朝のスタジオには活気が満ちていた。今日はホロライブ0期生のロケ企画の日。俺はスタッフとして同行し、撮影のサポートをすることになっている。機材を確認しながら周囲を見渡すと、タレントたちが次々と到着していた。
すいせい「おはようございます!今日はよろしくお願いします!」
「おはようございます。すいせいさんも朝から元気ですね。」
すいせい「当たり前でしょ!今日はロケだし、楽しみにしてたんだから!」
俺が返事をする間にも、次々と0期生のメンバーが集まってくる。
みこ「天津さん、おはようございます!」
「おはようございます、みこさん。」
そら「今日もよろしくお願いします!」
「よろしくお願いします、そらさん。」
ロボ子「天津さん、機材の準備は大丈夫?」
「はい、問題ありません。」
AZKi「朝早いけど、みんなで頑張りましょう。」
「ええ、しっかりサポートします。」
今日のロケは、温泉街を巡る観光企画だ。地元の名物グルメや観光名所を巡りながら、最後は温泉街の夜景で締めくくる予定になっている。
すいせい「ねぇ、天津さんも一緒に温泉入ったりする?」
「さ、流石にそれは……。」
すいせい「冗談だってば!」
そんな軽口を叩きながら、俺たちはバスに乗り込んだ。目的地までの道中、タレントたちはすでにテンションが高い。
みこ「ねぇねぇ!今日のお昼ご飯って何が出るの?」
そら「聞いた話だと、地元の有名な郷土料理らしいよ。」
ロボ子「温泉卵とか、お蕎麦とか……おいしそう!」
AZKi「撮影が終わったら、ゆっくり楽しみたいね。」
俺は彼女たちの会話を聞きながら、機材の最終チェックを行う。撮影は順調に進むように見えたが、現場は何が起こるかわからない。しっかり準備しておくに越したことはない。
最初の撮影スポットは、温泉街の入り口にある老舗の和菓子屋だった。ここでは、タレントたちが店主と会話をしながら、名物のお菓子を試食するシーンを撮ることになっている。
みこ「うわぁ~!このおまんじゅう、ふわふわでおいしそう!」
そら「できたてなんですね!」
ロボ子「どれどれ……ん~!やわらかい!」
AZKi「甘さがちょうどいいですね。」
すいせい「天津さんも食べてみる?」
「いえ、俺は……。」
すいせい「スタッフだって、味を知ってた方がいいでしょ!」
無理やり渡された温泉まんじゅうを口に運ぶと、ふわっとした皮の中から濃厚なあんこが広がった。確かに美味い。
「……これは美味しいですね。」
すいせい「でしょ!いや~、こういうロケって楽しいよね。」
次のスポットは、温泉街の中心にある神社だった。歴史ある場所で、観光名所としても有名らしい。
みこ「すごい!この鳥居、めっちゃ大きい!」
そら「こういうところに来ると、なんだか落ち着くよね。」
ロボ子「天津さん、お参りしないの?」
「俺は後で……皆さんが先にどうぞ。」
タレントたちはお賽銭を投げ、願い事を唱えながら手を合わせる。その姿を見守りながら、俺はふと過去の記憶に引き込まれそうになった。
――神社。
それは、かつて俺と風真源十郎がよく訪れた場所でもあった。江戸の時代、戦乱の合間に、俺たちは何度かこうして静かな場所で過ごしていた。
風真源十郎「おい影道、たまにはこういう場所でゆっくりするのも悪くねぇだろ?」
影道「……戦の合間に何を言ってるんだよ。暇なら鍛錬でもすればいいだろ。」
風真源十郎「はははっ、相変わらず固いなぁ。お前もたまには気を抜けよ。」
影道「俺にはそんな余裕はねぇ。」
風真源十郎「だからお前はダメなんだよ。いいか?人間、戦うだけが人生じゃねぇんだぜ。」
影道「そんなことは分かってる。」
風真源十郎「じゃあ、たまにはこうしてのんびりしろよ。俺たちだって、いつ死ぬか分からねぇんだからな。」
影道「……それは、そうかもな。」
――そう、俺と源十郎は、いつも戦場にいた。しかし、それでも彼は時折こうして俺を連れ出し、何気ない日常の一コマを作ろうとした。
だが、あいつはもう目の前にいない。
そして俺は、現代に転生し、この世界にいる。
風真源十郎の血を引く者が、風真いろはとしてホロライブにいることを知ったとき、俺は複雑な気持ちになった。彼の血筋が、こうして未来へと続いていることに安堵しながらも、源十郎とのを思い出してしてしまう。
すいせい「天津さん?どうしたの?」
「……いえ、少し考え事をしていました。」
すいせい「なんか、遠い目してたよ?」
「そんなことはありませんよ。」
みこ「天津さんもお参りしちゃいなよ!せっかくだし!」
俺は彼女たちに促され、軽く手を合わせた。何を願うべきか分からなかったが、気持ちを整理する時間にはなった。
その後も撮影は順調に進み、最後は温泉街の夜景をバックにしたエンディングシーンを撮ることになった。タレントたちは並んでカメラに向かい、笑顔で手を振る。
そら「今日は楽しかったですね!」
ロボ子「またこういう企画やりたいな!」
AZKi「みんなで旅行するみたいで、いい思い出になったね。」
すいせい「天津さんもお疲れ様!」
「皆さんもお疲れ様でした。」
こうして、ロケ企画は成功裏に終わった。だが、俺の胸には、過去の記憶が微かに残り続けていた。
――風真源十郎。
お前がいた時代と違って、俺は今、こんな風に笑って生きているよ。