OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
亜鈴
LP:4000
タイタン
LP:4000
十代に闇のデュエルを仕掛けるつもりだったタイタンと、彼を捕まえるべく動いたアカデミア新人教師・亜鈴のデュエルが始まった。勝てばタイタンの身柄確保の有無が決まるこのデュエル、果たして勝者はどちらに微笑むのか。
「先攻はボクだね。ドロー」
ゆっくりながらもカードが曲がらないように真っ直ぐドローした亜鈴。そして何の躊躇いもなく1枚のカードをデュエルディスクにセットした。
「ボクは手札から【太陽の魔術師エダ】を召喚」
【太陽の魔術師エダ】
ATK:1500
DEF:1500
亜鈴の目の前に現れたのは、橙色の長い髪を後ろで纏めている、革ジャンのような白いローブを纏った青白い肌の中性的な男性魔術師。右手に持つ杖には、青い宝玉と太陽の輪を模した金色のリングが施されていた。
「【太陽の魔術師エダ】の効果発動。召喚・リバースに成功した場合、手札・デッキから同名以外の守備力1500の魔法使い族モンスターを1体、裏側守備表示で特殊召喚できる。ボクが特殊召喚するのはデッキの【闇霊使いダルク】だ」
白い魔術師──エダが左方向に身体ごと視線を向け、横にした杖を開いた右手に当てながら瞳を閉じる。すると周囲に太陽の形を模した白い魔法陣が発生し、そこからエダの前方に1枚の巨大なカードが横向きの裏側で置かれた。
「永続魔法【憑依覚醒】を発動。このカードにより、ボクのフィールドのモンスターの攻撃力は、自分フィールドのモンスターの属性の種類×300ポイントアップする。今のボクのフィールドには地属性がいるから1種類分アップだ」
【太陽の魔術師エダ】
ATK:1500 → 1800
エダの身体に膜のような黄色い光が灯される。その光が一瞬強くなれば、エダの持つ魔力が上昇しそこそこの強者の風格を醸し出させた。
「ま、このターンはこれくらいかな。カードを1枚伏せてターンエンドだよ」
亜鈴
LP:4000
手札:3枚
フィールド:
【太陽の魔術師エダ】ATK:1800
セットモンスター(【闇霊使いダルク】)
【憑依覚醒】×1
伏せカード×1
先攻1ターン目だからではという理由もあるだろうが、亜鈴はこれといった展開をすることなく静かにターンを終えた。そこそこ手札が良くなかったのかそれとも……タイタンは疑問に感じながらも自分のターンを開始する。
「偉そうにしていた割には少々スロースタート気味かァ? 私のターン、ドロォッ‼︎ 手札からフィールド魔法【
周囲が黒魔術のミサ会場のような様相になり果てる。少々形が歪に見える柱と醜悪な2体の魔物の石像が円を描くように並び立っており、何処か悪魔達の闘技場でもあるだろうと思わせていた。
「さらに手札から【シャドウナイトデーモン】を召喚するゥッ‼︎」
【シャドウナイトデーモン】
ATK:2000
DEF:1600
巣窟の中央にて光が発生し、治った時には、そこには1体の悪魔が立っていた。腰辺りまでありそうな青い長髪を靡かせ、歯を剥き出しにしていることでとてつもない形相をしていた。鎧のような濁りのある白い外骨格に、右腕と一体化している赤い剣と左腕の鋭利な三本爪が凶悪さをさらに際立たせていた。
「本来維持コストを私のスタンバイフェイズに支払わなければならないが、【
「へー」
「ここで
「ありゃりゃ」
互いの手札を全て捨て、プレイヤーは自身の捨てた枚数分ドローするカード。この効果を発動された亜鈴は『してやられた』と言っているかのように苦笑した。だがそれは、次のターンの布石となるカードを除去されたからではない。
「カードの効果で墓地に送られた【トリック・デーモン】の効果発動ォ。デッキから【デーモン】モンスターの【ジェノサイドキングデーモン】を手札に加えるゥ」
「え? 【ジェノサイドキング
「
タイタンの墓地ゾーンから、兜代わりに被った山羊の頭蓋骨で目元を隠している、ゴスロリ風の装飾を付けた薄紫色の肌と筋肉繊維の少女の悪魔が現れる。その悪魔は右手に持っていた1枚のカードをタイタンに手渡し、Vサインを送ってから墓地ゾーンに戻っていった。
「墓地の【ヘルウェイ・パトロール】の効果発動ォッ‼︎ 除外し、手札から攻撃力2000以下の悪魔族モンスターを1体特殊召喚させてもらおォう」
黒いライダースーツに身を包んだ悪魔が、けたたましいエンジン音を鳴らす三輪のバイクに乗りながら会場を走り回る。よく見れば後部座席に何者が乗っており、そこから飛び降り会場の中央に着地した。
「【ジェノサイドキングデーモン】を特殊召喚‼︎」
「早くも来るのか、【ジェノサイドキング
「【ジェノサイドキング
【ジェノサイドキングデーモン】
ATK:2000
DEF:1500
黄ばみのある色の骨と筋肉繊維が剥き出しになった、筋肉隆々な身体と踵まである大きさの翼を持つ悪魔の王が、着地時に巻き上がっていた砂埃の中からその姿を見せた。頭蓋部分が冠に酷似した形状となっており、さらには地面に突き刺した藍色の剣が王の威厳をさらに示していた。
「攻撃力2000の下級モンスターがいきなり2体も出てくるか。少しはやるね」
デメリット効果を所持しているとはいえ、レベル4以下かつ何の効果の恩恵もなく攻撃力2000モンスターが2体並んでいることに対し、亜鈴は素直にタイタンを褒め称えた。
闇社会の人間とはいえタイタンもデュエリスト。手練れであることを喜ばしく思う他なかったようだ。
浮かべていた微笑みに何処か裏のあるように見えるのが、タイタンにとっては気がかりであったが。
「その余裕がいつまで持つか見ものだなァ。装備魔法【デーモンの斧】を【ジェノサイドキングデーモン】に装備ィ。装備モンスターの攻撃力は1000ポイント上昇するゥ」
【ジェノサイドキングデーモン】
ATK:2000 → 3000
【ジェノサイドキングデーモン】が剣を持っていた両手の内の左手を剣から離すと、深緑色の老けているように見える顔がついた斧が彼の左手に持たれるように現れる。これにより、【ジェノサイドキングデーモン】は二刀流の悪魔と化した。
「永続魔法【補給部隊】を発動し、バトル───」
「あ、待った。メインフェイズ終了時、【太陽の魔術師エダ】の効果発動。相手メインフェイズ中、自分フィールドの裏側表示の魔法使い族モンスターを1体選んで、そいつを表側攻撃表示または表側守備表示にすることができる」
「こちらのメインフェイズ中に仲間をリバースさせる効果だとォッ⁉︎」
エダが巨大な裏側横向きのカードに杖を向けた。するとそのカードの上に四角い太陽の模様をした光が浮上し、優しい白い光を放つ。その光に反応する──否、導かれるかのようにカードがゆっくりと反転されていき……表面から何かが這い出て来た。
「よってボクは【闇霊使いダルク】を表側守備表示に変更するよ」
【闇霊使いダルク】
ATK:500 → 800
DEF:1500
それは、黄土色のローブを着た1人の黒髪の少年。眠たそうな半目に幼さのある端正な顔つきが物静かさを醸し出していた。さらに左腕には包帯が巻かれており、手首には千切れた鎖の付いた枷がある。
その近くに真っ黒な身体に黄土色の2本角、蝙蝠のような翼と尻尾のある、一つ目の謎の生物がぷかぷかと浮遊していた。どうやらこの謎の生物は、ダルクが従える使い魔である可能性が考えられる。
「さらに【憑依覚醒】の効果により、属性が増えたためボクのモンスターの攻撃力が上昇する」
エダの身体に新たに黒い光の膜が覆われ、一瞬の発光を起こす。それと同時にダルクの身体にも黒と黄色の2つの光の膜が覆われ、同じく一瞬光が強さを増した。
【太陽の守護者エダ】
ATK:1800 → 2100
【闇霊使いダルク】
ATK:800 → 1100
「むぅ……しかもリバースしたのが【霊使い】モンスター、ということはァ……」
「そういうことだよ。というわけで、【闇霊使いダルク】のリバース効果発動。この効果は、相手フィールドの闇属性モンスターを1体対象として発動する。このモンスターが表側表示で存在する間、そのモンスターのコントロールを得る。対象に取るのは【ジェノサイドキングデーモン】だ」
ダルクが自身の手に持つ鴉の頭蓋骨を模したかのような杖を【ジェノサイドキングデーモン】に向ければ、その顔部分から黒い光が灯される。その光が対象のモンスターの身体に『闇』の文字の光をタトゥーのように刻まれるのだが……
「今、【ジェノサイドキングデーモン】を対象に取る効果を使ったなァ?」
タイタンが不気味に微笑んだのに合わせ、【ジェノサイドキングデーモン】も不敵な笑みを浮かべた。そのような下等な魔法など効かない、と。
「使ったよ? それがどうかしたのかな?」
「しらばっくれないでもらおうかァ? 一応これは一部の奴でも手に入るカードなのだからなァ……【ジェノサイドキングデーモン】が相手カードの対象に取られた時、サイコロを1回振り、2か5の目が出ればその効果を無効にして破壊するゥ」
「あ、そういえばそんな効果あったんだったね」
タイタンの横に1から6の数字が刻まれた6つの霊魂に似た炎の珠が浮かぶ。それらが円のように回り始め、ダルクの杖の光を【ジェノサイドキングデーモン】の視界から遮らせるかのように移動する。そして……
「出た目は2。よって【闇霊使いダルク】の効果を無効にし、そいつを破壊だァッ‼︎」
「まぁ6分の1じゃなくて3分の1だからね、そこそこの確率で出るんじゃないかとは思っていたよ」
2の数字が刻まれた珠が止まり、膨大化する。その炎は杖の黒い光を蒼く覆い尽くし、ダルクの身体をも飲み込む。その炎の熱によって、少年の悲痛な断末魔がフィールドに響く───
「けど、【憑依覚醒】がある限り、ボクの【霊使い】モンスターと【憑依装着】モンスターは効果では破壊されなくなる。この効果までもは【ジェノサイドキングデーモン】でも無効にはできないでしょ」
「ぬゥ……」
なんてことはなく、ダルクは何事もなかったかのように杖を天に掲げた途端、そこから黒に混じった淡い光が放たれ、炎を押し飛ばしてしまった。炎が四散するのを尻目に見ながら、ダルクは光を放ち終わった杖を一振りしながら1つ息を吐いた。
「効果で破壊ができぬのならば、戦闘破壊するまでだァッ‼︎ 【シャドウナイトデーモン】で【闇霊使いダルク】を攻撃ィッ‼︎」
【シャドウナイトデーモン】が煌めいている右腕の剣を亜鈴達に見せつけながら、両腕を振るいながら駆け出す。鉤爪を突きつけダルクの杖に引っ掛け、彼の動きを封じる。その隙をつき、剣をダルクの心臓部に突きつけようとするが……
「永続
「戦闘破壊をも許さないのかァ……」
2体の間にダルクの使い魔が割って入った途端、彼の姿が一瞬の淡い光を纏うのと同時に変化していく。角が伸び、翼も巨大化し、身体自体も成長した姿となった。
その使い魔は成長した翼の外膜を使って【シャドウナイトデーモン】の剣を防ぎ、そのままの状態で尻尾を下から縦に振るい上げる。その尻尾はダルクの杖を掴んでいた鉤爪を弾き、【シャドウナイトデーモン】を反射的に後退させた。
敵を一時的に追い払った使い魔は疲れ切ったのか、気がつけば変化前の小さな姿へと戻っていた。そんな彼をダルクが労うように優しく頭を撫でれば、使い魔は一つ目をニッコリとさせ上機嫌となった。
「ならば【ジェノサイドキングデーモン】で【太陽の魔術師エダ】を攻撃ィッ‼︎ 炸裂!五臓六腑‼︎」
【ジェノサイドキングデーモン】の腹部が開く。するとそこから見えている内臓が大量の蟲へと変貌し、ダルクを素通りしながらエダに襲い掛かる。
それに対抗してエダが杖を構え魔法を発動しようとするが、蟲1匹1匹への対処をすることができるわけもなく、身体全体を蟲に覆われ耐え切れず、その場で光の粒子となって四散していった。
亜鈴
LP:4000 → 3100(3000 - 2100 = 900)
亜鈴にそこそこのダメージが入った途端、タイタンは不気味に笑うと懐から金色に輝く四角錐を取り出した。するとその四面体が突然眩い光を発し、亜鈴の視界を一瞬だけ遮らせる。そして光が放ち終わった後、タイタンは四角錐を懐にしまい込んだ。
亜鈴は不思議だと思わんばかりに首を傾げた。今、彼は何をしていたのだと。ここまでの行動に何か意味でもあったのかと。
「ねぇ。さっき何かを光らせたけど、何やってたのさ?」
「フッフッフゥ……自分の身体をよく見るがいいィ」
「身体?」
タイタンの言葉に誘導されるかのように、亜鈴は何事かと首を傾げ頭にはてなマークを浮かばせながらも、自分の身体を見下ろした。
するとどうだろうか。彼の右足が、白い霧によって包まれていた。しかも周囲に他の白い霧は見当たらない。周囲にいつの間にか黒い霧が漂ってはいるが。
「言ったはずだ、闇のデュエルは既に始まっているとなァ……このデュエルでは、貴様のライフポイントが減っていくにつれて、貴様の身体が徐々に消えていくようになっているのだァ」
「………………へぇ。身体の一部が消えてる割には、ボクは全然苦しんでないけど?」
「……今回のは時間が経つにつれて苦しくなっていく仕様になっていたのだろォう。己の運の良さに感謝することだァ。今のところ、貴様のプレイングに支障は出ないようだからなァ」
身体の一部が消えたことによる身体への影響が、遅れて発生するとはどういう仕組みなんだ。亜鈴はそう心の中で指摘を入れるものの、現状デュエルを行うことに対して何の問題もないと思ったのか、すぐにデュエルに集中した。
「とりあえず、モンスターの属性が1つ減ったことで、【憑依覚醒】の効果でアップする攻撃力は300ポイントへと下がる」
光を維持することとなっている地属性が消えた反動によるものなのか、ダルクを覆っていた黄色い光の膜はなくなってしまう。それと同時に、ダルクの肩の力が抜けているかのように見えた。
【闇霊使いダルク】
ATK:1100 → 800
「そして【憑依解放】のもう1つの効果発動。このカードが魔法・罠ゾーンに存在し、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合、そのモンスター1体の元々の属性と異なる属性を持つ守備力1500の魔法使い族モンスターを1体、デッキから表側攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚することができる。【光霊使いライナ】を裏側守備表示で特殊召喚だ」
光の粒子となって消えていったエダの跡地から、黄色と白の混じった魔法陣が浮かび上がる。そこから横向きとなっている巨大な裏側のカードが現れ、消えた魔法陣の代わりにその場で浮遊した。
「冷静にモンスターを新しく出してきたかァ……まぁいい、私はこれでターンエンドォ」
亜鈴
LP:3100
手札:3枚
フィールド:
【闇霊使いダルク】DEF:1500
セットモンスター(【光霊使いライナ】)
【憑依覚醒】×1
【憑依解放】×1
vs
タイタン
LP:4000
手札:1枚
フィールド:
【ジェノサイドキングデーモン】ATK:3000(装備:【デーモンの斧】×1)
【シャドウナイトデーモン】ATK:2000
【補給部隊】×1
フィールド魔法【
「闇のデュエルとかへの怪しさはあるけど、身体が消える使用上になっている今、これは絶対に勝たないといけないようだね。ボクのターン、ドロー」
「フゥン。対象を取る効果をチェーンブロックを組まずにランダムで無効にし破壊する2体の【デーモン】相手に、どう立ち向かうと言うのかねェ?」
「見れば分かるよ。【召喚師アレイスター】を召喚」
【召喚師アレイスター】
ATK:1000 → 1300
DEF:1800
亜鈴が呼び出したのは、黄土色と白色の6:4の割合で配色されているローブを身に纏い、片眼鏡を付けた緑髪の青年。左手には先端が金色の縁となっている菱形となっている角ばった杖が、右手には青い宝玉が嵌め込まれた書物が握られていた。
彼の顔、よく見れば亜鈴と酷似しているが、凛々しさは【召喚師アレイスター】が勝っている。だがモンスターとデュエリストの顔がほぼ一致しているのは何かしらの違和感を感じることだろう。
「アレイスターの効果発動。召喚・リバースに成功した場合、デッキから【召喚魔術】を手札に加える。そしてこれを発動」
アレイスターが書物のページを片手だけでパラパラと捲りながら、杖を縦にしながら構える。するとどうだろうか。背後かつ上空に青白い魔法陣が浮かび上がり、アレイスターの身体が青白く光り輝く。
「このカードは本来、手札のモンスターのみで融合召喚を行うカード。だけど【召喚獣】融合モンスターを融合召喚する場合、自分フィールド及び自分・相手の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできるんだ」
「私の墓地のモンスターまでをも融合素材にするだとォッ⁉︎」
「ま、今回ばかりはしないけどね。ボクはフィールドのアレイスターと【手札抹殺】によって墓地に送られていた【風霊使いウィン】で融合する」
アレイスターの隣に、ダルクと似た服装(包帯は巻かれていない)をした緑色の髪をポニーテールに結った大人しそうな少女が現れる。彼女も自身の持つ杖をアレイスターの杖と交差するように構えれば、彼女の身体にも青白い光の膜が纏われる。
やがて2体は杖から放たれた眩い光に包まれ、魔法陣と一体化する。そしてその光に導かれてか、2体とは全く異なる姿をした何かが魔法陣から姿を現してきた。
「古の禁術に呼び出されし雷鳴の戦士よ‼︎ 轟雷の力を宿らせしその
【召喚獣ライディーン】
ATK:2200 → 2800
DEF:2400
それは、顔を甲冑で隠した白銀の戦士。藍色のマントを靡かせながら金箔の縁となっている剣を振るい、2本の悪魔の角に似た兜のパーツと太陽の輪に似たリングが彼の強さをさらに強調させる。右肩をよく見れば、アレイスターの杖の形に似た青白い光が突き刺さっているのが確認される。
それと同時に、ライディーンの身体に黒と黄緑色の光の膜が覆われる。それに合わせてダルクの身体にらも黄緑色の光の膜が覆われた。
「【憑依覚醒】によって攻撃力2800かァ……【シャドウナイトデーモン】は戦闘破壊できるが、【ジェノサイドキングデーモン】を戦闘破壊するにはまだ程遠いのではないかァ?」
「(まぁこれの他にも解決手段はあるけど)このカードを忘れてないかい? 【光霊使いライナ】を反転召喚」
【光霊使いライナ】
ATK:500 → 1100
DEF:1500
横向きのカードが縦側の表側表示となり、そのカードから1人の少女が姿を現す。
アホ毛をぴょこんと出しているショートカットの白い髪が特徴的となっていて、その少女もダルクやウィンに似た衣装を着ており、左腕には腕に枷の様な物の跡をつけていた。右手には太陽や光の輪の形を模した杖が握られており、そこから優しい輝きを放っているのを錯覚させていた。
隣には額に大きなハートマークを施したピンク色の球体に、天使の輪っかを付け腕の天使らしき羽を生やしたような生物──使い魔が、その羽で浮遊していた。
「これでボクのフィールドのモンスターの属性に光が増え、3種類となった。よって【憑依覚醒】で攻撃力がさらにアップだ」
今度は白い光の膜が亜鈴のモンスター達を包み込む。これにより、亜鈴のモンスター達の身体には黒・白・黄緑の光の膜が覆われることとなった。
【召喚獣ライディーン】
ATK:2800 → 3100
【闇霊使いダルク】
ATK:1100 → 1400
【光霊使いライナ】
ATK:1100 → 1400
「ライディーンの攻撃力が【ジェノサイドキングデーモン】を超えたようだなァ……だが、他の2体では【シャドウナイトデーモン】の攻撃力を超えることはできなかったようだがァ?」
「決めつけるのはまだ早いよ、そこら辺の対処はもうできてるからさ。自分フィールドに魔法使い族モンスターがいるため、手札の【ランリュウ】を特殊召喚」
【ランリュウ】
ATK:1500 → 2400
DEF:200
嵐のような強い風に導かれるように、黄緑色の肌を持つ手足のない竜が唸り声を上げる。黄土色の大きな翼が微動する毎にそよ風が吹き、亜鈴のモンスターを優しく包み込んでいく。
「ぬゥ……貴様も攻撃力2000を超える下級モンスターを、いともたやすく呼び出すとはァ……」
「ボクの場合は、別のカードの効果の恩恵を与えて上昇させてるだけなんだけどね。おまけとして装備魔法【ワンダー・ワンド】をライナに装備。装備された魔法使い族モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる」
【光霊使いライナ】
ATK:1400 → 1900
ライナの左手に、先端に丸い緑の宝石の付いた杖が握られた。両手に杖を2本も持つようになったライナはそれらを交差させ、さらに強くなったと思ったのかドヤ顔をタイタンに見せつけた。
これによりライナは一時的に、魔法使いで杖を2本も所持した二刀流ならぬ二杖流の魔法使いとなった。いや何それ。
「ダルクを攻撃表示に変更」
戦闘準備万端なライナに無意識に便乗してか、ダルクもライナの持つ2本の杖と交差するように自身の持つ杖を掲げた。これにライナは満悦したのか、合わせてくれたダルクに向けている目を輝かせた。
「そうそう、これも忘れずに。墓地の【召喚魔術】の効果発動。除外されている【召喚師アレイスター】を対象に取る。このカードをデッキに戻し、対象に取ったカードを手札に戻す」
ライディーンの背後に魔法陣が浮き出てきた。その魔法陣からアレイスターのシルエットが浮かび上がると、そのシルエットと共に纏めて凝縮され、1枚のカードとなって亜鈴の手札に加わった。
「バトル。ボクは【召喚獣ライディーン】で【ジェノサイドキングデーモン】に攻撃」
ライディーンの剣に電撃──否、雷の力が宿る。天から雷が降り注いだわけでもないのに、だ。
何処から原力が発生したのか不明なその雷の力を纏った剣をライディーンは握り締め、縦に振るう。さすればその雷は衝撃波となって【ジェノサイドキングデーモン】に目掛けて急接近する。
【ジェノサイドキングデーモン】は腹部から変貌させる蟲では雷では対処できないと悟ったのか、自身の剣と斧を横薙ぎに振るい雷を受け流そうとする。
だがすぐに押し負けたのか、剣は弾かれ地面に突き刺され、斧は刃どころか持ち手諸共打ち砕かれ、【ジェノサイドキングデーモン】はそのまま雷に飲み込まれてしまった。
「クゥゥゥ……」
タイタン
LP:4000 → 3900(3100 - 3000 = 100)
「だが‼︎ 【ジェノサイドキングデーモン】が破壊され墓地に送られたことで、【補給部隊】の効果、そして手札の【デスルークデーモン】の効果発動だァッ‼︎」
「あっ、そいつもう手札にあったんだ」
「まずは【デスルークデーモン】の効果。こいつを手札から墓地に送ることで、破壊された【ジェノサイドキングデーモン】を1体特殊召喚するゥ‼︎」
雷を受けた跡地に、骨格の強い顔に先端が1本の青い鉤爪となっている4本の触手が付いた悪魔が、ズシィィィンという地面を踏み軋ませる音を立てながら降り立った。
その悪魔は地面に自身の触手全てを突き刺せば、引っこ抜いたのと同時に、筋肉繊維剥き出しの悪魔──【ジェノサイドキングデーモン】を引き摺り込ませた。
【ジェノサイドキングデーモン】
ATK:2000
DEF:1500
そして触手の悪魔──【デスルークデーモン】は近くの地面に突き刺さっていた剣を拾い上げ、それを【ジェノサイドキングデーモン】に投げ渡し何事もなかったかのようにキャッチさせる。剣を受け取ってくれたのを確認した【デスルークデーモン】は頷き、その場から飛び去っていった。
「そして【補給部隊】の効果により、カードを1枚ドローさせてもらおォう。本来ならば【デスルークデーモン】の効果を【ジェノサイドキングデーモン】を戦闘破壊できる奴全員の攻撃が終わった後に使いたかったが、使わなければ【シャドウナイトデーモン】を戦闘破壊された後にダイレクトアタックを受けて負けてしまうのでなァ、使わせてもらったぞォ」
「こりゃあ【霊使い】達でダイレクトアタックができないな。ならば【ランリュウ】で【ジェノサイドキングデーモン】を攻撃」
【ランリュウ】が鼓舞すれば、響声から放たれる風の音波が【ジェノサイドキングデーモン】を怯ませる。その隙を狙って荒く羽ばたかせた翼から嵐の如く突風を巻き起こし、【ジェノサイドキングデーモン】の身体を浮上させ、そのまま彼方へと飛ばしていってしまった。
「ムゥゥゥ……‼︎」
タイタン
LP:3900 → 3500(2400 - 2000 = 400)
ふと、亜鈴がタイタンの方を見やる。初期ライフよりも低い数値であるがためなのか、彼の左足が少し消えているのが見て取れたようだ。
「あ、そっちの身体も消える仕組みなんだね。でも2回目のダメージでやっとってどういうことかな?」
「……最初に私が受けたダメージはたったの100。僅差のダメージのせいで、その時点では私の身体も消えていると認識することができなかったようだなァ」
「なるほどね。ま、どっちでもいいか。メインフェイズ2。【ワンダー・ワンド】の効果発動。装備モンスターと一緒に墓地に送って2枚ドローだ」
亜鈴が【ワンダー・ワンド】の効果発動の宣言をしたのと同時に、その杖の宝玉が光り出した。それと同時にライナの身体が光の粒子となって消え始めていく。
『わーん‼︎ せっかくダルク君と一緒になれたターンに別れるなんて嫌ですー‼︎』
『あのなライナ……これは暫しの別れとかじゃないから大袈裟なこと言うな』
『それでも演出が悪趣味だと思いませんかー⁉︎ まるで死ぬかのような感じですよー‼︎』
『
『ウゥ……はい』
ライナが涙目になってダルクに向かって何やら必死に訴えかける様子を見せるのに合わせて、何処からかそのような会話が聞こえてくる。まるでこの2体のモンスターが実際に会話しているかのように。
そしてダルクの口から後で労うという言葉が出たような声が聞こえ、ライナが納得したかのように零れ落ちそうになっていた涙を拭い、ダルクに手を振って消えていった。
この一連を見た亜鈴は申し訳ないという思いで苦笑し、ライディーンと【ランリュウ】に至ってはよく見かける光景だったからなのか呆れた様子を見せていた。
「……? (なんだァ? 先程からあのモンスターどもから声が聞こえたような気がするぞォ……?)」
タイタンも何やら疑問に感じていたらしく、首を傾げていた様子だった。別の方向性で、ではあるが。
【召喚獣ライディーン】
ATK:3100 → 2800
【闇霊使いダルク】
ATK:1400 → 100
【ランリュウ】
ATK:2400 → 2100
「よし、いい引きだ。ボクはカードを2枚伏せてターンエンド」
亜鈴
LP:3100
手札:2枚(【召喚師アレイスター】×1)
フィールド:
【召喚獣ライディーン】ATK:2800
【ランリュウ】ATK:2100
【闇霊使いダルク】ATK:1100
【憑依覚醒】×1
【憑依解放】×1
伏せカード×2
vs
タイタン
LP:3500
手札:1枚
フィールド:
【シャドウナイトデーモン】ATK:2000
【補給部隊】×1
フィールド魔法【
「私のターン、ドロォッ‼︎ スタンバイフェイズ、墓地の【プリズンクインデーモン】の効果発動ォッ‼︎ フィールドに【
「あっさりと攻撃力を上昇させたか……」
【シャドウナイトデーモン】
ATK:2000 → 3000
空間を超えたかのように、悪魔のものと思わしき巨大な濃い紫色の禍々しい腕が、小さな生物を自然に返すかのような仕草で自身に宿している濃い紫色の瘴気を【シャドウナイトデーモン】に差し出した。
瘴気を受け取るように纏った【シャドウナイトデーモン】の筋肉はメキメキと隆々になるかのように……否、隆々となって膨張していき、それに合わせて剣も鉤爪も巨大化していった。
「
そのついでだと言わんばかりに、メインフェイズが始まってすぐに手札の回復と整理・墓地肥やしを同時に行っていくタイタン。さらには墓地ゾーンからニョキッと顔を覗かせた2体目の【トリック・デーモン】から渡されたカードにより、タイタンはこのターンで亜鈴の盤面への対処を行い始める。
「【ジェノサイドキングデーモン】を攻撃表示で召喚ンッ‼︎ このカードを召喚・反転召喚する場合、私のフィールドに【デーモン】モンスターがいなければいけないという条件があるが、既に私のフィールドには【シャドウナイトデーモン】がいるため、条件は満たしたァ」
【ジェノサイドキングデーモン】
ATK:2000
DEF:1500
【シャドウナイトデーモン】が纏った瘴気に隠れていたかのように、彼の背後から王冠の形をした頭蓋の悪魔──【ジェノサイドキングデーモン】が、剣を担ぎながらゆっくりと歩きながらその姿を現した。
王の威厳を持つ彼の姿を見た【シャドウナイトデーモン】は、今の自分自身の方が攻撃力が高いのにも関わらず右膝をつき、彼へのいつも通りの忠誠心を示した。
「装備魔法【早すぎた埋葬】を発動ォッ‼︎ ライフを800ポイント払い、私の墓地からモンスターを特殊召喚してこのカードを装備するゥ」
タイタン
LP:3500 → 2800
「現れろォ、【迅雷の魔王ースカル・デーモン】ンッ‼︎」
【迅雷の魔王ースカル・デーモン】
ATK:2500
DEF:1200
雷雲が立ち寄り始め、そこから一筋の雷が降り注ぐ。眩い光の中からその姿を現したのは、1体の悪魔。剥き出しの朱い筋肉に黒がかった骨を埋め込んでおり、黒い翼と強靱な骨の腕を広げながら周囲に雷撃を放っていた。
「へぇ……体色も違うし、身体の各部分の形が微妙に違うところもあるけど……その風格、まさに伝説のモンスターの1体である【デーモンの召喚】みたいだね」
デュエルモンスターズの界隈で伝説のモンスターの1体として評価されていた【デーモンの召喚】。その姿と酷似──もといリメイクした姿とも言える【迅雷の魔王ースカル・デーモン】。
その威厳溢れる姿に並大抵のデュエリストは後退りするものだが、亜鈴の場合それはなかった。寧ろ今この場で派生とはいえ【デーモンの召喚】と出会えたことを誇りに思っているようだ。
そんな余裕もある彼を見て、強がりではないかと一蹴したタイタンは鼻で嗤った。
「その余裕がいつまで持つか見ものだなァ……バトルゥッ‼︎ 私は【シャドウナイトデーモン】で【闇霊使いダルク】を攻撃ィッ‼︎」
【シャドウナイトデーモン】が剣で空を切れば、その剣に宿っていた瘴気が増大し、発生した風圧だけでダルクが吹き飛ばされそうになる。だがダルクは杖を地面に突き立てている腕の力を強めたり、使い魔に背中を押してもらっているおかげで吹き飛ばされずに済んでいる様子だ。
「おっと、これはいけない。【デーモン】全員がダルクを攻撃してしまえば……」
「その通りィ……【シャドウナイトデーモン】の攻撃によって与えるダメージは半分になるが、それを差し引いたとしても、3体全員の攻撃がダルクに通れば貴様のライフは尽き、貴様の魂は闇の中を彷徨うこととなるだろォう……一斉攻撃でライフを削り切られ、魂となってしばらく闇を彷徨えェッ‼︎」
咆哮を上げる、剣と鉤爪を手としている悪魔。後続には【ジェノサイドキングデーモン】が蟲を生成する準備を整え、スカル・デーモンが今にも雷だけでなく大爆発を巻き起こしそうな程の電撃を纏った。
瘴気が【シャドウナイトデーモン】が剣を完全に覆い尽くすと、戦闘態勢を整えたのか飛び上がり、ダルクに向かって剣と振り下ろそうとする。
「速攻魔法発動」
「私のモンスターを対象を取る効果ならば無駄だァッ‼︎ スカル・デーモンはサイコロの目が1・3・6ならば、その効果を無効にし───」
「【皆既日蝕の書】。フィールドの全てのモンスターを裏側守備表示にする。この効果はモンスターを対象に取る効果じゃないから、3体の【デーモン】モンスターの対象を取られた後に無効にする効果を素通り可能ってわけ」
「何ィッ⁉︎」
突如古代エジプトのイラストが描かれた朱い書物が現れ、1人でにページが次々と捲られる。それに合わせて地球の地点から太陽の輝きが放たれ、徐々に暗くなり始めた。
そして暗くなったことによって一時的になくなってしまった色が元に戻ったのと同時に、全てのモンスターがいなくなってしまい、代わりに横向きの裏側のカードが先程までいたモンスターの数だけ置かれていた。
「クゥゥゥ……だが、【早すぎた埋葬】を装備したモンスターが裏側になったことにより、【早すぎた埋葬】は対象がいなくなって破壊され墓地に送られ、そのカードが離れたことによって装備モンスターが破壊される効果も素通りになるぞォ……」
「負けるよりは10倍マシさ」
「……それもそうだなァ。カードを2枚伏せてターンエンドォ」
亜鈴にトドメを刺すことができなかったことに苛つきを覚えるも、冷静に残るできることをしてターンエンド宣言をしたタイタン。そのタイミングで亜鈴は何を思ったのか、微笑みを浮かべた。
「この瞬間、【皆既日蝕の書】の効果により、エンドフェイズに相手フィールドのモンスターは全て表側守備表示となり、その数だけ君はドローする。よかったね」
一瞬、太陽の光が再び放たれ、それに合わせてタイタンの横向きのカードが裏返り、先程までいなくなっていたはずの【デーモン】達が全員再び姿を現す。【シャドウナイトデーモン】は【プリズンクインデーモン】から受けていたはずの恩恵を失ったのだが。
そして【デーモン】達が姿を現したのと同時に、タイタンはその数だけカードをドローした。
亜鈴
LP:3100
手札:2枚(【召喚師アレイスター】×1)
フィールド:
セットモンスター×3[【召喚獣ライディーン】×1、【ランリュウ】×1、【闇霊使いダルク】×1)
【憑依覚醒】×1
【憑依解放】×1
伏せカード×1
vs
タイタン
LP:2700
手札:3枚
フィールド:
【迅雷の魔王ースカル・デーモン】DEF:1200
【ジェノサイドキングデーモン】DEF:1500
【シャドウナイトデーモン】DEF:1600
【補給部隊】×1
フィールド魔法【
伏せカード×2
「さてと……相手の手札を増やしちゃったし、一気にトドメを刺すとしますか。ボクのターン、ドロー……おっ?」
長期戦は期待しない方がいいだろう。そう危惧した亜鈴がこのターンでの決着を見込みながらカードをドロー。するとその引いたカードに注目したのか、彼は目を丸くした。
「これはなんとかなるかも。とりあえずまずはこれからかな。【召喚師アレイスター】を召喚」
【召喚師アレイスター】
ATK:1000 → 1300
DEF:1800
勝利の可能性が出てきたことを呟けば、亜鈴は【召喚獣】を呼び込むのを得意としたモンスター【召喚師アレイスター】を再び呼び出した。亜鈴の表情を見て何を思ったのか、アレイスターは何かを了承したかのように頷いた。
「【召喚師アレイスター】の効果発動。この効果でデッキから【召喚魔術】を手札に加える」
亜鈴の背後に小さな魔法陣が浮かび上がり、それが凝縮・変形して1枚のカードとなった。それを亜鈴が手札に加えると、別のカードを発動させた。
「
虹色の書物が浮遊し、そこから虹色の輝きが放たれる。それがアレイスターを覆い始めると、彼の身体が半透明になり始めた。だが、そんな事など気にしないと言わんばかりに、亜鈴はこれによるカード効果に沿ってカードをドローし、その2枚を見て微笑んだ。
「これは良いカードが来たね。そして【召喚魔術】を発動。今度はボクの墓地のアレイスターと君の墓地の光属性モンスターの【デスルークデーモン】で融合するよ。まさか【デーモン】なのに光属性だったなんてね」
「ここに来て私のモンスターを利用するかァッ……‼︎」
アレイスターが杖と書物を用い、魔法陣を上空に浮かび上がらせる魔法を生成する。アレイスターの身体に青白い光の膜が覆われたのと同時に、魔法陣の近くに巨大な触手を持つ頭の悪魔──【デスルークデーモン】が半透明の姿となって現れ、魔法陣から放たれる光にアレイスターと共に包まれた。
「古の禁術に呼び出されし神霊よ‼︎ 王座を持ちし戦車を轟かせ‼︎ 融合召喚‼︎ 駆け抜けろ、【召喚獣メルカバー】‼︎」
【召喚獣メルカバー】
ATK:2500 → 2800
DEF:2100
魔法陣から飛び出し、大地を駆けながら現れたのは、顔までをも隠した白銀の鎧を纏っている、鉄の剣と盾を携えた騎士。何かの四足歩行の獣を模したかのような白銀の鎧に包まれた
「墓地の【召喚魔術】の効果。デッキに戻して除外状態のアレイスターを回収」
メルカバーのいる位置の上空に、アレイスターのシルエットが刻まれている魔法陣が浮かび上がった。それが即座に凝縮・変形されてカードとなり、亜鈴の手札にそのまま加わった。
「そしてダルクを反転召喚。強制効果発動。今度は【シャドウナイトデーモン】を対象に取るよ」
【闇霊使いダルク】
ATK:500 → 800
DEF:1500
裏向きとなっていた1枚のカードが縦向きで裏返り、そこから暗い色が印象的な少年──ダルクが再び姿を現す。そしてすぐさま杖を【シャドウナイトデーモン】に向けて構え、黒い光を放とうとする。
「何故【ジェノサイドキングデーモン】よりも守備力の高い【シャドウナイトデーモン】を選ぶのだァ? 残してしまった後がほんの少しだけキツいかどうかの差ではあるとはいえ……いや、まぁいいだろォう。【シャドウナイトデーモン】の効果適用ォッ‼︎ 3が出ればコントロール奪取効果は無効となるぞォ?」
数字が刻まれた6つの炎の珠が現れ、ルーレットの如く回り始める。そして停止してダルクの視界に映った数字は……3。
その数字が刻まれていた炎が膨大化し、その熱波が黒い光をかき消しながらダルクを押し飛ばした。ダルクはその場で一回転しながら態勢を立て直し、その場で着地した。
「3が出たってことは、つまりは無効か。ま、無効にされようがされなかろうがどっちでもいいけどね。あ、【憑依覚醒】で効果破壊されないよ」
「それぐらいは構わんぞォ」
「あ、そうそう。違う属性のモンスターがボクのフィールドに増えたことによって、【憑依覚醒】の効果でボクのモンスターの攻撃力が上昇するよ」
メルカバーとダルク、2体のモンスターに白黒の2つの光の膜が覆われる。何度目かの一瞬の発光でまた彼等は力を蓄え(メルカバーはこれが初回)、威厳を放とうにも態勢的に放てない【デーモン】達を見据えた。
【召喚獣メルカバー】
ATK:2800 → 3100
【闇霊使いダルク】
ATK:800 → 1100
「そして【召喚獣ライディーン】と【ランリュウ】を反転召喚だ。新たに風属性が出たことでさらに攻撃力上昇」
【召喚獣ライディーン】
ATK:2200 → 3100
【ランリュウ】
ATK:1500 → 2400
【召喚獣メルカバー】
ATK:3100 → 3400
【闇霊使いダルク】
ATK:1100 → 1400
ここで雷鳴の剣士と風を操る黄緑色の翼竜が、横向きから表側の縦向きとなったカードから再び姿を現せば、既に存在していた2体のモンスターと共に、黄緑色が追加された3色の光の膜を纏った。前のターンでの強者のオーラを引き立たせたのだ。
「ここで味変といこう。速攻魔法【法の聖典】を発動。ボクのフィールドの【召喚獣】モンスターをリリー……おっといけない、生贄に捧げることにより、そのモンスターと属性が異なる【召喚獣】モンスターを融合デッキから特殊召喚することができる。ボクは【召喚獣ライディーン】を生贄に捧げるよ」
アレイスターが所持していたのよりも二回り大きな書物が現れ、ペラペラとページが捲られる。そしてとあるページを開いて止まったかと思えば、ライディーンの背後へと移動する。
刹那、捲られたページから巨大な青白い魔法陣が浮かび上がり、ライディーンを覆い尽くしてから眩い光を発生させていく。
「古の禁術に呼び出されし3体の悪魔よ‼︎ 煉獄を身に纏いしその力で立ちはだかるものを嬲り倒せ‼︎ 融合召喚‼︎ 束ねろ、【召喚獣プルガトリオ】‼︎」
【召喚獣プルガトリオ】
ATK:2300 → 3200
DEF:2000
光が収まった時には、そこにはライディーンの姿はなく、表情の読めない不気味な姿をした3人組が、紫炎を身体から放ちそれぞれが呻き声を上げながら並び立っていた。
1体はヘビィメタルな化粧と装飾をした丸型の白い悪魔、1体は角の先端が折れた牛の頭蓋骨らしきものを顔とした1つ目の薄い藍色の巨人の悪魔、1体は細身の身体に頭部の一本角と刃と化している両腕を持つ薄紫色の悪魔である。
「プルガトリオは相手フィールドのモンスターの数×200ポイントアップする。君のモンスターは3体いるから、600ポイントアップするよ」
【召喚獣プルガトリオ】
ATK:3200 → 3800
白い悪魔の頭部、1つ目の悪魔の右腕、細身の悪魔の胸部に刺さっている、アレイスターの杖の形に似た青白い光が薄紫色の輝きを放つ。それと同時に3体の身体から噴き出ている炎が強まり出した。
「さらに新たな属性が増えたことによって、【憑依覚醒】の効果で全員合計1200ポイントアップだ」
【召喚獣プルガトリオ】
ATK:3800 → 4100
【召喚獣メルカバー】
ATK:3400 → 3700
【ランリュウ】
ATK:2400 → 2700
【闇霊使いダルク】
ATK:1400 → 1700
既に存在していたモンスターが赤い光の膜に包まれ、さらに力を蓄える。そしてプルガトリオの身体にも計4色の光の膜に包まれ、それに合わせるように体内から放っている炎の火力が強まり出した。
「い、1ターンに攻撃力3000以上が2体も出ただとォッ……⁉︎ し、しかも、その内の1体が4000超えェッ……⁉︎」
並大抵のプロデュエリストでも、1ターンで攻撃力3000のモンスターを2体以上も特殊召喚できるかどうかとなっている。そのためか、それをこなした亜鈴を見て、タイタンは察したのだ。自分はとんでもないデュエリストに捕まってしまったのではないか、と。
「バトルフェイズに入るよ。【召喚獣プルガトリオ】で【迅雷の魔王ースカル・デーモン】を攻撃する。あ、そうそう。プルガトリオは相手モンスター全てに1回攻撃できるし、守備表示モンスターを攻撃したら守備力との差分の戦闘ダメージを与える貫通効果も持っているから」
「な、何ィッ⁉︎」
1つ目の悪魔と細身の悪魔の両腕に、白い悪魔の全身に、薄紫色の炎が宿り始めた。その燃え盛る炎を纏った3体の悪魔は同時に駆け出し、まずはこいつからだとスカル・デーモンを狙った。
「やらせェんッ‼︎
黄緑色の障壁が、【デーモン】達を守るように現れた。まるで風を吹き起こすかのように。この障壁に当たれば、暴風が発生し亜鈴のモンスターを全て吹き飛ばすこととなるのだが……
「やると思った。【召喚獣メルカバー】の効果発動」
その対策を、亜鈴は既に講じていた。
「1ターンに1度、相手がカード効果を発動した時、そのカードと同じ種類のカードを1枚手札から墓地に送ることによって、その発動を無効にし除外することができる。ボクは
「そ、そんな効果がァッ⁉︎」
メルカバーの剣に淡い光が宿る。その光は崖の天辺にまで昇る程の長さとなり、エア・フォースの風力を障壁ごと吸い込んでいき始めていた。障壁がなくなる事を察したプルガトリオは3体同時に飛び上がり、スカル・デーモン目掛けて降下しようと───
「だ、だが‼︎ せめてプルガトリオだけでも消えてもらうぞォッ‼︎ チェーンして
した直後、濃い紫色の空間が発生し、そこから発生した引力がプルガトリオを引き寄せる。
「相手モンスターの攻撃宣言時、そのモンスター1体を除外するゥッ‼︎ よってプルガトリオは除外され、連続貫通攻撃は実質不発だァッ‼︎」
「サブプランもあったってわけか。トドメを刺せれなかったのはちょっと痛いな」
この異次元への穴への対抗手段を亜鈴は持ち合わせておらず、プルガトリオも引き寄せられまいと踏ん張り切れる程の根気を持ち合わせておらず、そのまま異次元の穴へと吸い込まれて消えていった。
異次元の穴が消えた頃には、障壁がメルカバーの剣の光に吸い込まれ消えていた。ほんの誤差によるものではあったが。
【召喚獣メルカバー】
ATK:3700 → 3400
【ランリュウ】
ATK:2700 → 2400
【闇霊使いダルク】
ATK:1700 → 1400
「でも、君のモンスターを全滅させられないわけではないね。【ダルク】でスカル・デーモンを、【ランリュウ】で【ジェノサイドキングデーモン】を、メルカバーで【シャドウナイトデーモン】を攻撃だ」
ダルクが杖から黒い光の弾丸を放ち、雷撃ごと押し込みながらスカル・デーモンを。
【ランリュウ】が突風を巻き起こし、剣を盾代わりにした【ジェノサイドキングデーモン】を。
メルカバーが自身の乗る
それぞれがそれぞれの相手となる【デーモン】全てを吹っ飛ばし光の粒子として消滅させた。
「ヌゥゥゥ……だ、だが【補給部隊】の効果で1ターンに1度、私のモンスターが破壊されたのでカードを1枚ドローさせてもらおォう……」
エースモンスターを含めた自軍を壊滅され、歯軋りしながら苛立ちを見せるタイタン。しかしこれ以上苛立っても仕方ないと思ったのか、すぐさま【補給部隊】の効果処理を行った。
「うーん……そろそろ使うか。メインフェイズ2。装備魔法【ワンダー・ワンド】をダルクに装備し、効果で共に墓地に送って2枚ドローだ」
緑色の宝玉の杖が浮遊しながら再び出現し、宝玉を発光させダルクの身体を光の粒子へと変えた。今の自分の状況を見て察しがついたのか、溜息をつきながらその場から消えていった。
それと同時に、亜鈴のモンスター達が纏っていた黒い光の膜は消滅し、彼等の力を少し衰えさせた。
【召喚獣メルカバー】
ATK:3400 → 3100
【ランリュウ】
ATK:2400 → 2100
「カードを1枚伏せてターンエンド」
亜鈴
LP:3100
手札:2枚(【召喚師アレイスター】×1)
フィールド:
【召喚獣メルカバー】ATK:3100
【ランリュウ】ATK:2100
【憑依覚醒】×1
【憑依解放】×1
伏せカード×2
vs
タイタン
LP:2700
手札:4枚
フィールド:
【補給部隊】×1
フィールド魔法【
「さぁ、次は君のターン「お、おい‼︎ あそこにいるのって、まさか亜鈴先生か⁉︎」おっと、来てしまったか」
「な、警備隊かァッ⁉︎」
亜鈴がタイタンにターンを促そうとしたその時、先程廃寮で鉢合わせしていた翼・十代・翔・隼人・明日香・神楽坂・晴田の7人が、この騒動での何かしらの騒音に気づいたのかこの場へと集まって来たようだ。
「ゆ、遊城十代……まさかこの状況で標的に会うことになろうとはなァ……依頼通りの場所で出来そうにないのが痛ましいィ……」
依頼の標的となる十代を見て、タイタンは後少しで目的を成し遂げられると小躍する。しかしそれを果たすべきではない状況にいるためか、すぐに悔やみ右手の拳を握り締めた。
「亜鈴先生、なんでこんなところでデュエルしてんだ⁉︎ というか、その全身が黒い人って、もしかして……⁉︎」
一方の十代は、今の亜鈴の状況を見て戸惑っていた。何故デュエルしているのか、そして相手は何者なのか、それを必死に理解しようとしていたのだ。
そして十代が対戦相手であるタイタンを見て何かを察したのを確認し、亜鈴はそれを肯定するように答える。
「うん、彼が侵入者。で、動き回って生徒を人質に取ったりしないように拘束具で捕らえて、警備の人が来るまでデュエルで時間稼ぎしてるってわけさ」
「そ、そうだったっすか……って⁉︎ 亜鈴先生、なんか身体が消えてないっすか⁉︎」
状況を理解したものの、翔が亜鈴の今の姿を見て青冷めた表情で動揺しながら叫んだ。翼・十代・晴田の3人も目を見開き、隼人も一瞬の悲鳴を上げ、明日香と神楽坂に至っては絶句する。人の身体の一部が消えてしまったのを目撃したのだ、動揺しない方がおかしいというものだ。
「あ、気づいた?」
「そしてヤバい状況なのに何故お気楽⁉︎」
が、消えかかっている本人は焦りすら見せず平然としていた。この差は明らかに違いすぎる。
そんな彼に何故危機感を持たないのだと言うかの如く、神楽坂が怒声を上げた。
「先生、なんでそんなヤバい状況なのに平然といられるんですか⁉︎ 右足が消えているというのに‼︎」
「……えっ? ちょっと待って神楽坂君? 私には左足だけが消えかかっているように見えるのだけど……」
「へっ? 右腕だけじゃないんだな?」
「アレ? 左腕の方じゃないの?」
「俺は右横腹だけが消えているように見えるぞ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
これはどういうことだろうか。十代・翔・隼人・明日香・神楽坂の5人から見て、亜鈴の消えかかっている身体の一部がそれぞれ違って見えていたようだ。この事実に5人は思わずキョトンとし、思わず目を見合わせた。
そんな彼等を疑問を解消すべく、翼が目を拵えて亜鈴の周囲を確認し、口を開いた。彼の視界には今のところ十代達には見えてないだろう霧が、亜鈴の周りに漂っているように見えた。
「なぁ……よく見たら霧が出ているのが見えるから、そのせいで俺達が見えている亜鈴先生がどういう状況が違って見えているんじゃねェのか?」
「それぞれの意見が違っているとなると、そう考えられますね。私なんか頭が消えてるように見えてますし」
「「「「「「1番ヤバい見え方だそれ⁉︎」」」」」」
翼の意見を賛同しながら、晴田が冗談にもブラックジョークにもならない発言をし、6人を思わず仰天させてしまう。亜鈴をこの現状にさせた本人であるタイタンも「そうはならないはずだがァ……」と小声で呟いてドン引きする。
「……あぁ、やっぱり」
そんな中で、未だに冷静な亜鈴がそう呟いた。事の全てを完全に理解したかのように。
「やっぱりって、どういうことなんだな?」
「タイタン、君の仕掛けたトリックが何なのか分かったよ」
「……トリックだとォ?」
仮面越しでは不明だが、口元を顰めている辺りから眉に皺を寄せて怒りを湧いていることを明らかにしたタイタン。そんな彼の表情など気にせず、亜鈴は言葉を続ける。
「君が行っているのは闇のデュエルじゃない、催眠術だ。特殊な霧やそれを発生させる光を放ち、ボク達に体が消えていると錯覚させるようにさせるための催眠術を使った。だから遊城君達それぞれが消えて見えている部分が異なっていたんだ」
そう、亜鈴とタイタンの身体がライフポイントに合わせて消えていっているのは、霧による勘違いが起こしたことによるものだったようだ。
さらにタイタンに追い打ちをかけるように、亜鈴は呆れるように溜息をつきながら続けた。
「というか、そもそも闇のデュエルなんて千年アイテムがない限りは発動しないはず。君はただのペテン催眠術師でしかないよ」
「何を言う。私は闇のデュエリストだァ……その証拠に、私はこれをちゃぁんと所持しているぞォ」
自分はペテン師でも催眠術師でもない。れっきとした闇のデュエリストだ。そう反論するように、タイタンが懐から金箔の四角錐を再び取り出し、それを今度は全員の視界にはっきりと入るように見せつける。
「かつて
「それ、本物にはあった繋ぎ目が1つもないよ?」
「グヌゥゥゥッ⁉︎ そ、それはァ……」
「図星だね」
しかし、その四角錐──千年パズルは偽物であった。それを指摘されたのか、タイタンは一瞬の動揺を見せる。だが往生際が悪いらしく、どうにかして弁解しようとするが、そこに十代が怒鳴るように語り出す。
「そうか‼︎ 俺には分かったぜ、このインチキのカラクリが‼︎ その偽物の千年パズルを使って霧みたいなのを出したりして、亜鈴先生の身体が消えかかっているように見せつけてるんだな‼︎ やっぱりお前は闇のデュエリストじゃないってことか‼︎」
「こ、これは偽物ではなァい‼︎ ところどころの隙間が引っ掛かるのが嫌だったから、そうならないように加工しただけだァッ‼︎」
「何その言い訳」
「なら、千年アイテムが何個あるか答えてみろ‼︎」
十代が本当にタイタンが闇のデュエリストなのか確かめるべく、彼に千年アイテムの個数について問いかける。
ちなみに十代達は先程晴田に闇のゲームについて教えられたことにより、翼に至っては前世で得た情報で既に千年アイテムの数を把握している。
十代の、というよりも十代達の予想が当たっていたのか、タイタンは言葉が詰まる。
「そ、それはァ………………な、7ァ……」
「あ、合ってるんだな」
「……ふふっ、7だ「じゃあ千年アイテムの名前は全て答えられるかな?」ッ⁉︎ そ、それはァ……」
ゆっくりと口を開き、正解だと知って安堵したのも束の間、そこに亜鈴からの次なる問題に唸ってしまう。
千年アイテムを持った者ならば、自分が所持していない方の千年アイテムについていくつか把握しているものなのだが、タイタンは20秒経っても1つも答えられない始末。これは明らかなペテン師同然の証拠であった。
ちなみに他の千年アイテムの名称は、千年錠・千年秤・千年
「へっ、これでハッキリしたぜ‼︎ お前は闇のデュエリストなんかじゃないってことがな‼︎」
そう言って十代は1枚のカードをタイタンの千年パズルに向けて投げ飛ばした。千年パズルはカードの切れ味にあっさりと負け、ヒビを開けられカードを突き刺されてしまう。偽物とはいえあそこまで耐久性は弱いものなのだろうか。
自分が闇のデュエリストではないことがバレた。その事実にタイタンは苦虫を噛み潰したような口元を作り、睨みつけるように亜鈴の方へと顔を向き直した。
「クッ、おのれェ……‼︎ バレたからには、これ以上この島に長引く必要はなァい‼︎ このデュエルに勝ってこの邪魔な鎖を外してもらい、とっととこの場から立ち去ってやろォう‼︎」
「勝てるものなら勝ってみろってね」
本来ならば、タイタンはデュエルを中断してでもこの場から退散したいと思っていることだろう。しかし、今の彼のデュエルディスクにはデュエルアンカーが付けられているため、デュエルの勝敗がつくまでこの場から離れられないようになっている。
それ故に、タイタンは亜鈴とのデュエルに勝たねばならなくなったのだ。早急の決着をつけるべく、タイタンはカードをドローしようとする。
「このターンで終わらせてやろォう……私のタ───」
刹那、周囲の景色が黒一色に覆われた───。
ライディーン「効果発動できなかったお……」
メルカバー「対象を取る効果をチェーン無しにランダムで無効にするモンスターばかりいたからな、相手フィールドには。だからしゃーない」
ライディーン「それをなんかアニメ補正で毎回成功しそうだもんな……今回は諦めるか」
メガラニカ「地属性が墓地にいるから、ライディーンの代わりに俺を出せばよくね?」
ライディーン「マスターがどうしても妨害枠を増やしたかったんだとよ、察しろ」
バースト・レディ「ちなみに十代のカード手裏剣になったのは私のカードだ」(ドヤァッ)
フェザーマン「は? 原作では俺がその役だったのに?」(半ギレ)