朝9時、ホロライブのオフィスに到着した俺は、いつものようにスケジュール確認から一日を始めた。ホロライブのスタッフになって数か月、業務には慣れてきたが、毎日が慌ただしい。タレントの数だけサポートが必要な瞬間があるからだ。
「さて、今日はどのタレントさんが出勤されるんだろう…」
そう呟きながらスケジュール表をめくっていると、賑やかな声がオフィスに響いた。
みこ「おはよう、天津さん!今日もよろしくねぇ~!」
俺のデスクに駆け寄ってきたのは、元気いっぱいのさくらみこ先輩だ。ピンクの髪を軽く揺らしながら笑顔を向けてくる。
「おはようございます、みこさん。今日は午後に収録が入っていますね。スタジオの準備も進めておきます。」
みこ「さっすが天津さん!頼りになるぅ~!今日の収録もバッチリ頑張るから、楽しみにしててねぇ!」
「もちろんです。何か必要なものがあれば遠慮なくおっしゃってください。」
みこさんが満足そうにうなずき、控室に向かうのを見送りつつ、俺は他の予定を確認する。すると、また別のタレントがやってきた。
フブキ「おっ、天津さん!今日も張り切ってるね~!」
「おはようございます、フブキさん。今日はリスナー参加型企画のミーティングが予定されていますが、進め方について何かご希望はありますか?」
フブキ「そうだねぇ、今回はゲーム形式にするから、リアルタイムで視聴者が反応できる仕掛けを入れたいな。」
「それなら、チャット投票システムを使う案を考えてみます。それと、リスナーのコメントを拾いやすくする工夫も提案できますよ。」
フブキ「おぉ~!さすが天津さん!それ、いいね!やっぱり頼りになるなぁ。」
「ありがとうございます。詳細は後ほど共有しますね。」
フブキさんは満足そうに微笑み、隣の控室へ向かった。
昼頃、スタジオの準備が整い、タレントたちが続々と集まり始める。今日の収録はマリンさんがメインだが、その前におかゆさんところねさんが控室で楽しそうに話していた。
おかゆ「天津さ~ん!今日もよろしくねぇ~!」
ころね「天津さん、ちゃんと寝てる?最近忙しそうだけど大丈夫?」
「おかげさまで元気ですよ。お二人もお疲れではないですか?」
おかゆ「う~ん、僕は大丈夫だけど、ころさんは最近夜更かししてるからね~。」
ころね「いやいや、おかゆのゲーム配信に付き合ってただけだし!」
おかゆ「え~、それ言っちゃうの?天津さん、ころさんが私のホラー配信でずっとビクビクしてたんだよ~!」
ころね「ちょっと!言わないでよ!天津さんに笑われるでしょ!」
「はは、仲が良いですね。次回はぜひ自分もその配信を拝見させてください。」
おかゆ「天津さんが来たら、ころさんもっとビビるかもよ?」
ころね「もう、おかゆ~!天津さん、仕事頑張ってね!私たちも準備してくるから!」
楽しそうに話しながら控室に向かう二人を見送り、俺は撮影スタジオへ足を運んだ。
スタジオでは、マリンさんがスタッフに囲まれながら衣装の最終チェックを受けていた。
マリン「天津さ~ん!今日の船長の衣装どうですか?可愛いでしょ!」
「とてもお似合いです、マリンさん。今回の収録テーマにぴったりだと思います。」
マリン「でしょでしょ~?もっと褒めてもいいんですから!」
「では…赤と黒の組み合わせが非常に魅力的ですし、海賊というテーマにこれ以上ないくらいフィットしていますね。」
マリン「さすが天津さん、分かってる!じゃあ今日はこの可愛さを全力でアピールしちゃいますからね!」
「収録がスムーズに進むようサポートいたしますので、どうぞ頑張ってください。」
マリンさんは自信満々にスタジオ中央へ向かい、収録が始まった。彼女の明るい声がスタジオ中に響き渡る。俺は機材のチェックをしつつ、他のスタッフと連携を取りながら進行を見守った。
収録が終わり、控室には数人のタレントが集まっていた。
湊あくあ「天津さん、今日の収録見てた?私もああいう企画やりたいんだけど~!」
「もちろん拝見していましたよ。あくあさんらしい企画案があればぜひ教えてください。ご相談に乗ります。」
あくあ「ほんと?じゃあ今度相談するね~!天津さん、ほんと頼りになる~!」
兎田ぺこら「天津さん、忙しそうぺこだけど、ちゃんとご飯とか食べてるぺこ?」
「ええ、皆さんが快適にお仕事できるようにするのが俺の役目ですから。」
ぺこら「すいちゃんの言う通り、天津くんは真面目ぺこね~。でも倒れたら元も子もないぺこ!」
お互い笑いながら話していると、ふとフブキさんがやってきた。
フブキ「天津さん、ほんと大人気だねぇ~。スタッフとタレントがここまで信頼関係築けるって、なかなかないよ。」
「皆さんが親しみやすい雰囲気で接してくださるおかげです。」
フブキ「いやいや、天津さんの性格がいいからだよ。それに、この事務所には天津さんみたいな存在が必要だね。」
夜遅く、業務をすべて終えた俺はオフィスの片づけをしていた。心地よい疲労感の中、今日の会話を思い出していた。
(ここでの仕事は忙しいけど…みんなの笑顔が見られるなら、それだけで十分だな。)
そんなことを思いながら、オフィスの電気を消して帰路についた。
夜風が心地よく吹く帰り道。昼間の喧騒とは違い、静かな街の灯りがぼんやりと道を照らしていた。俺は隣を歩くフブキさんをちらりと見やる。
フブキ「いや~今日もお疲れ様でした!」
フブキさんは相変わらず元気だ。長時間の配信を終えた後とは思えないほど、軽快な足取りで歩いている。
「お疲れ様でした。配信、盛り上がってましたね。」
フブキ「でしょ? 途中で回線が怪しくなった時は焦ったけど、天津さんがサポートしてくれたおかげで助かりました!」
「いえ、スタッフの仕事ですので。」
フブキ「いやいや~あの瞬間の判断、マジで神でしたよ。やっぱり天津さん、ただのスタッフじゃないですよね?」
フブキさんはニヤリとしながら俺の顔を覗き込む。冗談っぽく言っているが、もしかしたら何か勘付いているのかもしれない。
「普通のスタッフですよ。」
フブキ「ほんとかなぁ?」
「……本当です。」
俺が苦笑しながら答えると、フブキさんはクスクスと笑った。
フブキ「まぁ、それはさておき、帰り道が同じ方向でよかったです! 一人だとちょっと寂しいし。」
「確かに、夜は静かですからね。」
フブキ「ねー! それにしても、お腹空きません?」
「言われてみれば……。」
夕食は軽めに済ませたが、今になって空腹を感じる。
フブキ「じゃあ、コンビニ寄りません? 事務所の近くにいいとこあるんですよ。」
「いいですね。」
俺たちは並んでコンビニへ向かう。こういう何気ない時間も悪くない。
扉を開けると、店内は明るく、深夜にもかかわらず数人の客が買い物をしていた。
フブキ「天津さん、何食べます?」
「軽く食べられるものがいいですね。おにぎりとか。」
フブキ「お、いいですね! じゃあ白上は……プリン!」
「甘いものですか?」
フブキ「夜食にピッタリなんですよ~!」
そんな他愛のない会話を交わしながら、俺たちはコンビニの棚を物色する。普段は仕事モードで過ごす時間が多いが、こういう日常も悪くない。
レジで会計を済ませ、店を出ると、夜風が少しだけ冷たくなっていた。
フブキ「さ、帰りますか!」
「ええ。」
並んで歩く帰り道。ホロライブのスタッフとしての日常の一幕。こういう時間もいいものだ。