OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
作者「気力が……」
☆感想で指摘していただいた前回のプレミについて
・サンダー・ジャイアントの件→プラズマヴァイスマンと出す順番を入れ替えても問題ないってことにしといて……
・【三戦の才】について→他にあの状況で2枚ドローできるカードってあったっけ? 【強欲な壺】は次のターンでもう使ったし、【ホープ・オブ・フィフス】は条件的に無理だし……誰か教えてくれー(アニオリ以外での解決方法で)
十代とカイザーのデュエルを観戦したその日の夜。俺は自室で翔と一緒にタッグデュエルするために使うデッキの選定をしていた。
最初は翔の【ロイド】に合わせて機械族の融合テーマを使おうと思ったんだけど、生憎俺は翔をサポートするようなのを持ってない。転生特典のカード創造力を持ってしてもダメだったよ……
一応【ABCードラゴン・バスター・キャノン】セットは持っているけど、アレは【融合】カードを必要としない融合召喚で出るヤツだから……ってか融合すらしてねェ。合体しているだけであって融合してねェ。カッコ良くはあるけどさ……
「やっぱりここは機械族が中心のデッキでやるしかねェか。機械族でエースのレギュラスがいる【セリオンズ】は種族混合だから保留にして、どうしたものか……」
大体このタッグデュエルは、原作通りの退学を賭けたデュエルってわけじゃないけど、翔が輝く回でもあるんだ。なのに俺が目立つようなデッキもさすがに、な……
だからといって、翔の【ロイド】と相性の悪かったり弱すぎたりするのはダメだ。それこそ翔が目立つようなデュエルにならない。じゃあどんなデッキで組めばいいのやら……
『そんなに融合と機械族をサポートしたいのなら、カイザーと同じ【サイバー・ドラゴン】デッキを使えば良いのではないのか?』
「んなもん論外だわ」
ここでレイノハートがモリンフェンにエサとなるササミとレタスをあげながら、俺に【サイバー・ドラゴン】デッキのデッキを使えと言ってきたため、即答で却下したった。だがこれにはちゃんとした理由がある。
「言っとくが、何もお前の意見が聞きたくないからというワケでもないし、そんなことを思うメリットもない。けど、俺が【サイバー・ドラゴン】デッキを使わない理由は3つあるぞ」
『さらっと心外になるようなことを言わなかったか? いやそれよりも、理由とはなんだ?』
心外って、主人格と同化する前のお前の行動からしたらそう言わざるを得ないんだよ。今は違うだろうけど。いやそんなことよりも理由だ理由。
「まず1つ。転生特典を駆使した創造力に【サイバー・ドラゴン】デッキのテーマカードを採用していない。このGX世界にもうカイザーが使っているというのに、サイバー流の門下生じゃない俺が持っているだなんておかしいだろ?」
『……よく考えてみれば、確かにそうだな。あのテーマカードは校長に認められた者が受け持つことができるような代物だったしな』
うん。それにメインキャラが使うテーマカードは、そのキャラの特権としておきたい。部外者が持つわけにもいかんのよ。
「1つ。最初の理由にも当てはまるが、使えばさらに目立ちやすいから」
『目立ちたくない、か……寧ろそれが本音だろう?』
「ま、まぁそれもそうだが……門下生じゃない俺が【サイバー・ドラゴン】デッキを使ったとなれば、校長先生などから盗んだんじゃないのかと疑われて、色々と問題事が起きる。それを何としてでも避けたいし、問題事になればカイザーにも校長先生にも申し訳なくなる」
俺個人だけでなく、カイザーや校長先生、様々な方面で迷惑をかけてしまう。その上に『何故こいつがサイバー流のデッキを?』と疑われて、俺のアカデミア人生に悪影響が……寧ろそれを終わってしまう可能性が出てしまう。それは絶対に避けたい問題だ。
「最後に1つ。後攻ワンキルが決まりやすく、そのせいで【サイバー・ドラゴン】デッキがどのデッキよりも翔が活躍しなくなる確率が高くなるから。裏サイバー流こと【サイバー・ダーク】も混ぜたものならば尚更、だ」
翔が成長する絶好の機会を潰すなんてこと、俺にはできない。彼が心身ともに強くなってくれれば、今後のシリアス展開で十代達の力になってくれるはずだし。
『なるほど、【サイバー・ドラゴン】デッキを使いたくないのは分かった。だがワンキルしたくないのなら、そうしないような展開をしなければ良いだろう? 他にもワンキルできるテーマもあるし』
「手を抜いたらそれを疑われる可能性があるし、次の俺のターンが来るまでに負ける可能性もある。何より俺、負けるの嫌だから毎回手を抜いたデュエルやっても最終的には勝っちゃう。これは前世のマスターデュエルでの影響でな」
『あ、あぁ……』
マスターデュエルにはランク戦とかデュエリストカップとかあるだろ? 報酬のジェムが欲しいという目的もあるけど、やるからにはどうしてもより高いを目指してしまう性分なんだ、俺。
他の人達も色々な理由でランク戦やデュエリストカップを目指すだろ? それと似たようなものだ。だから今世でも目立ちたくないとか言いながらもどうしても勝ってしまう。少なくとも半分は矛盾しているような行動を取ってしまっている。
でもしょうがねーだろデュエリストなんだから。大体結果が大きく反映してくるデュエル・アカデミアなら尚更、な?
『それでしたら、その丸藤 翔とかいう少年に聞いてみたらいかがですか? タッグ相手の意見も聞かなければ、タッグデュエルとは言い難いかと』
と、ここで第三者の声が聞こえてきた。それもクールそうで可憐な声。しかもレイノハートのいた方向に。その方向に視線を向ければ、そこにはレイノハートに背後から抱きついているシェイレーンの姿が見えた。
「……おやおや、俺と会話している時にイチャついていらっしゃったんすか。ラブラブなのは良いことだ」
『その解釈やめろ。この女が今さっき勝手にこうしてきただけだ。シェイレーン、貴様も離れろ。離れながらでも会話できるだろ』
レイノハートが不服そうな表情でシェイレーンに抱きつくのをやめろと指摘するも、彼女は頬を膨らませながら首を横に振った。
『嫌です。レイノハート様、私というものがありながら、新しくできた精霊のお仲間に情を与え現を抜かすような真似なんかして……』
『やめろ‼︎ なんだその例えは⁉︎ 大体こいつの事はペットとしか見てないわ‼︎ そもそもオスだぞこいつは‼︎』
『モシャ?』
こいつなんでそんなにレイノハート推しなの? こいつが主人格と同化する前にしてきたことを忘れてないか? ってかどうしてレイノハートに惚れてんの? うーむ、分からん……
ってかよく見たらモリンフェンの奴、レイノハートから貰ったものではないだろうカレー入りのドローパンを食べてるんだけど。俺、今日ドローパン買ってない……あ、シェイレーンが餌付けしてたのか。いざという時のための味方作りとして。
「それよりも、相方に俺の使うデッキを決めてもらう、か……参考になるな。サンキュー、シェイレーン」
『どういたしまして。……そのお礼として、今夜レイノハート様と抱き合ってもよろしいですか? 色んな意味で』
『………………は?』
『モシャー?』
フフフ……なるほど、シェイレーンはアドバイスを送ったことで、俺にお礼としてレイノハートとセッッッ‼︎する口実がほしかったんだな。どんだけレイノハートに対する愛情が強いんだよ。お前の身に何があった。
「いいぞ。俺に見えないように、喘ぎ声が聞こえないようにな。そのためなら俺のデュエルディスクでフィールド魔法などを、俺の部屋に収まる大きさにして展開しても良し、だ」
『ハァッ⁉︎ マスター、貴様まで何を言っているのだ⁉︎ 大体アドバイス1つとそれでは対価というものが───』
『ありがとうございますマスター。残りの対価となるお礼は後々……』
「おう、いってらー」
無理矢理するような感じだったり、相手が子供だったり、浮気や近親相○だったりしなければ、セッッッ‼︎は何度やってもいいものだ。それを止めようなんて、ねェ?
シェイレーンとレイノハートの場合、レイノハートが無理矢理シェイレーンとセッッッ‼︎するような感じになるが、彼は前の行動が前の行動だから、ねェ……? それに、逆レイ○だったら強○さが高くなければOKだしね☆
『さぁレイノハート様、今宵はお互いに体をお好きなように……♡』
『待て待て待て待て待てェェェェェェッ‼︎』
真っ赤な顔をハートの形を作った瞳で息を荒げるシェイレーンに、何処かへと引っ張られながらも必死に制止したり逃げようとしたりするレイノハート。だがその抵抗も虚しく何処かへと連れ去られていった……
とりあえず、一言。
「リア充爆発しろ……ってな」
『モシャ?』
さーて、軽くデッキ調整したら俺も寝るとするか☆ なんか童貞としての虚しさが出ちゃったから、早く寝て翌日翔に俺に使ってほしいデッキが何なのかを聞かないとなー。
『ご、ご主人様がよろしければ、私の処女で童貞を……‼︎』
『ティルル、ステイだよステイ』
ティルルがなんか言ってたけど、ユベルが止めてたから気にしないでおくか。もう疲れた……
♢
翌日の放課後。俺は早速翔を自室に呼んでデッキについて聞いてみることにした。ちなみに他のイエロー生徒による差別がないか警戒していたが、その心配はなく翔はすんなりとイエロー寮に入れたようだ。
「───というわけなんだが、翔は俺にどのデッキを使ってほしいんだ? お前のデッキも活躍させてあげれればさらに嬉しいんだが」
「えっ……えっと……」
予想の範囲内であったのか、翔は俺が並べた複数のデッキを見て困惑した様子を見せる。そりゃそうだもんね。10を遥かに超える個数のデッキを並べられたもんね。戸惑うのも無理もない。
「お……多すぎて、どれを使ってもらった方がいいかなんて分からないよ……」
「そ、そうか……」
で、結局こうなっちゃうのか。確かにデッキが多いと、どれが1番相性が良いのか迷走しちゃって、頭の中がこんがらがっちゃうよな……これはしくじったかも。
「……あっ‼︎ じゃ、じゃあさ‼︎ ボクのデッキの弱点を補えそうな、そんなデッキを使ってもらう……ってのはどうかな?」
「弱点を補えそうな、デッキ?」
「うん。昨日調べたんだけど、タッグデュエルはお互いの弱点をカバーし合うものでもあるってのを知ったんだ。だからボクのデッキの弱点をカバーできるようなデッキを使ってくれたら、ボクも闘えやすいかなって、そんな気がするんだ。でも、ボクは自分のデッキの弱点が何なのかなんて分からずにいるから……」
「……なるほど、その発想はなかったな」
種族や戦術・スタイルに合わせるのではなく、味方のデッキの弱点をカバーするためのデッキを使う……そんな風にタッグデュエルのデッキを決めるという手もあるんだな。
今日まで味方のデッキスタイルに合わせようとしてばかりで、その方向性は考えてなかった……
となると、俺がデッキ選びをする上で視野に入れておくべき点となるのは……
「俺が強力なモンスターを出して相手に警戒させやすくするようなデッキで闘い、隙をついて翔の【ロイド】融合モンスターで攻める……ってのもアリだな。【ロイド】デッキはモンスターを除去されるのが1番苦手だというし、それなら俺のモンスター達で注意を引きつけやられることを考慮しながら回し、フィニッシュを決めてもらう……ってのはどうだ?」
相手タッグの注意が俺にいきやすくすることだ。自慢しているわけじゃないが、俺のデッキはどれも時代を先取りしたテーマのカードばかりだ。そのためこの世界のこの時代からすれば、チートとも言える効果を持つモンスターばかりを俺は持っている。
本来ならそのモンスター達を、様々な手段で除去されるのを防ぎつつ、効果を使って圧勝するのがウチの世界の主流……だと思う。だがこのタッグデュエルではそれを逆手に取る。
相手は俺の出すモンスターを除去するために様々な手段を使うことだろう。それらを全て吐かせた後、注目されなくなって除去される心配が少なくなった翔の【ロイド】融合モンスターのパワーで、一気に相手を押し返す……
「まるでカウンター戦法っすね……ボクにできるかな……」
正解。でも本番でそれが上手くできるかどうか不安のようだ。まぁぶっつけ本番のデュエルでも、確定した展開ができない中でどういう回し方をした方が正しいのか分からなくなったりすることあるし、不安になるのも無理もないよな。うん。
「そう緊張するな。誰しも緊張したらミスしやすくなるものだ。それによぉ、何かミスをしてしまったらそれをフォローする……そのためのタッグデュエルだろ? リラックスしながら、自分と味方を信じて本番に挑もうぜ」
「つ、翼君……」
パートナーがヤバそうだったら手を差し伸べる、これ重要ね。翔に余計な重荷を持たせるわけにもいかないし、何より彼には仲間のいる大切さを知ってもらいたい。だからこその行動ってわけさ。
「……ありがとう、翼君。前から君やアニキには助けられてばかり……でも、ボクも頑張るよ‼︎ 翼君や、いつかタッグを組むアニキの力になれるように、お兄さんにも負けないように、強くなってみせる‼︎」
あーらら、濁り無き瞳かつキリッとした表情ではっきりと言ってくれて……お前本当に1期目状態のキャラなん?
「その調子だぜ翔。だがそのためには……」
「うん‼︎ 1週間後のタッグデュエル、絶対勝とうね‼︎」
「おう」
相手はプロデュエリストだし、負ければペナルティがあるってわけじゃないけど……まぁ俺も負ける気がないから別にいいよな、滅茶苦茶本気になっても。
「……で、結局どのデッキで闘えばいいんだっけか? 元はそういう話だったよな?」
「あっ。………………つ、翼君の気分でいいよ……」
「気分で決めていいものなのか……?」
♢
そして次の日だが……
「
「ぬぉぉぉぉぉぉっ‼︎」
まさかの隼人が覚醒した証拠が明らかとなるデュエルが起きてました。しかも原作では敗北イベントとなるところで。
実は昨日、隼人の父・熊蔵さんが留年した息子を家業を継がせるために連れ戻そうとしたらしい。けど隼人が十代と関わったことでできた将来の夢・カードデザイナーを叶えるために残りたいらしく、交渉の末に翌日のデュエルでその意思をぶつけてみろという条件を出したらしい。
で、隼人にはアカデミアに残ってもらいたい十代と翔・そして見て見ぬふりができなかった俺で作戦会議を行い、俺が月末テスト前に渡したカードと追加で彼のデッキをさらに強化させたんだが……
「ライフを減らされず、3ターン目での実質ワンキルで隼人が勝つとか聞いてねェよ……」
デュエルの流れとしてはこうだ。
・まず隼人の先攻で始まり、【デス・カンガルー】を召喚して【融合派兵】で【ビッグ・コアラ】を召喚。伏せカードを出して終わった。
↓
・次に熊蔵さんはアニメカードが使えなくなった世界線だからなのか、【ちゃぶ台返し】の代わりであろう【ブラック・ホール】で2体を破壊し、【ジェネティック・ワーウルフ】を召喚してダイレクトアタックしようとした。この世界だと獣・獣戦士デッキ使いなのかな?
↓
・だが、そこで隼人が【
↓
・そして熊蔵さんが2枚のリバースカードを伏せて隼人のターン。ドローした【ハーピィの羽根箒】でそれら全て──【ジャスティブレイク】と【奈落の落とし穴】を破壊した。どれもめちゃくちゃ強力なモンスター破壊カードだったから、危なかったな隼人……
↓
・伏せの除去を終えた隼人は【竜魔導の守護者】を出して効果で【融合】を手札に、そのコストで捨てた【ビッグ・コアラ】をセット蘇生。そのまま2体目の【マスター・オブ・OZ】を融合召喚。
後はもう……分かりきった結果となったため、皆まで言うまい。
けど、ここまで強くなるなんて聞いてないぞ隼人よ……まぁそうなったのは大体俺がこの世界に介入したせいなんだけどさ。
「隼人よ、ここまで成長したとは思わなかったでごわすよ。おいがまさか1ターンでライフを全て持っていかれるとは……」
「いいや、これは俺1人の力によるものじゃないんだな。十代、翔、翼……俺の友達がデッキ作りに協力してくれて、カードもくれた。一から俺1人で考えてデッキを作ったわけじゃないから、俺としては負けたわけじゃないけど勝てたとも言えないんだな」
熊蔵さんに褒められても驕りなどせず、隼人は友達のおかげで勝てたのだと素直に話した。まぁ実際そうなんだけど。【デス・カンガルー】を渡したのも翔だし、【マスター・オブ・OZ】も十代から貰ったものだし。
それに、俺も融合セットだけじゃなく、羽根箒もカンガルー2枚とOZ1枚も渡したし……ね? ……アレ? 大半が俺の渡したカードじゃね?
ぶっちゃけ言うと、【
それでも隼人が自分で考えて入れたカードは少ない方だ。やっぱり俺達が隼人を強化しちゃったのかな……でもまぁ、この学園に残りたいという隼人の思いを確定で叶えられたからいいけどさ。
「そうか……いい友達を持ったな、隼人。友達は大切にしろよ」
「父ちゃん……うん‼︎」
気づけば熊蔵さんは息子の頭を撫で、隼人は涙を堪えながらも笑顔でそれに答えた。ちょっと待って? 何この涙ぐましい光景は。親子愛とかどれだけの人が微笑ましく見たり感動したりすると思ってんの。泣かせるんじゃないよ。
♢
そんなこんなで、ついにプロデュエリストとのタッグデュエルの日がやって来た。皆が皆、プロデュエリストのデュエルが見られると聞いてデュエルコートへとやって来ていた。
どうだお前ら、羨ましいだろ。俺と翔はプロデュエリストでデュエルできるんだぜ? しかも翔はオシリス・レッドなのにだ。嫉妬したかお前ら? だが翔には十代というアニキがいるんだ、翔に何かしたら彼にチクるからな? 俺が。
「それではこれよーり、特別実技デュエルを始めるノーネ‼︎」
このデュエルの審判を務めるクロノス先生がそう告げてきたので、俺は早速デッキケースに入れていたデッキをデュエルディスクにセットして、デュエルの準備を整えた。
「皆さんも知っていると思いマースが、このデュエルではシニョール翼とシニョール翔が、2人のプロデュエリストとタッグデュエルするという、正しく貴重な体験をすることになっているノーネ‼︎ 勝った記念があるわけでも負けてペナルティが出るわけでもないケレード、この激レアな光景を1秒たりともよそ見せず見ておくノーネ‼︎ しかしシニョール翼はともかく、何故ドロップアウトボーイのシニョール翔まで……」
今日のデュエルで何があるのかを改めて説明したクロノス先生、小声で翔の事を馬鹿にしやがった……‼︎ まだ初期前半の性格だから仕方ないとはいえ、教師が生徒の階級差別をするんじゃねェぞ生徒の鑑だろ。
「……で、俺達が相手をするプロデュエリストとは一体誰ですか?」
「急かすんじゃないノーネ。もうすぐここに来ルーニョ」
クロノス先生がそう言った途端、反対側の入り口からボクシングなどでの選手の登場に使われる、白いガス? 霧?みたいなのが噴出される。
なんだその仕様⁉︎ アカデミアはそんな機械の準備までできたのか⁉︎ いくらプロデュエリストが来るからとはいえ、演出凝りすぎだろ⁉︎
「えっ。何なノーネあれ……怖イーヌ……」
いや先生は知らんかったんかい。当日はこうなるって話、聞いてなかったんかい。学園側もタチが悪いような、そうでもないような……
と。そんな事を考えていたら、その入り口方面から2人の人物が出て来たのが見えた。
「ケッ。俺様がガキ共の引率になるような事に参加するとはな」
「おい
「ヘイヘイ、悪かったな
1人はアメリカ国旗のバンダナとサングラスを付け、無精髭を生やした大男──バンデット・キース。
もう1人は褐色の肌とクリーム色の髪を持つ細身の青年──マリク・イシュタール。
初代遊戯王の敵役を務めた(1人は章のラスボスを別人格に奪われた後にちゃんとした改心の描写あり)2人の男が、まさかのプロデュエリストとして俺達の目の前に姿を現した。
いや……キースは元アメリカのチャンピオンだったからなんとなくは理解できるけど、何故マリクまで? 改心してからどのようにしてプロデュエリストになったと言うねん。
「あれが、『復活のアメリカチャンピオン』バンデット・キースに、『墓守家の多彩なる魔術師』マリク・イシュタール……‼︎ ほ、本物だ……‼︎」
あの2人の過去云々を知らない翔は、本物のプロデュエリストが目の前にいるという事実に唾を飲み、一歩後退りするもその場で踏み止まった。
しかし、あの2人はどのようにしてプロデュエリストに……
『汝よ。今、ヲーが記憶の回路を通してググってやったぞ』
と、ここでラー様が話しかけてきた。いや何ですか記憶の回路って。さらって初めて聞くワード出すのやめてくれません?
『バンデット・キースはアニメオリジナルストーリーのデュエルで主人公から逃げた後、アニメ終了後に
あぁ、キースだけじゃなくペガサス社長もアニメルートで生存が確定していたんだな。いや、ペガサス社長はこの世界がGXの世界線である時点で生存が確定しているようなものか。
というか、ラー様の話を聞くにキースは訳あって恨んでたペガサス社長と和解した感じなのかな? ペガサス社長がキースをプロデュエリストに勧誘してたみたいだし、キースもそれに乗ったからまた人気者になったみたいだし……
うーん……ストーリー外での人間関係の良好化というものは、これほどまでにどうしてそうなったのだと考えさせられるものなのだろうか。実際あの時の2人はどのような会話をしていたのか気になるし……
『そしてこの世界のヲーの元主人……否、契約者とでも呼べば良いか? ま、どっちでもいいか。あの男──マリク・イシュタールは、プロリーグが設立されてからすぐ、海馬瀬人からグールズでの悪行を完全に伏せる事に協力する代わりに入れと言われたそうで、イシュタール家の安泰のために活躍していっているようだ』
1番プロデュエリストになった経緯が想像できないマリク……じゃなくてマリクさんの方は、どうやら海馬社長からの契約によるものでなったそうだ。
いくら改心して何処かで罪の償いをしているとはいえ、その隠してきた罪がいつ世間に零れ落ちてしまうかも分からない。そうならないための協力を煽る条件として、海馬社長が持ちかけたんだろうな。
正直に言って、表マリクが自ら舞台に立ってデュエルするなんてことは一度もなかった。だから彼がどんなデッキで俺達を迎え撃ってくるのか、期待が高まってしまう。けどネクロバレーはやめて……
「(良い情報をありがとうございます、ラー様)」
『うむ‼︎ またヲーの力が必要な時はいつでも貸してやらんでもない‼︎』
なんかちょろっとツンデレっぽいセリフが出た気がしたけど……ラー様は正直者だから、素直になれない部分があるわけじゃないし別に気にする必要ないか。
「さてと……ガキ共。今日は一応プロデュエリストである俺達がテメェ等の相手をしてやる。指導……っつーかレクチャーされる気分でかかって来な」
「あまり気を張らなくていいからな。ボク等も君達も、いつも通りの感覚でこのデュエルを楽しもうじゃないか。そうしてくれた方が、ボクとしては嬉しい限りだからね」
俺達の緊張を解くかのようにそう伝えてくれたマリクさんとキース。2人はそう言い終わると、揃って既に装着しているデュエルディスクを展開し、俺達の方を見ながら構えた。
「……翔、いけるか? お前のタイミングで合わせるからな」
「スゥ……ハァ………………うん、大丈夫。いつでも行けるっすよ‼︎」
「……その言葉、信じてるぜ」
翔に不安や緊張などといったのはないかと問いかければ、本人は身を引き締めた様子でそう答えながらデュエルディスクを展開していた。緊張で無理強いしていなきゃいいんだが……そう思いながらも、俺もデュエルディスクを展開させ、いつでも準備万端であることを示した。
「両者準備は出来たみたいナーノ……それでは、始める前にルール説明をするーニョ‼︎」
うん、だよね。タッグデュエルを見るのが初めての人に対して、改めてルール説明をすることは大切だもんね。じゃないと把握してない状態で見てもちんぷんかんぷんになるし。
そして、タッグデュエルのルールは以下の通りとなっていた。
・ライフポイントは1チーム8000で共有
・フィールドと墓地のカードは1チームで共有
・カードが手札、デッキ、融合デッキ(エクストラデッキ)に戻る場合は元々のプレイヤーの各ゾーンに戻る
・AとCのチーム、BとDのチームに分かれ、Aが先攻の場合、ターンの流れは以下の☆の通りとなる
☆A → B → C → D → A
・攻撃は2ターン目のプレイヤーから行う
※上記の流れの場合、Bが攻撃可能
・相手のカードに対してカウンターでカードを使えるプレイヤーが限られる(AのカードをカウンターするプレイヤーはDとなる)
うん。改めて聞くと、OCGやデュエルリンクスのタッグトーナメントと同じルールだな。これなら俺がルールミスする心配はない。
さて……そろそろ始まるし、いくか。
「それでは、デュエル開始ナノーネ‼︎」
「「「「
翼&翔
LP:8000
マリク&キース
LP:8000
Q. どうして迷宮兄弟にしなかったのですか?
A. 原作の制裁デュエルでプロ扱いされてない感じだったから、あの2人は用務員かなと……
Q. キースとマリクをプロデュエリストとして出した理由は?
A. キースを無理矢理光堕ちさせたかったのと、表マリクのデュエルが見たいから。