現代の影   作:ただの片栗粉

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天川正編が終わったら一旦完結で!もしかしたら無理やりな終わり方するかもしれないのでそこら辺はご了承ください。


別次元:1208③

シオン「ちょ、ちょっと天津さん!? その姿なに!? っていうか、誰!?」

 

「説明は後だ。今はこいつを止める。」

 

影を纏った体で一気に踏み込む。

 

シオン?「なるほどね、影を纏って変身したか。でも、それなら負けるわけにはいかないな。」

 

シオン?は杖を軽く振ると、足元から無数の魔法陣が広がり、紫色の雷が俺に向かって放たれる。

 

「……チッ。」

 

瞬時に影踏みで回避し、シオン?の背後に回り込む。だが、彼女もすぐに察知し、結界を展開して攻撃を防いだ。

 

シオン?「ふふっ、その姿にしては戦い慣れてるみたいだけど……それだけじゃ足りないよ。」

 

「そっちこそ……っ!」

 

再び影を操ろうとした瞬間、別の方向から炎の魔法が飛んできた。

 

シオン「天津さんだけに戦わせるわけにはいかないし!」

 

本物のシオンが参戦し、杖を振りかざして別次元のシオン?へと攻撃を仕掛ける。

 

シオン?「ほぉ……やっとやる気になったみたいだね。」

 

シオン「当然でしょ! こっちは禁書を手に入れないといけないんだから!」

 

シオン?も魔法陣を展開し、シオンの炎とぶつかり合う。

 

俺はその隙に影縛りを使い、シオン?の動きを封じようとするが――

 

シオン?「っ……!? 何……っ!」

 

影が彼女の足元を這い、動きを制限する。どうやら影の力はこの次元では珍しいものらしい。

 

「悪いが、こっちは影を操る力を持ってる。動きを封じさせてもらう。」

 

シオン?は焦りながらも、手のひらに魔法陣を展開し、結界を張って影の拘束を振り払おうとする。

 

シオン「天津さん、今!」

 

シオンの炎が一気に放たれ、シオン?の結界とぶつかる。

 

シオン?「っ……! くっ、やるじゃん……でも……!」

 

結界が弾けると同時に、シオン?は何かを呟くと、杖を地面に突き立てた。

 

次の瞬間――地下空間全体に、強い魔力の波動が広がった。

 

シオン?「ここは私の領域だよ……簡単に負けるわけにはいかない!」

 

シオン?が杖を突き立てた瞬間、地下全体が震え、空間が歪み始める。壁や天井に張り巡らされた魔法陣が輝きを増し、まるで生きているかのように脈動し始めた。

 

「これは……?」

 

シオン「マズい、あれって……!」

 

シオン?「『霧の呪縛』、この空間にいる限り、私の魔力がどんどん強化されるんだ。」

 

シオンの顔が険しくなる。

 

シオン「天津さん、長引くとやばいよ! あの魔法陣、シオンたちの魔力を奪ってる!」

 

「それなら……一気に決めるしかないか。」

 

俺はさらに影を自分の体へ取り込み、戦闘に集中する。高田影道の頃の感覚が、少しずつ蘇ってくる。

 

シオン?「へぇ……その影の力、ちょっと厄介だけど……こっちも本気を出すよ!」

 

彼女が杖を振ると、空間に無数の魔法陣が展開され、そこから火球や雷撃が一斉に放たれる。

 

「……っ!」

 

影踏みで回避しつつ、影を操って攻撃をいなしていく。しかし、攻撃の密度が高く、完全には避けきれない。肩にかすった雷撃が痺れを残す。

 

シオン「天津さん、援護する!」

 

本物のシオンが素早く詠唱を開始し、大きな炎の竜を召喚する。

 

シオン?「おっと、それは強力そうだね……でも!」

 

シオン?も対抗するように氷の槍を無数に生み出し、竜へと放つ。

 

炎と氷がぶつかり合い、蒸気が立ち込める中、俺は影を伸ばしてシオン?の足元を狙う。

 

「影縛り――!」

 

シオン?「くっ……!」

 

影が彼女の足を絡め取る。しかし、シオン?はすぐに魔法陣を展開し、影を断ち切ろうとする。

 

シオン「今だよ、天津さん!」

 

「ああ!」

 

俺はさらに影を取り込み、一気に間合いを詰める。

 

「終わらせる――!」

 

シオン?「……っ!」

 

その瞬間、シオン?の目が驚きに見開かれる。

 

彼女は何かを察したかのように、すっと杖を下ろした。

 

シオン?「……負けた、か。」

 

戦いの余韻が残る中、霧の呪縛の魔法陣がゆっくりと消えていった。

 

シオン?「2対1は少しキツかったかぁ...」

 

シオン「じゃあ、約束通りドリームウォークを渡して!」

 

シオン?「仕方ないなぁ...いいよ」

 

シオン?が渋々と本棚の奥に手を伸ばし、厳重な封印が施された一冊の本を取り出す。その表紙には黒と金の装飾が施され、妖しい光を放っていた。

 

シオン「やった、これで——」

 

ゴボォッ!!

 

突如として周囲の空間が歪み、水が爆発したかのように飛び散る。

 

「っ!? 水の魔法!?」

 

シオン「え、何!?!?」

 

吹き飛ばされたドリームウォークの禁書が宙を舞い、突如現れた手がそれを掴む。

 

マリン?「ごめんねぇ、これ、マリンが貰うよ!」

 

シオン「えっ、マリン!? なんで!?」

 

マリン?「だってぇ、この本、超面白そうだし、マリンが持って帰りたくなっちゃったんだよね〜!」

 

「冗談言ってる場合じゃないだろ!!!」

 

俺たちは水流に乗って逃げるマリン?を追いかけ、霧の図書館の地下回廊を駆け抜けた。

 

マリン?「んふふ〜、こんなに追いかけてくれるなんて、マリンモテモテ〜!」

 

シオン「そんなわけないでしょ! 返してってば!」

 

マリン?「ヤダ♡」

 

軽い調子で答えた瞬間、彼女は足元の水を一気に跳ね上げ、巨大な水の壁を作り出した。

 

俺はすぐに影を前方に伸ばし、水の壁にぶつける。

 

「影圧!」

 

影の力を凝縮し、強引に水流を押し返そうとする。だが、マリン?はすぐに次の手を打った。

 

マリン?「あまいよぉ〜、アクアバースト!」

 

水流が突然爆発し、強烈な水圧が俺たちを吹き飛ばす。

 

シオン「きゃっ!」

 

「くっ……!」

 

俺は影を使って地面に固定し、吹き飛ばされるのを防ぐが、シオンは少し後方へ押し戻されてしまった。

 

マリン?「このまま追いかけてこれるかな〜?」

 

彼女は水の流れを操り、水の道を作り出してさらに先へと進んでいく。

 

「……だったら、こっちもやるしかないな。」

 

俺は影を纏い、シオンの隣に立つ。

 

「影舞。」

 

影の力を足に集中させ、一気に加速する。水流の影を利用し、まるで水の上を滑るようにして追いかけた。

 

シオン「やるね、天津さん! じゃあ、シオンも——」

 

シオンは素早く詠唱し、火の魔法を放つ。

 

「フレアスパーク!」

 

火の小さな火花が水の中で弾け、蒸気となって視界を覆う。

 

マリン?「うわっ、見えない!」

 

俺たちはその隙を突いて間合いを詰める。

 

「今だ!」

 

俺は影を伸ばし、マリン?の足元を狙う。

 

「影縛り!」

 

影が蛇のようにうねりながら彼女の足へと絡みつく。

 

マリン?「あらら、やばいかも〜?」

 

だが、彼女はすぐに水を操り、自分の体を浮かせて影の拘束から抜け出した。

 

「やっぱり簡単には捕まえられないか……!」

 

シオン「だったら、連携するしかないね!」

 

俺はシオンと視線を交わし、次の攻撃の準備に入る。

 

シオン「ブレイズストーム!」

 

彼女の両手から炎が巻き起こり、渦を巻きながらマリン?へと襲いかかる。

 

マリン?「あっつーい!」

 

慌てて水の壁を作り出し、炎を相殺しようとする。

 

俺はその瞬間を狙い、影を地面から跳ね上げるように操作する。

 

「影槍!」

 

影が鋭い槍の形になり、マリン?の防御の隙を突いて突き出される。

 

マリン?「くっ……!」

 

ギリギリで水の盾を作り、槍を防いだが、少しよろめく。

 

「今度こそ……!」

 

俺は一気に距離を詰め、影の力を右手に集中させた。

 

「影打ち!」

 

拳を振るい、影の波動を放つ。

 

マリン?は避けきれず、衝撃を受けて後方へと吹き飛ぶ。

 

シオン「やった!?!」

 

マリン?は水に包まれながら転がり、持っていた禁書が手から滑り落ちた。

 

「今だ、シオンさん!」

 

シオンは素早く本へと手を伸ばす——。

 

シオンはすかさず禁書へと手を伸ばす。

 

シオン「これで——!」

 

しかし、マリン?は地面に手をつき、水を巻き上げるようにしてシオンの動きを阻む。

 

マリン?「簡単に持っていかれちゃ困るんだよねぇ〜!」

 

水流がシオンの足元をすくい上げ、体勢を崩させる。

 

「シオンさん!」

 

俺は影を伸ばし、シオンが転倒する前に支えた。その間にマリン?は再び水を操り、禁書を奪おうとする。

 

マリン?「水の中ならマリンの方が有利だよ!」

 

「……なら、影で覆うしかないな。」

 

俺は影の力を足元から広げ、水の流れを飲み込むように闇を広げた。

 

「影縛り!」

 

黒い影が波打つ水の中へと滑り込み、マリン?の動きを封じようとする。

 

マリン?「んん〜? そんなのじゃ捕まらないよ?」

 

彼女は水の中で身を翻し、影をすり抜けるようにして移動する。まるで魚のような動きだ。

 

シオン「なら、今度はこっちからいくよ!」

 

シオンは杖を構え、呪文を詠唱する。

 

「フリーズスパイク!」

 

冷気が放たれ、水の中に氷の槍が生まれる。その槍は水流の中で一気に凍りつき、マリン?の逃げ道を塞いだ。

 

マリン?「うぇっ!? 動けないっ!」

 

その隙に、俺は影を操り、彼女の腕へと巻きつける。

 

「今度こそ、影絡み!」

 

黒い影がマリン?の体を拘束し、動きを完全に封じる。

 

マリン?「あちゃー……やられちゃったね。」

 

彼女は肩をすくめ、諦めたように笑った。その手から、禁書がぽとりと床に落ちる。

 

シオン「やった!」

 

シオンが素早く禁書を拾い上げ、しっかりと抱え込む。

 

「これで……目的達成だな。」

 

マリン?「ちぇ〜あと少しだったのに!」

 

シオン「なんでこれが欲しかったの?」

 

マリン?「だって...これがあれば別次元の若いマリンになってずっとピチピチで生きていたいんだもん!!!!」

 

「く、くだらない...」

 

マリン「は!?黙れよジジイ!!」

 

シオン「あっ...」

 

影の高田影道の姿を解いて元の姿に戻った。するとマリン?は姿勢を変えて土下座した。

 

マリン?「すんませんした!!!!!!」

 

「まぁ大丈夫ですよ。言われ慣れてますから」

 

シオン「てかさ、あのおじいちゃんの姿って何?」

 

「そういえば言ってませんでしたね。」

 

「……俺の過去の姿です。」

 

シオン「過去の……?」

 

「もともと、俺は高田影道っていう名前で……江戸時代みたいな時代に生きてました。」

 

シオン「えっ!? じゃあ、転生してきたってこと?」

 

「そんな感じですね。でも、影の力も記憶も持ったまま生まれ変わったので……まあ、普通の転生とは少し違うかもしれません。」

 

シオン「ええー……全然そんなふうに見えなかった……てか、なんで急にあの姿になったの?」

 

「ここの次元では影の流れが違うのか、俺の力が暴走しやすくて……それを抑えるために、自分の影を取り込んで昔の姿に戻ったんです。その方が体も慣れてるかと思い。」

 

マリン?「なるほどねぇ……確かに、力の流れって世界ごとに違うもんねぇ。」

 

シオン「……って、えっ!? 何、納得してるの!? そっちの船長は普通に受け入れちゃうの!?」

 

マリン?「だって、異世界の話でしょ? そんなん普通にあるじゃん。」

 

「……順応力がすごいな。」

 

マリン?「いやー、それにしてもびっくりしたよ! まさかジジイが天津さんだったなんてね〜!」

 

「……まだ言います?」

 

マリン?「あっ、ごめんごめん! もう言わない言わない!」

 

彼女はひらひらと手を振りながら笑っているが、俺としては複雑な気持ちだった。

 

シオン「まあ、今の話でだいたい分かったけど……影の力ってそんな便利なの?」

 

「便利かどうかは使い方次第ですね。でも、ここの次元では思うように扱えないから、むしろ厄介です。」

 

シオン「ふーん……」

 

彼女は考え込むように頷いた。

 

マリン?「ま、せっかく禁書も手に入ったことだし、そろそろ行くんじゃない?」

 

シオン「あっ、そうだった! 早く戻らないと!」

 

「そうですね。」

 

俺たちは禁書をしっかりと抱え、元の次元へ戻るための準備を始めた。

 

シオン「んじゃ、そっちの船長も頑張ってね〜!」

 

マリン?「頑張って〜!」

 

「行きましょうか。」

 

シオン「おっけー!スターロード!」

 

シオンが手を掲げると、空間に魔法陣が展開された。紫と青の光が混じり合い、やがて扉の形へと変化する。

 

「これで元の次元に戻れるんですね?」

 

シオン「うん! でも、開けてる間に誰か入ってこないように早く行くよ!」

 

「了解です。」

 

俺たちはスターロードの扉へと歩みを進めた。

 

マリン?「いやぁ、別次元のシオンたんと天津さんに会うなんて、なかなか面白かったねぇ〜!」

 

シオン?「まあね。でも、シオンたちが元の世界で何するのか、ちょっと気になるなぁ。」

 

シオン「こっちはこっちで忙しいんだよ〜! じゃあね!」

 

「それじゃあ、またどこかで。」

 

シオンの掛け声と共に、俺たちは光の中へと飛び込んだ。

 

眩い光に包まれた瞬間、身体が浮遊するような感覚に襲われる。そして次の瞬間──俺たちは元の次元へと戻った。

 

気づけば、俺たちは最初に出発した部屋の中に立っていた。

 

「……戻ってきましたね。」

 

シオン「よし! 禁書も無事にゲットしたし、これで対抗策はバッチリでしょ!」

 

のどか「や、やっと帰ってきた...」

 

すいせい「天津さんがいなかったから運営さん色々大変だったっぽいよ。」

 

「え?そうなんですか?引き継ぎはしたはずですが...」

 

シオン「あっ、説明し忘れてた。」

 

「え?」

 

シオン「こっちの時間の流れと他の次元の流れって実は違うからシオン達は数時間冒険してもこっちだと数日経ったような時もあるんだよね。」

 

「それ仕事関連で1番大事な説明ですよ?!」

 

シオン「いやーごめんごめん笑」

 

すいせい「寂しかったよ。」

 

「しっかり戻ってきたよ。」

 

のどか「とにかく無事でよかったです! もう少し帰りが遅かったら、さすがに焦るところでしたよ……。」

 

「すみません、ご迷惑をおかけしました。」

 

のどか「いえいえ! それより、禁書は無事に手に入ったんですよね?」

 

シオン「もちろん! これがその『ドリームウォーク』の禁書!」

 

シオンが誇らしげに禁書を掲げると、のどかさんがホッとしたように胸を撫で下ろした。

 

のどか「良かった……。じゃあ、これで対抗策の準備ができるんですね。」

 

「ええ。でも、使うのは最終決戦の時なので、まだ実際に試すわけにはいきません。」

 

すいせい「そっか。でも……本当に危なくなったら、すぐに頼ってね。」

 

「……はい。」

 

すいせいの真剣な表情を見て、改めて俺は彼女たちの存在の大きさを感じた。自分一人で抱え込むつもりはない、だからこそ、俺はこの戦いに勝つために全力を尽くす。

 

シオン「それじゃ、しばらくは作戦会議かな? いやぁ、頭使うのは苦手なんだけどなぁ〜。」

 

のどか「そんなこと言わずに、しっかり考えましょう! これはホロライブ全体に関わることなんですから!」

 

シオン「はーい……。」

 

のどかさんの鋭い視線に、シオンは渋々ながらも頷いた。

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