現代の影   作:ただの片栗粉

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モンスタースタンピード②

シオン「ちょっと!こっちもやばいんだけど!!」

 

天津さんが天川正と戦っている間、私はモンスターの群れを相手にしていた。

 

最初は抑えられていたけど、次から次へと湧いてきて、キリがない。

 

シオン「やっぱ天津さんに任せてる場合じゃなかったかも……!!」

 

後ろを振り返ると、天津さんと天川正が激しくぶつかっていた。

呪符が飛び交い、天津さんの影の力が不安定ながらも応戦しているのが見える。

 

正「呪言・焔」

 

天川正の札が炸裂し、天津さんが吹き飛ばされた。

 

シオン「天津さん……!」

 

駆け寄ろうとした瞬間、背後から獣の咆哮が聞こえた。

 

シオン「……っ、こっちはこっちで大変なのに!」

 

私はすぐに魔力を練り、杖を構える。

 

シオン「グラビティ・インパクト!」

 

足元に魔法陣を展開し、モンスターの動きを鈍らせる。

 

しかし、それでも数が多すぎる……!

 

シオン「どうしよう……天津さんの方にも行きたいけど、これじゃあ……!」

 

そう悩んでいると、天津さんの声が聞こえた。

 

「……シオンさん、行ってください!」

 

シオン「え?」

 

「あなたは街を守ってください。ここは俺が食い止めます!」

 

天津さんの言葉に、一瞬迷った。

 

でも——

 

シオン「……わかった!すぐ戻るからね!」

 

私はモンスターを引きつけながら、街の方へと向かった。

 


 

モンスターの大群を振り切りながら、私は必死で街へと走る。

 

シオン「くそっ……なんでこんなことになってんの!?もう……!!」

 

天津さんが一人で戦っているのに、私は逃げるような形になってしまった。

 

シオン「……でも、街を守らなきゃ。」

 

街に近づくと、既にモンスターが建物を壊し始めていた。

 

人々の悲鳴が響き、炎が上がる。

 

シオン「こんなの、絶対許さない……!」

 

杖を振り上げ、詠唱を開始する。

 

シオン「メテオ・クラッシュ!!」

 

空から巨大な火球が降り注ぎ、モンスターたちを吹き飛ばした。

 

しかし、それでも完全には倒しきれない。

 

シオン「まだ……まだ終わってない!」

 

私は再び魔力を練り、戦闘態勢を取った。

 

シオン「くそっ……! しつこい!」

 

メテオ・クラッシュの直撃を受けても、モンスターたちは次々と湧いてくる。

 

私は炎の魔法で道を切り開きながら戦い続けるが、数が多すぎる。

 

「このままじゃ、キリがない……!」

 

そう思った瞬間、モンスターの群れが不自然に動きを止めた。

 

シオン「……?」

 

すると、モンスターたちの中から、一人の術者が現れた。

 

???「やぁ、お嬢ちゃん。ずいぶんと暴れてくれてるみたいだね。」

 

黒いローブをまとった男が、余裕たっぷりの笑みを浮かべていた。

 

シオン「……あんた、何者?」

 

???「俺か? 俺は"ヨミ"。天川正様に仕える者の一人さ。」

 

シオン「……幹部クラスってわけ?」

 

ヨミ「まぁ、そんなところかな。でも、俺は単なるモンスターの群れとは違うよ。」

 

ヨミが手をかざすと、モンスターたちの動きが変わった。

 

シオン「……あれ、こいつらの動きが……?」

 

ヨミ「"集え、影の獣"」

 

彼の呪文と共に、モンスターたちが融合し、一体の巨大な魔獣が生み出された。

 

シオン「……最悪なんだけど……!」

 

私はすぐに魔法を展開し、攻撃を仕掛ける。

 

シオン「ヘルズ・ブレイズ!」

 

赤黒い炎が魔獣を包み込むが、その炎をものともせずに突進してきた。

 

シオン「——っ!!」

 

私は間一髪で横に跳び、回避する。

 

ヨミ「ははは、どうした? さっきまでの勢いは?」

 

シオン「うるさいっ!!」

 

魔法を次々と放つが、魔獣の動きは速く、すべて回避される。

 

シオン「くそ……!!」

 

そして、ヨミ自身も術を唱え始める。

 

ヨミ「"闇の鎖"——」

 

次の瞬間、黒い鎖が空間を裂くようにして飛び出し、私の体を縛り上げた。

 

シオン「っ!!」

 

ヨミ「終わりだ。」

 

彼が手を振り上げ、止めを刺そうとした——その時。

 

——バシュッ!!

 

突然、空間が揺らぎ、光が弾ける。

 

ヨミ「……なに!?」

 

ヨミも驚いた表情で振り向いた。

 

そこには、スターロードのゲートが開かれ、二つの影が飛び出してきた。

 

シオン?「ギリギリだったみたいね!」

 

マリン?「まったく、面倒なことになってるじゃない!!」

 

シオン「……!? あんたたち……!!」

 

スターロードから現れたのは——

 

この次元のものではない、もう一人の"シオン"と"マリン"だった。

 

ヨミ「……ふぅん、また妙なのが現れたね。」

 

シオン「アンタたち、何で……?」

 

シオン?「そっちのシオンに使えて、こっちのシオンに使えない魔法なんてないんだからね!」

 

マリン?「よぉーし! 久しぶりに頑張っちゃいますよ!」

 

シオン「……助けに来てくれたってわけ?」

 

シオン?「まあね。でも何よりも——」

 

シオン?が杖を掲げ、青紫の魔法陣を展開する。

 

シオン?「こんな面白そうな戦い、逃すわけにはいかないでしょ!」

 

ヨミ「ふぅん……。ま、増援が来ようが関係ないさ。」

 

ヨミが片手を掲げると、影の魔獣が低く唸り、再び動き始める。

 

ヨミ「お前たちも、"闇の狩人"の獲物にしてやるよ。」

 

シオン?「はいはい、やれるもんならやってみなさいよ!」

 

シオン「いくよ!」

 

マリン?「おっしゃ、派手にいくぞー!」

 

影の魔獣が吠え、四方八方に黒い触手のようなものを伸ばして攻撃してくる。

 

シオン?「フレア・ストーム!!」

 

シオン?が炎の魔法を解き放つと、魔獣の触手が燃え上がる。しかし、影の魔獣はすぐに再生する。

 

マリン?「こいつ、タフすぎない?」

 

ヨミ「そう簡単には倒せないよ?」

 

ヨミは指を鳴らし、魔獣の体にさらなる呪文を刻む。すると、魔獣の影がシオン?とマリン?の足元に広がり、二人の動きを封じようとする。

 

シオン?「甘い!」

 

杖を振ると、光の魔法陣が足元に展開され、影を弾き飛ばした。

 

シオン?「こっちの次元の私がどれだけやるか見せてあげる!」

 

マリン?「じゃあ、そろそろ私も本気出そっかな〜!」

 

彼女が短剣を抜き、水の刃をまとわせる。

 

マリン?「アクア・スラッシュ!」

 

鋭い水流の刃が魔獣の体を切り裂く。しかし、魔獣はそのまま襲いかかってくる。

 

マリン?「なにこれ!? 普通の攻撃が効かないとかズルくない!?」

 

シオン「こっちも手を貸すよ!」

 

シオンは両手を組み、魔法陣を展開する。

 

シオン「ダークネス・バインド!!」

 

闇の鎖がヨミの足元から生え、彼の動きを封じようとする。しかし——

 

ヨミ「そんなもの、呪言・破。」

 

呪符を一枚取り出し、鎖に貼り付けると、鎖は瞬時に砕け散った。

 

シオン?「ちょっと! なんでそんな簡単に解除されるのよ!?」

 

ヨミ「そりゃ、僕のほうが格上だからさ。」

 

シオン「なっ……!」

 

ヨミは余裕の笑みを浮かべ、さらに影の魔獣を強化する。

 

ヨミ「"影の王よ、深淵よりその力を解き放て"」

 

影の魔獣の目が赤く輝き、さらに巨大化していく。

 

シオン?「やば、ちょっと強化しすぎじゃない?」

 

マリン?「さっすがにこれは……まずいかも?」

 

シオン「……でも、負けるわけにはいかない!」

 

シオン?「当然でしょ! こっからが本番よ!」

 

影の魔獣が咆哮し、周囲に黒い波動を放つ。地面が震え、空気が歪むほどの圧力が三人を襲った。

 

シオン?「ちょっ……なにこれ!? 重力でも操ってるの!?」

 

マリン?「うっ……体が重い……!」

 

シオン「まずい、影の魔法を強化してる……!」

 

ヨミ「フフ、さぁ、どうする? 逃げてもいいんだよ?」

 

影の魔獣が巨大な触手を振り下ろす。

 

「ッ……くる!」

 

シオンが瞬時に飛び退くが、衝撃波で吹き飛ばされる。

 

シオン?「くっ……! フレイム・ウォール!!」

 

シオン?が炎の壁を展開し、影の触手を焼き払う。しかし、影の魔獣は再び形を変え、炎を無効化するかのように広がっていく。

 

ヨミ「無駄だよ。この魔獣は影そのもの。物理も魔法も効きやしない。」

 

マリン?「そんなん……ズルじゃん!」

 

ヨミ「強者がズルいのは当然だろう?」

 

シオン「……だったら!」

 

シオンは杖を構え、闇と光の魔力を混ぜ合わせた。

 

シオン「ダークライト・バースト!!」

 

黒と白の光が融合し、爆発的な閃光が魔獣を包み込む。

 

ヨミ「……なに?」

 

影の魔獣が一瞬だけ形を崩した。

 

マリン?「今だぁぁっ!! "アクア・スラッシュ"!!」

 

シオン?「"ライトニング・ランス"!!」

 

マリン?の水刃と、シオン?の雷槍が影の魔獣に直撃する。

 

影の魔獣が揺らぎ、ひときわ大きな咆哮を上げる。

 

ヨミ「……チッ。やるじゃないか。」

 

シオン「はぁ……はぁ……これで……!」

 

しかし、ヨミは微笑みながら手をかざす。

 

「……まあ、そろそろ潮時かな。」

 

その瞬間、影の魔獣が霧散し、黒い霧となってヨミの背後に収束していく。

 

シオン?「ちょっ、待ちなさいよ!」

 

ヨミ「今はね、ここで負けるつもりはないんだ。次の舞台で、もっと楽しくやろうじゃないか。」

 

彼の足元に影のゲートが開く。

 

マリン?「逃がすかぁ!」

 

マリン?が短剣を投げるが、刃は影の中へと吸い込まれてしまう。

 

シオン「くっ……!」

 

ヨミはニヤリと笑いながら、そのまま影の中へと消えていった。

 

マリン?「逃がしちゃったか……」

 

シオン?「でも、モンスターは全部倒したし、これで一旦は……」

 

シオン「……天津さんの方は大丈夫かな……?」

 

シオン?「急ごう! こっちの戦いは終わったけど、向こうはまだ終わってない!」

 

シオンたちは急いで天津のもとへと向かうのだった——。

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