シオン「シオンが食い止める!だから天津さんはこれ持って3分後に開けるから!」
「分かった!」
シオンさんがドリームウォークの禁書を投げて俺がキャッチし、一気に事務所の方へと走っていった。やられた傷が痛むがそれよりドリームウォークを使って約束通り3分後に別の俺として行かないといけない。
正「ふむ、何かしようとしていますね?いいですよ、その作戦乗りましょう。」
正「──呪言"雷"」
札に呪言を唱え空に札を飛ばすとシオンさんに向かって雷が大量に降ってくる。
シオン「食い止めるとは言ったけどこのモンスターとこいつを食い止めるの...ちょっとキツイなぁ」
すいせい「天津さん!!!」
のどか「その傷...」
「いいから!いろはさんも呼んでください!」
俺は急いでオフィスに走っていった。
「頼む...開いてくれ!ドリームウォーク!」
いろは「天津殿!?その傷、大丈夫でごさるか!」
「いろはさん、俺の体を狙われないように守ってくれますか?」
いろは「風真が守る...」
「あなたなら、大丈夫ですよ。信じてます」
いろは「わかったでござる!」
ドリームウォークが開き俺の足元に赤い魔法陣が現れた。すると意識がだんだん遠のいた。
?「ここは...」
辺りを見回すと誰かの部屋に居たようで鏡を見るとそこには"自分"が居た。意識をほかの次元に飛ぶ事は成功した。
?「影は...使えるな。」
### ***
鏡の中の自分を見つめながら、ゆっくりと手を握りしめる。
?「……問題なく動くな。」
この次元では、影の能力が使える。
ならば——
?「急ぐぞ。」
俺は部屋の扉を開け、外へと駆け出した。
——戦場では、依然として激しい雷が降り注いでいた。
シオン「はぁ……はぁ……そろそろ限界なんだけど……!!」
天川正「そうでしょうね。しかし、時間稼ぎにはなった。貴様の役目は終わりです。」
正が静かに手をかざし、新たな呪言の札を取り出そうとした、その瞬間——
シオン「終わりたくないね...!スターロード!!」
彼女が叫ぶと目の前に扉が出現し、開くとそこからある男が出てきた。
「そこまでですよ。」
声とともに、扉を開けて俺が現れた。
シオン「……!!」
正「……ほう?」
俺は影をまとったまま、ゆっくりと正の前に降り立った。
「待ったか?」
天川正は目を細める。
正「……なるほど、そういう手でしたか。」
「ああ。お前をおびき寄せるには、この手が一番確実だ。」
俺は影を操り、手の中に小さな刃を作り出した。
シオン「間に合った……?」
「はい。ですが、ここからが本番です。」
正「ほう……ならば、もう一手仕掛けておきましょうか。」
天川正が手を掲げると、空間が歪むような感覚が走る。
「……何を?」
正「この街は、もう終わりです。」
シオン「何言って——」
その瞬間——地面が大きく揺れた。
ドォォォォン!!
どこか遠くで爆発のような音が響き渡る。
シオン「な、何……!?」
正「このモンスタースタンピード——"主"である私が発動させるのです。」
「……っ!!」
正「さあ、存分に抗ってください。間に合うかどうかは……あなた次第ですよ?」
俺は歯を食いしばりながら、正の言葉を聞いていた。
シオン「ねぇ……マズイんじゃない?」
「……ええ。」
遠くで、ゲートが大きく開かれていくのが見えた。
そして、その中から——
モンスターの群れが、次々と溢れ出してきた。
正「さて、本体のあなたはどこにいるんですか?」
「教える訳が無いだろ。」
正「では、力ずくで行きますか。」
正の手には、無数の呪符が舞っていた。
俺は影の能力を発動させようとしたが、この次元の影は俺の知るものと違う。
——どう使えばいい?
感覚を探るようにしながら、正の呪符をかわしていく。
正「迷っていますね?」
「……っ!」
正が札を一枚弾く。
正「呪言・焔」
瞬間、俺の周囲が爆発的な炎に包まれた。
「くっ……!!」
影を盾のように展開するが、完全に防ぎきれず火傷を負う。
——まだ、この影を思うように操れない。
それでも、戦うしかない。
俺は影を刃のように伸ばし、正へ向かって振るった。
正「なかなか鋭い。しかし……!」
彼は瞬時に札を取り出し、空間に貼り付ける。
正「呪言・結界」
俺の影の刃は結界に弾かれ、霧散する。
「チッ……!!」
正「そろそろ潮時でしょう。」
そう言った瞬間、背後で轟音が響いた。
シオン「ちょっと!こっちもやばいんだけど!!」
シオンさんがモンスターの群れを相手に奮闘していた。
「……シオンさん、行ってください!」
シオン「え?」
「あなたは街を守ってください。ここは俺が食い止めます!」
シオン「……わかった!すぐ戻るからね!」
そう言い残し、シオンさんは戦場を離脱した。
正「さて、そろそろ本体のあなたを狩りに行きましょうか。」
正は懐から一枚の札を取り出し、それを握り潰す。
すると、俺の周囲にある"影"が一瞬、波打った。
「……っ!!?」
正「封印の呪符は、あなたの本体にも繋がっています。」
「つまり、あなたの本体がいる場所も手に取るように分かるんですよ。」
「……!!」
正が一歩踏み出し、事務所の方向へ向かおうとする。
「待て!!」
俺は影を地面に伸ばし、正の足を捕えようとした。
しかし——
正「呪言・断」
その一言とともに、影が霧散する。
「チッ……!!」
正「では、ごきげんよう。」
そう言い残し、正は一瞬で姿を消した。
「くそ……!!」
俺もすぐに追いかけようとしたが、その瞬間——
悪魔「ククク……」
頭の中に、低く不気味な笑い声が響いた。
「……誰だ?」
影の中から、黒い霧のような存在が現れる。
「お前の力を借りた代償だ……悪魔の力を、お前に宿らせてやろう。」
「……そんなもの、要らない。」
「フフフ……抗えるかな?」
悪魔の影が俺にまとわりつき、体の奥から黒い衝動が湧き上がる。
「……!」
——いや、逆だ。
俺はすぐに影を操り、その悪魔の力を逆に"取り込む"。
悪魔「な、何……!?」
「お前の力は、俺が使わせてもらう。」
俺は影の中に悪魔を封じ、その力を一つの技へと昇華させた。
「影技——"魔影螺旋"」
黒いオーラが渦を巻き、俺の体を包み込む。
「——待っていろ、天川正。」
影を纏い、俺は高田影道としての姿で事務所へと向かって走り出した。
——次回へ続く。