OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜   作:名無しのモンスター

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前回のあらすじ

タッグデュエルは意外と多い文字数で作られていたッ‼︎


前回の感想が、1週間経っても来なかった……何故? 原作の時系列的に良いタイミングで出したユーフォロイド・ファイターが出てるんだぞ? なのに何故? 別の小説出してバックれてもいい?
 


海馬コーポレーションにて……

 

 海馬コーポレーション。通称:KC。

 巨大遊園地『海馬ランド』をはじめとするエンターテインメント事業に力を注いでいるのと同時に、『デュエルモンスターズ』関連の事業展開をメインとしている会社である。

 デュエルモンスターズは元々、I2(インダストリアル・イリュージョン)社が開発したものであった。だが、その企業の社長であるペガサス・J・クロフォードが謎の瀕死の重症を負ったことにより、海馬コーポレーションが合併という形で取り込み、現在に至っている。

 

 閑話休題。

 

 その企業のビルの最上階。そこにある社長室にて、1人の男性がパソコンに映し出されている映像を凝視していた。

 その男性は、青色の瞳で、頭部中央が少し長めのマッシュルームヘアーの様な髪型をしており、襟の立った白銀色のコートを着用していた。さらには首元には、幼い2人の男の子の写真が入っているカード型のペンダントを掛けていた。

 彼こそが、この海馬コーポレーションの社長・海馬 瀬人。アカデミアの創立者かつオーナーであり、ソリッドビジョンを中心にデュエルモンスターズを世界中に発展させ大成功を成し遂げた男でもある。

 

 その男──海馬 瀬人が映像を最後まで一通り見終わると、彼の目の前で、手を後ろに組み直立で待機している、黒いサングラスを掛けた黒スーツの部下・磯野の方に視線を向けた。

 

「……念入りにもう一度確認させてもらうぞ、磯野。これがプロリーグの奴らが記録した、アカデミアでのラー・イエローとオシリス・レッドのタッグ、そして2人のプロデュエリストのタッグによるデュエルの映像……というヤツだな?」

「ハッ‼︎ 実際に撮られている映像と書類の結果に間違いはありません‼︎」

「ふぅん、そうか……タッグデュエルでとはいえ、プロを倒すデュエリストが出るとはな……今年のアカデミアの生徒は期待しても良さそうだ」

 

 アカデミアの生徒とプロデュエリストのタッグデュエル、実は海馬コーポレーションが仕向けたものでもあったのだ。

 その動機の1つが、先程海馬が呟いていたように、新しく入ったアカデミアの生徒の実力を測るためであった。

 対戦相手をプロデュエリストに拘る気はなかったようだが、とある1人のアカデミア教師と、その者との縁のある者の推薦があった。そのためなのか、海馬はこれに了承し、翼と翔をマリクとキースの2人に戦わせたようだ。

 結果、2人の生徒を中心に他の生徒達の成長に、海馬はさらなる期待を持つようになったのだ。丸藤のような、カイザーに並ぶ存在の生誕を祝う体制を整えようとしているかのように。

 

 そんな中、磯野が恐る恐る、海馬に何かを問いかける。海馬を恐れているわけではなく、別の事に対して、だ。

 

「……瀬人様。僭越ながら、1つお聞きしたいことが」

「何だ、磯野」

「ラー・イエローの王辻 翼が使用されたカードの何枚かに目をつけ、さらには【極炎の剣士】……そのモンスターまでをも深く凝視しておられましたが、何か気がかりな事がありましたでしょうか……?」

 

 そう……磯野は翼が使ったカードの一部と、それらを興味深そうに見ていた海馬に対し、不思議だという感情を抱いていた。

 海馬は元々、現在のデュエル・アカデミアに通う生徒達の実力がどれほどのものなのか、それを軽く測るだけの目的でタッグデュエルの時の映像を確認していたはずだった。

 だが、その途中で海馬は一瞬目を見開き、冷静沈着さを維持しながらも前のめりになりそうな様子となった場面があった。それが……翼が融合素材を用いずに、【炎の剣士】とその強化形態である【極炎の剣士】を使った場面である。

 

 【炎の剣士】は本来、【炎を操る者】と【伝説の剣豪MASAKI】を素材として融合召喚することで呼び出される。しかし、翼はそれを素材や素材代用の効果を持つモンスター無しに、【炎の剣域】によって正規の召喚を行ったものとして扱いながら呼び出した。

 さらに大サービスだと言わんばかりに、次の翼のターンでは、融合モンスター【闘気炎斬龍】と共に融合素材にして出せる超強化モンスター【極炎の剣士】も、【炎の剣士】ととある装備魔法を組み合わせることで、簡単に呼び出してしまったのだ。

 脱法召喚というやり口での、融合デッキからの融合モンスターの特殊召喚なら偶に発生する程度であることだろう。しかし、翼が呼び出した融合モンスターは、どれも融合召喚扱い…正規の融合召喚として扱われることとなっていた。これは極めて異例中の異例である。

 

 それ故に、磯野は思ったのだ。『なんちゃって正規融合』とでも言われるようなカードが……デュエルモンスターズのカードバランスを崩しかねているカードが世に出ていることに、海馬は遺憾さを感じているのではないか。癪に触られたと思っていないのだろうか、と。

 だが、その疑念を否定するように、海馬は首を横に振った。

 

「……俺が目をつけているのは、このモンスターにでも王辻 翼が使ったカードのいくつかについてでもない……王辻 翼自身についてだ」

 

 海馬がそう口にしながら、映像に映し出されている翼に人差し指を当てた。

 

「王辻 翼に……ですか?」

「あぁ。思い返してみろ。最近のデュエルモンスターズは、ある程度の……いや、かなりのパワーインフレーションが激しく出ているカードが、俺達の知らぬ間に不思議と多数実装された。それも、この俺やペガサス達が発案した覚えのないカードが大半だった……」

 

 説明しながら、海馬はとある資料の紙を扇子のようにデスクに広げた。その資料に表示されているのは、複数のカードのデータ。

 

 墓地のモンスターを回収しながら2枚ドローし、モンスターの再利用が見込める【貪欲な壺】。

 好きなタイミングで手札から捨てる事で墓地のカードを除外し、対象を失い不発にさせられる【D.D.クロウ】。

 自分のターン限定とはいえ、墓地から除外する事でもう一度相手フィールドのモンスターの効果を無効にできる【ブレイクスルー・スキル】。

 相手がモンスター効果をメインフェイズに発動したターン、禁止カード級の3つの効果から1つを使用できる【三戦の才】……

 

 これら全て、海馬コーポレーションやI2(インダストリアル・イリュージョン)社が発案したどころか、どの会社でも裏で開発されたわけではないカードばかりだと、海馬は語る。

 それらのカードが、気づかぬ内に多く実装されていっている。一般では異常にという程の数はないものの、この現象に世間は一時戸惑いを見せていたとか。

 

「よ、よく考えると、そのようなカードばかりが出てきているような………………ま、まさか⁉︎」

 

 そんな事が……そのような事実があっても良いのだろうか。海馬が何を伝えようとしているのかを理解したのか、頬から冷や汗を流し、唾を飲む磯野。これから彼が語る事に対する疑念を抱きながら。

 

「そうだ磯野。そのパワーインフレーションが激しく出ているカード達の発信地が……」

 

 映像に映し出されている翼の部分を拡大し、答えを示すように続けた。

 

「王辻 翼。奴にある可能性が出ている……ということだ」

 

 たった1人の、本人自身には何の力も持っていない雰囲気を持つ少年。彼が様々なパワーインフレーションの激しいカードを多く実装させた元凶──否、始祖だとでもいうのか。磯野の心に、またもや疑念が浮かぶ。

 

「たった1人の少年から……ですか? 信じられないですね……」

「俺も最初はそう思ってはいたのだがな」

 

 磯野の心境にある程度寄り添うように、海馬は彼の意見に少なからずとも同意するような発言をする。

 しかし実際、翼がパワーインフレーションの発端者ではないかという意見を出している事実に変わりない。それを表すように、言葉を続ける。

 

「だが、あの凡骨……城之内も使用していた【炎の剣士】を中心としたカードを複数枚使っているのを見て、その可能性が大きく出た。何せ、あの凡骨はそのようなカードは1枚も持っていないみたいだからな」

「た、確かに……問い合わせてみたところ、本人もそのようなカードを持っていないとお聞きしましたし、その証拠に所持していたカードを我々にだけ見せるように画像を提供してもいました」

「そこまでする程に俺達を疑っているのか? ふぅん……ある意味、おめでたい奴だ」

 

 ……何やら特定の人物に対する虐げたような言葉が出ていたのだが、それを発した海馬は話題を戻す。

 

「だからこそ、俺は奴……王辻 翼について、色々と知らなければなるまい」

「知らなければならないって、まさか……」

 

 またもや磯野の頬に冷や汗が流れる。しかも額にも含め、大量に。まるで不吉な予感を察してしまったかのような、そんな不穏感だ。

 

「奴を俺のところまで招き入れさせてやる。磯野、準備をしておけ」

「ハ……ハハッ……‼︎(やっぱりかと思った自分が憎い……‼︎、王辻 翼、ご愁傷様だ……)」

 

 この時、磯野は翼に対して心の中で合掌し、アカデミアにいてそれを知らない翼は1人、疑問に抱きながらくしゃみをした。

 

 

 

 

 

 

 プロデュエリストとのタッグデュエルを終えた俺氏と翔、マリクさんに『次は本命の【墓守】デッキで戦えることを祈るよ』と言ってもらえる程の評価をいただきました。

 あのデュエルで使ってた【マシンナーズ】は本命のデッキじゃないのか……まぁ墓守一族ってんなら、【墓守】デッキを使いたいのが本望だろうな。ちなみにイシズさんとリシドさんは【墓守】デッキを使ってないらしいけど。オイ墓守一族。

 

 そんなこんながあり、気がつけば数日も時が過ぎていた。まぁアニメでも前話から何日過ぎたのかという細かい設定がないわけだし、別に気にすることではないだろうけど。

 ちなみにこの日は、デュエルモンスターズの学園なのに野球の試合があって、オシリス・レッドとラー・イエローの合同試合で俺達イエローが勝ったってイベントを終えた。

 俺はこの時、正直に言って安打で一塁に行くかホームランと思いきや外野フライでアウトになるかのどちらで、目立った活躍はなかったけど……

 あ、最終回では結構良成績のピッチャーをしていた十代相手にランナー2人を出せるようにして、ツーアウトから三沢にサヨナラホームランを打たせてあげたから、多分そこだけ程々の活躍はした……はず。

 

 で、明日には三沢と万丈目の寮の入れ替わり戦があるとの話を聞いた放課後。イエロー寮に戻って神楽坂のリスペクトデッキの相談にでも乗りにいこうかと考えながら、校舎を出ようと靴を取り出そうとしたら……

 

「シシシシシシ、シニョール翼ー‼︎ ちょっと待つノーネ‼︎ ステイ‼︎」

 

 何故かクロノス先生が、俺のところへと走って来た。しかも何やら資料が入ってそうかA4サイズの封筒らしきもの──封筒そのものを持ってきて。うわお、息切れしとる。

 

「どうしたんですかクロノス先生。教師なのに慌ててここまで走ってくるとは珍しい」

「ハァ……‼︎ ハァ……‼︎ た、大変ナーノ‼︎ ヤ、ヤバすぎーな報告が入ってきたノーネ‼︎」

「ファッ⁉︎ ま、まさか、退学案件……⁉︎」『『『『『『(ガタッ)』』』』』』

「んなわけナッシングッ‼︎ ラー・イエローの中で、シニョール三沢に続いて優秀で礼儀正しいシニョールが、どうして退学にならなければいけなイーニョ⁉︎」

「そ、そうですか。なんかすみません……」

 

 でも俺に対してヤバすぎな報告を伝えに来たということは、ぶっちゃけ『そういう方面』なのかと……十代達を止めるためとはいえ廃寮前まで来てましたし、バレてないとは上に訳があってとはいえ、2・3回も夜中に外に出てましたし……

 ってオイオイ。ティルルをはじめとした精霊達が、怒っている表情(ほとんどが鬼を彷彿させるヤバい形相、ただしティルルはそんな形相にはなってない)をしてクロノス先生を睨んでたわ。先生の口から否定してくれたはずなのに、まだ怒りが収まらないってか?

 怒り心頭に発している精霊達を、ラー様とユベルが宥めているのを横目に見てから、もう一度クロノス先生の方へと視線を向け直す。

 

「じゃあ一体何があったというんですか? とりあえず落ち着いてから教えてください。水あげますんで」

「た、助かルーニョ……ゴクゴク……プハァ‼︎ 生き返ったノーネ‼︎」

 

 気まぐれで買ったペットボトルの水(結局この時まで飲まなかった)を差し出し、クロノス先生を落ち着かせた俺氏。伝手には分かりやすく説明してもらいたいからね、落ち着かせる必要があるってわけ。

 

「んデハ、報告の件デスーガ……この中身を見てほしいノーネ」

 

 そう言って、先生は手に持っていた封筒を俺に渡してきた。どれどれ、中身は……ん? 手紙か?

 

 

『拝見 デュエル・アカデミア ラー・イエロー所属 王辻 翼 様

 

 突然ですが、12月○日 日曜日にて、貴方を海馬コーポレーション社長・海馬 瀬人様にお会いいただきたく存じます。

 当日にてデュエル・アカデミアまでお迎えに参りますので、最低でも以下の文に記載されている持参必須の物を用意してお待ちください。

 

 海馬コーポレーション 一同』

 

 

『持参必須

 デュエルディスク

 王辻 翼 様が持参しているデッキ全て

 尚、これら含め持参してきたもの全ては、王辻 翼 様がデュエル・アカデミアに帰還する際に必ずお持ち帰りできるよう配慮しますので、そこのところはご安心ください』

 

 

 ………………えっ?

 

「……海馬コーポレーションからの、手紙?」

「ノーネ」

「この書かれた日にちに、その企業の人がお迎えに来て、海馬社長に会うことになる……と?」

「ナノーネ」

「………………………………」

 

 

 

 何故だァァァァァァァァァッ⁉︎

 

 

 

 って叫びたかったけど、今は校舎の中なので心の中だけにしといた。

 というか、何故海馬コーポレーションにお呼ばれすることになったのでしょうか俺⁉︎

 未発売のカードを使ったことなら、試験デュエルで【ドラゴンメイド】を使った後すぐに呼ばれてもおかしくないはずだが……本当に何故このタイミングで? むむぅ……正直お呼ばれされる心当たりがない……

 

「……ん? 中にまた何か入ってるような……」

 

 ふと、封筒の中に他にも何かが入っているのが見えたため、俺はそれを取り出してみることにした。なんだか高価な飾り板っぽいが……

 

「ファッ⁉︎」

「シニョール翼、一体どうしたノーネ───ファッ⁉︎ そ、それは⁉︎」

 

 封筒から完全に取り出した途端、俺は思わず愕然とした声を上げてしまった。なんだなんだという反応をしていたクロノス先生も、飾り板らしきものを見た途端に同じ声を発した。

 何故なら、この飾り板には……

 

 

 

 この世界では世界に3枚しかない──それもそれも海馬 瀬人が所持している──伝説のカード【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)】が、二重のカードプロテクトとガラスケースの中に厳重に入っていたのだ。

 

 

 

 しかも、同梱して飾り板に貼られていた手紙にはこう書かれていた。

 

 

『王辻 翼 様に少しでも我々の事を信用していただけるよう、新しく【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)】のカードを制作いたしました。このカードは売却などで手離さない限り、王辻 翼 様のお好きなように使用していただいて構いません』

 

 

 つまり……この【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)】は、初めから俺が使っていいということになっているというわけだ。

 

「……いや、俺を自分達の会社に連れてくためだからって、そこまでするゥ? 『前金やるから逃げるな』って言ってるようなものじゃん……」

 

 本物かつ作りたての、5枚目(訳あって4枚目は損失されてる)の【青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)】に呆然とし白目で口をパクパクとさせているクロノス先生を余所に、俺はなんとか冷静さを取り戻そうと呆れ気味の溜息をつきながらそう呟くしかなかった。

 ホント、どうしてこうなったんですかね……?

 




次回 翼、海馬コーポレーションに向かう……

嘘です。まだです。冬休み中に行かせるので1つ原作回を挟んでおきます。出したい奴がいるんでね。
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