現代の影   作:ただの片栗粉

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タレントの休憩

 

数日後、スタジオの休憩室で、タレントたちはおしゃべりを楽しんでいた。私は少しだけ周囲と距離を取って、窓際に座ってぼんやりと外を眺めていた。

 

みこ「ねえ、すいちゃん、ちょっと気になることがあるんだけど。」

 

みこちが突然、にやりと笑って私に声をかけた。私はその声にハッとして顔を向ける。

 

すいせい「え、なに?」

 

みこ「なんかさ、最近すいちゃん、天津さんのこと気になってるよね?」

 

私は思わず顔が赤くなり、軽く息を呑んだ。

 

すいせい「え、いや、別に…!」

 

ロボ子さんもすかさず話に加わる。

 

ロボ子「気になるんでしょ〜?隠さなくていいんだよ。」

 

みこ「ほら、見て見て。顔が赤い!」

 

私は照れ隠しに腕を組んで、少しそっぽを向く。

 

すいせい「ち、違うよ!なんでそうなるのさ…」

 

みこ「でも、みこたちみんな、すいちゃんのことよく知ってるから。なんか、天津さんのこと、いつもと違う感じだよ?」

 

すいせい「そ、そんなことないよ!」

 

みこ「本当に?」

 

ロボ子「でも、すいちゃんが気にしてるのは確かだよ。だって、あんなに冷静で落ち着いてる人って珍しいじゃん。すいちゃんも気になるよね。」

 

すいせい「うーん…」

 

私は黙り込んで、少し考え込むように手を顎に当てる。確かに、天津さんには不思議な魅力があった。冷静で、どこか遠い存在のように感じるけれど、実際にはすごく優しさが滲み出ている。

 

すいせい「でも…なんか、天津さんって、すごく自分を出さないよね。みんなには気を使ってるけど、自分のことは全然話さないから、余計に気になっちゃうんだよ。」

 

みこ「たしかにね〜......天津さんってあんまり自分を出さないタイプだよね。」

 

ロボ子「でも、すいちゃん、ちょっとそういうタイプの人に惹かれるんじゃない?」

 

すいせい「えっ、惹かれるって、そんなことないよ!」

 

私は再び顔を赤くして、慌てて否定した。しかし、心の中では確かに天津さんのことが気になっている自分がいるのを感じていた。

 

その時、みこちが不意に思い出したように言った。

 

みこ「そういえば、天津さんの誕生日ってもうすぐじゃなかったっけ?」

 

すいせい「え、誕生日!?」

 

みこ「うん、確かもうすぐだよね?それで、何かプレゼントとか考えてる?」

 

すいせい「え、プレゼント!?」

 

私は少し驚いたように目を見開いた。誕生日か。確かに、天津さんがどんな風に過ごすのか、どんなものをもらったら喜ぶのか、考えてみたことがなかった。

 

すいせい「うーん…何か、ちょっと悩むなぁ。」

 

ロボ子「悩むなよ。すいちゃんらしいプレゼントをあげればいいんだよ。」

 

みこ「そうそう、だって天津さん、きっとすいちゃんが選んだものだったら喜ぶはずだよ。」

 

すいせい「そうかな…。うーん、でも…」

 

私はしばらく考え込んだ後、少し微笑んだ。

 

すいせい「ありがとう、みんな。ちょっと考えてみるね。」

 

その時、私の顔にほんのりとした笑顔が浮かんだ。天津さんの誕生日に何を贈ろうかと考え始めると、心の中でわくわくとした気持ちが湧いてきていた。

 

みこ「それにしても、すいちゃん、天津さんのこと気にしてるんだなぁ〜。」

 

私照れ隠しに笑い、他のタレントたちと話しながらも、心の中で少しだけ天津さんのことを考え続けた。

 


 

今日は野暮用があって事務所に来るのは遅くなった。ホロライブのスタジオに入ると、いつものように賑やかな声が飛び交っていた。今日も忙しくなりそうだ。

 

まず最初に向かったのは、機材のチェック。収録や配信に支障が出ないように、カメラやマイクの動作確認をするのが俺の仕事の一つだ。控え室の前を通ると、すぐに呼び止められる。

 

こより「天津さん!ちょっと手伝ってほしいのですが!」

 

「おはようございます、こよりさん。どうしました?」

 

こよりさんは少し慌てた様子で、手にしていた機材の説明書を見せる。

 

こより「この新しいマイクの設定がちょっと分からなくて…試したんですけど、音がうまく拾えなくて…」

 

「ああ、なるほど。ちょっと見せてもらってもいいですか?」

 

マイクを手に取って、設定を一通り確認する。音が拾えない原因は単純だった。接続が緩んでいたのと、ソフト側の入力設定が間違っていたのが原因だった。

 

「ここの設定を変えて、ケーブルをしっかり挿せば大丈夫ですよ。」

 

こより「おお〜!さすが天津さんです!ありがとうございます!」

 

「いえいえ。これでうまくいくと思うので、試してみてください。」

 

こよりさんが嬉しそうにマイクをテストし始めるのを見届けてから、次の作業へ向かう。すると、今度はラミィさんが控え室から顔を出した。

 

ラミィ「天津さん、お疲れ様です。今ちょっといいですか?」

 

「お疲れ様です、ラミィさん。何かありましたか?」

 

ラミィ「収録前にちょっと相談したくて…。この企画の台本、どう思います?」

 

ラミィさんが差し出したのは、バラエティ企画の進行台本だった。内容をざっと目を通すと、テンポ感を少し改善すればもっと盛り上がりそうな部分がある。

 

「全体的に面白いと思いますが、ここの流れを少し調整すると、よりテンポが良くなるかもしれません。」

 

ラミィ「なるほど…確かに、その方が流れがスムーズですね。天津さん、こういうの得意ですよね。」

 

「いえ、ただ客観的に見ているだけです。でも、少しでもお役に立てたなら良かったです。」

 

ラミィ「すごく助かりました!ありがとうございます!」

 

こうやって、タレントたちがそれぞれの仕事をスムーズに進められるようにサポートするのが、俺の役目でもある。

 

その後も、配信機材の調整やスケジュールの確認を進めていく。昼過ぎには、控え室で少し休憩を取ることにした。すると、すいせいさんがやってきた。

 

すいせい「天津さん、ちょっといい?」

 

「はい、どうしました?」

 

すいせい「今日の収録、ちょっと楽しみなんだよね。天津さんもいるし、なんだか安心感があるっていうか。」

 

「そう言ってもらえると嬉しいですね。」

 

すいせい「最近、天津さんがいるのが当たり前になってきた気がする。なんか、頼りにしちゃってるのかも。」

 

すいせいさんが少し照れくさそうに笑う。その言葉に、胸の奥が少し温かくなった。

 

「俺はただ、仕事をしているだけですよ。」

 

すいせい「そうだけどさ。でも、天津さんがいると、みんなちょっと安心するんだよ。だから、これからもよろしくね。」

 

「もちろんです。俺にできることがあれば、全力でサポートしますよ。」

 

すいせいさんは満足そうに頷くと、少し遠くを見ながら、静かに言った。

 

すいせい「…もうすぐ、天津さんの誕生日だよね。」

 

その言葉に、一瞬思考が止まった。

 

「えっ?」

 

すいせい「フフッ、やっぱり忘れてた?ま、いいけどね。」

 

そう言って、すいせいさんはいたずらっぽく笑いながら去っていった。何か企んでいるような雰囲気に、少しだけ胸がざわつく。

 

誕生日…か。俺にとって、それはあまり特別なものではなかった。でも、みんながこうやって気にかけてくれるのは、悪い気はしない。

 

そんなことを考えながら、午後の仕事へと戻っていった。

 




ネタが尽きないうちに書いてるのですが、書き溜めが多くて逆に困ってます。
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