナ!」

「希望を守る、決意の光!

 『ウルトラマン』の『ホロ』!!魔法少女たから!」

 

「「「「チームラスタ!フルキャスト!」」」」

 

変身完了し、4人が名乗りを上げると、4人を見つけたコラプサーは上空へと逃走を図った。

 

「あ!逃げた!」

「逃がすか…!

 かなた先輩!」

「うん!行こう!」

 

かなたは背中の羽を羽ばたかせて、たからは両腕を伸ばして共に空へと飛び立ち、コラプサーの追跡を開始した。

 

「頼んだにぇー!」

 

 

 

 

翼を羽ばたかせながら縦横無尽に飛行するコラプサーを、かなたとたからは全速力で追いかける。

しかし両者の速度は拮抗していて、なかなか追いつけなかった。

 

「あいつ、前のより速い…!」

「このままじゃ追いつけない…かなた先輩!」

「ああ!

 チェンジ!『ガーディアンアーム』!」

 

かなたはホロウィッチステッキを一対のガントレットに変形させ、エネルギーを貯める。

たからもそれに合わせ、左手にエネルギーを貯める。

 

「おりゃあああっ!」

「ウルトラホロショット!」

 

かなたはガーディアンアームから拳型のエネルギー弾を、たからは左手から楔形の光弾を放つ。

しかしコラプサーは素早くそれらを躱し、なおも飛び続ける。

 

「すばしっこい…!」

「だったら!」

 

2人はコラプサー目掛けて光弾を撃ち続けながら、コラプサーの避ける方向を予測し、徐々に逃げ道を塞いでいく。

 

「「そこだ!!」」

 

そして狙いすました一撃を放ち、ついにコラプサーに命中した。

だがコラプサーは一瞬堕ちかけるもすぐに体制を立て直し、2人の方へ振り替えると、翼を2人に向かって大きく羽ばたかせて、羽根型の光弾を放ってきた。

 

「なっ…!?」

「先輩!」

 

たからは素早くかなたの前に出て、バリアを張って光弾を防いだ。

 

「ありがとう…!

 でも、これじゃうかつに近づけない…!」

 

コラプサーはなおも2人の方を向き、雄たけびを上げながら羽ばたいて、いつでもまた光弾を放つ体制をとっていた。

 

「…かなた先輩、僕をあいつに向かって、思いっきり投げてください。

こう、ハンマー投げみたいに、ぐるぐるぶん回して、思いっきり!」

「えっ…!?

 わ、わかった!」

 

かなたは差し出されたたからの両手を掴むと、

 

 

「ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん!!!」

 

 

竜巻を生み出すかの如く回転し、

 

 

「っっっっっっい゛や゛あ゛っ!!!!!」

 

 

コラプサー目掛けて、たからを全力で投げ飛ばした。

投げ飛ばされたたからは、まるで矢のごとく一直線の姿勢で、一瞬にしてコラプサーに突き刺さり、勢いそのままに地上へと急降下していった。

更にたからは自身の飛行能力を利用してさらに加速をかけ、コラプサーを地面にたたきつけるべく急降下していく。

 

「はああああああああああああああああああああああ!!!」

 

しかし、地上まであと少しのところでコラプサーは身をよじり、たからを振り払って体勢を立て直した。

振り払われたたからも素早く体勢を立て直すが、そんなたからに向け、コラプサーが羽根型光弾を放つべく、翼を振りかぶる。

 

「くっ…!」

 

 

 

 

「でえええええええええりゃあああああああああああああ!!!」

 

 

 

 

そこへ飛来したかなたが、全力でコラプサーを殴りつけ、今度こそコラプサーは地上にたたきつけられた。

 

「どうだ!!」

「かなた先輩…!流石です!」

 

そこへ、地上から戦いを見ていたみことルーナが駆け寄ってきた。

 

「かなたーん!たからー!」

「みこ先輩!ルーナ!」

「二人とも凄かったのらー!

 びゅんびゅん飛んでたのら!」

「いやーもうすばしっこくて大変だったよ…!」

「たからも、大胆なことしてたにぇ…!

 かなたんにぶん投げさせるなんて…!」

「あはは…反撃の隙を与えずに接近するには、これしかないって思いまして…」

 

その時、コラプサーがよろよろと立ち上がった。

 

「みんな、決めるよ!」

 

かなたがガーディアンアームをホロウィッチステッキに変形させると、4人はホロウィッチステッキを掲げてエネルギーを貯め、かなたは「拳」の、みこは「鳥居」の、ルーナは「お菓子の家」の、たからは「ウルトラマンホロ」のイメージがそれぞれ背後に浮かび上がる。

 

 

「「「「ウィッチグラム!全力投射(フルキャスト)!」」」」

 

 

溜まったエネルギーをコラプサーへ放ち、直撃したコラプサーは大爆発を起こした。

 

「やったにぇ!」

「いや、まだだよ…!

 多分また…!」

 

かなたの予想通り、爆発の煙の中からコラプサーが無数の泡のように膨らみながら巨大化していき、巨大な鳥型の怪獣へと姿を変えた。

 

 

「キイイイイイイイイイイイ!!」

 

 

「またでっかくなりやがったにぇ!?」

「たからちゃ、もしかしてあれも…!?」

「はい…ウルトラマンの怪獣です…!

 金色の羽根に…頭の角…ライバッサーか…!」

 

「稲妻怪鳥 ライバッサー」へと姿を変えたコラプサーは、ホロウィッチ達を見据え、威嚇するかのように咆哮をあげる。

 

「…!」

 

たからは自分のホロウィッチステッキを見て、震える手でステッキを握りしめる。

そんなたからに対し、かなたがそっと肩に手を置く。

 

「かなた先輩…」

「大丈夫、僕たちも一緒に戦う。

 たからは、一人じゃないよ。」

 

かなたの言葉に、たからはみことルーナの方を見ると、二人も笑顔で力強く頷いた。

 

「…ありがとうございます。」

 

たからは目を閉じて一度深呼吸をすると、決意と共に目を開き、ホロウィッチステッキを左手に持ち替えながら数歩前に出る。

 

「チェンジ!『ウルトラホロライザー』!」

 

たからはホロウィッチステッキを半円型のアイテムへと変形させると、グリップのトリガーを押して起動させ、出現したヒーローズゲートをくぐり、インナースペースへと入る。

目の前に出現したウルトラアクセスカードを手に取ると、ウルトラホロライザーのカードスロットへセットする。

 

『Takara Access Granted.』

 

ウルトラホロライザーから音声が鳴った後、ブレードを右側にスライドさせ展開させると、ウルトラホロライザーから確定音が鳴る。

 

 

「ウルトラマン!ホローーーーー!!!」

 

 

名前を叫びながらウルトラホロライザーを勢いよく天に掲げ、トリガーを押す。

 

『Ultraman Holo.』

 

その瞬間、たからは眩い光に包まれ、ウルトラマンホロへと変身、ライバッサーの前に姿を現した。

 

ホロは両腕を下ろすと、自分の身体を見渡す。

 

『やっぱり、夢じゃない…僕が…ウルトラマンなんだ…』

 

ホロは両手を握りしめ、両腕を軽く曲げて腰を少し落とした構えを取り、ライバッサーと対峙する。

 

「キイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

 

そこへ、ライバッサーが雄たけびを上げながら、ホロめがけて突進してくる。

ホロはライバッサーの頭部を掴んで押しとどめると、ライバッサーの首を蹴り上げて仰け反らせる。

ライバッサーがすかさず両翼で挟み込もうとしてくるが、ホロは両腕でそれを防ぎ、ライバッサーを蹴り飛ばす。

今度はライバッサーが嘴で啄もうとし、ホロはライバッサーの頭部を掴んでそれを防ぐが、両翼で挟まれてしまい、体勢を崩す。

そんなホロに、ライバッサーは軽く飛び上がって足で攻撃しようとするが、ホロは前転してそれを躱す。

着地して方向転換したライバッサーに、ホロは懐に飛び込んで体当たりし、チョップを打ち込む。

ライバッサーも負けじと、鋭い翼の先端を振るうが、ホロはそれを屈んで躱す。

するとライバッサーは再び飛び上がり、抑え込もうとしたホロを足の爪でひっかいてくる。

そして着地すると、翼を振るってホロを殴り飛ばし、ホロは倒れてしまう。

ライバッサーは再度飛び上がると、ホロの上に降りてきて、ホロを踏みつけてくる。

 

『ぐあっ…!?』

 

更にもう一度飛び上がり、再びホロを踏みつける。

 

 

「ルーナ!」

「んな!

 チェンジ!『キャンディパラソル』!」

 

ルーナはホロウィッチステッキを傘型の武器へと変形させると、それを銃のように構え、ライバッサーへ光弾を放つ。

かなたもそれに合わせ、ガーディアンアームから拳型の光弾を放ち、ライバッサーをひるませる。

ホロは起き上がってライバッサーの両足を掴むと、両脇に抱えてぐるぐると回転した後に投げ飛ばし、地面にたたきつけた。

 

「よし!」

 

しかしライバッサーはすぐに起き上がると、翼を羽ばたかせて強風を起こし、ホロは体勢を崩さないように踏ん張る。

 

『くっ…!』

 

そこへ、ライバッサーは胴体からの電撃光線を放ち、ホロはまともに食らって吹っ飛ばされてしまう。

 

『うわあああああああっ!?』

 

地面に倒れ、大きなダメージを受けたホロは苦しみ、胸のカラータイマーが点滅を始めてしまう。

 

 

「たから!!」

「このやろー!

 チェンジ!『ミコベルロッド』!」

 

みこはホロウィッチステッキを神楽鈴へと変形させると、それを振り鳴らし、巨大な注連縄を数本出現させて、ライバッサーに巻き付け、動きを封じた。

 

「かなたん!!」

「わかった!!」

 

かなたはライバッサーへ向け全速力で飛び立ち、

 

「うおおおおおおおりゃあああああああああ!!!」

 

ライバッサーの顎に全力のパンチを叩き込み、思わぬ衝撃にライバッサーはたまらず後ろへ倒れた。

 

「たから!今だ!!」

 

ホロは立ち上がると、かなたの言葉に頷く。

そしてライバッサーがよろめきながら起き上がると、ホロは両腕を真上に伸ばし、両手の間にエネルギーを集めた光球を発生させ、それを目の前に降ろし、光球を両腕で上下から抱えるような構えを取る。

それからL字に立てた右腕を左から右へ振りぬいて光球に右腕をぶつけ、エネルギーを右腕に込めた。

 

『ホロリウム光線!!』

 

そして両腕をL字に組んで、必殺光線を放つ。

 

「キイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?」

 

光線はライバッサーに命中し、ライバッサーは断末魔を上げながら大爆発した。

 

「「っしゃああああああああ!!」」

「やった…!!」

 

ライバッサーを倒したホロは、ゆっくりと光線の構えを解く。

そして、ホロに向かって笑顔でサムズアップするかなた、みこ、ルーナを見て、ホロもサムズアップで応えるのだった。

 

 

 

 

その後、取り込まれていた人を助け、たからは無事に現実世界に戻ってきた。

 

「ふう…良かった、無事に助けられて…」

 

椅子に座って一息つくと、スマホにかなたから電話がかかってきた。

 

「もしもし、かなた先輩?」

『たから、さっきはお疲れさま。

 思ってた通り、またコラプサーが怪獣になったけど…たからのおかげで、ユメオチした人を助けることができた。

 本当にありがとう。』

「いえ…僕の方こそ、危ないところを助けてもらいました。

 ありがとうございました!」

『ふふっ、お互い様だね。

 このあと配信だったよね?

 疲れてるだろうから、少し休んだ方がいいよ。』

「そうですね…もともとそうしようかなと思ってたので、そうさせてもらいます。」

『うん、それじゃあまたね。

 配信頑張って!』

「はい、ありがとうございます!」

 

たからは電話を切ると、ホロウィッチボトルを取り出し、見つめる。

 

「…本当に、ウルトラマンになったんだな、僕…」

 

先ほどの戦いを思い出し、感慨にふけるたから。

 

「攻撃を受けたときは、苦しくて、怖くなったけど…先輩たちのおかけで、立ち上がることができた。

 …これからも、先輩たちと一緒に、頑張るんだ…ホロウィッチとして…ウルトラマンとして…!」

 

たからはホロウィッチボトルを握りしめ、決意を新たにするのだった。

 

 




次回「海中の攻防」
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