現代の影   作:ただの片栗粉

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モンスタースタンピード⑤最終話

「……来いよ。」

 

俺は影と悪魔の力を渦巻かせながら、正を睨みつけた。

 

正「……ええ、ここからは本気ですよ。」

 

正は静かに呪符を宙に放つ。その札が輝きを増すと、周囲の空間が軋み、雷のような光が迸った。

 

「"呪言——雷轟滅"。」

 

次の瞬間、天空が裂けるように巨大な雷撃が降り注ぐ。

 

(速い……!)

 

俺は即座に影を広げ、黒い防壁を展開する。

 

「"影障壁"!!」

 

雷光が影の壁にぶつかり、火花を散らす。しかし——

 

(くっ……防ぎきれねぇ!!)

 

影を貫くように電撃が漏れ、俺の体を焼いた。

 

「ぐっ……!」

 

正「防御に回ったら、次の一手は避けられませんよ?」

 

正がさらに呪符を展開し、今度は空中で組み上げるように形を作り始める。

 

(これは……!)

 

「"呪言——閃火牢獄"。」

 

周囲が一瞬、まばゆい光に包まれ——次の瞬間、俺の周囲に無数の火柱が出現した。

 

(逃げ道を封じるつもりか……!)

 

「だが、こっちも本気でいくぞ……!」

 

俺は影と悪魔の力を掛け合わせる。

 

「"影喰——奈落螺旋"!!」

 

影が螺旋状にうねりながら広がり、悪魔の黒炎をまとっていく。それはまるで巨大な龍のように姿を変え、俺の背後で雄叫びを上げた。

 

正「……それは?」

 

「影と悪魔の融合技だ。」

 

俺は影の龍を操り、正へと一気に突進させる。

 

「喰らえぇぇぇぇ!!!」

 

黒炎を纏った影の龍が突進し、正の周囲にある火柱を吹き飛ばしていく。

 

正「"呪言——封雷陣!!"」

 

正は素早く地面に呪符を投げつけると、その場で雷が爆発した。

 

影の龍が雷の衝撃で消し飛びそうになるが——

 

「まだ終わりじゃねぇ……!!」

 

俺は影の龍の一部を残し、雷と炎の混ざったエネルギーごと正へと放つ。

 

「"影滅——奈落雷炎!!"」

 

黒炎と雷が一気に収束し、正のいる場所を飲み込むように炸裂した。

 

——ドォォォォォン!!!!

 

凄まじい爆発が起こり、周囲のモンスターや建物が吹き飛ぶ。

 

シオン「うわっ!?」

 

いろは「これは……!!」

 

爆風で瓦礫が舞い、地面が崩れ落ちる。

 

俺はなんとか踏みとどまり、煙の向こうを睨む。

 

「……やったか?」

 

正「……いいえ。」

 

煙が晴れると、正は全身ボロボロになりながらも、なおも立っていた。

 

「チッ……」

 

正「素晴らしい攻撃でしたが……私も、まだ終わりではありません。」

 

正が再び呪符を掲げる。

 

「"呪言——滅界封印"。」

 

空間が軋み、正の周囲に巨大な魔法陣が展開される。

 

(まずい……こいつ、まだこんな力を……!)

 

俺も膝をつきながら影を練り直す。

 

「……なら、こっちもやるしかねぇな。」

 

正と俺、両者とも満身創痍のまま、再びぶつかり合う——。

 

「……ここで終わらせる。」

 

俺は影と悪魔の力を最大限に高めた。

 

正「ほう、まだ立てますか。しかし——」

 

正の周囲に"滅界封印・極"の魔法陣が広がる。

 

その瞬間、辺り一帯の大気が変わった。重力すら歪むような圧倒的な力——正は本気を出してきた。

 

「上等だ……!」

 

俺も影を練り上げ、全身から闇のオーラを放つ。

 

正「——これで終わりです。"滅界封印・極"!」

 

正が空中に無数の封印札を展開し、一斉に俺へと向けて解放する。

 

「ならこっちもだ……"影魔・終焉葬滅"!!!」

 

——闇と雷が激突する。

 

光と影が入り混じり、世界そのものが引き裂かれるような衝撃が走る。

 

モンスターたちの咆哮が響く中、俺はさらに力を解放し、影の刃を正へと叩き込んだ。

 

正「……ッ!? まさか、私の力を上回るとは……」

 

「これで終わりだ!!!」

 

——ズバァァァン!!!

 

俺の影の刃が正の体を貫く。

 

正「フフ……素晴らしい……ですが、あなたはその力に呑まれないように……」

 

そう呟くと、正の体は徐々に闇に溶けていき、ついには完全に消滅した。

 

すると——

 

「ギャアアアアア!!!」

 

モンスターたちが次々と光の粒となり、消えていった。

 

俺はその光景を見届けると、影で取り込んでいた本体の俺をゆっくりと解放する。

 

「……これで、終わった。」

 

本体の俺が目の前に現れると、俺はドリームウォークの禁書を閉じ、術を解除した。

 

——すると、

 

「……ッ!!?」

 

全身に鋭い痛みが走る。

 

影の体が消え、本体へと意識が戻ると同時に、戦闘で受けたダメージが一気に襲いかかってきた。

 

「ぐ、あぁぁぁ……ッ!!」

 

膝をつき、意識が飛びそうになる。

 

「天津さん!!!」

 

シオン、シオン?、マリン?、いろは、すいせい達が駆け寄ってくる。

 

シオン?「ちょ、やばくない!?」

 

マリン?「おいおいおい!! 大丈夫!?!?」

 

いろは「傷が深すぎるでござる……」

 

すいせい「こんなの……ひどすぎるよ……」

 

皆が必死に俺を支える中、別の次元の俺が目を覚ました。

 

?「……俺、か。」

 

別の次元の俺はしばらく俺を見つめると、影と悪魔の力を再び練り上げ、俺の体に手をかざした。

 

?「……影魔・再生。」

 

すると、影が俺の体を包み込み、悪魔の力が傷を癒していく。

 

「……ッ、助かる。」

 

徐々に痛みが和らぎ、呼吸が楽になっていく。

 

?「起きたことは全て見ていた。よくも悪魔の力まで取り込んだな。」

 

いろは「天津殿……もう、無茶はしないで欲しいでござる……」

 

シオン「ほんとにさ……心配したんだからね……」

 

すいせい「……生きてて、よかった。」

 

俺はぼんやりとした意識の中で、戦いが終わったことを実感していた。

 

「……はぁ、やっと……終わったのか……」

 

体はまだ痛むが、影と悪魔の力である程度回復している。それでもダメージの蓄積はひどく、完全回復には時間がかかりそうだった。

 

そんな俺を見下ろしながら、シオンがため息をつく。

 

シオン「まったく、天津さんは無茶しすぎなんだから……」

 

「仕方ないだろ……あれを止められるのは俺しかいなかったんだから……」

 

シオン?「とはいえ、こっちのシオンもだいぶ大変だったけどね。」

 

マリン?「いや〜楽しかったけどさぁ、やっぱり自分の世界に帰らないとね。」

 

別次元の俺は黙って立っていたが、俺と目が合うと軽く頷いた。

 

「お前も、ありがとな。」

 

?「……当然だ。お前は俺で、俺はお前だからな。」

 

シオンがポケットからスターロードの鍵を取り出し、それを空にかざすと、青白い光が広がり、空間に裂け目が現れた。

 

「さ、帰る準備はできたよ。」

 

シオン?「ふぅ……やっぱりこっちの世界は疲れるね。」

 

マリン?「じゃ、また機会があったら会おうね!」

 

俺は軽く頷きながら、別次元の自分に視線を向ける。

 

「……お前はどうする?」

 

?「……俺も帰るさ。だが、この力……お前がまた暴走しそうになったら、いつでも助けに来る。」

 

「頼もしいな。」

 

別次元の俺は軽く笑い、スターロードの裂け目へと足を踏み入れた。

 

シオン?とマリン?も続くように入ると、光が収束し、裂け目は閉じた。

 

シオンが鍵を仕舞いながら、肩をすくめる。

 

シオン「ふぅ、これで一件落着、かな?」

 

「……あぁ。」

 

俺は空を見上げながら、深く息を吐いた。

 

戦いは終わった。

 

しかし、俺の戦いがこれで完全に終わったわけではないことも、なんとなく理解していた。

 

それでも、今は——

 

「少し、休ませてくれ。」

 

俺はそう言いながら、ゆっくりと目を閉じた。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

俺が病院で療養している間に、シオンさんが別のシオンさんから時間を操る禁書を貰ったそうで、その禁書を使って街中を直したらしい。

 

すいせいも力の使い方をいろはさんやシオンさんに教わってある程度は分かってきたようで嬉しかった。

 

すいせいの話で思い出した事がひとつある。高田影道の姿として戦ったから過去に関して色々説明することになった。最初は驚かれたが、受け入れてくれた。

その話も後々事務所全体に広まり過去の事は事務所内だけの機密事項になった。

 

すいせい「ねぇ」

 

「ん?」

 

すいせい「私のライブどうだった?」

 

「凄いよ、もちろん武道館公演ってのも。」

 

すいせい「もうちょっと感想欲しいなぁ...」

 

「すいせいの歌は凄く刺さったよ、ここだけの話久しぶりに涙が出たよ、そのくらいには感動したし刺さった。」

 

すいせい「え〜!?泣いたの?マネちゃんに写真撮って欲しかった...」

 

「絶対駄目だ。」

 

すいせい「ちぇ〜...まぁいいや!これから色んな天津さんを見るし!」

 

「どういうことだ?」

 

すいせい「う〜ん...言っちゃおうかなぁ?」

 

「躊躇われると気になるぞ?」

 

すいせい「実はね、今のマネちゃんが別のホロメンに移動することになったんだよね。」

 

「そういえば移動の件は聞いたような...それで今度はどんなマネージャー?」

 

すいせい「私の憧れで...それで冷静で真面目で...」

 

「ほう?」

 

すいせい「あとは前世がおじいちゃんでめちゃくちゃ強い人?」

 

「え?」

 

すいせい「私は天津さんがいいって言ったよ?」

 

「え...?」

 

すいせい「天津さんは私のマネージャーになりたい?」

 

「......」

 

少し考えてしまった。だが、俺はこのホロライブ事務所に務めてからタレント全体のサポートが楽しかった。だがこれもまた運命なのだろう。

 

「もちろん、マネージャーになるよ。」

 

すいせい「じゃあ...これからサポート頼むね?」

 

「はい、まぁそれはそうと色々と段階を踏まないと正式にマネージャーにななれないからな。」

 

すいせい「楽しみにしてるよ!」

 

この第2の人生、損せず全力で楽しみたい。そしてすいせいと共にアイドルとして、VTuberの終着点まで行きたいと思った。




ちょっと色々雑な終わり方で申し訳ないです。
一旦この物語は完結にさせていただきます。
毎日投稿を途切れること無くここまで投稿出来て嬉しいです。
次はアンケート通りに行くと恋愛系を頑張って書きたいと思うので待っていただけると嬉しいです。

それではまたどこかで。
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