現代の影   作:ただの片栗粉

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投稿しながらなんとか仮免合格しました。


別次元:1208①

すいせい「待って待って、急展開過ぎない?」

 

のどか「シオンさんと天津さんは別次元に行って対抗するために必要な禁書をわざわざ別次元に行って取りに行くと...?」

 

シオン「そう、なんせこれくらいしか方法が思いつかなかったし。」

 

「俺が決めたことなんです。」

 

マリン「そんな急に...」

 

すいせい「今から行くの?」

 

「うん、そうするつもり。」

 

すいせい「そっかぁ...いつ頃戻れる?」

 

シオン「それは分からないや、もしかしたら帰って来れないかもしれない。」

 

のどか「そ、それじゃダメですよ!ちゃんと帰ってきてもらわないと!」

 

「ちゃんと帰ってくるつもりなので大丈夫ですよ。」

 

シオン「まぁシオンが居ないと帰れないけどねぇ?」

 

すいせい「ぜっっっったい連れて帰ってきて!!!」

 

すいせいがシオンさんの肩を掴んで揺らしていた。シオンさんの目がぐるぐると回っていた。

 

シオン「わ、わわっ!?ちょ、シオンが酔ってるみたいに見えるからやめて!!」

 

すいせい「だって天津さんが帰ってこなかったら困るもん!!」

 

「大丈夫ですよ、ちゃんと戻ってきます。」

 

のどか「約束ですよ、天津さん……!」

 

マリン「まぁ、無事に帰ってくるならいいけど……ホントに無茶はしないでくださいよ?」

 

「ありがとうございます。でも、これは俺が決めたことなので。」

 

シオン「よし、じゃあ準備しよっか!」

 

シオンさんは手を前に突き出し、魔力を練り始めた。その姿を見て、すいせいが不安そうな顔をする。

 

すいせい「本当に……気をつけてよ?」

 

「心配しすぎ、大丈夫。」

 

シオン「じゃあ、行くよ……スターロード!」

 

シオンさんが詠唱を終えると、目の前に淡い光の門が開いた。次元の狭間へと続く扉だ。

 

マリン「……すご、本当に開いた。」

 

のどか「これが……次元の扉……。」

 

すいせい「……ホントに行っちゃうんだね。」

 

俺は一歩、扉に足を踏み入れた。そして、最後にすいせいの方を振り返る。

 

「戻ったら……また、いつものように話しましょう。」

 

すいせい「……絶対だよ。」

 

俺は微かに笑い、シオンさんとともに光の扉へと消えた。

 


 

扉をくぐった瞬間、視界がぐにゃりと歪んだ。感覚が宙に投げ出されるような浮遊感と、体を締めつけるような重圧が同時に襲いかかる。

 

「……っ!」

 

一瞬、意識が遠のくかと思ったが、次の瞬間には地面に足がついていた。

 

シオン「着いた……けど、ここどこ?」

 

俺たちが立っているのは、見知らぬ街の片隅だった。見上げると、こちらの世界と大きく変わらない空が広がっているが、周囲の建物の構造が妙に歪んでいる。まるでどこかの芸術作品のような風景だ。

 

「……異世界って、もっと分かりやすく違うものだと思ってました。」

 

シオン「シオンもそう思ってたけど……まあ、油断は禁物だね。」

 

シオンさんが周囲を警戒するように見回す。確かに、別の次元に来た以上、どんな危険があるか分からない。

 

「さて……まずは禁書の手がかりを探しましょうか。」

 

シオン「うん、でもその前に……」

 

シオンさんが俺をじっと見つめる。

 

「……なんです?」

 

シオン「天津さん、なんか変な感じしない?」

 

「変な感じ?」

 

改めて自分の体を確認する。特に変わったところは……ない、はずだった。だが、手を握った瞬間、違和感に気づいた。

 

「……力が、入る?」

 

影の力を失って以来、俺は戦闘において圧倒的に不利な立場だった。しかし、今は明らかに感覚が違う。体に流れるエネルギーの感触が、以前とは違い別の感覚がする。

 

シオン「やっぱりね……ここは別次元だから、天津さんが失ったはずの力が別の感覚で戻ってる可能性があるかも?」

 

「つまり……影の力が使える?」

 

シオン「試してみれば?」

 

俺は静かに影を意識した。すると、地面に落ちる自分の影がふわりと揺れたかと思うと――すっと俺の意志に応じて動いた。

 

「……戻ってる。」

 

シオン「これなら、ここで何かあっても戦えるね。」

 

「……そうみたいですね。」

 

俺は拳を握りしめ、静かに息を吐いた。 だが拳には封印の証がまだ付いていた。

 

「よし、禁書を探しに行きましょう。」

 

シオン「うん、気をつけながらね。」

 

こうして、俺たちはこの次元での探索を開始した。

 

博物館の前に立つと、他の建物とは一線を画す、しっかりとした造りが目に入った。

 

「……ここだけ異質ですね。」

 

シオン「うん、確かに。芸術作品みたいな建物ばっかりなのに、ここだけ普通の建築物だね。」

 

入り口の扉には、大きく「博物館」と書かれている。

 

「もしかしたら、禁書の手がかりがあるかもしれませんね。」

 

シオン「そうだね、入ってみよっか。」

 

俺たちは静かに扉を開き、中へと足を踏み入れた。

 

博物館の中は、外観と同じくしっかりと整理された空間だった。壁にはこの街の歴史を描いた絵や、古い書物が飾られている。

 

俺たちは受付にいた館長らしき男性に声をかけた。

 

「すみません、少しお尋ねしたいのですが。」

 

館長「おや、旅の方ですかな?」

 

シオン「えっと、ここってどんな場所なんですか?」

 

館長「ここは芸術を愛する者たちが集う街。この博物館は、そんな我々の歴史や、過去に創られた貴重な品々を展示しておる。」

 

「なるほど……珍しい書物なんかも置いていますか?」

 

館長「もちろん。我々の祖先が残した書物の中には、極めて希少なものもある。」

 

シオン「じゃあ、探させてもらってもいい?」

 

館長「どうぞ、ご自由に。」

 

俺たちは礼を言い、館内をくまなく探し回った。

 

しかし――

 

「……無いですね。」

 

シオン「うーん……やっぱり、そう簡単には見つからないか。」

 

博物館の隅々まで探したが、ドリームウォークの禁書らしきものは見当たらなかった。

 

「……手がかりすら無いのは、ちょっと予想外ですね。」

 

シオン「うん。でも、この街のどこかにあるかもしれない。まだ諦めるのは早いよ。」

 

「そうですね。もう少し情報を集めてみましょう。」

 

俺たちは次なる手がかりを求め、再び街を歩き出した。

 

マリン?「あれ〜?シオンたんと天津さん?」

 

「マリンさん?」

 

シオン「船長...?」

 

急に聞き覚えのある声を聞き振り向くとそこにはマリンさん...なのだが、雰囲気がいつもより大人っぽい印象だ。

 

マリン?「やっぱりそうだ!シオンたんと天津さんだよね?」

 

「えぇと……マリンさん、ですよね?」

 

シオン「船長……なの?」

 

目の前のマリンさんは確かに見覚えがある。しかし、いつものように元気いっぱいの雰囲気ではなく、どこか落ち着いていて、大人びた印象を受ける。

 

マリン?「船長、ねぇ……まあ、そう呼ばれることもあったけど、あなたたちの知ってるマリンとはちょっと違うかもね。」

 

「……どういうことですか?」

 

マリン?「あなたたち、もしかして“別の場所”から来たんじゃない?」

 

シオン「っ!?」

 

俺とシオンは思わず顔を見合わせた。

 

「……それは、どういう意味で?」

 

マリン?「そんなに警戒しなくても大丈夫。こっちに来たばかりなら、色々と分からないことも多いでしょう?ちょっとマリンのところに来ない?」

 

シオン「……どうする?」

 

「ここで立ち話するよりは、話を聞いてみた方がいいかもしれませんね。」

 

マリン?「ふふっ、決まりね。じゃあ、ついてきて。」

 

俺たちはマリンさん(?)に案内されながら、この世界の事情を知るため、彼女の元へ向かうことにした。

 

マリン?「ここがマリンの家、男の子を入れるのは初めてだけど...優しくしてね?」

 

「テンションは変わりませんね...」

 

シオン「お邪魔します...」

 

マリン?「まぁね?私っマリンてばどの世界でも魅力的な女海賊だから?」

 

「いや、海賊って感じはしませんけど……」

 

シオン「っていうか、この世界での船長の職業ってなに?」

 

マリン?「ふっふっふ、それはね——イラストレーターよ!」

 

「……イラストレーター?」

 

シオン「……つまり、普通の船長?」

 

マリン?「でもね、この街を描いてるせいか、この街の物知りと言われてるもんね!」

 

「なるほど……」

 

シオン「ってことはさ、この街にあるものって全部把握してる?」

 

マリン?「もちろん!この街のことなら大体分かるわ!」

 

シオン「だったら話が早い!船長、ここに“禁書”って呼ばれる本はない?」

 

マリン?「禁書?」

 

俺とシオンは息をのんだ。

 

マリン?「うーん……禁書ねぇ……。何か特別な名前とか、特徴はある?」

 

シオン「『ドリームウォーク』っていう本なんだけど……」

 

マリン?「ドリームウォーク……あー、なるほど。確かにそんな名前の本、昔どこかで聞いたことがあるわね。」

 

「どこで聞いたんですか?」

 

マリン?「ちょっと待ってね……」

 

マリンさんは部屋の奥にある棚から古びたノートを取り出し、ぱらぱらとめくり始めた。

 

マリン?「確か、何年か前にこの街に来た旅人がそんな本を探してたのよ。でもね、その本は博物館にはなかったみたい。」

 

「その旅人は、どこで本を探してたんですか?」

 

マリン?「それがね……“霧の図書館”よ。」

 

シオン「霧の図書館……?」

 

マリン?「そう。この街から少し離れた森の奥にある、迷い込んだ者しかたどり着けないって言われてる場所。そこに、世の中から消された本や、誰かが隠した禁書が眠ってるって話よ。」

 

「……確かに、それっぽいですね。」

 

シオン「行くしかないね……!」

 

マリン?「まあまあ、落ち着いて。そこに行くのはいいけど、あの場所、結構危険らしいのよね。」

 

「危険?」

 

マリン?「霧の図書館には“番人”がいるって話。何者かは分からないけど、迷い込んだ人を図書館から出さないようにしてるって。」

 

シオン「……ってことは、見つけても帰れない可能性もあるってこと?」

 

マリン?「そういうこと。でも、行くつもりなんでしょ?」

 

俺とシオンは顔を見合わせ、頷いた。

 

「行くしかないですね。」

 

シオン「船長、案内してくれる?」

 

マリン?「勿論行くけど、中にまでは入れないよ。」

 

「大丈夫です。そこら辺は俺たちで何とかします。」

 

シオン「右に同じく。」

 

マリン?「じゃあ決まりだね、行くよ!」

 

霧の図書館、なんなのか知らないが上手くいく事を願いたい。

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